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日々つれづれ 09年07月
テーマ 「 バース 」

【08月03日 加藤ヒロノリ】
 毎度毎度、よくわからないお題のエッセイですが、今回はその中でもとびきりな「バース」です。
 大阪人なら阪神タイガース! タイガースでバースと言ったらあの人をおいてほかにありません……というベタなネタで攻めようかと思いましたが、加藤は別に阪神ファンでもなんでもない上に(野球に限らず、スポーツにそもそも興味がない)、先日、めぐみの姐さんや葵ちゃんが軽くやってましたね。というわけでパス。
 じゃあなにをしようかと思い起こしてみますが、「バス」はいろいろあっても「バース」には心当たりがまるでない。だったらここは超直球。ズバリ「誕生(バース)」でいきましょうか。
 最近、自分の周囲でなにかが誕生したかどうかを見回してみると……お、そうだ、ありました。

 ウチで飼ってるカブトムシが、ぽんぽこタマゴを産みやがりました!

 ムスメウスが幼なじみの男の子(なんとこの子の家には100匹を越えるカブトムシが育成されてたり。都会のマンションなのにすげー)からオスとメス3匹ずつもらってきたカブトムシですが、こいつらがウチに来たその日から合体しまくり。
 虫カゴは家のご飯を食べるところから丸見えな場所に置かれているわけですが、これが飯喰ってる間も「キシキシキシキシ」うるさいったらありゃしない。
 ムスメウスたちには合体のことは「結婚」と教えてあるので、ひとまずは大丈夫ですが……いや、でもカブトムシの合体はアレですね。すげー、バイオレンスですね!
 逃げまどうメスに、体格にモノを言わせてのしかかるオス。虫カゴですから、逃げ場はほとんどなく、最終的には無理矢理合体されてしまうわけです。そのとき、こっちに向けられた悲しそうなメスの複眼がドラマを物語っています。
 行為は虫カゴの天井で、逆さになりながらアクロバティックに行われることもあり、「あ、こういうAV見たことある!」とか思い出してみたり。翼のある種族にのみ許された、優雅なひとときなのかもしれません。……まあ、途中でぼとっと落ちてましたが。
 また、合体権を賭けたオス同士の熱いバトルなんかも繰り広げられたりします。負け犬には、なんの権利すらない。勝者であっても、メスたちに喜んで歓迎されるわけではなく、そこから暴力による支配が行われます。メスには選ぶ権利すらないのが「ああ、カブトムシでなくてよかった」と思わせる瞬間ですね。

 そして数日後、なぜか切り株のゼリー置き場に産み落とされる哀れなタマゴたち。

 なんかこう、見てて悲しくなる、望まれなかったこのバース。
 こんな子はあたしの子じゃない! あたしが望んでできた子じゃないもの! そんなカブトムシのメスたちの心の声が聞こえてきそうです。このまま踏みつぶされるのもあんまりなので、ツマブロスが別の虫カゴに確保完了。

 大丈夫、キミたちのバースはオラたちが引き受けてやるさ――と、なんか孤児院の院長さんにでもなった気でいる、夏の午後の1ページ。

【07月28日 番棚葵】
 今回のエッセイのテーマは「バース」とのことで。
 ……何かいきなりハードルが高い気がするんですが。「バース」と来ればかつて阪神の「最強の助っ人」として活躍したランディ・バースとか、もしくはイギリスの「バース市街」とかが浮かびますが、番棚はどちらにも縁がありません。
 ランディ・バース活躍時は子供でしたし、「バース市街」は行ったことありませんので。
 はてさて、エッセイの内容はどうするか……悩み続けているうちに、七月も終わりが近づいてまいりました。
 時間は残されておりません。もう明日(あす)にでも、「バース」で一本エッセイを書き上げなければならないのです。
「バース」明日にでも。
「バース」あすに。
「ばーす」「あす」
「ばーす、あす」
「ばーすぁす」
「ばーさす」
 ……はい、そういうことで今回は番棚が集英社スーパーダッシュ文庫から出しましたライトノベル、「生徒会ばーさす!」について語らせていただきたいと思います。
 強引とか言わないでください。俺達も必死だ(主にネタ探し的な意味で)。


 今回出しました「生徒会ばーさす!」は、「女子校に転入した男子生徒が、横暴な生徒会長とその下の生徒会に下克上を挑む」という、現代社会における女性と男性の力関係にメスを入れた、やや風刺的なシリアスドラマとなっております。
 ……すみません、いきなり大嘘こきました。本当は「ヒロインの生徒会長が面白いからという理由だけで、男子生徒に女子制服を着ろという理不尽な命令をし、それに腹を立てた主人公が男子生徒達を率いて下克上するドタバタラブコメディ」が正しいです。
 シリアスの「シ」の字もありませんね。
 そもそも、どうしてこのような一風変わった学園物を書くことになったかというと、小説のプロットを作っている時に友人と相談していたのがきっかけです。


番棚「なぁ、女子校に転入してきた男子生徒が、そこの女子生徒と戦う話って面白いと思わないか?」
友人「なるほど、一理ある。だがギャルゲーで似たような話があるから、それだけではインパクトは薄いな」


 彼はよくプロットの相談に付き合ってくれ、同時に大体の意見をギャルゲーにそって語ってくれる、ナイスガイです。
 しかし、同じくギャルゲーライクな思考をしてしまう番棚としても、その意見には賛成でした。


番棚「確かに、男子と女子が戦うだけではパンチ力は低いかもな。一枚絵に迫力が出ない」
友人「そうだ。このままだとヒロインが立ち絵のみのゲームになってしまう。だから、もっとギャルゲー脳を働かせるんだ。他に付け加えられる要素はないか?」
番棚「要素と言ってもな……いや、しかし待て! これを加えたらどうなる?(ガチャガチャとPCのキーボードを叩く)」
友人「…………! こ、これは!」


・男子生徒全員が、セーラー服を着せられる。


番棚&友人「「それだぁっ!」」


 ……今思えば、どれが「それ」だったのかわかりませんが、この日は休日前で番棚達は久しぶりに呑んでいて、時間は午前二時だったことを追記しておきます。


 とまれ、このような頭のゆる〜いエピソードを経て、「生徒会ばーさす!」はめでたく日の目を見ることができました。
 今はこの作品が、順調にこの世に迎え入れてもらうことを祈るばかりです。
 これはひょっとして、我が子が誕生(バース)した後、その人生を見守る親の心境という奴ではないでしょうか。
 そう、作家にとって作品とはかけがえのない子供です。血こそ繋がっていませんが、それよりも大事な「魂」をわけてこの世に生み出した、自分の分身なのです。
 だからこそ、作家はこれほど作品に愛情と心血を注いでられるっていうか生活のためにも売れてもらわないと困るッスよ!(本音)

【07月13日 篠谷志乃】
バース」というお題を聞いてどうしようかと迷ったのですが。
 なんの捻りもなく、誕生日についてのお話をしたいと思います。


 今はお引越しをされて遠く離れてしまったのですが、私の家の近所に、家族の誕生日がすべて祝日という珍しいご家庭がありました。

 お父さまは、2月11日で、建国記念日生まれ。
 お母さまは、11月23日で、勤労感謝の日生まれ。
 お姉さまは、11月3日で、文化の日生まれ。
 そして、よく遊んでもらった下のお姉さんは「みどり」さんといい、昭和だった当時は、4月29日の「天皇誕生日」生まれでした。

 後に4月29日だった天皇誕生日は12月23日へ移り、「とうとう全員誕生日ではなくなったね」と話していたら、なんと4月29日は『みどりの日』という祝日になることが決定!
 すごい偶然だと笑いあったものです。
 

 ご存知のとおり、現在4月29日は「昭和の日」となってしまいました。
 名前だけでなく日にちもコロコロ変わってしまって、昨今は祝日がいつかわかりづらいですけれど、それでもまだ全員が祝日生まれの元ご近所さん。
 ご家族が増えられた今、みなさんの誕生日がどうなっていらっしゃるのか、またお会いしたときに尋ねたいと思っています。

【07月08日 柘植めぐみ】
 7月のお題は「バース」とな。
 そういやちょうど、もと阪神タイガースランディ・バースが来日していたっけ。でもバースって、綴りはBass(バス)だよね。なんでも、“阪神バス○○!”というふうに新聞の見出しになると交通機関みたいでややこしいから、という理由で登録名はバースになったらしい。
 来日したバース、ドリームマッチでもヒットを打ってMVPを獲得したとか。映画『ミスター・ルーキー』みたいに、現役復帰して、いまのタイガースを救ってくれないものかなあ……ゴホゴホ。
 ゴホ? ゴッホ?
 ゴッポ=I
 そういや、そんな魚がいたっけ。
 ちょっと見にはハゼみたいなやつ。ちっちゃくて、焦げ茶色をしてて、ちょっと斑があって、山あいのきれいな水のなかに住んでいる。一般には“カジカ”と呼ばれているそうだ。
 子どものころ、田舎の祖父の家のまわりでよくゴッポを捕まえた。
 田舎というのは、島根県羽須美(はすみ)。「口羽(くちば)」と「阿須那(あすな)」の2つの地区がいっしょになって、「美しく栄えるように」羽須美村と名づけられた。ちょっと南に行けば広島県、という中国山地のど真ん中である。
 祖父の家は、裏山があって、目の前には畑、横には田んぼ、少し下ると江の川が流れているという自然豊かな場所だった。夏になると数日をここで過ごすのが常で、毎日セミを捕まえたり、江の川で泳いだり、花火をしたり、お墓参りに行ったりしたものだ。まさしく“ぼくの夏休み”。
 いま思えば、田舎は本当に時間の流れが違っていた。のどかで、やさしくて、雲がつかめそうなほど空が近くて……。
 気づくとわたしにとっての“田舎”は、いまの実家になっている。神戸を離れ、父母のいる実家に戻ると、やっぱり時間の流れが違う。ゆったりとした時間を過ごしたあとで、せわしない現実に戻っていくとき、生まれ変わったような不思議な感覚をおぼえるのはなぜだろう?
 わたしにとっての“田舎の田舎”、羽須美村はもうない。平成の大合併で、近隣の町村と合わせて邑南(おうなん)になったからだ。
 今日、7月8日は、そんな小さな村出身の母の誕生日
 この場を借りて、ハッピー・“バース”デー!



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