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日々つれづれ 08年04月
テーマ 「 ハナ 」

【04月25日 笠井道子】

 今月(4月)のお題は「ハナ」
 困った。
 自慢じゃないが、「花」には無縁です。私が草花に手を触れると枯らします。ン十年前、小花プリントのワンピースが流行ったときには、似合わなくて泣きました。
 とうぜん「華」のある人生を送っているわけもありません。
 私の「鼻」があと1センチ高かろうが低かろうが、世界の歴史は変わらないでしょう。
 花粉症ではないので「洟」をネタにもできません。

 加藤ヒロノリ花の名前の娘(ムスメウス)などという禁じ手を使いました。
 秋口ぎぐるは会社の昼休み、10分外を散歩するだけでエッセイのネタに突きあたる特異体質。
 ちなみに、我が家の史上最強暴れ犬の名前も花の名前。といって、生後1年6か月を過ぎたいま、そうそうヤンチャはしません。散歩のとき跳びついて服の袖を破いたり、飼い主が出かけようとすると靴を隠したり、「来い!」と呼ぶと全速力で逃げてくくらいです。遊んでやりたくても、怠惰なので、すぐにボールを咥えてどこかに隠れてしまいます。

 というわけで、赤っ恥告白を一つ短く。

 学生時代、ひどい風邪を引いて寝込みました。
 当時つきあっていた彼氏が心配して、お見舞いに来てくれました。

「これ好きやったやろ」

 鉢植えのフリージアを差しだすその人に、私の母親はさっくり言ってのけました。

「お見舞いに鉢植えはあかんえ。根付く(寝付く)てゆうて嫌われるから」

 うひゃあ、せっかく良かれと思って持ってきてくれたのに、もうちょっと言いようはなかったのか、母よ。

 お互いの両親同士で年賀状をやりとりするほど親しい間柄。母にすれば「今後、社会に出て恥をかかないように」との老婆心からだったのでしょう。
 それでも言われたほうは傷つきます。
 しょんぼりしてしまったその人を、「寝付くったって、ただの風邪やから平気平気」となぐさめるのが大変でした。
 さまざまな経緯があり、やがてその人とは別々の道を歩くことになりました。
 けれど、いまもこの季節になると、フリージアの鉢植えを抱えて歩いてきた彼、その姿を2階の窓から眺めていた自分を思いだし、ちょっとせつなく、ほろ苦い気持ちになります。

 花言葉「むじゃき」
 私にもそんな「花言葉」の似合う時代があったのでした。

【04月21日 秋口ぎぐる】

 ハナ、花と言えばだ。
 雑誌に「ちょうちょぼっこ」というカフェの情報が載っていた。なんでも本好きのOLさん数人が共同経営している店だという。
 これはおもしろそうだ、ということで、さっそく友人らと向かった。
 店は四ツ橋にあるという話だった。おれたちはホームページに掲載されていた地図を頼りに探しまわった。
 一帯には若者向けの服屋や雑貨屋やカフェやバーや美容院が建ち並んでいた。この一帯に足を踏み入れた瞬間、周囲を行きかう人種が変化したように思った。彼ら、彼女らはことごとくおしゃれな服や装飾品や帽子を身にまとい、おしゃれな髪型をしていた。橋を渡った瞬間に出現モンスターが一変した感じ、と言えばわかっていただけるだろうか。
 あまり商売っ気のない店らしく、ビルの前に出ている看板には店名すら書かれていなかった。ただ本を広げている女性のイラストが描かれているだけだった。
 エレベータはなく、階段で四階までのぼる必要があった。階段は細く、急だった。
 奥まった扉を抜けると、そこが店だった。
 広さはだいたい八坪ぐらいだろうか。壁は当然のことながら本棚で埋め尽くされており、部屋の中央にも背の低い本棚。席は壁に向かいあう形のカウンターだけで、テーブルすらない。奥の勘定台の上でスタッフらしき女性が一人、ノートパソコンを広げている。
 本棚には芸術や思想や退廃の匂いのする本や写真集や漫画本がぎっしりと詰めこまれていた。当然のことながら新刊本などはない。すべてこの店を経営する女性たちが趣味で集めたものと思われた。
 板張りの床、木製の家具、低い天井、暗めの照明などが相まって、古い洋館の屋根裏部屋といった雰囲気をかもしだしていた。居心地のいい空間だった。何時間でも過ごせそうに思えた。
 おれたちは店内にある本を見てまわった。やはり商売っ気がないらしく、飲み物を勧められることはなかった。
 どうしたものか。とりあえず適当な席に着いてみるか、それとも先に飲み物を注文すべきなのだろうか──などと考えつつ本棚をながめていたところ、おれは信じがたいものを目にした。
「ラヴ☆アタック!」
 おれが本名で書いた数少ない本の中の一冊だった。
「うお、マジかよ!?」
 めちゃくちゃうれしかった。テンションが上がった。
 このいかにもサブカルっぽい空間、いかにも文系もしくはアート系の専門学校生女子(「女子専門学校生」ではなく「専門学校生女子」と表現したくなる感じ、わかっていただけるだろうか)が入りびたりそうなこの空間に、おれの書いた本があるとは!
 おれは思わず友人らに呼びかけ、この奇跡へ注意を促し、震える手をその本棚へ伸ばした。
 そこで気づいた。
 その本棚には「100えん」と書かれた札が貼られていた。
 ――百円均一かよ!
 基本的に客は本棚から適当な本を取って読んでゆったりとした時間を過ごしてまたその本を本棚に戻すってな店なのに、おれの本は売られちゃうのかよ!
 しかも百円でも売れてねーし!!!
 おれは大いに落胆し、なんとなく愛想で同じ棚の百円本を二冊ばかり購入しつつ、店を後にしたのだった。
 また来よう。
 そして、自分の本が売れているかどうかたしかめよう……。

【04月14日 片山泰宏】

 エッセイでは初めまして。
 片山と申します。
 わずかな時間ですが、おつきあい下さいませ。

 花。
 この時期の花といえばでしょう。
 咲いたり咲かなかったりするだけで受験生の人生が決まってしまう恐ろしい花です。
 片山もSNEには公募から、いわば試験を受けて入社したのですが、その時のお話。

 当時片山は小説家志望の1フリーターで、いろんな新人賞に送っては、咲かない桜に溜息を吐いていました。
 そんなある日、ツレからSNEがメンバーを募集しているという話を聞きつけ、応募することに。
 TRPG好きが高じて小説家になろうと思った人間ですから、こんなに願い通りの場所はありません。
 応募するための作品をせっせか書いて、どうにか締め切りに間に合わせた片山ですが、それから一月後、会社からは音沙汰がありません。
 「あぁ、今回もあかんかったか」
 チラッとそう思いつつも、次の目標を定めていた、ある日曜日のこと。
 鳴り響く電話。
 何かの勧誘かと軽く舌打ちする片山。仕方なく電話を取ると……。

「もしもし。SNEの柘植と申しますが……」
「…………は?」

 片山、目が点。しばし硬直。
 そりゃあTRPG書籍なんかで聞いた名前がいきなり電話から流れてきたら驚きますとも。
 しかし向こうもやや困惑した様子。
 話を要約すると……。
「今日面接なんだけどなんで来ないの?」
 
 片山、再び目が点。しばし硬直。
 送ったという通知の手紙も見当たらない。どうやら郵便事故の模様。なんとか平謝りして翌日に改めて面接させてもらうことに。
 そして翌日向かったら、面接の最後にボスからその場で合格を頂いたのだから、人生というのは二転三転するものです。
 ちなみに、ボスからは「わざと面接すっぽかして印象づける作戦」だと思われていたらしい……いや、そんな度胸無いっす。

 入学通知や受験の正否など、手紙一枚で人生は変わってしまいます。郵便局の方々には、気をつけてやりとりして欲しいですね。
 心臓に悪いよ!!

 そんな、新米片山の「初っぱなのお話でした。

【04月04日 加藤ヒロノリ】

 春ですよー、みなさん!
 春といえば、無意味に心もカラダもうっきうきになる季節!
 あと、ちょっとおかしな人がよく出没する季節でもありますね!
 さて、そんなちょっとおかしな人の仲間である加藤ですが、実は二児の父親だったりします。
 そして今月のエッセイテーマはだったりして――何が言いたいかというと、愛しのムスメウスの名前が花の名前なのでそこらへんを無理やりテーマにこじつけ、さらには今夏復活予定のモンコレテイストを交えてお話させていただこうと思います。
 皆様、お時間の許す限り、お付き合いくださいませませ。

 ムスメウスは5歳です。
 名前は「ヒロノリ」と奥さんの「マリ」からちょこっともじった夏の花の名前で、今月から幼稚園年長すみれ組
打たれ弱いけど(少しでもイヤなことがあるとすねる)他人を陥れるパワーにあふれている(ケンカしたら勝つまでやめない)ので、防御力よりも攻撃力のほうが高いのは間違いなさそう。先手必勝と行きたいところですが、とてもマイペースで給食を食べ終わるのはいつも最後だと聞いていますから、きっとイニシアチブにはプラス修正はありません。しかも野菜王子並にプライドが高いので、幼児であっても即時召喚には応じてくれないでしょう。
なので基礎性能は「レベル:2(即時不可)/攻撃力:3/防御力:1/歩行/イニシアチブ:−1」といったところでしょうか。うーむ、このままでは特殊能力がしっかりしていないと、とてもじゃありませんが使えませんね。

 ムスメウスは変わり者です。
 女の子の友達よりも、男の子の友達が多く、話題ももっぱらポケモンやスマブラXのこと。好きな色もピンクよりもブルー。お弁当箱はスーパーマリオの青いヤツで、水筒はムシキングの緑色。好きなプリキュアは地味な緑のキュアミント。マリオやピーチよりも、なぜかこよなくルイージとヨッシーを愛しています。
ここらへんのことから、青や緑に関する属性であることがうかがえます。人間だし、きっと属性はの2属性っぽいです。水や土ならば「イニシアチブ:−1」も生きてくるかもしれません。

 ムスメウスはとても生意気です。
 どれくらい生意気かというと、動物園のヤギの目を覗き込んで「こいつの目、なんでマイナスやねん」とツッコむくらいにです。奈良公園に行くたびに鹿に攻撃されるオフェンシブなオーラ(3歳のときに角タックルを受けて転倒、4歳のときに蹄攻撃で押し倒される)が特徴的。哺乳類、とくに草食動物とは相性が悪そうです。
また、年下が嫌いで、他のお子様が近づいてくると「ガキとは付き合ってられない」とばかりにガン無視。弟のものはオレのもの、あたしのものはオレのもの。そんな「◇素敵なジャイアニズム」を惜しげもなく発揮しています。

 ムスメウスはWiiのスマブラXが得意です。
 もっとも得意なキャラクターはリザードン、ゼニガメ、フシギソウを切り替えながら戦う必要のある「ポケモントレーナー」や、なんでも吸い込む桃色悪魔な星の「カービィ」。3匹の操縦方法をマスターしているどころか、父に向かって「なあパパ、一対一で戦おっか」と、手袋ならぬ靴下を投げつけてきます。
最初は手加減して戦って花を持たせていたんですが――最近では「えーよえーよ、あたしがカービィやったらパパ勝たれへんから、クッパでもやったるわ」と練習中のキャラクターで戦われる始末。
 得意技は「カービィで敵を吸い込んでそのまま画面外へ落ちる」という捨て身の投身自殺攻撃。しかも自分だけふよふよ戻ってくるのが、たちが悪いです。

 ムスメウスは策士です。
 最近のお気に入りの言葉は「ワナ」。自分が置き忘れていた蓋をしていない黒マジックを父がケツで踏みつけてしまったとき、あやまりもせずに言い放った言葉。
「パパ、それワナやで」
 いや、ワナってアンタ……意味わかってるんかいなと聞き返すと「マリオが穴を飛び越えようとジャンプしたとき、隠しブロックでてきて、1機死ぬんと同じやろ」と吐き捨てる。
うむ、確かにそれはワナだな。いや、それよりもその世代で残りキャラクター数を「1機」って言うのやめなさい
 ほかにもスマブラXのステージエディット機能で、オリジナルステージを作るのが大好き。滑り落ちる斜めの床や、氷の床、自動的に一方向に進むコンベアー床を設定しては、その先に鉄針トラップをしかけ「ほらパパ見てみ、これワナやで。ここに落ちたら針にささるねん」と、今まで見たことのないような向日葵の笑顔を浮かべてくれます。実際にそのステージで戦ってみれば、いかにそのワナへ敵を誘い込むかを重視した動きに、パパ涙目。
負け惜しみに「いや待て、復帰できへんワナを仕掛けるのは卑怯やし、バランス悪いんとちゃうか」と言ってみれば、少し考えて「確かにそうやな」と、もくもくとバランス調整する後姿が素敵です。ふむ、やっぱりテストプレイは大事だもんな。

 以上のことから、ムスメウスは次のようなユニットであることが判明いたしました。
 
 
 ム ス メ ウ ス (人間) イニシアチブ:−1

◇素敵なジャイアニズム[普通/対抗]
ユニット1体が対象。対象が「レベル:このユニットのレベル以下」で「種族:アニマル」ではない場合、死亡させる。その後、このユニットを手札に戻す。

○孔明の罠
手札を1枚公開することが代償。このユニットが対象。対象は代償カードが「タイプ:罠」の消耗品、戦闘スペルカードだった場合、その効果を発揮する。
 属性:
 レベル: A
 攻撃力:
 防御力:
 歩行
 
 
 ぬう、結構いけるんではないだろうか。
 そのうち「タイプ:罠」が復活することがあったら、こっそりと作って混ぜておくのはどうか。

 こんな不思議孔明幼女ムスメウスですが、加藤は生命にかけても暖かく見守っていこうと思います。
 皆さん、長々と親バカ日記をご清聴くださり、ありがとうございました。



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