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日々つれづれ 10年04月
テーマ 「 えいが 」


【10年04月20日 秋口ぎぐる】
 何年か前にオランダやベルギーを旅行した。もちろん貧乏旅行だ。その際、オランダのデン・ハーグという街のユースホステルで20代後半の青年と出会った。
 彼はオランダ人で、ふだんは高校の先生をしているという。フランスに留学していた経験があり、フランス映画や日本のアニメーションがとても好きだという。

「オランダの高校生はだめだよ。完全に教師のことを馬鹿にしてる」

 と愚痴る彼は、とても繊細そうで、たしかにマッチョな生徒からは軽く見られそうな雰囲気をまとっていた。
 彼は言った。

「日本のアニメーションはいいね。アーティスティックで」
「たとえばどんな作品が好きなの?」
「『人狼』とか、『パーフェクト・ブルー』とか」
「そ、そうなんだ……」

 えらいマニアックやな、普通の日本人観光客やったら知らんぞ、と秋口は思った。

「うん。実写なら黒沢清かな。黒澤明じゃないよ? 清のほう」
「ホラーっぽいの撮る人だよね? おれはあんま観ないけど」
「オランダ人の監督は駄目だよ。話にならない。メジャーになってハリウッドへ行った監督もいるけど、騒々しくて暴力的な作品ばかり撮ってる」
「たとえばだれ?」
「ポール・バーホーベンとか」
「ああ、あの人か!」

 ポール・バーホーベンと言えば『ロボコップ』や『ショーガール』などで知られる変態監督だ。映画『スターシップ・トゥルーパーズ』では「男女数十名混合・全裸シャワーシーン」の撮影を嫌がる俳優たちに対し、自らが全裸になってみせ、「ほら、俺も脱いだんだ。おまえらも脱げ!」と言いはなったらしい。

「そっか……たしかにアーティスティックではないよね……」
「ところで、君はどんな作品が好きなの? たとえばフランス映画では」

 と彼に訊かれ、とっさに秋口から出たこたえは、「『クリムゾン・リバー』と『ドーベルマン』かな」であった。
 どちらも暴力的で、どちらかというとポール・バーホーベン路線の映画だ。
 しかも『ドーベルマン』に至っては、監督はオランダ人だ。

 あのときの、彼の哀しそうな表情が忘れられない。



【10年04月16日 友野詳】
 若者たちがなんとかダジャレでひねろうとしているので、私は、素直に 「 映画 」 で書こうと思うのですが。
 えーと……400字詰め原稿用紙にして500枚くらいでいいですか。
 はい、800字程度で ?! が、がんばります。


 学生時代、自主映画を作ってました。ちょうどフィルムからビデオに主流が移ったころです。でも、ぼくらはフィルムを使ってました。理由は簡単。当時のビデオでは、特撮ができなかったからです。
 いまでこそパソコンで簡単に合成なんぞも可能な時代ですが、当時は、学生にできるCGなんぞ、ワイヤーフレームをかくかく動かすのがせいぜいという時代でした。

 ミニチュアの宇宙船の前に、主人公たちが立っている。そんなシーンを撮るには、レンズの半分をマスクで覆って感光しないようにし、撮影後に巻き戻して、さっき撮影した部分をマスクし、もう片方を撮る、という手順だったのです。

 変則撮影や逆転撮影のできる、高機能の8ミリフィルムカメラは、すでに生産が終わっていて、ぼくらの憧れの対象でした。

 大学時代の5年間(一年余分ですが気にしないで)、いえ卒業してからもかかわっていていたので6年と少々の間に10本ほど。といっても長くて30分弱、大半は5分から10分。
 キャストとして出演したり、森の中で2メートルの火柱をあげたり、真夜中にバケツの水を浴びたり、8人で6畳間に泊まりこみ続けたり(どうやって寝てたんだ、オレたち?)いろいろやっておりました。
 妖怪アクションから宇宙SF、不条理SFにコメディにヒーローもの、クトゥルフ神話ものまで、思えばいろいろやったもんです。
 脚本を書いたりもしましたが、監督したのはオムニバス企画の一本、ゾンビもののホラーだけでした。

 いま、ものを書くことを仕事にしていますが、この自主映画の経験のうち、最も役に立っているのは 「編集」 という作業だったように思います。

 どんなものを撮るか、どう撮るかは、もちろん重要なんですけれど、それを最後にどうまとめあげるか、無駄かどうでないかをシビアに判断することが、素材を 「作品」 にするんだな、ということを知ったからなんですね。

 リプレイを書く作業は、映画作りに似ていると思っています。もし、リプレイを書こう、と思ってらっしゃる方がおられるなら、映画作りを勉強してみるのも、面白いかもしれませんよ?



【10年04月13日 笠井道子】
「とある日に出遭った出来事」

 2010年1月某日、平均気温を下回る寒さがちょっと緩んだ午後六時半。
 仕事の帰路、あと一つ信号を渡ればJR三宮という、その交差点で。
 携帯電話を握りしめ、足を踏みならし、泣きじゃくる20歳前後の娘さん一人。
 幸か不幸か、信号は赤に変わったばかり。
 聞きたくなくとも聞こえてしまう、娘さんの悲鳴。


「 嫌や、嫌やて、お願い! 」


 どうやら痴話喧嘩らしい。ぷくく……

「お願い、うちは○○くんとまた一緒に遊びに行きたいねん」

 つまり、まだ片思い(恋人未満)の段階?

「嫌や、別れたない、うちは嫌や、お願い!」

 ん? 別れる別れないのってことは、一応つきあってたのか。


「 いやぁぁぁ〜〜〜〜〜! 」


 電話、切られたっぽい。まあ、当然だけど。
 激しくしゃくり上げながら、必死に電話をかけ直す娘さん。

「嫌や、うち、別れへんし」

 何度目かで、ようやく繋がったらしい。
 相手も根負けしたんだろうな。

「もう絶対、せえへん。約束する」

 いったい、なにをやらかしたんだ、この娘?

「ほんま、これが最後やから許して。お願い」

 なにがあったか知らんけど、前にもやってるんかい。
 それ、あかんやん。

「うちは○○くんと結婚したいねん。絶対絶対ぜ〜ったい結婚したいねん」

 他人事だし、余計なお世話やけど、それ、たぶん無理やと思う。

 その後も 「お願い、許して、嫌や、嫌や」 のくり返し。
 そして、ついに再び切れたらしい電話。


「 ぎ ゃ あ あ あ あ あ あ あ ! 」


 帰宅ラッシュで賑わう神戸三宮の交差点。
 響きわたる娘さんの絶叫と地団駄を踏む足音を背中に聞きながら、信号を渡る私。
 娘さんがその後 「許してもらえへんのやったら死んだる」 と車に飛びこんだか、どうしたかは不明。

 しかし、リアルな現実の迫力って問答無用にすごい。
 SNEのメンバーが小説内でこのシーンを書いたら、
「そんな女、どこにいるねん」と絶対、鼻で笑っただろう。

 内臓を素手で触られたような、不快なような、
 目を背けたいのに、つづきを見たいような
「珍しいもん見たわ」と得したような、損したような
 なんとも言えない衝撃。

 映画や芝居では絶対に出せない、ナマの迫力に圧倒された一幕でした。



【10年04月09日 清水一樹】

 ようやく気候も春らしくなってきましたね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 今月のお題は、「えいが」だそうで……。
 さてどんな駄洒落にしようかしら(←おい)。
 おや、既に葛さんのエッセイが上がっている。どれどれ。

 …………。

 ほぎゃーーーー!!!

 使おうと思ったネタ(主に駄洒落)が全て列記されている!!

 はっはっは、このくらいの事で動揺する清水さんじゃないですよ?
 まあ、まずは一服して心を落ち着かせるとします。

 ……。ふぅ。
 えーとまずは、素数を数えるんだ。
 おお、素数といえば何か計算問題らしきものが出ているじゃないか。きっと今日僕はこれを解けばいいんですね?(※注:しみず はこんらんしている!)

 問:AEが50cmのとき、三角形Yの面積は。

 答、625√3すなわち約1083平方cm!
 きっと三角形YはAEを一辺とする美しい正三角形であるに違いない!!


 ……よし、何故か本当に落ち着いたぞ。ありがとうA型の血液。

 お見苦しい所を見せましたがもう大丈夫です。気を取り直して軽快に行きましょう。


 はい、唐突ですが、清水一樹は大のサッカーファンであります。
 ちなみにJリーグで贔屓のチームは清水エスパルスですが、ここは駄洒落でも何でもなく正真正銘の発足当時からのファンでして、「今シーズンは優勝が期待できるぜ」とワクワクしながら動向を見守る日々であります。

 そんな感じで国内リーグも盛り上がっておりますが、やはりサッカーと言えば今年は、“ワールドカップ”でしょう! 4年に一度のこの世界大会には色々な思い出がありまして、仲間達と徹夜でTV観戦して近所迷惑と怒られたり、フーリガンと呼ばれるイングランドサポーターの集団に囲まれて死にそうな思いをしたり……とにかく毎度ぎゃあぎゃあと騒いではそれなりに楽しんでおります。

 そんな僕が今回思い出しましたのは'98年フランス大会はアジア最終予選、世に『ジョホールバルの歓喜』と呼ばれたイラン代表とのアジア第3代表決定戦でございます。日本代表が史上初のワールドカップ本戦出場を決めた試合ですね。

 当時のイラン代表はドイツリーグ等の強豪クラブ所属選手を多く揃えた豪華布陣でして、中でもエースFWのアリ・ダエイという名前には覚えのある方も多いでしょう。彼の国際Aマッチにおける通算109得点というのは今でも世界記録だそうで、かつての日本代表も幾度となく彼に辛酸を舐めさせられています。

 そして運命の第3代表決定戦、負ければ出場が夢と消える最終試合。
 彼はまたしても、日本代表の前に立ちはだかります。

 ほら、耳を澄ませば今でも鮮明に蘇りますね?
 自軍のゴールにつきささる悪夢のような光景と、それを伝える実況の悲痛な声が――!


「――さあこの人には要注意です、アリ・ダエイ」


ダエイ飛び込んだ、DFマークを振り切られる! あああああ! 決まってしまった!!
 えいが決めたーーー!!!」


 …………。


 結局ダジャレじゃねぇか。(←脳裏に響く読者皆様の声)


 すみませんでしたーーー!!!



 追記。
 こんな駄目駄目な文章を書き上げて「今後の日本代表の活躍に注目ですね!」と締めようとしたところ、ふと見たニュースサイトに 「日本代表、セルビアに0-3で惨敗」 との記事が(笑)。

 そういう事は書く前に言ってくれ!! ていうか勝って!!(泣)

 それでもきっと今回も、日本代表は我々に素敵な夢を見させてくれると信じております。
 大いに盛り上がっていきましょう!



【10年04月05日 葛まき】

 今月のお題は「えいが」だそうです。えいが、えいが……うーん……


 と、ナチュラルに書き始めようとしております私、皆様お初にお目にかかります。

 この春からこの奇才が集うグループSNEで(自称)唯一の平凡を担当いたします、
 「クズマキ」こと「葛 まき(かずら まき)」と申します。いっそ「クズ」と呼んでいただいても反応します。正し、親愛を込めてお願いします。
 そんな私の中学時代のあだ名は「クズみ」でした。ガチで。 安心してください。決して虐めの一環でそう呼ばれていたわけじゃ……わけじゃ……ないよ…ね…?

 そんな私がいただいている主なお仕事は、現在HP管理の片棒を担っております。
 誤字・脱字・見づらい・おかしい等などご意見ありましたら、精一杯対応させていただきます。それはもう誠心誠意真心込めて。

 さて、自分の自己紹介はこのあたりに留めておいて、話を戻して今月のお題へ。


 今月のお題は「えいが」だそうです。えいが、えいが……うーん……

 と、ナチュラルに……あれ、振り出しに戻った?
 …はい、真面目にやります。そう、「えいが」ですね。「えいが」。


 最初に「えいが」と聞いたとき自分は「映画」しか思い浮かばなくて、「最近映画を見ていないから、なかなか思い浮かびません…」と弱音を吐いたところ、先輩である森本さんに、

「【えいが】と言えどもいろいろあるでしょう? 【映画】もあるし【栄華】もあるし。その言葉から捻りださないと。 だって、ほら、文章のお仕事してるところだからね☆

 な☆る☆ほ☆ど!
 とても目からうろこな良い話でした! よく考えてみればすぐ分かることとか言ったら駄目です。次回からはよく考えます。

 と、いうことで、思いつくだけの「えいが」を出してみました。


【映画】
 一人で買い物、一人でカフェ、一人で美術館 ――
 ―― そろそろ一人で映画デビューです。
 ※ただしレディースデーに限る

【エイが】
 むかしむかしあるところにエイが一匹おったそうな以下略。

【え、胃が…】
 確実に大きくなった気がします。
 4月1日の飲み会で盛大に歓迎された結果です。う、嬉しいなー!

【AEが】
Q.AEが50cmのとき、三角形Yの面積を求めなさい。
A.無理です。


 …小学生からやりなおした方が良い気がしてきました。いろんな意味で。

 先輩方の手腕を参考にしながら、全ての面において成長していければ、と思います。
 改めて、ユーザーの皆様、関係者各位の皆々様、これからよろしくお願いします。
 「栄華」を夢見るお年頃、クズマキでした。


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