プレイ人数 |
3~5人 |
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対象年齢 |
10歳以上 |
プレイ時間 |
30分 |
ゲームデザイン |
黒井 龍 |
パッケージイラスト |
九月姫 |
ディベロップ |
安田均/グループSNE |
価格 |
1800円(税別) |
発売 |
2015年9月発売 |
+ゲーム紹介 |
我々はドラゴン部族のリーダーです。
繁殖期に生まれたドラゴンの卵は、最も多くの財宝を集めたドラゴン部族に託されます。それはだれもが欲しがる、とても栄誉な役目。
今年はその役目を巡ってコンテストが開かれることになりました。他部族のリーダーを出し抜き、集めた財宝を上手く使って、1つでも多くの卵を手に入れましょう! このコンテストで最も多く卵を集めた部族に、すべての卵が託されることになります。
「結局、金(財宝)がすべてやないかい!」と思われるかもしれませんが、いえいえ、そんなことはありません。部族のリーダーとして重要なのは、なにより「知恵」なのです。
では、簡単にゲームのルールを説明していきましょう。
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■カードの種類
『ドラゴンズ・エッグ』では以下の3つのタイプのカードを使います。
1.卵カード
カードには1~4個の卵が描かれています。ゲーム終了時、獲得したカードに描かれた卵の数がいちばん多いプレイヤーが勝利します。
2.財宝カード
各プレイヤーは自分の色の財宝カード11枚を受けとります(0~10まで各1枚ずつ)。これを使って、場に置かれた卵カードを競りおとします。最も高い数字を出したプレイヤーが競りに勝ちます。1回使うと(競りに勝っても負けても)捨て札になります。
3.能力カード
「競りの補助」カードとルールブックにはありますが、じつはすごく強力です。このカードの使い方がゲームの勝敗を分けると言ってもよいでしょう。
財宝カードの数字を変更したり、他プレイヤーの邪魔をしたりするカードが6種類計27枚あります。まずゲーム開始時、全員に1枚ずつ配られます。
■プレイの手順
毎ターン、競りの対象となる卵カードが(基本は)1枚オープンされます。
これを巡ってプレイヤー間で熾烈な争奪戦が行われます。争奪戦(競り)は以下のような手順になります。
- 財宝カードの選択
- 能力カードの選択・解決
- ターン勝者の決定
1.財宝カードの選択
スタートプレイヤーから時計回りに財宝カードを出していきます。財宝カードは2枚まで出せます。1枚しか出さないときは裏向けに、2枚出すときには1枚を表向けに、もう1枚を裏向きに出します。
2.能力カードの選択
能力カードを1枚ずつ引きます。能力カードはゲーム開始時に1枚ずつ配られていますので、この時点で計2枚。そのうち「必ず」1枚をプレイしなければなりません。それが不可能な場合(あるいはプレイしたくない場合)は1枚を表向きに捨て札にしなければなりません。
全員が能力カードを1枚選びおえたら、いっせいにオープンします。能力カードには優先順位が決められており、優先順位0から順に解決していきます(同じカードが複数枚出された場合はスタートプレイヤーから順に見ていきます)。能力カードの効果を使うかどうかは、出したプレイヤーの自由です。
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プレイ風景 |
3.ターン勝者の決定
能力カードを解決した後、最も高い財宝カードを出しているプレイヤーが場の卵カードを獲得します。
左隣のプレイヤーがスタートプレイヤーマーカーを受けとり、上記の手順を繰り返します。次の競りのための卵カードがなくなるか、全員の財宝カードがなくなるかしたら、ゲーム終了。その時点で最も多く卵を獲得しているプレイヤーがゲームに勝利します。
いかがでしょう、じつにシンプルじゃありませんか。
ところが、これ、遊んでみると、本当に悩ましいのです。というわけで、個人的に感じた「悩ましポイント」をいくつかピックアップします。 |
+『ドラゴンズ・エッグ』、悩ましポイント |
☆もっと卵、産めよ、ドラゴン!
卵カードは全13枚、卵総数は29個。しかも、能力カードの効果で卵カードが除外されたりするので、実質競りにかかる卵カードは10枚くらい。それを11枚の財宝カードで競り落とすのだから大変。財宝カードは使ったら勝っても負けても捨て札になります。調子よくカードを2枚ずつ出していって早々と手札がなくなったら、あとはただ指をくわえて見てるだけ。勝負に出るタイミングが実に難しい。
世界の平和のために、もうちょっと卵、産んでよ、ドラゴン……
☆龍の逆鱗に触れたら、そりゃエラいことだ!
2枚だけある能力カード「龍の逆鱗」は場に出されているすべての財宝カードと能力カードを捨て札にします。卵カードはゲームから除外。「龍の逆鱗」の優先順位は0(いちばん早い)ので、ここぞと思って出した能力カードや高い財宝カードもすべてチャラ。
ま、龍の逆鱗だからしょうがないね――って納得できんわっ!
もう一つの「悩ましポイント」がこうしたカードの効果で、裏向けの財宝カードが捨て札になるとき。裏向けのカードは裏向けのまま捨て札にされます。捨て札の財宝カードは他人のものでもいつでも確認できるんですが、裏向けのカードは見ちゃいけません。つまり、最後まで誰の手札にどんな財宝カードが残っているのか、「当て推量」の要素が残るのが楽しく、悩ましい。
☆卵1個ぐらい捨てて――いいのか?
手札に財宝カードがあるかぎり、競りには必ず参加しなければなりません。でも、カードを温存するためにパスをしたい。そんなときは、獲得した卵カードを1枚ゲームから除外することで「パス」をすることができます。
他プレイヤーより多く手札を残しておくほうが有利なのは間違いないのだけれど、だからって勝利条件となる卵カードを捨てちゃっていいのか悪いのか、この見極めも難しい。
☆なぜ、いまそのカードを出す?
競りに使う財宝カードは全員同じ構成(0~10各1枚ずつの11枚)。つまり、まったく同じ数字になることもあるんじゃないか――はい、そのとおり。
そんなときは「オフセット(相殺)」が起こり、2番目に高い数字を出したプレイヤーが卵を獲得します。
卵4個のカードを狙って、虎の子の財宝カード「10」を出したのに、相殺されちゃった日には泣くに泣けません。
相殺が複数回起こったりして決着がつかなかった場合には、卵カードは場に残ります(次ターン2枚の卵カードを競ることになる)ので、競りがさらに白熱すること必至。
そうそう、上に挙げた「龍の逆鱗」が効果を発揮した次のターンも卵カードは2枚引かれます。なので、場に卵カードが3枚4枚と出ることもありますね。
☆やつらは戻ってくる!
財宝カードは1回使いきり。卵カードが捨てられるときには「ゲームから除外」。だけど「能力カード」は捨て札をリシャッフルして再利用します。つまり「龍の逆鱗」は2枚しかないからと安心してはいられないのです。うっかり者たちが何度も龍の逆鱗に触れてしまう(3回以上プレイされることがある)ので注意が必要です。
もう一つ、能力カードは財宝カードをプレイした後に1枚引きます。じっさいに遊んでみると、このルールがじつに悩ましく、「ああ、これ引くんやったら、財宝カードは別のにしたのに」とほぞを噛むこともけっこうあります。
最後に「龍の逆鱗(優先順位0)」以外の能力カードを簡単に説明しておきましょう。
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優先順位1「龍の鋼鱗」
自分の財宝カード1枚を他の能力カードから守る。 |
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優先順位2「龍の眼光」 裏向けの財宝カード1枚を確認した後、自分の財宝カードを手札に戻してもよい。 |
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優先順位3「龍の両翼」
財宝カード2枚を入れ替える(他人のものでもよい)。 |
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優先順位4「龍の宝珠」
財宝カードの数字を2倍にする(ただし、財宝カードを1枚しか出していない場合にかぎる) |
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優先順位5「龍の爪牙」
財宝カード1枚を捨て札にする(裏向けのカードは裏向けのまま)。 |
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ついつい「悩ましポイント」に熱弁をふるってしまいましたが、ルール的に複雑なところ、混乱するところはまったくありません。うーむ、と悩みながらも、大笑いしながら遊べる楽しいゲームです。
ルールを読んですぐにはじめることができるので、あまりゲームを遊んだことのない人にもお勧めです。もちろん、ツワモノ同士で丁々発止の戦いを繰り広げることもできます。
グループSNEの自信作、ぜひお試しください! |