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日々つれづれ 11年11月
テーマ 「 三日月 」 |
【11年12月 2日 藤澤さなえ】 |
何年か前に、まっ黄色のピアスを買いました。500円玉よりまだ二回りは大きい、ど派手なピアスです。右耳は三日月型、左耳は星型で、つければ首の横でお祭りでもしてんのか、てくらいに目立ちます。
なんでそれを買おうと思ったのか全く覚えていないのですが、どういうわけか買ってしまったので使わないともったいない。……と思いつつ、全然使ってません。とにかく黄色すぎて、どんな服にあわせても浮いてしまうのですよ。ガラスっぽく透けるデザインなので、夏向き? だと思うのですが、はたしてこれに何色のサマードレスをあわせればいいのやら。
でも、買ったままタンスならぬ、アクセサリーケースの肥やしにしておくのはもったいない。一度奮起して使ってみることにしました。
ちょうど久しぶりの学生時代の友達との食事の約束があって、「あいつが相手なら多少服装に失敗しててもうるさく言われないだろう」と思い、その時につけていくことにしました。
そしてピアスのために服のコーディネイトに頭を悩ませます。
まずは黄色のTシャツとあわせてみる。――駄目だ、黄色人間すぎる。
じゃあ、逆におちついた黒い服とあわせてみよう。――なにこれ踏切か? 信号機か?
となれば、白いワンピースで……て、もはやピアスにしか目がいかなくなってしまう。
――何故だ……何故ピアスのために服に悩んでいるんだろう。
そんなことをブツブツ言いながら、何度も服を着替えていると、あれ? どの服着ても一緒じゃない? てか、逆に考えるならそれだけの存在感のピアスなんだから、すごく優れものなんじゃないの? なんか、だんだん可愛く見えてきた。そうだ、このメルヘンっぽさに惹かれたから買ったんだよ!
……と、だんだんポジティブになっていきました。さらに服を交換すること数回。気付くと何で悩んでるのかわからなくなってきて、「てゆーか、たんなる大きなピアスじゃないか」と思ってしまい、結局いつもと変わらない服を着て、ピアスをつけて家を出ました。
電車の窓に映る自分を見ても、別になんとも思わない。クリーム色のシャツに黄色いピアスをつけただけ。なんだ、全然普通じゃないか。
そう思っていたのですが、いざ友人に会ってみると――
「わー、まっ黄色なピアスやね~」
と、言われました。マヒしていた感覚が息を吹き返した瞬間でした。
ちなみに、それ以来もう使ってません。誰かこの三日月と星のピアスの使い方教えて~! |
【11年11月21日 河端ジュン一】 |
最近、iPadを有効活用しようキャンペーンが私の中で開催されています!(今さらか)
仕事用のデータを確認したり、遠方へ出向くときにナビを見たり、あとは単なる暇つぶしとして使ったり。
活かそうと思えばなんにでも活かせて、本当にいろいろ素晴らしい。
特にゲームアプリは、ボスもお勧めしているとおり、よいです!
操作性が直観的なので、据え置きや国産携帯ゲーム機の「いわゆるコントローラっぽさ」に慣れた世代からすると新鮮で楽しいです(もちろん、コントローラにはコントローラの味もありますが)。
と、高揚していた矢先、大学時代の友人たちと会う機会があったので、なんとなくiPadゲーを布教してみました。
少し興味もあったのです。普段、ゲームをあまりしない人たちが、どういうタイプのゲームを好むのか。たぶん社内メンバーとは異なるはず。
そうして、実際にいくつか毛色の違うアプリを見せて、全員に遊んでもらったところ、わりとみんなから平均的に支持を得た作品がこれです。
『Gears』(Crescent Moon Games)
内容はというと、ボールを転がして、ゴールの穴に入れるだけ。
操作方法は、画面を指でスワイプし、加減速と進行方向を調節するのみ。
超シンプル。
しかし、それゆえに強いのだろうな、という感じです。くせがない。
あと、この作品、操作はシンプルですが、各ステージにはイヤらしい障害物がたくさんあって、そこが盛り上がりポイントです。友人とやったときも、「なんたる孔明の罠! 孔明許すまじ!」と奇声が飛び交いました。
老若男女、誰でも楽しめる簡単なゲームです。
確か250円くらいで買えるので、よかったら家族みんなで遊んでみてください。 |
【11年11月16日 ベーテ・有理・黒崎】 |
今回のテーマは三日月。
これを聞いて最初に脳裏に浮かんだのが、二本のシミターを振るうダークエルフの姿だった。中々どうして、ギークたる自分を忘れられないものだ。
というわけで、今回はシミターについて書きたいと思う。
シミター(scimitar)というのは、中東のアラブ諸国やインドに見られる湾曲した片刃の剣……いわゆる曲刀全般を指す“英語”だ。ただ、そこから発展したサーベルや、より鉈に近しいカトラス、直刀であるスクラマサクスにファルシオンなどの西洋の刀はそれに含まれない。
同じく、中国の柳葉刀や日本の打ち刀などもシミターとは呼ばれない。
しかし、同時にペルシャ人の曲刀シャムシール=シミターというのもまた、違うのだ。もっと正確に言えばシャムシールはシミターだがシミターだからといってシャムシールとは限らない。
アラブのサイフやムハッダブ、ペルシャのシャムシール、トルコのキリジ、モロッコのニムカ、アフガニスタンのプルワール、インドのタルワール、エチオピアのショーテルさえもシミターとして扱われる。
ちなみに、これらの言葉の多く(サイフ、シャムシール、タルワールなど)はその国において単に“剣”を意味する言葉である。日本語の刀が必ずしも日本刀を意味しないが、しかし同時に刀と言えばそれを思い浮かべるように、その国を象徴する刀剣がその名を代表しているのだ。
すなわち、これら、いわゆる古代オリエントの地に存在する様々な細身で湾曲した刀を西洋が一つの言葉に押し込め、細かい差異を無視して単一のイメージとして結晶化させたのが“シミター”なのだ。
それはキリスト教的な十字を意匠に持つロングソードを用いる十字軍の敵が振るう武器であり、近しくも異質な者達の持つ、エキゾチックな武器である。
現在の欧米においては美しく、エキゾチックで刺激的な武器としては日本刀に立場を奪われている形になっているが、未だにその人気は高い。なにより、西洋的なキャラクターが振るっていても日本刀ほど違和感がない点がよいのだろう。
……随分と長々と書いてしまった。
最後に、日本語ではこのシミターという語、しばしば偃月刀と訳されるが(ちなみに偃月とは半月の意。惜しい!)、中国における本来の偃月刀とは関雲長の青龍偃月刀のような、大刀(ダーダオ)と呼ばれるポールウェポンであり、シミターを表すには少々イメージが違うとかねてから思っていた。
やはり、夜の闇の中、月光に反射するシミターの刃は、三日月刀と呼ばれるのが良いと、そう無理矢理テーマに繋げて、今回は終わりたいと思う。
See you again! |
【11年11月15日 川人忠明】 |
「今月のテーマは、『三日月』です」
うむ。そろそろ寒くなってきたからな。コタツが恋しい季節だ。
「は? コタツと三日月にどういう関係が?」
だって、『蜜柑好き』だろ? やっぱ、コタツには蜜柑だよな。
「違います! 三日月です、三日月! 蜜柑好きじゃありません!」
なんだ、そうだったのか。すまんすまん。聞き間違い勘違い。
いやあ、確かに言われてみれば、もう忘年会シーズンだな。実は、この前も、忘年会の会場を予約しようとして、「もう予約いっぱいです」って言われちゃったよ。知り合いの居酒屋の店員さんによると、今年はなんだか例年より一ヶ月くらい早くから忘年会の予約が入ってるらしい。いや、なんでかはよくわからんが。
「そうなんですか。まあ、なんにしても、予約がいっぱいなのはいいことです」
うむうむ。
「それは、それとして。どうして、ここで忘年会の話が?」
お? 忘年会だけでは、まだ満腹しないのか? そのあとにやってくるクリスマス、さらにはお正月、果ては成人式に新年会まで手を伸ばしたほうがいいか? しかし、いくらなんでも、それは暴飲暴食が過ぎるというものだろう。俺の胃は、そこまで強靱じゃない。いや、むしろ弱いほうだ。すぐに気持ち悪くなる。
「……申し訳ありませんが、なんの話をしているのか、まったくわかりません」
えっ? なに言ってんだ。今月のテーマだよ。
ほら、あれだろ? 食べ過ぎや消化不良で、胃のあたりがムカムカするやつ。
「それは、『むかつき』ですっ! テーマは『三日月』だって言ってるじゃないですか! あなたの胃のことなんかどうでもいいんですよっ!」
がーーーーんっ! ど、どうでもいい……orz
「落ち込んでないで、ちゃんと『三日月』の話してください」
は、はい。え、えーと……み、三日月は、古来より女の人の眉の形に例えられていた。万葉集には、次のような和歌がある。
振り放(さ)けて三日月見れば一目見し人の眉引き思ほゆるかも(大伴家持)
空を仰いで三日月を見れば、一目見たあの女性を思い出す、という意味。さっきも言った通り、「三日月」といえば「女の人の眉の形」なので、「一目見し人」は女の人ということになる。
あと、三日月を船に例えた和歌もある。
天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ(柿本人麻呂)
これは、解説不要だろう。想像しただけで、美しい夜空の光景が思い浮かぶな。
たまには夜空を見上げるのもいいもんだぞ。
「都会には夜空がない、と私は言いますよ?」
もうすぐお正月。年末年始の休みもあるし、田舎に帰るとか、ちょっと街を離れて静かな場所にいってみるとかしてみたらどうかな?
というわけで、最後にいつものやつを。
今月の徳島センス:田舎に帰って、気になるあの子といい仲に!
ばんざーーーーーい! |
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