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■■ はじめてのシルク・ドゥ・モンスター ■■
第2回 |
執筆:篠谷志乃
作成日:2012年7月30日
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◆ スカウトしようよ! |
オープンされているスポンサーをすべて競り終えたら、新しい団員をスカウトする時間になります。これが『シルク・ドゥ・モンスター』のもう1つの魅力、「デック構築」です。
スカウトとは、スカウト場にある団員の山札から新しい団員カードを手に入れること。新しい団員カードをデックに加えると、彼らの持つさまざまな効果が使えるようになります。各プレイヤーは、よりスポンサーカードを獲得しやすくするため、自分だけのデックを作り上げます。
シルクル |
団員をスカウトする前に、次に競るスポンサー4人をオープンするわね。これを見て、デックに加える団員を考えるといいわよ。 |
スター |
団員さん、いっぱいいて迷っちゃう〜♪ |
デモン |
8種類か。誰をスカウトしてもいいのか? |
シルクル |
ええ。ただしスカウトするには、それなりのものを払わないとダメよ。 |
デモン |
むっ、カネか? |
シルクル |
カネって(笑)。でも、まあそう言えるかも。各団員カードの右下を見てちょうだい。数字が書いてあるでしょ? その団員カードが欲しければ、その数値と同じだけの「収益」が必要なの。 |
収益は、各プレイヤーが持つスポンサーカードの「収益〜」の効果で生み出せます。収益を生み出したスポンサーカードは、横に向けてわかるようにしておきます(これをスポンサーが疲労したといいます)。
また、《ゴブリンの玉乗り》や《ケット・シーの綱渡り》のように、団員カードの中にも、スカウト時に手札から使うことで収益を生み出すものがいます。
団員のスカウトは、最後にスポンサーカードを手に入れたプレイヤーから、時計回りに順に行います。
スター |
ボクはこのかわいいケット・シーさんに来て欲しいな☆ 右下に「1」って書いてあるってことは、収益が1あったらいいんだね。 |
シルクル |
そう。スターは収益を持っているスポンサーカードを何枚も持っているから、それを合計した値まで、好きに組み合わせて団員カードを手に入れられるわよ。 |
スター |
オークさんが1、商人さんが2、オーガさんが3で収益が6あるや。え〜と……。
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スターは、コスト1の《ケット・シーの綱渡り》を1枚、コスト2の《ドラゴンの火輪くぐり》を1枚、コスト3の《セイレーン合唱団》を1枚、合計3枚の団員カードを手に入れました。
手に入れた新しい団員カードは各プレイヤーの捨て山に置きます。いつか手札にきて、スポンサーカードを競るときの助けになってくれます。
シルクル |
次はわたしね。《玉乗りゴブリン》は、「2枚使うと収益1が生み出せる」って効果があるから、手札から使って収益1。それとスポンサーたちの収益と合わせて収益3にして、コスト3の《ベヒモスのフラフープ》を1枚手に入れたわ。 |
手札もなく、スポンサーからの収益も1しか出せなかったデモンは、コスト1の団員カード《スライム大回転》を1枚手に入れました。
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◆ 手札の補充もとっても大事! |
シルクル |
さて、次の競りに備えて手札の調整をしましょう。 |
スター |
わーい、新しい手札だねっ♪ |
シルクル |
全員、自分の山札から「捨て札にした枚数ぶん+4枚」まで団員カードを引いてちょうだい。使いたい手札があるなら、捨てずに持ち越してもいいわ |
デモン |
捨て札に持ち越し……。そうか。競りに勝てなくて、手札が使い切れず残ったとしても、それなら大丈夫だな。 |
スター |
? どういうこと? |
デモン |
例えば手札が2枚残ったとしよう。ここで捨て札にしたなら、2枚+4枚で6枚引ける。捨て札にしなくても4枚は必ず引けるから、持ち越した2枚+4枚で手札が6枚になる。 |
スター |
ボク、手札が0枚だったから引いて4枚になったけど、じゃあ捨てたり手札を持ち越したりした人は、5枚とか6枚の手札で競りができるの? つよーい! |
デモン |
ああ、強い。ぜんぜん戦い方が変わってくるぞ。 |
シルクル |
ただ、捨ててたくさんカードを引いても、手札をどれだけ持ち越しても、基本的には6枚までしか手札にできないから気をつけてね。余った分は捨て札になっちゃうから。 |
デモン |
それでもたくさんの中から6枚を選んで手札にできるのだから強いだろう。 |
シルクル |
そうね。手札をどう残すかも、このゲームのやりくりのおもしろさの1つだから楽しんでね。 |
手札の補充がすんだら、横向きのスポンサーカードをすべて縦向きに戻します。これでスポンサーは疲労から回復したことになります。
この「競り⇒スカウト⇒手札の調整&スポンサーの回復」という一連の流れのことを、ラウンドといいます。山札にあるすべてのスポンサーを競り終えるまで、このラウンドを繰り返します。
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◆ 団員やスポンサーを使いこなそう |
◎おさらい◎ |
演技力= |
スポンサーカードを競るのに使うもの |
収益= |
団員カードを手に入れるのに使うもの |
人気= |
ゲームに勝つために集めるもの |
獲得したスポンサーカードや団員カードが増えると、競りのしかたが変わってきます。
シルクルたちはあれからさらにプレイを続け、現在3ラウンド目に突入しました。
デモン |
手札にかわいい子が来た〜♪ |
スター |
巻き返しをと思ったのにこの手札とは……。しかし希望はまだある! |
シルクル |
ふふふ。やっと手札に《ベヒモスのフラフープ》が来たわ。演技力3は破壊的よ。早く手札に揃えて、傍若無人っぷりを見せてあげないと。 |
3ラウンド目ともなれば、新しい団員カードが手札に来始めます。団員カードにも、面白い効果を持つものがたくさんあります。タイミングを見極めて使っていきましょう。
シルクル |
今回競るスポンサーカードは、【サキュバスのホテルレディ】【ゴルゴン3姉妹】【デーモンの高利貸し】【トロール炭鉱王】の4枚よ。 |
デモン |
む? 【サキュバスのホテルレディ】の効果にある、〔得点計算時〕とはいつのことだ? |
スター |
そういや今まで見たスポンサーの効果って、〔獲得競争時〕〔スカウト時〕って書いてあったね。名前のまんまだったから気にしてなかったけど(笑)。 |
スポンサーカードの効果には、たいてい発揮できるタイミングが記載されています。
〔獲得競争時〕ならスポンサーカードの競りの間、〔スカウト時〕なら団員カードをスカウトする間、〔得点計算時〕ならゲームが終了したあと各自が人気を計算するとき、です。
シルクル |
で、【サキュバスのホテルレディ】だけど。このスポンサーカードは、〔得点計算時〕にいるだけで、デックの総枚数が20枚以上あったら人気を★★(2つ)追加でもらえるって効果よ。 |
デモン |
いるだけ? 疲労しなくていいのか。便利だな。 |
スポンサーカードにはさまざまな効果がありますが、効果の前に書いてあるアイコン(チェックマーク、○)や文字の色(赤)で大きく3つに分けることができます。
「収益〜」のようにスポンサーが疲労して効果を発揮するもの(アイコンがチェックマーク)や、前に置いているだけで効果を発揮するもの(アイコンが○)、特定の瞬間に効果を発揮するもの(文字色が赤)があります。
スター |
ボク、サキュバスさんに来て欲しいな〜☆ |
デモン |
おぬしは収益がたくさんあって、団員をスカウトしまくっていたからな。収益が少なく貧乏な拙者には、このスポンサーはそれほど魅力的に見えん。 |
シルクル |
そろそろ各デックに個性が出てきたわね(笑)。 |
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◆ Let's オークション! 上級編 〜【サキュバスのホテルレディ】〜 |
シルクル |
さあ、1人目の【サキュバスのホテルレディ】を競るわよ。2ラウンド目の最後にスポンサーカードを獲得したデモンからどうぞ。 |
デモン |
ふうむ。欲しがっている者がいるしな、《玉乗りゴブリン》2枚で、演技力2は言っておこう。 |
スター |
ゴブリンさんとサテュロスさん、ケット・シーさんを1枚ずつ出して演技力3.5だよ。どう? |
デモン |
負けても捨て札になるカードを使ってきたか。本気だな。 |
シルクル |
わたしもこのスポンサーは欲しいのよね。でも手札がよくない……。こんなときは、スポンサー様のお力を借りよう。《ベヒモスのフラフープ》を1枚出して演技力3。で、1ラウンド目に獲得していたスポンサー【リザードマン海賊船長】の効果を使って、山札から1枚引くわ。 |
〔獲得競争時〕に疲労して発揮する効果を持つスポンサーカードは、「必ず団員カードを1枚はプレイしなければ使えない」という制限があります。ただし、1枚でもプレイできれば複数のスポンサーの効果を使っても構いません(処理は順番に行います)。団員の演技をスポンサーがサポートしていると考えると覚えやすいでしょう。
シルクル |
引いた! 2ラウンド目に手に入れた2枚目の《ベヒモスのフラフープ》! これで演技力の合計は6よ。 |
スター |
:演技力6!? |
デモン |
ふむ。山札から引いたカードはそのまま使えるのか。便利だな。覚えておこう。 |
シルクル |
感心するの、そこ?(笑) で、スターどうする? 残り手札はあと1枚だけど。 |
スター |
ボク、負けないもん! やっぱり捨て札になっちゃうけどセイレーンさんの効果でカードを1枚引くよ! ……えいっ! 僕にも2枚目のケット・シーさんが来てくれた。 |
シルクル |
《セイレーン合唱団》と2枚目の《ケット・シーの綱渡り》の演技力を足して5.5。まだわたしの方が上よ? |
スター |
そこで、ケット・シーさんと一緒にスポンサーさんにも動いてもらうの。商人さん、お願い! |
スターは、【ホムンクルス商人】を疲労させ、演技力+2する効果を使いました。
先にシルクルが使った【リザードマン海賊船長】もそうですが、この【ホムンクルス商人】のように、疲労させる効果を複数持つスポンサーだった場合、ひとりのスポンサーは1ラウンド中に1回しか疲労することができないため、プレイヤーはそのどちらかを選んで使うことになります(もちろん、使いたくなければどちらも使わなくてもかまいません)。
スター |
これでボクの演技力は合計7.5だよ! |
デモン |
収益を捨てて、スポンサーを獲得することを選んだのだな。どうする、シルクル。手札はまだ3枚あるようだが? |
シルクル |
ムリね(苦笑)。《ベヒモスのフラフープ》は強いけど、コストの低い団員と一緒に出せないから、今のわたしじゃ7.5には届かない。パスします。 |
スター |
やったー! |
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◆ 得点計算 〜最後の攻防 |
使用するスポンサーカードの枚数が決まっているため、ほぼ6ラウンドで決着がつきます。
ゲームを続けたシルクルたちも、6ラウンド目ですべてのスポンサーカードを競り終えました。【サキュバスのホテルレディ】のように、山札などの枚数で獲得できる人気が増えるものがあるため、最後の団員のスカウトまできっちりプレイします。
シルクル |
最後にスポンサーを取ったわたしからね。わたしは「コスト2の団員の枚数がもっとも多い場合、人気+★★」ってスポンサーを獲得したから、手に入れられるだけコスト2のカードをもらうわ。 |
デモン |
拙者はただ人気の高いスポンサーを集めたから、追加で人気が増えることはないが、シルクルやスターの勝利を少しでも阻止したい。コスト1と2の団員カードを手に入れよう |
スター |
あ〜! 最後のコスト1の団員カードを根こそぎ持ってっちゃうなんて、ひどいよデモン(泣)。しかたないから、ボクもコスト2の団員カードを手に入れる〜☆ |
シルクル |
やめて、スター! カードの数が負けちゃう(汗) |
互いの山札や団員カードの数などを比べあい、すべての得点を計算します。その結果、もっとも多く人気を集めたのはスターでした。
スター |
やった、勝った〜☆ |
デモン |
見事だ、スター。最後の最後まで気が抜けない接戦だったな。拙者もあと少しのところまではいけたのだが……。 |
シルクル |
惜しかったわよね。で、どうだった? はじめて遊んだ『シルク・ドゥ・モンスター』は? |
スター |
競りってもっと難しいものかと思っていたけど、面白かった♪ |
デモン |
デック構築と競りがこんなに合うとは思わなかったな。デック構築のゲームではよく見かける、山札の総枚数を減らす「圧縮」という戦法も、選んだ団員カード次第では充分取れる。お、そうだ。今度はそんなデックにしてみよう。 |
シルクル |
もう次の話?(笑) 団員カードだけじゃなくて、スポンサーカードの種類や競りの順番によっても展開が変わってくるから、もっと楽しめるわよ。 |
デモン |
うむ。45分もあれば1回遊べるし、いろいろ試すか。 |
スター |
じゃあ、今、やろうよ。ボクもう1回遊びたい〜☆ |
デモン |
受けて立とう。今度は負けんぞ! |
いかがでしたでしょうか?
興味を持たれた方は、体験会があちこちで開催される予定ですので、ぜひ遊んでみてくださいね!
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