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ゴーストハンター13 応募シナリオ06

『終わらないクリスマスイブ』

作成:伏水めじろ
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☆シナリオレベル 2レベル

☆準備
[T-17 エントランス]を表にして真ん中に置きます。
部屋タイル
(1)使用しないタイル 12枚
[T-4 居間] [T-14 塔] [T-15 塔]
[T-18 舞踏室] [T-20 シュート] [T-21 シュートランディング]
[T-23 壊れた通路] [T-25 寝室] [T-28 荒廃室]
[T-13 通路] [T-39 十字通路] [T-40 封印室]
(2)別にしておくタイル 2枚
[T-19 踊り場]
[T-16 階段(地下)]
[T-19 踊り場]は[T-1 階段 階段上へ]が出たとき、[T-16 階段(地下)]は[T-2 階段 地下へ)]が出たら、タイルの指示通り配置します。
○上記以外の「部屋タイル」で山札を作ります。

イベントカード(イベント/モンスター/罠の3種類)
カードは以下を使用します。選ぶ際に内容までは見ないようにするほうが楽しめます。
(1)使用しないイベント(モンスター)カード 8枚 
[E-31 首なし騎士] [E-34 宙に浮く首] [E-35 ゴーレム]
[E-37 血塗れ予言者] [E-40 時計仕掛けのロボット] [E-41 ささやく美女]
[E-42 大ガラス] [E-45 吸血鬼]
(2)別にしておくイベント(モンスター)カード 1枚
[E-44グール]
○上記以外の「イベントカード」、「モンスターカード」、「罠カード」で山札を作ります。

アイテムカード
(1)別にしておくアイテムカード 3枚
[I-6 鍵] [I-5 ハシゴ] [I-12 護符]
○上記以外のアイテムカードを混ぜて、山札を作ります。

☆HP/MPが0以下になったプレイヤーの扱い
「千の部屋を持つ館」(『ゴーストハンター13 タイルゲーム』「シナリオブック シナリオ1」)に準じます。

☆スタートプレイヤー
 クリスマスが好きな人から時計回りに手番を進めていきます。

☆シナリオの内容
 以下の状況をプレイヤーに説明します。

 1920年代アメリカ。君たちは謎の建築家タテルベと彼の建築物を追い続けている。
 そんなある日、当のタテルベから手紙が届く。

聖夜には
奇跡が起きるというね。わしの建築物の力に巻き込まれ、不幸になった人々もいる……そんなある家族を救ってやってはどうだろうか。わしにそんな気持ちが起こることが奇跡のようなものだがね

 タテルベの手紙にはそんな文面と共にある屋敷の場所が記されていた。
 君たちがその場所に辿りついたのは夜も更けた頃。
 うち捨てられた屋敷には何故か
明かりがともっている。住人はいないはずだ。
 異様な雰囲気を漂わせている屋敷に入ると、玄関から鍵のかかる音が響いた。君たちは閉ざされた玄関を後に、探索を始めた……

 プレイヤーの目的は、この屋敷におこる
奇現象を収めることです。

 全員が[T-17 エントランス]に入った状態からゲームを始めます。玄関からは出られません。


●「手がかり」の出る部屋タイル
 以下の部屋タイルがめくられると、「手がかり」が発見されます。
 これらのタイル番号と名称をプレイヤーに伝えておくと見落としが減るでしょう。

※このシナリオでは、同じ屋敷を数回にわたって探索することになります。
何周目にそのタイルに入るかで手がかりが変わります。

※1周目
[T-26 教会部屋][T-27 研究室][T-32 展示室]
[T-37 倉庫](いずれか最初に出たもの)
手がかり1
[T-36 台所] 手がかり2
[T-33 収納室] 手がかり3_1
[T-29 子ども部屋] 手がかり4
※2周目のみ
[T-17 エントランス] 手がかり5
※3周目
[T-33 収納室] 手がかり3_3
[T-36 台所] 手がかり6
[T-31 主寝室][T-41 副寝室]
(いずれか先に出た方)
手がかり7
[T-22 バルコニー] 手がかり8
[T-3 応接間] 手がかり9


☆手がかり
 上記「手がかり」の出る部屋タイルにプレイヤーが入ったときに読み上げる内容です

※1周目
●手がかり1 [T-27 研究室][T-32 展示室]
[T-37 倉庫][T-26 教会部屋]のいずれか
  部屋タイルを先に処理します。
 一番最初に出たタイルでのみイベントが発生し、以降は残りのタイルではおこりません。

 部屋タイルを処理したらイベントが発生します。
 10歳くらいの男の子が血みどろで倒れていて、重なるように幽霊がぼんやりと現れます。

ぼくが、ぼくが玄関の扉を開けなければ……

 としくしくと泣き続けます。

[
I-6 鍵]が手に入ります。
●手がかり2 [T-36 台所]
 部屋タイルを先に処理します。その後、イベントが発生します。
台所に母親らしき女性が倒れ、その傍らに亡霊が現れます。

こんなことになるなんて……あの子は大丈夫かしら。子ども部屋に鍵をかけて遊んでいるようだけど……


●手がかり3_1 [T-33 収納室]
 部屋タイルを処理した後、[I-5 ハシゴ]が手に入ります。


●手がかり4 [T-29 子ども部屋]
※部屋にはがかかっています。[I-6 鍵]を持っていると中に入れます。

※部屋タイルを
処理せずイベントが発生します。
 7歳くらいの女の子が部屋で嬉しそうに笑っています。

今日はパパが帰ってくるの

 そこへ殺人鬼がなだれ込んできて抵抗する間もなく女の子を刺殺します。


 殺人鬼は、血で汚れた刃物を振りかざしてプレイヤーに襲いかかってきます。

戦闘
殺人鬼 HP:30 MP:10 HP攻撃
カードは[E-44 グール]を使用してください。


 殺人鬼を倒すと、プレイヤーの視界がぐらりと回り、意識が遠のきます。
 気が付くと全員が[
T-17 エントランンス]に倒れています。

【山札の再構成】
 ここで進行役は[T-17 エントランス][T-19 踊り場][T-16 階段(地下)]
以外の部屋タイルを回収して山札に戻し、シャッフルします。
[T-17 エントランス]にキャラクター駒を置きます。2周目のイベントは[エントランス]のみで発生します。
3周目以降、再度屋敷を広げていきます。
[T-19踊り場][T-16階段(地下)]は別にしておき、それぞれ対になるタイル([T-1 階段 階段上へ][T-2 階段 地下へ])がめくられたら、通常どおり配置します。
 タイルに置かれていた、めくられていないイベントカードアイテムカードは各山札に戻ります。
 処理済み、あるいは所持しているイベントカード・狂気カード・アイテムカードは戻しません。

【HP,MP、狂気カードの回復】
 エネミー側のプレイヤーはこの時
HP1点、MP1点まで回復、狂気カードでMPが下がっている場合は1以上になるまでランダムにカードを取り除いて復帰します。
 この時、次プレイヤーの手番をはじめる前に、必要ならプレイヤー間で自由に回復などを行ってかまいません。アイテムの受け渡しも可能です。
 エネミー化した時に落としたアイテムがタイルに残っていれば、そのプレイヤーの手元に戻ります。


※2周目
●手がかり5 [T-17 エントランス]
 手番プレイヤーが行動をおこそうとした時、玄関のベルが鳴り、手がかり1で倒れていた男の子が駆けつけて

パパが帰ってきた!

 と嬉しそうに扉を開け放ちます。
 しかし、扉の前に立っていたのは殺人鬼でした。
 殺人鬼は男の子を撲殺し、不気味に笑うとプレイヤーに向かって突進してきます。



戦闘
殺人鬼 HP:35 MP:15 HP攻撃
カードは[E-44 グール]を使用してください。

※タイルが[T-17 エントランス]しかないので逃げることは不可能です!
 全力で戦ってください。


 殺人鬼を倒すと男の子の死体から幽体が現れて

パパは……帰ってこないの……?

 と呟き、しくしくと泣きはじめます。

 そして、もう一度プレイヤーはめまいに襲われ気絶します。
 気が付くと[
T-17エントランス]に倒れたままです。玄関のは開きません。

 以下の状況を読みあげて、3周目をスタートさせてください。

 ふと違和感を感じ、あたりを見回すと、窓からうっすらとが差し込んでいる。
 山際からこぼれた太陽の光に、君たちは一瞬、夜が明けたのかと思ったが、方角を確認すると窓があるのは西側だった。
 屋敷に到着したのは夜更けでそれほど時間が経ったとは思えないのに、いったいどういうことだろう?
 時間の流れが異様に早いのか? それともまさか巻き戻っている、とか……?
 疑問に思いつつも、君たちは探索を再開するのだった……


※3周目
●手がかり3_3 [T-33 収納室]
 部屋タイルを処理した後、[I-5 ハシゴ]が手に入ります。
一周目ですでに[
I-5 ハシゴ]を獲得している場合は何も起こりません

●手がかり6 [T-36 台所]
 先に部屋のタイルを処理します。
 一周目の手がかり2で倒れていた女性が忙しそうに、けれど楽しそうに料理をしています。
 しかし、そこから悲しげな表情の幽体が現れて以下のようなことを話します。

[突然、見知らぬ男がやってきてわたしたちは殺されてしまったの……」

「あの夜を境に、この家は恐怖の中に閉じ込められてしまったわ。何度も時間が巻き戻り、わたしたちは同じ夜をくり返している……」

さえ無事に帰ってくればきっとこんな恐ろしいことは起こらなかったはず。ああ、あなた、早く帰ってきて……」

 ふわりと幽体が身体に戻ると、幽体だった時の悲しげな表情や先ほどの話などまるでなかったようにふと顔をあげ

あら、パパが帰ってきたのかしら? 外から音がしたようだけど……

 とつぶやきます。


●手がかり7 [T-31 主寝室][T-41 副寝室]
  部屋タイルを先に処理します。一番最初に出たタイルでのみイベントが発生し、以降は残りのタイルではおこりません。

 一通の手紙が見つかります。差出人は父親のようです。

愛する妻へ。
 24日には帰れそうだ。子供たちにはクリスマスプレゼントを楽しみにと伝えておいてくれ。
 そうそう、サンタの格好をして子供たちを驚かせてやりたいんだ。
ふさわしい場所から登場したら喜ぶかな?
 子どもたちには内緒にしておいてくれよ

 手紙として[
I-12 護符]が手に入ります。
 このアイテムは通常通りに使用できますが、手がかり8解決するまでは
捨て札にせずとっておいてください。


【ヒント】
ふさわしい場所」とはどこでしょうか?
 部屋タイルの絵をよく見て、どの部屋タイルが「ふさわしい場所」なのかを考えてみてください。正解はこのシナリオの最後にあります。

 手がかり8を解決してから
ふさわしい場所」に行くと、手がかり9が発生します。

●手がかり8 [T-22 バルコニー]
 部屋タイルを先に処理します。

手がかり7発生していない場合は、庭の隅で物音がして何かの影が動いたような気がするだけです。

 父親の手紙[I-12 護符]を持ってこのタイルに入ると、下記のイベントが発生します。

 バルコニーから下を見下ろすと、今まさに帰ってきた父親と思しき男性が殺人鬼に襲われています!

[
I-4 ハシゴ]か[I-5 ハシゴ](どちらでも可)があればハシゴをかけて助けに行くことができます。

 ハシゴを持っていない場合、飛び降りることを試みても構いません。
 
DX判定8以上。 失敗すると着地に失敗してHP5点ダメージ

戦闘
殺人鬼 HP:40 MP:20 HP攻撃 対多人数戦闘
カードは[E-44 グール]を使用してください。


逃亡は可能です。
バルコニーから降りる行為移動力・戦闘ターン消費せず、[T-22 バルコニー]に隣接した部屋から協力戦闘も可能です。

 父親を助けることができれば

ありがとうございます。よかったらこれから家族でクリスマスパーティーをするので参加してください

 とお誘いを受けます。
 そして手紙のことを尋ねる前に去っていきます。

 殺人鬼を倒したのち、次の手番プレイヤーが部屋を移動すると、移動先に男の子と女の子が現れ、はしゃぎながら駆けていきます。
 さらに次のプレイヤーが移動した先に母親が現れて、「
ふさわしい場所」が分かればそこにサンタさんが来ると教えてくれます。


●手がかり9 [T-3 応接間](エンディング)
3周目の殺人鬼を倒して父親を助け、プレイヤーが「ふさわしい場所」(暖炉のある部屋タイル)を見抜いてこの部屋に入るまで、このイベントは起こりません

 誰かひとりでもこの部屋に入ると、母親と子どもたちも自動的に現れます。
 テーブルにはご馳走が用意されており、家族が集合すると暖炉からサンタの扮装をした父親が現れ

メリークリスマス!

 と子どもたちに声をかけます。子どもたちは父親の趣向に大喜び。
 家族の笑い声が邪気を払拭し、屋敷が浄化されていきます。

 プレイヤーたちはその声に包まれながら現世に帰還を果たします。
 気が付けば廃墟の館の前に立っているでしょう。館からは異様な雰囲気も消えています。
 家族の思いを叶えた温かい気持ちが胸に残っているはずです。

※ちなみに、赤い服のサンタクロースはコカコーラ社が1931年に広告で広めた、というのが通説ですが、19世紀には今の姿のサンタクロースが絵本に描かれていました。
 プレイヤーからつっこみがあった時にどうぞ。

☆シナリオクリア
 殺人鬼を倒し、サンタに扮した父親を[T-3 応接間]の暖炉から登場させ、母親、息子、娘と再会させることができればシナリオ終了です。
 クリスマスパーティーが始まり、霊たちが浄化されていけば館も異界から解放されて奇現象は収まるでしょう。

事件の真相
 ある一家がそうとは知らずタテルベ建築に住んでいました。
 家族4人、平穏に過ごしていましたがクリスマスイブの夜に悲劇が起きました。
 殺人鬼帰宅したばかりの父親を殺し、家で待っていた家族をも惨殺してしまいます。
 その異様な出来事に反応したかのようにタテルベ建築は変容し、魔の館と化しました。
 殺人鬼は異界に狂わされ魔物となり、家族は幽霊となって館をさまよい続けています。
 そして、血塗られたクリスマスをやり直そうとするかのように廃墟の館には時折明かりが灯るのです……。


☆レベル点
 シナリオをクリアできたら、以下のレベル点を獲得します。
  • 館からの脱出に成功したプレイヤー=1レベル点
  • 自分は脱出できなかったが、誰か1人でも脱出に成功した=0.5レベル点
  • 全滅した=0レベル点
☆その他 ――シナリオ作成者コメント
 無印からゴーストハンター(『ゴーストハンターRPG』1994年)に親しんできたためか、ストーリー重視のシナリオになってしまいました。
 もっとタイルゲームならではのギミックを入れてみたかったのですが、これが限界です。
 シリーズのさらなる発展を期待しています。

☆ふさわしい場所は?
正解は暖炉のある部屋タイル=[T-3応接間]です。

SNEで遊びました!】
 切なくて綺麗なストーリーのシナリオでした。
 タイルの再配置で時間が巻き戻っていることを表現するアイデアや、タイル内のイラストを手がかりに使うというのもとても面白かったです。
 サンタクロースの豆知識まであって勉強にもなりました。
 ストーリー的にもシナリオのギミック的にも、じっくり遊ぶ時間がある時にオススメのシナリオです。

 もし時間の制限なく遊べる方は、3周目の[T-22 バルコニー]で父親を助けなかった場合、再び3周目の頭(あるいは1周目!)に戻る、というループを追加しても面白いかなと思います。

 ちなみに、現在製作中の『ゴーストハンター13 タイルゲーム エキスパンション1 7つの大罪』(6/1発売予定)で[
手斧の殺人鬼]というモンスターカードが追加されます。まさにこのシナリオのボスキャラにふさわしいイラストといやらしい能力なので、発売したらぜひこのシナリオで使ってほしいです。
イラスト:槻城ゆう子
手斧の殺人鬼 (イラスト:槻城ゆう子)

 伏水めじろさん、楽しいシナリオ、ありがとうございました!