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株式会社グループSNEオフィシャルサイト

ソード・ワールド2.0 カードアドベンチャー

 ソード・ワールド2.0がカードゲームになって登場!
    
プレイ人数 3~5人
対象年齢 10歳以上
プレイ時間 30~45分
ゲームデザイン 清松みゆき/グループSNE
パッケージイラスト 石商
シナリオカードイラスト 永田愁/岡田真奈
 デザイン TANSAN
 価格  4500円(税別)
 発売日  2016年9月24日
 販売元  グループSNE

 グループSNEの代表作であるテーブルトークRPG『ソード・ワールド2.0』。おなじみのこのタイトルに、新しい仲間が登場します。
 その名も『ソード・ワールド2.0 カードアドベンチャー』(以降、『カードアドベンチャー』)。そう、カードゲームです。

 どんなゲームなの? TRPGは好きだけど……?

 みなさんの疑問を一掃するべく、『カードアドベンチャー』の詳細を紹介しましょう。


 

○どんなタイプのカードゲーム?

 シンプルに言い表すなら、「カードを使った協力型ストーリーゲーム」です。
 じつはこのタイプのゲーム、まさにいま、世界中で大ヒット中です。たとえば、『パスファインダー:アドベンチャーカードゲーム』『ウォーハンマー・クエスト』などがそう。共通して言えるのは、プレイヤーは英雄の1人となり、みんなで力を合わせて1つの目的を達成しようとする、ということです。
 『カードアドベンチャー』も、コンセプトは同じ。
 しかし、かなり違うところもあります。
 これまでの協力型ゲームは、「役割分担」がはっきりしていました。近接戦で敵を倒すキャラクター、魔法で離れたところから援護するキャラクター、探索が得意なキャラクター……互いが互いを補い合い、戦闘したり、探索したりします。
 『カードアドベンチャー』は、ちょっと違います。同じ「協力」でも、自分がやり残したことを、「あとは任せた!」と仲間を信頼し、託すというアイディアが盛りこまれているのです。
 それでは、具体的に見ていきましょう。

○キャラクターは6人

 プレイヤーはキャラクターを1人担当します。それぞれに「種族」「技能」などのパラメータがあります。
 アンドレア(人間/男)  ファイター、ウォーリーダー、セージ
 キャスリン(人間/女)  ソーサラー、セージ、バード
 スヴェン(シャドウ/男)  グラップラー、スカウト
 テディアス(リルドラケン/男)  ファイター、プリースト、レンジャー
 ノミニア(ルーンフォーク/女)  マギテック、スカウト
 パルール(レプラカーン/女)  フェンサー、ミスティック、アルケミスト

 

 名前の付け方にはある一定の法則が……!(わかったかな?)
 アンドレアキャスリン兄妹パルールスヴェンに恩があって……などというサイドストーリーも、付属の「キャラクター&背景世界ガイドブック」でお楽しみいただけます。
 初めて遊ぶなら上の3人(アンドレア、キャスリン、スヴェン)がいると心強いですが、必ずそうでなくてはならないということはありません。どのような組み合わせでもプレイ可能――それが『カードアドベンチャー』です。

 キャラクターを選んだら、遊ぶ「レベル」を決定します。もちろん、レベルが上がるほどゲームの難度は上がります。初めてなら、「レベル1」から遊びましょう。

 レベルが決まったら、「キャラクター基礎カード」(レベル1~5があります)から遊ぶレベルのものを抜き出します。ここにはそれぞれの技能に関する数値種族の特徴の他に、「命数」「手札」という数値があります。
 「命数」とはなんとも穏やかではない言葉ですが、ある意味、読んで字のとおり(詳しくは後述)。「手札」は、手番終了時に持てるカード枚数(基準枚数)です。
 各キャラクターにはさらに、「キャラクターデッキカード」というものが25~28枚あります。これらには、「バスタードソード」「エネルギーボルト」といった武器呪文、「聞き込み」といった行動が書かれています。
 右下に「12345」の数字がいくつか書かれていますので、準備段階で、そこから遊ぶレベルに応じたものを集めましょう。
 それらをシャッフルしたら、先ほどの「命数」と同じだけのカードを引き、裏向きのまま自分の前に並べます。カードの上に「運命(ディスティニー)チット」を1個ずつ置いてください。
 これで、キャラクターの準備は完了です。どう? 簡単でしょう?

   


○ピラミッド型の「シナリオ」

 『カードアドベンチャー』最大の特徴は、ピラミッド型に並べた「シナリオカード」。
 ゲーム開始時、遊ぶレベルに応じたシナリオカードを、最上段3枚、最下段7枚になるようランダムに並べます。カードには「上段カード」「下段カード」があって、上3段には上段カード12枚、下2段には下段カード13枚を並べます。
 上段カードのなかには、1枚だけ「クライマックスカード」というものを仕込みます。もちろん、それがどこにあるかはわかりません。
 ゲームの目的は、上3段のどこかにあるはずの「クライマックスカード」に挑戦してクリアすること。そうなればプレイヤー全員の勝利です!

 

 シナリオカードはキャラクターたちが乗り越えなくてはならない「試練」のようなもの。たとえばつぎのようなものがあります。

 

 シナリオカードの上部には「タグ」(属性のようなもの)があり、挑戦してクリアしたカードを手もとに置くことで、「タグ」を集めます。たとえば、「魔物」「蛮族」「アイテム」「野外」「迷宮」など。
 またクライマックスカードには「前提タグ」というものが決められています。それら「前提タグ」をすべて集めたプレイヤーは、クライマックスカードへの挑戦権を得ます!

 下半分には、挑戦に必要な数値が書かれています。魔物なら「闘」を行いますが、魔物以外だと「探索」「聞き込み」が必要になる場合も。
 プレイヤーはここに書かれた数値をはじき出すためにダイスを振ることになります。
 『ソード・ワールド2.0』と言えば「6面体ダイス2個」ですが、『カードアドベンチャー』では特製のダイスを使います。


○2種類のダイスとダメージ

 ダイスは、「挑戦(チャレンジ)ダイス」と「運命(ディスティニー)ダイス」の2種類。挑戦ダイスはたくさん用意されていますが、運命ダイスは1個しかありません。

 

 「」のシンボルは成功を表し、振って出た数だけ、シナリオカードの上に「達成数チット」を置くことができます。これが必要な個数に達すればシナリオクリア。
 運命ダイスは、挑戦ダイスよりも多くの「剣」が描かれています。ただしこのダイスを振るには、必ず「運命チット」1個を消費しなくてはいけません。
 ダイスには他に「★」のシンボルがあり、この出目から「運命チット」を1個獲得することができます(「★」シンボルが同時にいくつ出ても1個のみ)。
 また、剣と一緒に「カード」のシンボルが描かれていることもあり、この出目を採用すると、手番プレイヤーはデッキからカードを1枚引かなくてはいけません。また「ドクロ」のシンボルを採用したなら、誰か1人が1ダメージを受けることになります。

 「ダメージ」? 不思議に思われるかもしれませんね。このゲームには、「HP」という数値はありませんから。
 じつは、「ダメージを受ける」=「デッキからカードを捨てる」ことです。
 そう、キャラクターのデッキが、「キャラクターのHP」のようなものなのです。激しい戦いと探索を経てデッキが減っていくと、残りHPもどんどん減っていきます。ただ、キャラクターには「命数」というものがあり、この回数までは、デッキがなくなっても捨て山をシャッフルし直すことができます。「」という文字の意味がよくわかりますよね。
 シャッフルし直すときは、ゲーム開始時に別にしておいた裏向きのカード1枚をデッキに加え、上に載っていた運命チットを獲得します。こうして、残り命数をカウントするのです……。
 HPが尽きる、すなわち命数が尽き、デッキも手札もなくなると、キャラクターは「脱落」してしまいます。以降、できるのはみんなへの応援だけ。「死亡」するわけではないので、つぎのゲームにはまた参加できますよ。

○手番の流れ

 ゲームはスタートプレイヤーから時計回りに「手番」を行うことで進行します。
手番開始
 ↓
手札ドローフェイズ
 ↓
シナリオ操作フェイズ
 ↓
シナリオ挑戦フェイズ
 ↓
手札調整フェイズ
 ↓
手番終了
 ↓
つぎのプレイヤーの手番開始

1) 手札ドローフェイズ
 手番が来たらまず、デッキカードから1枚引きます。デッキが尽きている場合は前述のとおり、捨て山をシャッフルして新しいデッキを作ってください。
 ここで注意! 「クライマックスカード」を発見したあとは、手札ドローフェイズに引く枚数が「2枚」になります。つまり……モタモタしていると、どんどん残りHPが減ってしまいますよ!

2) シナリオ操作フェイズ
 ここは言わば、準備フェイズ。裏向きに置かれたピラミッド状のシナリオカードをめくったり、カードを動かしたり、位置を入れ換えたりします。大きなルールは3つ
  • 「触れる」ことのできるカードは2枚まで。たとえば「1枚めくって」「1枚動かす」といったことができます。「位置の入れ換え」は同時に「2枚」触れていることになるので、それだけでフェイズ終了。
  • 上に別のカードが重なっているものには触れられません。
  • ピラミッドの外にはみ出るような置き方はできません。
 上記のルールを満たすのであれば、好きなようにカードをめくったり動かしたりできます。ただし……「即時」と書かれたカードをめくってしまった場合、フェイズは即座に終了し、つぎの「シナリオ挑戦フェイズ」になるので気をつけて!

 

3) シナリオ挑戦フェイズ
 このフェイズは「任意」です。行っても行わなくてもかまいません。とはいえ、「タグ」がじゅうぶんに集まるまでは、シナリオへの挑戦をくり返すことになるでしょう。
 手番プレイヤーはまず、「手札の特別補充」を行えます。これは、手札から1枚以上のカードを捨て、手札基準枚数まで補充する、というもの。これから挑戦しようとするシナリオに必要なカードを引くことに期待しましょう!
 つぎに、挑戦するシナリオを決めます。表向きになっていて、上に別のカードが重なっていないカードであれば、どれにでも挑戦できます。
 ただし。シナリオ操作フェイズで「即時」のカードをめくってしまっている場合、必ずそのカードに挑戦しなくてはいけません(フェイズのスキップもできません!)。

 

 さあ、いよいよ挑戦のときです!
 まずは手札から、そのシナリオに必要なカードを1枚出しましょう。このとき、「補助」と書かれたカードがあれば、追加で出すことができます。
 シナリオカードに「戦闘」とあるなら、「戦闘」の文字があるキャラクターデッキカードが必要です。そういうカードがないなら? 残念ながら、挑戦は失敗に終わります。
 しかし! ここで運命チットの出番!
 先ほど、運命チットがあれば運命ダイスを振ることができると書きました。運命ダイスを振るときは、カードは関係ありません。デッキカードを出した上で運命ダイスを加えることもできますし、たとえ必要なデッキカードがなくても、運命チットを消費して運命ダイスだけを振ることもできるのです!

 手番プレイヤーはつねに、「自発」の数値を見ます。これに、そのキャラクターの対応する技能の数値を足して、ダイスを振ります。

 

 たとえば人間の戦士アンドレアは、「ファイター」「ウォーリーダー」「セージ」という3つの技能を持っています。彼がファイターとして戦闘を行うなら、手札のデッキカードのなかからそれを可能にしてくれるカードを出さなくてはいけません。
 たとえば「バスタードソード」には「ファイター」の文字があります。手番に「自発」的にシナリオに挑戦するなら、戦闘で「3+0」で3個のダイスを振ることができます。

 成功を表す「」の目はいくつ出ましたか? その数だけ、「達成数チット」をシナリオカードの上に置きます。このとき、剣と一緒に「カード」や「髑髏」のシンボルが出ているなら、それらも処理しなくてはいけません。
 こうして達成数が、必要数に達していれば万事OKですが……1回のダイス振りだけで足りるほど、このゲームは甘くありません。

 じゃあ、どうすればいいのか?

 ここが『カードアドベンチャー』でいちばん面白いところです。
 手番プレイヤーだけで成功に至らなかった場合、他のプレイヤーが助けることができます。しかも! 「採用しなかった」ダイスを、つぎのプレイヤーに「託す」ことができるのです!

 

 左隣のプレイヤーは、その挑戦に参加するかどうかを決めます。参加するには手番プレイヤー同様、それを可能にしてくれるデッキカードが手札になくてはいけません。また手番プレイヤー以外は「特別手札補充」を行うことはできないので、手札にあるカードだけでなんとかしなくてはいけません。
 「わたしは手伝えない!」という人がいても、さらに左隣のプレイヤーにあとを託すことができるので、あきらめないで。
 また手伝う場合も、運命チットを消費して運命ダイスを振ることは可能ですよ!

 他人の手番に挑戦を行う場合、基礎カードとデッキカードの「支援」の数値を使用します。これらに、託されたダイスを加えてください。
 たとえばアンドレアが「バスタードソード」で支援するなら、託されたダイスに加えて、「1+0」で1個のダイスを振ることができます。
 こうして達成数を増やせればよし、たとえ増やせなくても、採用しなかったダイスをさらに左隣のプレイヤーに託す……ということができるのです。

 とはいえ、みんなで力を合わせられるのも「1周」まで。手番プレイヤーの右隣のプレイヤーまで回ってもシナリオをクリアできなかったなら、その段階でいったん、ダイスを回すことはできなくなります。
 ここで手番プレイヤーは、シナリオを「継続」するか「放棄」するか決めなくてはいけません。いずれの場合も「コスト」が必要となり、シナリオカードに指示されています。たいていは「○○に各××ダメージ」「△△に合計××ダメージ」というもの。「合計」とある場合は、「△△」に該当するプレイヤーが、手番順に1ダメージずつ「合計××」になるまで受けてください。
 ダメージの受け方は前述のとおり。そう、デッキからカードを捨て札にしなくてはいけません!

 紆余曲折を経て、無事シナリオカードの上に必要な個数の達成数チットが置かれたなら、シナリオクリアです。最後にチットを置いたのが誰であろうと、そのシナリオカードは手番プレイヤーが獲得します。シナリオカードを受け取り、自分の前に置いてください。これでいくつかの「タグ」をゲットしたことになります。

 

4) 手札調整フェイズ
 手番終了時には、必ず手札が「基準枚数」になるようにしなくてはいけません。足りない場合は引き、多い場合は捨ててください。

○さあ、クライマックスだ!

 このゲームの目的は、「クライマックスカードをクリアすること」。
 そう、クライマックスカードを発見しないことには始まりません。じっさいにクライマックスカードを見るまでは、必要な「前提タグ」もわからないのです。
 クライマックスカードは、上3段のどこかに存在します。
 早く位置を突き止めることができれば、効率よく挑戦できるでしょう。しかしあまりに早すぎると、まだ「タグ」がそろい切っていない可能性があります。クライマックス開示後は「1)手札ドローフェイズ」で引くカードが2枚になるので、ゲームが加速します。気をつけてください。
 いっぽう、クライマックスカードが最上段にあると、なかなか現れないこともあります。みんなのデッキが尽きる前に、うまくシナリオカードの位置を入れ換えたり動かしたりして、できるだけ早く見つけ出しましょう。

 クライマックスカードには「前提タグ」があり、挑戦するためには自分が集めたシナリオカードにそれらがそろっていなくてはいけません。
 このとき、1枚のシナリオカードからは1つの「タグ」しか引き出せません。つまり、前提タグが4つあるなら、絶対に4枚以上のシナリオカードが必要なのです。
 クライマックスカードがめくられたとき、前提タグがすでに1人のプレイヤーの前にそろっている……そんな幸運は、めったにないでしょう。ではどうすればよいのか?
 もちろん、それまでのように新たにシナリオカードに挑戦して必要なタグを増やしていくのが1つの方法です。しかし、もっとよい方法があります。
 あと少しでそろいそうなプレイヤーに、みんなのシナリオカードを預けるのです!
 このゲームでは、すでに獲得したシナリオカードを、他のプレイヤーにあげることができます。とはいえ、「はい、どうぞ」というわけにはいきません。ここで必要になるのが、「運命チット」です。
 手番プレイヤーは「2)シナリオ操作フェイズ」のとき、運命チット1個を消費することで、自分が持っているシナリオカード1枚をピラミッドに「戻す」ことができます(戻したカードがわかるよう、上に消費した運命チットを載せておきます)。たとえば必要達成数が少なめのカードを戻し、タグのそろいそうなプレイヤーにさくっと達成してもらう……といった作戦が可能なのです。
 しかも。一度戻されたシナリオカードは、普通に挑戦する代わりにやはり運命チット1個を消費することで、「達成した」ことにできるのです。
 デッキカードが尽きそうになるゲーム終盤、こうしてショートカットしてシナリオカードを獲得するのはとても重要。つい運命チットを使いすぎて、肝心なときに残っていない……なんてことになりがちですので、注意しましょう。

 

 クライマックスカードへの挑戦も、他のシナリオカードへの挑戦と同じです。違うのは、「自発」的に挑戦できるのが、前提タグのそろっているプレイヤーだけ、ということ。誰かが挑戦を始めれば、たとえタグはそろっていなくても「支援」は可能です。
 死力を尽くし、クライマックスの敵を倒しましょう!

○さらなる遊び方
 『カードアドベンチャー』にはシナリオカードが5レベル分、6人のキャラクターとその基礎/デッキカードが入っています。
 レベル1のシナリオに成功したなら、レベル2に進みましょう。さらなる挑戦があなたを待っています。
 ゲームに慣れたなら、ぜひ「パーソナルゴール(PG)カード」を使ってみてください。これはゲームに正体隠匿の要素を加えるもの。ときにはパーティに「ドッペルゲンガー」が紛れこんで邪魔をすることもあります。パーソナルゴールを達成したプレイヤーは、つぎのシナリオで、右下に「PG獲得」と書かれたデッキカードを加えることができます。

 

 『ソード・ワールド2.0 カードアドベンチャー』で、新しい冒険の扉を叩いてください!