【はじめに】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2013年10月1日に発売された新感覚協力型ストーリーゲーム『ゴーストハンター13 タイルゲー』】、もう遊んでいただいたでしょうか。 ゲームデザイン・製作はグループSNEが自ら手掛けました。発売元は株式会社コザイク、SNEのメンバーでもある秋口ぎぐるが代表をつとめるゲーム製作会社です。 本ゲームには安田均、友野詳、柘植めぐみ、田中公侍、河端ジュン一らの手になる渾身のシナリオ13本が同梱されていますので、遊び応えはじゅうぶん。最後までやり終えるのはなかなか手ごわいかと思います。 ただ、すでに発売されて1か月が経とうとしています。なかには「そんなのとっくに遊びきったぜ!」なんて兵(ツワモノ)もいらっしゃるかもしれません。 そういう方々には、ぜひとも自作シナリオに挑戦していただきたいと思います。 ここでは簡単な「シナリオ作成」の実際をお伝えしていきます。 より詳細なシナリオを作成については、TPRG専門誌『ロール&ロール』Vol.110(11月発売予定)に、安田均による「シナリオの簡単な作り方」と追加シナリオが掲載されますので、そちらも合わせてご覧ください。 |
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作成:笠井道子 2013年10月 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【シナリオ作成って難しい?】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
『ゴーストハンター13 タイルゲーム(以下「GH13」は部屋タイルをめくり、そのタイルの指示に従いつつ手がかりを発見し、プレイヤー全員で与えられたシナリオをクリアしていくゲームです。 「シナリオを自分で作るなんて大変じゃないの? そもそもうまく作れる自信もないし」 そんなふうに二の足踏む方も多いかもしれません。でも、どうかご心配なく。 一度遊んでいただければ理解していただけると思いますが、「GH13」はコンポーネント自体がストーリーを生み出す力を備えています。 ただタイルをめくり、その上を進んでいくだけで狂気に侵されたり、モンスターに襲われたり、あげく敵方に寝返った仲間に襲われたり――さまざまな物語やドラマが生まれるのです。 それでは、じっさいに「簡単なシナリオ」を一緒に作ってみましょう。 |
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【シナリオ作成の手順】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
なにはなくとも必要なのが「プレイヤーたちの目的」(シナリオの内容)。ごくごく簡単にこんな感じでいかがでしょうか。
儀式が行われているのは[T-40 封印室]です。少女もその部屋にとらわれているのでしょう。 封印室に入るには、やはりなにか特別なアイテムが必要です。私の趣味で恐縮ですが、[T-23 十字の鍵]なんかどうでしょうか。部屋の前で合言葉を唱えさせるのも楽しいかもしれません。 あとはそうした「手がかり」の出る部屋タイルを4、5枚決めます(タイル番号[T-22]以降の赤いタイルを選ぶと、よりスリルが楽しめます) 今回は簡単なシナリオですので、館には1階と地階しかないことにします。なので、2階に上がる階段や踊り場、塔のタイルは使いません。 その以外の部屋タイルはこの際、ランダムに選んじゃいましょう。合計で20枚程度にします。 これでシナリオの基本が完成。どうです、案外簡単じゃないですか。 |
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【シナリオの例】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
では、つぎにそれをシナリオとしてまとめてみましょう。「そんなん読むの面倒やわ」という方は、さっと目を通すだけで【遊んでみました!】に進んでもらってかまいません。自分で作ったシナリオを遊ぶときには、一から十までまとめなくても、ちょっとしたメモ程度で用は足りますものね。 ☆シナリオタイトル:『行方不明の少女を助け出せ』 ☆シナリオレベル:0 (=ゲーム開始時、能力値ボーナス/HP・MPの成長はありません) ☆準備
☆HP/MPが0以下になったプレイヤーの扱い プレイヤーはエネミー側に回ります。MP回復、HP回復は可能です。 「GH13 シナリオブック シナリオ1」を参照してください。 ☆スタートプレイヤー 最近、儀式に参加した人から始めます。 ☆シナリオの内容 以下の概要を読み上げます。
以下の部屋タイルがめくられると、「手がかり」が発見されます。 これらのタイル番号と名称をプレイヤーに伝えておくと見落としが減るでしょう。
☆手がかり 本シナリオでは先に部屋タイルの処理をしたのち、手がかりが見つかります。
☆シナリオ終了 きみたちはその場で少女マリエッタに応急処置を施し、無事に館から脱出します。 館を振り返ると、「やっと迎えにきてくれたんだね」と楽しげに父母と語らう少年の声が聞こえてきたような気がしました。 ☆レベル点
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【遊んでみました!】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
というわけで、今回の事件の真相は下のとおり。
なんだ、なんのヒネリもないじゃないかって? いいんです、繰り返しになりますが、「GH13」は部屋タイルをめくってその指示に従うだけでドラマの生まれるゲームなのです! というわけで、じっさいにテストプレイをやってみました(進行役はなし、プレイヤー3人、全員ルールを知っています)。 その結果、準備も含めてプレイ時間わずか30分。 「封印室」の前に[I-23 壊れた通路]が配置されてしまい、一行はけっこうなピンチに! (「壊れた通路」――このタイルに入るたびにDX:5以上の判定を行い、失敗すると不足分HPダメージを受けます) けれど、なんとか力を合わせて、無事に少女を救出することができました。 唯一問題があったとすると、わたしがプレイヤーとして参加していたことでしょうか。シナリオ作成者自らが次々と「手がかり」タイルを引いてしまい、ほとんど自作自演状態。 他プレイヤーから激しく突っ込ました。 「そういうタイルは我々に残しておけ!」 いや、こればっかりはランダムですからしょうがないですよね。 |
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【もっと面白く――アレンジ案】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
というように、「GH13」は短時間で終わるストレートなシナリオでもじゅうぶんに世界観を楽しめます。 でも、もっとたっぷり遊びたいという方々のために、本シナリオ作成で注意した点と、アレンジ案をいくつかあげておきましょう。
以上、長々と書き連ねてきましたが、いかがでしょう、なんとなく「オリジナルシナリオ、書いてみようかな」という気持ちになっていただけたでしょうか。 最後のモンスターが弱すぎたり強すぎたりしてこっそり調整したり、不測の事態で生じた膠着状態を打開するアイテムをそっと山札に混ぜ込んだりするのもOK。 プレイヤーがスリルを求め、それに応えるためなら、多少の修正は許されるでしょう。 ただ、絶体絶命と思われる事態であっても、プレイヤーは意外にしぶとく粘ります。シナリオ作成者としてははらはらしますが、プレイヤーに有利になる方向の修正は慎重に行ってください。 また、規定のルールにとらわれず、用意されたコンポーネントを自由な発想で利用していただけたら嬉しいです。 そうした柔軟さも「GH13」の魅力の一つだと自負しています。 当ホームページでも、近々「投稿サンプルシナリオ」の公開と「自作シナリオ」の公募を行う予定です。 ぜひ、ふるってご参加ください。 |
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