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日々つれづれ 12年07月
テーマ 「 スイカ 」

【12年07月31日 森本有美】

 
カットスイカ糖度13度以上じゃないと買いません。
 でも半額になってたら12度でも買ってあげてもよくってよ?

 甘いもの大好き、森本です、こんにちは。

 先週末から急に暑くなってきましたね。
 台風の影響で一過性との噂ですが、ロフトで寝落ちすると本気で熱中症の危機を感じます。
 節電も大切ですがまず自分の命の方が大切、と言っても許されると思う今日この頃です。

 それはさておきまして。
 数年前に流行った『*型自分の説明書』という本、覚えてらっしゃる方はいるでしょうか。
 各血液型の人ってこんな感じだよね、という内容の本でした。
 血液型の性格診断に科学的根拠はないらしいですが、友達と本を囲んで「やだ! これすごい当たってる!」とか騒ぐのは楽しいもので。

 個人差あって当たり前なので当たり外れは人それぞれだと思うのですが、個人的に自分に当てはまるなーと思った項目のひとつは

 健康マニアである

 という点。
 別にあらゆる健康情報を網羅し、健康グッズを買い集め……とかしてるわけではまったくないんですが、自分の体調変化について分析したり、処方された薬のことを調べたり食べ物の栄養価を調べたり、というようなことが結構好きです。

 そんなわけで、当たり前のように
スイカの栄養価についても調べたことがあるんですが、スイカは90%以上が水分のわりに、意外といろんな栄養素を含有しています。

 旬の食材には、その季節に適した栄養素が詰まっていると言いますが、スイカも例外ではなく。
 特にカリウムは疲労回復や利尿作用などを備えています。
 暑いとついつい水分を多く取りがちですが、水分の過剰摂取も夏バテの原因のひとつ。
 スイカは、水分を摂りながらも不要な分は外に出してくれる食べ物なんですね。

 ただ、食べ過ぎると体を冷やしてしまうし、カリウムの作用でミネラルが過剰に体外に排出されてしまって、それはそれでまた夏バテの原因になりますので、ほどほどが大切です。

 なのでほどほどに食すためにカットスイカを求め仕事帰りに自宅最寄りのスーパーへ寄るのですが、急に暑くなったせいかわたしが帰る頃にはすっかりカットスイカの棚はからっぽ。
 だからといって一玉まるっと買うと食べ過ぎてしまうので悩ましい。
 何かこう、一玉買っても上手に消費できる手段はないものかと調べてみたら、
すいか糖なるものを見つけました。
 スイカの果汁を煮つめたもので、スイカの有効成分がぎゅっと凝縮されていてるようです。
 作り方を検索して写真を見た感じ、はちみつ色でちょっと美味しそう……。
 カットスイカがない日にどうしてもスイカが食べたい! と思った時に、一玉買って作ってみようかな。

【12年07月17日 石在神明】

今から10年ほど前。
まだ若く、無謀だったぼくは、仲間と一緒に毎年春と夏に「土"佐旅行」をしていた。
「土佐旅行」ではない、「土"佐旅行」だ。
日本を8つのエリアにわけ、1回1週間で1エリア4年間で全エリアを訪れるという企画だ。
しかも、様々な施設で芸を披露する代わりに、食事と寝床を提供してもらおうというのだから、我ながら頭が悪い。

だが、とても楽しかった。
忘れられない思い出だ。

その中でも、とびきり強烈な思い出があるので、それを書こうと思う。


あれは、まだ暑さの残る晩夏の昼下がり。
山口県にある綾羅木駅から少し離れた、とある施設。

ぼくは、その施設で催される夏祭りに参加していた。
しかも、なぜか選手登録されていた。

何の選手かって?
夏のスポーツといえば、決まっている。

もちろん、
「すいか割り」だ。

「すいか割り」は、
日本すいか割り協会(JSWA)の定めた公式ルールで行われる。
このルールは、競技者が正しく目隠しをされているかどうかを確認するために目の前に1万円札を落としたりする、審判員はその年の国産すいかを10個以上食べていないといけない、などユニークな楽しいものだ。

なお、公式ルールにはJSWA版を発展させた、日本すいか割り推進協会認定版もあるのだが、ぼく個人としてはJSWA版の方がシンプルでいいと思う。
やはり、ボードゲームでもスポーツでも、ルールはシンプルな方がいい。

なお、勝者には名誉と、競技後にすいかを食べる際に真っ先にどれを食べるか選ぶ権利が与えられる。
いやがうえにも闘志は燃えさかるばかり。

かくして、競技が始まった。
結果は惨敗

見ている人は、すいかの位置を教えるために、右だ左だというのはご存じの通り。
だが、一緒に参加した仲間が、おもしろ半分に適当なことを言うので、ぼくはすいかに完全に背中を向けて棒を振り下ろしていたのだ……

ちくしょう。





【日本すいか割り協会(JSWA)公式ルール】

第1条 (競技場)
1.競技場は『どこでも楽しめる』スポーツです。
しかしながら、『こだわって』場所を選定すれば、やはり『砂浜』です。

2.すいかと競技者の間の距離
1994年5月のISBC(国際すいか割り評議会)で9m15cmと定められております。

第2条 (用具)
1.棒は、直径5cm以内、長さ1m20cm以内の棒っきれ。
但し、カーボングラスファイバーの使用も認められています。

2.すいかは、JSWA公認の『日本国産すいか』を用いること。

第3条 (競技者)
1.競技者はすいかを『割る人』も「見ている人』も皆競技者です。
(尚、古来すいか割りは居合術の修行でありました。)

2.審判員
『公平』な人はもちろんですが、その年のすいかを10個以上食べた人でなければなりません。

第4条 (競技の開始)
1.アイマスクの確認(目隠しの確認)
1万円札を目隠しした人の足元に落とし、拾った人は失格です。

2.フォーメーションロール(スタートする時の回転)
ISBCでは、1990年以降7回と2/3回転と決定しております。

第5条 (競技の進行)
1.競技者1人の持ち時間は3分です。

第6条 (勝負の判定)
1.割ったすいかの断面の美しさで判定します。すいかが2つに割れて2つの大きさが等しいものを100点満点とします。

【12年07月09日 北沢慶】

 今回のお題である、
「スイカ」と言えば、思い出すのは奥さんのつわりです。
 妊娠したときに女性を襲う、それはそれはツライ症状が、つわり。よくドラマなんかで妊娠が発覚する演出として、「うっ」とか呻きながらトイレに駆け込むアレです。

 男の身としては、その苦しさは想像することしかできないうえに、正しく想像するのも困難な症状ですね。
 奥さんいわく、「二日酔いが何ヶ月も続く感じ」だそうで。
 そりゃツライ。

 このつわり、ツライ人と楽な人との落差もかなりあるそうで。普通は妊娠2〜3ヶ月から始まり、3〜4ヶ月ほど継続するようです。ですが楽な人はまるで感じることなく出産に至るそうですし、特にヒドイ人は、生まれる直前まで続くそうです。

 うちの奥さんは、期間的には標準的なところに収まっていたように思うのですが、とにかく症状がきつかった。ずーっと寝たきりみたいになっていて、見ていて辛かったのを覚えています。

 で、このつわりで共通した症状が、食事に対する嗜好の変化です。

 昔のドラマや漫画なんかでは、「すっぱいものが欲しくなる」というのが定番ネタで、レモンとか差し入れするシーンをよく見たものです。が、現実はそんな単純なものではなく。

 うちの奥さんの場合、食べ物全般がダメ。
 特に油ものは最悪で、奥さんが動けないのでその間は自炊したりしてたんですが、うっかり炒め物など作ろうものなら匂いだけでダウン。いまいちこの期間をどうやって乗り切ったのか、自分でも記憶が曖昧です。

 そんな中、唯一食べられたのが、
「スイカ」でした。

 とはいうものの、最初につわりでダウンしたのが、確か4月ぐらいのころ。「スイカなら食べられる気がする……」とうわごとのようにつぶやく奥さんのために、いざスイカ探しの旅に出ました。

 ひとまず「モチは餅屋」ということで、知っている果物専門店へ向かう。
 さすがは現代日本、もちろん専門店にはスイカがありました! ピカピカに磨き上げられた、
キュートなサイズの小玉スイカが、3150円

 さんぜんひゃくごじゅうえん……?

 ひとまず、そこはスゴスゴと退散。
 なんの根拠もなく、うわごとを頼りにスイカを買いに来た身としては、いきなりそんな冒険はできません。
 しかたなく、自転車で行ける範囲の八百屋や果物屋、スーパーなどを転々と探して回ります……が、さすがに4月にスイカはない!

 もはや3150円の小玉スイカを買うしかないのか……そう思いつつも、いったん帰路につき、自分のご飯を買うためにも近所のスーパーへ寄りました。

 すると!

 なんと、実に平凡な庶民的スーパーであるところの近所のスーパーに、カットスイカが売ってるじゃありませんか!

 しかもその価格、298円

 もちろんノータイムで、買い物かごに突っ込んだのは言うまでもありません。
 いまでも忘れられない、あの青い鳥のオチ的展開
 遠出した意味はなんだったんだと思いつつ、お財布にも優しい298円のカットスイカを持ち帰りました。

 ありがとう、熊本産!

 そして驚いたことに、奥さんのうわごとは的中!
 なにも食べられなかったのに、スイカだけはドンピシャマッチング!
 しかも幸いなことに、近所のスーパーは我が家をおもんぱかってくれたのか、その日から切らさず熊本産のカットスイカを販売し続けてくれたのです!

 そんなわけで、日に日に衰弱する奥さんの体力を、どうにか熊本産のスイカが救ってくれました。本当に、ありがたい話です。

 そして二人目の子供を妊娠したとき、この話を覚えていたいろんな人が、次々と差し入れにスイカを送ってきてくれました。

 ……が。

「今回は、スイカじゃないみたい」
 一口かじって、奥さんは泣きそうな顔でベッドに横になりました。

 つわりって、毎回症状が違うんだって。
 とほほ。

 もちろん、いただいたスイカはすべて、旦那と息子がおいしくいただきましたよ?

 その節はお世話になったみなさん、本当にありがとうございました。

【12年07月03日 大井雄紀】

「雄紀ちゃん、最近太ったよね?」
 と顔を合わせた人に言われる確率、現在約7割。
 ダイエットは、明日から。
 お久しぶりです。大井雄紀です。

 今月のお題は『
スイカ』らしいです。
 最初の一人ですし、まっすぐ『
西瓜』でいきますかね。
 僕がまだ小学生だった、とある夏の日。
 その日は友人の家でお泊まり会でした。
 一通り遊び、夕食をごちそうになった後は、当然夏の風物詩花火の出番です。
 ロケット花火を地面と水平に発射させるという、今考えると超危険かつ恐ろしい遊びをしていたものです(よい子は真似しちゃダメですよ)。
 さて、そんなとき。
 花火に興じる僕たちに、友人のおじいちゃんが差し入れを持ってきてくれました。
 おじいちゃんが持っているのは当然西瓜です。
 各自三角に切られた西瓜を握りしめ、むさぼるように食らいつきます。

「くらえ! タネマシンガン!」
友人A「やめろやー……って! ぎゃぁあああ!?」

 口に含んだ種を友人に飛ばそうとして、赤い実の部分までぶっかけてしまいましたが、子供らしい失敗ということでひとつ。

僕&友人たち「わははははは!」

 夜に遊ぶという特別なことに僕たちはテンションマックスです。
 笑いながら西瓜の一切れ目を食べ終えた僕は、二切れ目に手を伸ばしました。
 大きく口を開けて、かぶりつこうとします。

「ん?」

 そのとき、ふと違和感を覚えて目線を下げてみます。
 ――
カブトムシと目が合いました。
 どうやら西瓜に張り付いていたようです。
 香川県というわりと田舎で育った割に、僕はぶっちゃけ昆虫が苦手です。
「トンボ捕まえたー」と友人が自慢げに捕まえた虫を突き付けてくれば、全力で逃げ出し、後々マジ喧嘩に発展するぐらいのレベルです。
 そんな僕がカブトムシのつぶらな瞳と、吐息のかかる至近距離。
 カブトムシは「おう、にーちゃん。くわえてみろや」とばかりに、雄々しくそそり立つ角を僕の眼前に突きつけています。

「い、いやぁぁぁぁ!」

 乙女のような悲鳴をあげました。
 友人たちは大爆笑でしたが、僕のテンションはだだ下がりです。
 その後、僕は半泣きになりながら線香花火に火をつけました。
 あの日から、絶対に外で西瓜を食べないようにしています。


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