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【01月30日 杉浦武夫】 |
寒中お見舞い申し上げます。
今月のエッセイのテーマは「牛」だそうです。
牛……僕にとっては普段、肉や乳製品といった形で、食べ物としてしか触れ合っていない存在です。
そのため、まったくもって何をどう書けばよいのか、皆目見当もつかず、途方にくれている次第であるというのが本音です。
うーむ。
とりあえず、牛について思い当たることを書いてみます。
「牛はなぜ、あんなにマッチョなのか?」
僕はそれについて、長年知らずにいました。
牛は草ばっかり食べてるクセに、なんであんな筋肉質で、肉食獣以上にデカい身体になるんでしょうか?
それなら肉を食べずに菜食中心だった日本人が、アメリカ人よりデカくたってよさそうなもんです。
しかし、数年前にようやく何故、牛があんなにデカいのかを知ることができました。
NHKの教育テレビか何かで、「牛の体が筋肉質なのは、長い内臓内で草を発酵させてバクテリアを生み出し、そのバクテリアからタンパク質を得ているから」だそうです。
いかに日本人の腸が長いところで、バクテリアが湧くほどではないから、米ばっかり食べててもアメリカ人みたいな体格には成りえなかったわけですね〜。
なるほどーそうだったんだー。
そういえば、僕は牡牛座です。
牡牛座でマッチョといえば、誰がなんといおうが金牛宮を守る黄金聖闘士、タウラスのアルデバランです。
「はぁ? 黄金聖闘士とかアルデバランてなんじゃ?」
とおっしゃる方は、車田正美先生の名作コミックス『聖闘士聖矢』をご覧ください。
アルデバランで思い出されるのは、聖矢との戦いで「黄金聖衣の角を折られた」ということなのですが。
後ほど出てくる設定で「黄金聖衣は神話の時代より破壊された事が無い」というものがありまして。
はて、それではあのアルデバランが聖矢に叩き折られた角はなんじゃいな……という話が僕らの世代ではよく話題に上がってきた物でした(約20年前の話ですが)。
今にしてみれば、後付け設定というのは思いつきで作られているものなのだなぁーと、しみじみ思います。
折れたといえば、僕の友人の1人は、数年に1度、骨折しています。
その原因が「牛」なのです。
といっても、別にスペインで闘牛士をやってるとか、そういう仕事をしているわけではありません。
乳牛の畜産をやっているんだそうです。
なんかもう、本当にスミマセン……。
12年後に同じような機会があれば、もっと「牛」について書けるように、色々とリサーチしていこうと思います。 |
【01月21日 力造】 |
そんなに若くない
力造です。
新年、あけましておめでとうございます。
今年も昨年以上にがんばりますので、皆様どうぞ応援のほどをよろしくお願い申し上げます。
さて、エッセイのテーマは干支の『丑』にちなみ、『うし』とのことなので……今回はその『うし』にまつわるお話をば。
今年の元旦から3日までの間、力造は友人宅にて正月を過しました。
友人は相方さん(彼女)と同棲しており、その相方さんはひじょうに料理上手だったりします。
独身鬼族(どくしんきぞく)の力造には、うらやましい限りです。
そんなわけで、正月は豪勢な御節や温かい雑煮を筆頭に、さまざまなご馳走が振るまわれ、それらのご相伴にあずかり、久方ぶりに人間らしい正月を過すことができました。
さて、そんなご馳走だらけの3日間の中で、もっともインパクトがあったのが『焼肉』でした。
もちろん、その内容はエッセイのテーマどおり『牛』肉です。
友人はさる事情で、お肉屋さんと大変密接な関係をもっており、素晴らしいお肉を低価格で入手することに成功。
それらを正月に友人たちと喰らうことを画策したわけです。
そして……不詳、この力造も『牛』肉に関してはかなりのこだわりを持つ人間として一部の人たちに有名です。
関西の牛魔王。
神戸のネイチャー○モン。
SNEの焼肉大帝とはオレのことです。
神々しいまでのツヤ。
鮮烈な赤身。
雪のような脂。
友人が冷蔵庫から出したその肉の鮮やかなこと。
おもわず眼を奪われます。
力造「このサシ。まさか……イチボ!?」
友人「さすがリキちゃん。そう、国産牛のイチボだよ」
イチボとは、牛のお尻――というよりは腰にあたる部位肉の名称で、ランプとならぶ高級部位です。
イチボはとにかく柔らかいうえに、ほどよい脂が乗っており、お店で食べたら自殺ものの値段を取られるという代物なのです。
友人「ところでこのイチボを見てくれ、こいつを刺身にしようと思うんだが、どうおもう?」
力造「すっごく……食べたいです」
力造は、おもむろに友人宅の包丁を丁寧に研ぎ始めます。
肉を刺身で味わうならば、まずは鋭利な包丁が必須。
切れない包丁で肉を切ろうものなら、肉の繊維質がズタズタになり、味が落ちてしまうのです。
イチボの塊に研ぎあがった刃を当て、肉をひっぱりながら一気に切り分けます。
この時に刃を前後にしてはいけません。
魚の刺身と同じように、刃全体を使って切らなければ細胞が壊れてしまうのです。
また、時間をかけてもいけません。
手の温度で脂がとけるうえに、肉の鮮度が失われてしまいます。
そうして、皿には赤と白のコントラストも鮮やかなイチボの刺身が並びます。
友人「しょうゆ……もしくは塩コショウか?」
力造「ポン酢もええな」
友人「むしろ両方か……」
ポン酢をイチボの切り身につけてゆっくりと口に運びます。
臭みがない、牛肉特有の旨みが口の中に広がり、ポン酢に負けぬ自己主張を繰り返した挙句に、脂が溶けて広がります。
友人・力造「ンマーイ!」
その後、さらに焼肉用の霜降り肉が山のように登場。
力造は焼き奉行と化し、食べるタイミングを的確に指示します。
2kgになろうかという霜降り肉たちは、8人の刺客たちによって平らげられ、ことなきを得たのでした。
力造「おいしゅうございました……」
後日。
友人宅から3日ぶりに帰宅した力造は、さっそく朝ごはんをいただこうとします。
力造「……」
箸が進みません。
胃が常に膨張し、下腹部に錘が入っているような感覚。
ぶっちゃけ、胃腸が弱りまくっています。
力造の胃腸を苛むもの――
それはたんぱく質。
それは脂質。
それはアミノ酸。
つまり……『牛』肉でした。
あの美味しい美味しい霜降り肉たちが、時間をかけて、まるでボディブロウのように力造の胃腸に打撃を与えていたのです。
それは美味しくも悲しい代償。
牛たちの魂の重さであり、美食に対する贖罪です。
怠惰な暮らしを送り、美食とゲームにあけくれた罪人を神は見逃しません。
まあ、ようするに、あぶらっこいものを食べたせいで胃がもたれたんです。
力造「今年は年始早々、牛にやられたか。オグゥ……」
もちろん、食事はあきらめて、胃腸薬を買いに行きました。
たった1日。
焼肉をおなかいっぱい食べただけで胃もたれにやられてしまうとは……。
正直、自分の体内の”衰え”におびえています。
現在は、和食を中心に、胃腸を整える日々です。
今年は年始早々から、牛に敗北した力造でした。
皆さんも、正月から続く胃腸の疲れに注意してくださいね。
皆さんの今年一年が、幸せでありますように――。 |
【01月20日 清松みゆき】 |
詰めの甘いこと
NPBではホークス、NFLではイーグルス、この猛禽2チームのファンを始めてから、早くも、20年ほどとなった。
両者とも、かなり悲惨な低迷期も欠かさず応援していたという自負はあり、だからこそ、今世紀になってからの好調期の応援にも力が入ったのだが、ふと、我に返ってみる。
01季 イーグルス、NFC決勝敗退
02季 イーグルス、NFC決勝敗退
03季 イーグルス、NFC決勝敗退
04季 ホークス、パPO決勝敗退
05季 ホークス、パPO決勝敗退
06季 ホークス、パCS決勝敗退
08季 イーグルス、NFC決勝敗退
お?(笑)
一応、04シーズンには、イーグルスがスーパーボウル出場を果たしているが、ゴール前にこけなかったのは、このケースだけ。何とも、見事な「あと一歩」ぶり。結局、今季もイーグルスがやってくれた。カンファレンス決勝に8年で5回進出というのは、おそらく並ぶチームはないと思うのだが、全然、強いという印象持ってもらえないよね、これ。
以前は、落胆し、嘆き、ときに怒ることもあったのだが、最近はすっかり諦めと苦笑で過ごしている。今年など、少し快感すら覚えた。ヤバイかも。
話変わって、ゲーマーには、勝ちを求めるタイプと、負けを逃げるタイプがある。五分五分の確率で、「10点と0点のどちらかになる戦術」と「6点と4点のどちらかになる戦術」の2つがあるとする。期待値で考えればまったく評価は同じになるのだが、あなたはどっちを選ぶだろうか? むろん、場は平たい状況だとする。
10点0点は、勝ちを求めるタイプ。うまくいけば10点と考える人。リターンを優先する。
6点4点は、負けを逃げるタイプ。悪くとも4点確保な人だ。リスクを嫌う。
もちろん、単純に二分できるわけもない。目の前にある「ゲーム」によって、対応が違ってくることもあるだろう。*1
ただ、こう聞かれれば、「自分はこっちだなあ」と自覚するのではないだろうか? あるいは、「彼はあっちだなあ」とか、知り合いの顔を思い浮かべたりはしないだろうか?
たとえば、「俺の2D6の出目は6までだ」などと公言するのは、紛うことなく、負けを逃げるタイプである。
負けを逃げるタイプには「上手なゲーマー」と呼ばれる人が多い(一方、勝ちを求めるタイプを誉めるときは端的に「強い」である)。粘り腰を発揮して諦めず、容易に土俵を割らない。常に二手三手先を読み、落とし穴を回避する。ラスを引くことなんて、めったにない。
で、2位3位ばっかりなんだ、これが(笑)。
考えてみれば、理の当然で、負けを逃げるタイプは、大きな得点を得ない。サシの勝負なら、どっちのタイプでも勝敗は五分五分だが、多人数でとなったら、ハイリスク・ハイリターンを好む、「勝ちを求める」誰かがトップをさらっていく。
結局、ラスもないがトップもないということになる。
とはいえ、それが悪いということではもちろんない。何より、負けを逃げる姿勢は、腕を磨きやすい。麻雀で逆転が欲しいときに、裏ドラ狙いに走るか、手役だけで逆転できる点を目指すか、確率的には、往々にして前者が正解だったりするが、後者のほうが、最終的には強くもなる。
……と、自分を納得させるべく、「負けを逃げる」典型的ゲーマーが言ってみたりした(笑)。
そして、改めて、イーグルスとホークスを見やるのである。なんとも、自分に似つかわしいのかもしれない、と。
*1極端なことを言えば、生き死にのゲームで、10点0点を選べる人は少ない。だからこそ、いろんな保険がある。 |
【01月09日 安田均】 |
あけましておめでとうございます。
今年もグループSNEはゲームにストーリーにと邁進ていきますので、応援よろしくお願いいたします。
新年ですので、今年の予定を少しばかり。
今年もグループSNEでは、ソード・ワールド2.0とモンスター・コレクションが2本柱。そこにシルヴァーレイン、デモンパラサイト、エムブリオマシン、ゲヘナ、それにドラゴンランス、ダークエルフなどファンタジーを中心とした翻訳作品が続きます。
特にモンスター・コレクションはTCGで、新たな大きな展開を夏から見せますので、乞うご期待。RPGでも、その後の展開を企画中です。
ソード・ワールド2.0も、ついに長編小説など背景世界が動き出します。ゲーム面はサプリメントで大型のものが登場。さらに、キネティックノベルのほかにもコンピュータゲームが登場しますので、続報ご期待ください。
シルヴァーレイン、デモンパラサイト、エムブリオマシンら(以下略)も、継続して力作を展開します。また、翻訳ではドラゴンランスの新展開(続報お待ちください)ほか、ロマンスファンタジーなどもまだまだ続きます。
もちろん、そうした従来のラインに新たな力作も加わります。近々出るものとしては、新作RPG「セイクリッド・ドラグーン」。従来「セイクリッド」と予告していた作品がまったく新たな構想のもと、春までにはお目見えしますので、ご期待ください。デザインは期待の新鋭・力造です。
また、お待たせしているシェアードワールドノベルもようやく登場しそうです。シェアードワールド作品は、この他にもまったくの新作と、これまでいったん終了している大作ひとつが年後半にはリヴァイバルしそうです。
そして、今年は小説でも新人の力作や、これまでお待ちだった作品をお届けできそうです。新人では河野裕、諸星崇ら(他にもいっぱい)、お待たせは友野詳(ユエル新作、もちろん、シルヴァーレインも続々)、清松みゆき(混沌完結)です。そうそう、どうなってるんだとお叱りのあった「ウイズ・ドラゴン」も藤澤早苗とぼくとで第3巻を出せそうです。ぼくの個人作品では「ボードゲームジャンクション」のまとめと、「六門世界RPGリプレイ」の早期出版をがんばります(モンコレTCGやソード・ワールド2.0のコンピュータゲームもあって、ゴーストハンターはもうちょっとお待ちを)。
今年も、例年とかわらず、よろしくお願いします。
PS 今月のお題は、ウシに関係させろ、ということで蛇足を。
牛かあ----しかし、牛ってあまりいい意味ないね。トリ頭にはなっても、ウシあとにはなるなとか、鶏を裂くに牛刀を用いるとか、牛歩とか。唯一、牛耳るっていいかとも思ったが、これも牛にとっては耳をとられてるみたいだから、もう一つ。
結局、ことしも「牛馬のように働く」----これでしょうかね。 |
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