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日々つれづれ 08年08月
テーマ 「 祭 」

【09月03日 川人忠明】

 ま〜つりだ、祭りだ、祭りだ! 豊年祭〜\(^0^)/
「いきなり、北島三郎ですか。いったい、今度はなんですか?」
 夏と言えば祭りだよ、ちみぃ。
「もう、そろそろ秋ですが?」
 えっ? それは、もうボクの話は飽き飽きってことですか?
「率直に言って、その通りです」
 Σ( ̄ロ ̄lll) ガーーーーンッ!
「……と言いたい所ですが、それを言うと話が始まりませんね。いいですよ。お付き合いしますよ?」
 ええと。かなりの上から目線な気がするが……。まあ、いいか。
 そういうわけで、祭りだ。神戸では、5月に神戸まつりが開催され、8月にみなとこうべ海上花火大会が行なわれたのだ。
 が、人混みが苦手なおいらは、両方ともノータッチ! 家に籠もって阪神戦とか見てました。
「祭好きの風上にも置けない人ですね」
 なにを言うんだ! 関西人にとって、阪神戦は立派な祭りだッ。
 かつては八木とか、いまは桧山とか、神様も降臨するんだぞ!
「それは、代打の神様でしょ! 第一、人混みが苦手だからって滅多に甲子園に行かない人が言うことだとは思えませんね。ああ、そう言えば、風船も怖いんでしたっけ? この前、甲子園に行ったとき、ラッキー7の風船飛ばしで盛り上がっている中、ひとりでビクビクしていたの、ちゃんと見てましたよ?」
 う、うるさいっ。だれにだって、苦手なものくらいあるだろっ!
「それは、否定しません。しかし、風船が怖いって、いったん何歳のお子ちゃまなんですか?」
 し、失礼なっ。お子ちゃまだって、風船を怖がるとは限らないんだぞ。祭りやら、なんたらキャンペーンやらで配ってる風船を、ブンブン振り回しているお子ちゃまのなんと多いことかっ! いつ破裂するかと、こっちはハラハラドキドキなんだぞっ! ああいうお子ちゃまは、しっかり親に注意してもらわんといかんな。ていうか、そんなもん無責任に配りまくるなってちゅうの。お子ちゃまが飽きてポイ捨てしたら環境汚染の原因だぞ、まったく。エコのためにも、風船配布反対だ。そうだ、反対だーーーっ!
「それは、かなり強引かつ身勝手な主張のように思われますが……」
 そんなことはないっ! これは、実に理に適った主張だ。この主張の正当性を論文にすれば、おそらくマサチューセッツ工科大学のホームページに掲載されるだろう。
「その自信の意味がどこからくるのか、さっぱり理解できませんが。もし、あなたの主張する通りだとするのなら、阪神ファンは毎日のように大量の風船を飛ばしまくっているので、環境に極めて深刻なダメージを与えていることになりますね」
 (゜□゜)ハッ! え、ええ〜〜と…………。
 風船が環境に深刻なダメージを与えるって? だれが、そんなこと言ったの?
 えっ、ボクですか? いやあ、記憶にないですよ。はい、まったくないです。
「一瞬のうちに主張をひっくり返しましたね」
 フッ。主義主張なんて、生きていくための方便です。邪魔になれば、捨てるまでです。
「銀○伝のバクダッシュ中佐ですか、あんたはっ! そんなネタ、説明なしに理解できる人いませんよ?」
 はっはっはっ。そこにいるじゃないか。
「うっ…………。なぜか、敗北した気分です」
 ふふふふ。安心せい。敗北したとしても、そなたに罪はないぞ。
 敗北が罪なのではなく、敗北を認められないことが罪なのだからな。
「へえぇぇ。そういう態度に出るわけですか。いい気になってると、血祭りですよ
 ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!
 ご、ごめんなさい。許して、お願い(((;人;)))
「いまさら、あやまっても後の祭りです(にこり)」

 今月の徳島センス:お祭りに花を添えます、蟹風船ッ!

 ばんざーーーーーーーいっ!

「蟹風船? 蟹工船となにか関係が?」
 ちがぁぁぁぁぁうっ!
 蟹風船だ、蟹風船!
 蟹風船 → 蟹バルーン → カニバルーン → カーニバル
 つまり、お祭りだ!
 ばんざーーーいっ!!
「…………やっぱり、意味わかりませんけど?」
 気にするな。勢いだ、勢い。
 ほら、いっしょに。
 ばんざーーーーーーい、ばんざーーーーーーーいっ!
「……ば、ばんざーい。で、いいのかなあ?」
 いいんですっ!

【08月21日 森本有美】

 毎日暑くて融け続けている森本です。こんにちは。

 今月のエッセイテーマはお祭りです。
 我らTRPG者にとってのお祭りといえば、ついに明日から開催されるJGC2008!!
 JGCの中で最もお祭り気分を満喫できるイベントといえば、わたしはライブRPGだと思います。
 今年のライブRPGは、4月にスタートをきった『ソード・ワールド2.0』
 ライブRPGがある年は準備が大変なのですが、その準備期間の混沌とした空気がわたしの大好物です。
『別になくてもいいけど、あった方が楽しそうなもの』とかにうっかり労力を費やして「凝るな」と怒られることも、ままありますが……。

 わたしはスケジュールの都合でライブRPGは2日目のみの参加ですが、冒険者の店のひとつを担当させていただきますので、ご参加される皆さま、どうぞよろしくお願いいたします!


 ……さてさて。
 本日はそんなJGCの話……、ではありません。

 去年のエッセイで少し触れたことがありますが、現在、わたしは一人暮らしです。
 好き嫌いは多いけど料理はわりと好き(ただし非常に大雑把)なわたしは、基本的に自炊派です。
 野菜はたくさん摂らなきゃね、ということで最も頻繁に作るのは野菜のスープ……状のもの。ほとんど野菜から出る水分だけで汁気が少ないので、スープと呼んでいいものかどうか悩みどころですが。

 できるだけ種類をとりたいので、一度に使う野菜はだいたい6種類からスタートです。
 が、大雑把なわたしは、たとえばたまねぎを半分使って残りをラップに包んで冷蔵庫、とかいうのが嫌いです。作る時には、買ってきた野菜は一度に全部鍋に投入。
 可能な限り最小単位で購入するものの種類が多いので、だいたいいつも鍋いっぱい。前述の「ほとんど野菜から出る水分だけで汁気が少ない」というのはつまり、水分を足す余地がないくらい鍋にいっぱい、という意味です。
 主に夜だけ食すとして、食べきるのに一週間前後かかります。

 まさに祭りです。

 好きなものなら一週間同じものが続いても大丈夫な性格でよかった、とこんな時に思います。食べきれない時は、小分けして冷凍庫へ。
 一人暮らしをする前は、一人前を冷凍してストックしておくと楽でいいわよね〜、と思っていたのですが、冷凍すると味が劣化するのでそのままだと食べる意欲が薄れます。一手間が必要なので、自家製冷凍食品はあまり作らないようにしています。


 そんな感じの週一料理人なわたしなのですが、夏だけは暑さで食欲が激減してしまうのでお料理はお休みです。
 去年、作ったものを半分も食べない、というのを繰り返したので、今年ははなっから作らないことにしてみました。
 食べたい・食べられそう、と思うものを、そのつど買って食べることにしています。

 そうなると始まるのが、果物祭りです。

 もともと果物は一人暮らしのわりによく摂っている方だと思うのですが、夏は、休日に果物と水分しか摂ってない、という日が発生することもしばしばです。

 夏はがたいへん美味です。
 あとはスイカ

 先週、近所のスーパーで、叩くとすごくいい音のするスイカをうっかり見つけてしまいまして。あまりに食欲がなかったことも相まってうっかり一玉衝動買いをしてしまいました。

 スイカ祭りの始まりです。

 日曜日に全部カットして冷蔵庫に放り込み、JGCまでに食べきる計算……、だったのですけど、先日から関西はなんだか急に涼しい日が増えまして。
 わたし、スイカを食べる意欲というのは、気温の高さに正比例すると思うのです。

 木曜日現在、冷蔵庫に残っているスイカは約3分の1

 ここで皆さまに問題です。
 世の中には、冷凍に適する食物と適さない食物があります。
 スイカは、はたしてどちらに分類される食物でしょうか?


 ……えーと。
 が、がんばります。何かをどうにかして。

【08月15日 河野裕】

 免許書更新のため、ほんの短い間ですが実家の徳島に帰っていました。
 8月の徳島といえば阿波踊りです。踊るアホウに見るアホウというやつ。そんなわけで、私は知人Nと二人(男二人きり)で夜の街に繰り出しました。人は賢くは生きられないものです。

 そこかしこで太鼓やら鐘やらの音が鳴り響き、駐車場なんかのちょっとしたスペースがあればハッピ姿の老若男女が入り乱れているのが阿波踊りです。とはいえ私もNも、生粋の徳島県民。毎年のことなので、その程度ではいちいち盛り上がりません。私たちはクールに日常通りの会話を交わしていました。例えば、「風紀委員って実在しないよな」。フィクションの学園には眼鏡でおさげのちょっと怒りっぽい風紀委員がいるものですが、現実でそういったドリームに遭遇したことはありません。
「同じように、カラーひよこもいないな」と私。夜店の話です。少しは祭りっぽい会話をしようかという思惑でした。

「あれは鳥インフルエンザが淘汰したんじゃなかったか?」

 Nがすかさず答えます。

「人類はそれくらい克服するだろう。やる気があれば」
「なかったんだろ、やる気」
「じゃあ原因は鳥インフルエンザじゃない。人類のやる気だ」
「鳥インフルエンザでやる気が削がれたのかもしれないぞ?」
「なるほど。タマゴが先かニワトリが先かということか」
「どっちだと思う?」
「確か、発電所とモーターが関係しているんだったな」
「オレはニワトリだと思う」
「誰かがタマゴだと結論を出していたと思うけど」
「人のことは関係ない。結論は自分で出してこそ意味があると、達磨大師もいっていた」
「それは達磨大師が出した結論じゃないのか?」
「人のことは関係ない」


 話がおかしな方向に行っていますが、よく考えればスタートからおかしな話だった気がしないでもないです。原因はおそらく片手に下げた缶ビールでしょう。そんなわけで私たちは、がっつり『タマゴが先かニワトリが先か論』をかわすため、祭りの喧噪が届かない寂れた公園に向かいます。

 正直なところ、私はたこ焼きが食べたかったので、手早く結論づけようと決めました。そもそもタマゴ派である私が敗れるはずありません。

「地球最古の卵生生物は、ニワトリではない。よって、タマゴの方が昔からあった」

 完璧な理論です。しかしNは納得しません。

「待て待て。タマゴといっても、なんでもいいわけじゃないだろう。ここで言われているタマゴとは、『ニワトリのタマゴ』のことだ」
「いつの間にそんな前提が?」
「初めからだ。文脈を汲め。常識で考えろ。バカが」


 まさか祭りの夜に、寂れた公園で発展性のない議論を始める奴に、バカ呼ばわりされるとは思っていませんでした。
 私たちは一通り「バカという奴がバカだ」「そういうお前こそバカだ」とやりあってから、本来の議論に戻ります。

「ともかくここでいうタマゴは、『ニワトリのタマゴ』だ。それは問題がないな?」
「まぁ、仕方がない。認めよう」


 私はNの意見を受け入れ、不敵に笑います。『タマゴが先かニワトリが先か論』など、大学在学中に答えを見つけています。

「いいか、N。ニワトリは初めからその姿で地球上にいたわけではない。別の生き物から進化してニワトリとなったのだよ。仮にニワトリの先祖に当たる生物をXとしよう。Xはタマゴを生み、それからニワトリが生まれた。つまり、ニワトリよりも先にニワトリのタマゴがあったんだ!」

 まさに一分の隙もない理論です。私は勝利を確信していました。
 しかし、Nは「ふんっ!」と鼻で笑います。理由はわからない、しかし相手に大きなミスを犯したと自覚させる種類の笑い方でした。

「ど、どこが間違っているというんだ?」

 滑稽なことだと自覚しながらも、私はついそう問います。
 Nはミステリのクライマックスで、探偵が犯人のミスを指摘するように、まっすぐこちらを指さしました。

「お前の話は論理として成立していない。一体誰が、どこで、『ニワトリのタマゴ』を『ニワトリが生まれるタマゴ』だと定義付けたんだ!」
「な。そんなこと、常識だろう!」
「論理に常識などという概念はない。その愚かな殻を打ち破ったからこそ、ニュートンはリンゴの落下から万有引力を導き出したのだ!」


 なるほど、ニュートンを出されては反論のしようもありません。
 Nは声のトーンを落として続けます。

そもそも、『ニワトリが生まれるタマゴ』など存在しない
「そんなはずはないだろう? お前は養鶏場に行くべきだ」
「あの効率を追及した養鶏場でも、だ。タマゴから生まれるのは、ヒヨコだろう?
「まぁそうだが。それがどうしたというんだ?」
「ヒヨコが生まれてくるなら、それはヒヨコのタマゴだ。でも今、オレたちが議論しているのはニワトリのタマゴだろう? ニワトリが生まれるタマゴがない以上、『ニワトリのタマゴ』とは『ニワトリが産むタマゴ』である他に考えられない。そして、ニワトリが産むタマゴはニワトリがいなければ存在しえない! ……つまり、ニワトリの方が先だ」


 私は唇をわなわなと震えさせます。いくら考えたところで、反論は思いつきませんでした。

「そうか……ニワトリの方が、先だったか」
「ああ。真理がそう言っている」
「じゃあ私の大学生活は、なんだったんだ」
「気を落とすな。失敗から生まれるものだってあるさ」
「……ところで、なんで『タマゴが先かニワトリが先か』のタマゴが『ニワトリのタマゴ』になったんだっけ?」
そこはほら、常識だろう


 それから私たちは、行きつけのたこ焼き屋でたこ焼きを買って帰りました。
 家に着くと遠くから太鼓の音が聞こえて、そういえば今日はお祭りだったと思い出しました。



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