コンピュータゲーム『ラプラスの魔』からスタートし、小説、TRPG、ゲームノベル、ボードゲームと、幾度も形を変えて進化を続けるSNEのロングセラータイトル『ゴーストハンター』。
そのTRPG版が新たな装いで3度目の登場。
2002年発売の『ゴーストハンターRPG02』と、2013年発売の『ゴーストハンター13タイルゲーム』が融合し、カードやタイルを使うことで視覚的にわかりやすく短時間でカジュアルに遊べる新しいスタイルのBOX型RPGになりました!
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ゴーストハンター03
監修 |
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安田均 |
ゲームデザイン |
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石野力/グループSNE |
イラスト |
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弘司、槻城ゆう子、あわじひめじ |
プレイ人数 |
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3~5人 |
プレイ時間 |
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60~90分 |
年齢 |
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12歳以上 |
発売日 |
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2017年1月20日 |
価格 |
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4,500円(税別) |
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■■ 『ゴーストハンター』シリーズの進化! |
『ゴーストハンター03』はプレイヤー扮するゴーストハンター(以下、GH)たちが、各自の持つ異能を駆使して怪事件を解決するホラーRPGです。
ゲームマスター(以下、GM)がシナリオの準備と進行を担当し、GHたちが協力してそれに挑む、というRPGの基本の流れに大きな違いはありませんが、これまでと違う新要素にして最大の特徴が、手がかりカードを使ったストーリーのフローチャート。
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矢印の方向に順番に開いていきます
間を飛ばして開くことはできません |
手がかりカードには、シナリオのキーになる情報が書かれていて、端から順に開いていくことでシナリオに隠された事件の真相を突きとめていきます。
分岐を作ればストーリーの幅が広がり、多角的にシナリオを紐解く楽しさが加わります。
少ないカード枚数の簡単な事件からたくさんの分岐のある複雑なシナリオまで、自由自在に表現することができます。
また、カードに書かれているのが漢字1~2文字なのも大きなポイント。
漢字には複数の読み方や意味があるので様々な解釈ができるのが面白いところ。シナリオの重要な情報であるとともに、解釈の違いが時にGHたちを惑わすこともあるでしょう。
手がかりカードを開くには、シナリオ作成時に設定された手がかりポイントが必要になります。
手がかりポイントは、GHたちがタイルを使ったマップ上を探索したりイベントを解決する等の方法で集めることができます。
使用された手がかりポイントは反転してGMが使う大罪ポイントになります。
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ポイントのチットは、片面が手がかり(手のマーク)、もう一方が大罪(蛇の目)になっています |
大罪ポイントは、事件解決を阻む障害となる大罪カードを使うためのポイントです。
大罪カードは7つの大罪になぞらえた名前と効果が書かれた7枚のカードで、使いどころによってはGHたちが一気に追い詰められてしまうような局面もあるでしょう。
手がかりを開いてクライマックスへ向かうほど、困難な状況がGHたちの前に立ちふさがることになり、シナリオがより面白おかしく波乱に富んだストーリーになること間違いなしです!
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■■ 新たなキャラクター! |
『ゴーストハンター』シリーズでは、草壁健一郎、モーガン、アレックス、ヴィンセントといった『ラプラスの魔』からお馴染みのキャラクターたちが、タイルゲームでも箱絵を飾ったり基本セットのキャラクターとして登場しています。
が、今回は箱絵に草壁さんが登場しているものの、彼以外はすべて新規のキャラクターなのです!
イラストは『ゴーストハンター』シリーズのメインイラストレーター、弘司さん。
アーキクラス6種に合わせて新調された個性的で素敵なサンプルキャラクターたちを見ていると、背景設定などいろいろ想像力がかきたてられますね。それらはぜひ、今後のストーリー展開をご期待ください!
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■■ 『ゴーストハンター03』の遊び方! |
『ゴーストハンター03』の遊び方の細々した部分をご説明していきましょう。
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■ ゲーム進行はターン制
『ゴーストハンター03』は、タイルゲームの流れをくんでゲーム進行はターン制になっています。
シナリオには制限ターンが設定されている場合があります。
各ターンの移動歩数は3タイル分、未探索タイルに入ったら移動歩数に関わらず移動終了になるので、それを踏まえて誰がどこで何をするのかみんなで協力し、残りターン数には常に注意しておきましょう。
とはいえ、タイルゲームのように時計回りに手番が回るわけではなく、各ターンのGHたちの行動の順番は自由に相談して決めることができます。
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■ 探索と判定
GHたちは事件を解決するため、マップ上で探索を行い手がかりポイントを集めていきます。
その際の判定は、ダイスではなく1~10の数字の書かれた判定カードを使用します。
この判定方法も『03』になって新しくなった要素のひとつです。
能力値判定 |
指定された技能と能力値を確認
↓
技能のレベル枚数カードを引く
↓
能力値と同じ数字のカードがあれば1枚につき成功数1
成功したカードの数字合計は達成値になる(戦闘のダメージ等) |
判定カード1 アンラッキーカード
全体から成功数を1減らす
成功数がマイナスになったら狂気カードを1 枚引く |
判定カード10 チャンスカード
自動的に成功数1、達成値2
もう1枚引いたカードが成功だったら成功数2
戦闘時は新たに引いた方のカードの数字を2倍する (このカードの数字10は加算しない) |
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たとえばサンプルキャラのミスティックが文献判定をしました。
ミスティックの文献は2レベルなので、判定カードを2枚引けます。
文献に対応する能力値は知性で、ミスティックの知性は6と8。
まず1枚目は5で失敗。もう一枚目は8だったので成功数1になりました。 |
ちなみに、このゲームの判定は、かなり成功率が低いです!
技能が0レベルの場合は、判定すらできません。
何故なら、ホラーといえばいろんなことに失敗して状況が悪化して緊張感が高まっていくのが面白いからです!
けれど物語には、ここ一番の見せ所や、ここで失敗したら全滅する! という場面ってありますよね。
そんな時には、通常の判定の代わりに幸運判定ができます。幸運判定は、あらゆる判定の代替にすることができます。
幸運判定 |
判定カードを1枚引く
↓
現在の幸運値以下なら成功 |
幸運値は結果にかかわらず判定するごとに一段階ずつ下がっていく
幸運値はシナリオ毎に回復
1と10は数字だけを見て、アンラッキー/チャンスは適用しません |
もしも、幸運判定をしてもダメだった!
そんな時には最後の手段がもうひとつ。
狂気カードを1枚引くことで成功数1を得ることができます(達成値は0として扱う)。
ただし、その狂気カードによって「発狂」という新たな危機が訪れるかもしれませんが……。
○ 戦闘
基本的には判定と同様、攻撃に使う技能枚数のカードを引いて対応する能力値と同じカードがあれば攻撃があたります。
戦闘の場合は成功したカードの数字そのものがダメージの値になります。複数成功していたら合計し、チャンスカード後に引いたカードが当たりならそのカードの数値が2倍になります!(チャンスカードの10は加算しません)
突然とんでもないダメージをうけてしまうこともあるので、相手がたとえ小さなネズミであっても油断は大敵です。
タイルゲームと同様に戦闘から逃げることは簡単なので、不要な戦闘は積極的に逃げて力を温存するのが得策です。 |
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■ 狂気カード
狂気カードは、ジョーカーを除いた52枚のトランプを使った、初期時代から引き継がれている『ゴーストハンター』シリーズの真骨頂とも言うべきシステムです。
GHたちは狂気カードのアイコンがついているタイルに入ったり、シナリオのイベントなどで指示された時、先ほど説明した判定失敗時などに狂気カードを引きます。
引いたカードが2~10の数字札だった場合、その数字分だけMP(メンタルポイント)の現在値と上限値が下がっていき、MPが0以下になったキャラクターは一時的に発狂して味方を攻撃します!
○ 絵札&Aの使い方
狂気カードによるMP減少を回復することができるのは、同じく狂気カードの中にある絵札とAのカードのみ。
絵札かA1枚につき、好きな数字札(仲間を助ける時はランダムで)1枚を捨てることができます。
また、絵札&Aは戦闘やイベント等で被るダメージを打ち消すこともできます。
ただし、狂気カードを捨てる場合もダメージキャンセルも、仲間に使う場合は同じタイルか扉で繋がる隣接タイルにいなければなりません。 |
ちなみに狂気カードは、所持枚数のみ公開、内容は自分以外には非公開です。
自分がどのくらい危機的状態にあるのか、それはぜひロールプレイで表現してください。
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■ 後遺症
MPが0以下になって発狂したキャラクターは、MPが1以上に回復すれば正気を取り戻すことができます。
しかし、一度は狂気の淵をのぞいてしまったため、その後遺症が残ります。
発狂から回復する時に、なんと判定カードをランダムに1枚抜かれます!
ルールブック32、33ページを参照して、抜いたカードに対応する後遺症が発症します。
しかも、シナリオ終了時に得た経験点を使って抜かれた判定カードを取り戻すまで後遺症は消えません。
狂気カードと合わせて、ぜひロールプレイのスパイスにお役立てください。
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たとえばサンプルキャラのミスティックの場合、抜いた判定カードは4でした。
4はミスティックの腕力の能力値です。
ルールブック32ページの後遺症「4-粗雑な破壊衝動」の腕力「手にするものはみな壊す」が発症します。 |
○ 後遺症が残ったままゲームを遊ぶことはできる?
例えば抜かれた判定カードがない方が有利だなと思ったり、経験点は成長に使いたい、という場合。
後遺症をひきずりつつ判定カードが少ないままゲームを続けることができます!
ただし、後遺症によって判定カードを3枚失った状態のままシナリオを終えると、そのキャラクターは完全に再起不能に陥ってGHを引退することになるので注意してください。
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■ キャラクターの作成と成長
自分のキャラクターを作ったり同じキャラクターで何度も遊んで成長させていくことも、RPGの醍醐味のひとつ。
『ゴーストハンター03』には、6つの役割――アーキクラスがあり、それぞれに対応した特殊能力があります。
初期はアーキクラスと特殊能力各1つずつと技能を選び、能力値に2~9の数値を割り振ってHP、MPを計算すればサンプルキャラクターと同様の基本部分が完成です。
RPGならさらにキャラクターの背景設定だって作りたいですよね。
もちろんそれらは自由に設定することができますが、これまでの『ゴーストハンター』RPGシリーズのようにランダムで外見や学歴等を決める表がルールブック9ページにありますので、ぜひ活用してください。
○ マルチクラスも遊べるよ
事件を解決すると、GHたちは経験点を得て成長していきます。
HPやMP、技能レベルがあがったり、能力値の判定ナンバーを追加・変更したり、新しい特殊能力を得たりなどなど。
さらに、新しいアーキクラスを追加してマルチクラスのキャラクターを遊ぶこともできます。
マルチクラス化すると、苦手分野を底上げしたり、新たなアーキクラスの特殊能力を使えるようになったりとさまざまなメリットがありますよ。 |
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■■ まずは遊んでみよう! |
『ゴーストハンター03』には、付属シナリオが9本用意されています。
一番最初のシナリオは細部まで説明付きで記載されているので、準備を含めて読み進めながら遊ぶことができます。
以降は、遊ぶ前にGMがあらかじめシナリオを読み込んで必要なタイルやカードを選り分けておけば、スムーズにシナリオを進行できるでしょう。
すべての付属シナリオを遊んだら、ぜひ自分でもシナリオを作ってみてください。
どうやって作ったらいいかわからない時はシナリオブック32ページの「シナリオ作成ガイド」を参照してみてくださいね。
カードやタイルなどを使うことでシナリオ作成もゲーム進行もわかりやすくお手軽。手がかりカードの枚数である程度の時間調整もできるので、ホラーRPG好きの方だけでなく「TRPGのGMって難しいんでしょ?」と思っている初心者の方にもオススメのゲームです!
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■■ タイルゲームとの互換性! |
『ゴーストハンター03』は、タイルゲームシリーズのコンポーネントを使って遊ぶこともできます!
屋外タイルや変形タイルが追加されているエキスパンション『7つの大罪』『ディアブロ・ドゥ・ラプラス』が特にオススメです。
カード類は若干の読み替えが必要になりますので、テキスト読み替え一覧をSNE公式サイトにて掲載予定です。
これらを加えるとより幅広く、深くお楽しみいただけること請け合いです!
そのほか、現在、拡張セットも鋭意制作中。
さらに、小説最新作『アルケリンガの魔海』のゲームアプリが今春公開予定です。ヒドゥンオブジェクト(アイテム探し)のとっても美麗なゲームになっているので楽しみにしていてくださいね。
これからもさらに進化を続ける『ゴーストハンター』シリーズ、どうぞよろしくお願いいたします!
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