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I Gotta iPad! 第四回
(アドベンチャー/アイテム探し)
執筆:笠井道子
出逢いは突然でした――"Drawn: The Painted Tower(呪われた塔と魔法の絵の具)"。

美しいイラストにBGM、凝った演出とストーリー、そしてなにより雰囲気たっぷりの日本語。
筆者がiPadでアドベンチャーゲームにはまったきっかけは、まちがいなくこれです。
詳細は後に述べるとして、まず「アイテム探し」や「間違い探し」について。
手軽に遊べて、時間つぶしにぴったりなパズル、よく雑誌や新聞にも掲載されていますね。

もちろんiPadでも、初期からたくさん出ています。
「アイテム探し」なら"Everest: Hidden Expedition"や"Amazon: Hidden Expedition"(無料お試し版あり)。
「間違い探し」なら"Musium of Thieves"がすばらしい。しかも無料。まだの方はぜひお試しください。(Lian Tanner著の同名小説をテーマにしているようですが、残念ながら日本では未訳のようです)


Everest: Hidden Expedition

Museum of Thives
Everest...:http://itunes.apple.com/jp/app/everest-hidden-expedition/id292594307?mt=8
Museum of...:http://itunes.apple.com/jp/app/museum-of-thieves/id391293434?mt=8

どういうゲームかというと、Everest: Hidden Expedition(アイテム探し)なら――


英語ではありますが、イラストの外に探すべきアイテム名が記されています。
それらを探しあてて、画面をタップすればクリア。

Museum of thieves(間違い探し)なら――


左右に並んだ絵のなかに、6つ違いがあります。
その場所を見つけて、タップすれば1面クリア。

なにげなくポチポチやっていると、2時間の通勤なんてあっというま(ついでに、視力の低下もあっというま。いまのところ、これが唯一iPadの難点かな。もちろん悪いのはユーザー=筆者なんですが)。

楽しいですねえ。
無料版でもかなりのボリュームがありますし、クオリティは折り紙付き。
いったい、なんの不満がありましょうや?

なんですが、人間って贅沢です。ただの面クリアだけでは、ちょっと飽きが来る。
そんなときに出会ったのが、筆者が愛してやまない"Drawn: The Painted Tower(呪われた塔と魔法の絵の具)"だったのでした。

すみません、やたら長い前振りでしたね。

【Drawn: 呪われた塔と魔法の絵の具】
価格:\600
サイズ : 413 MB
言語: 日本語, 英語, フランス語, ドイツ語, スペイン語
販売 : Big Fish Games, Inc
PC用ダウンロード版:あり
参考URL:http://itunes.apple.com/jp/app/drawn-the-painted-tower-hd/id384464800?mt=8
アイリスは類い稀な才能をもつ一族の少女。しかし、邪悪の手先がその力を我が物にしようと、アイリスを呪われた塔に閉じこめてしまった。
塔にはアイリスの残した手がかりや不思議な力をもつ絵が飾られている。それをたどって、アイリスをぶじに塔から救いだすのだ――

というようなお話です。
大まかにはゲームブックやアドベンチャーブックを思い浮かべてもらうといいでしょう。
あれをパラグラフ選択ではなく、アイテム探しや間違い探し、ミニパズルなどをクリアすることで解いていくのです。
映画(動画)でもない、本でもない――なんとiPadにぴったりなアプリであることか。

なにがすごいって、その独特の雰囲気、(日本語訳も含めて)そのセンスの良さ。

写真左:塔の入り口で囚われの少女アイリスの手紙を発見。鍵のスケッチが見つかります。じつはアイリスの一族の描く絵には不思議な力が宿っているのです。このスケッチを塔の扉にあてると、鍵が開きます。いよいよ塔の内部に侵入です。
写真右:塔の内部で見つけた絵画。不思議な絵の具で描かれた絵画のなかに入りこみ、いくつかのミッションをクリアすることで、つぎのステップへの手がかりを得ます。

比較的初期に出たアプリなので、凝りに凝ってます(後発のアプリほどヒントが充実して、クリアしやすくなっている印象です)。
演出に若干の臭みもあり、そこは好みの分かれるところでしょう。
ただ、妥協のない質の高いイラスト、考えぬかれたストーリーとパズル(アイテム探しなど含む)の組みあわせの妙によって、物語世界にどっぷりと浸れます。
ある意味、エポックメーキングな作品とも言えるのではないでしょうか。
PC版もありますので、ぜひこの雰囲気を味わってみていただきたいと思います。
金額に比して、ボリュームもあり、存分に楽しめます。

第二弾『Drawn:暗黒の翼と希望の灯台』も登場しています。

 《こっそりヒント》
上述したように、最近の同系アプリに比べると、ヒントが少ない――まあ、ぶっちゃけると、不親切なんですね。
そこで、とっておきの強い味方をこっそりご紹介しておきます。
BIGFISH GAMESでの英語サイトに行き、個別タイトルのページに進みます。
そこで、
Check out our blog walkthroughという項目を探してください。
"Drawn: 呪われた塔と魔法の絵の具”なら
http://www.bigfishgames.com/blog/drawn-the-painted-tower-walkthrough/)
です(これに限らず、PC版の出ているゲームならほとんど見つかると思います)

…………

ご覧になりました? これもまた、すごいでしょ?
すべてのパズルやアイテム探しが網羅されています。
本文は英語ですが、スクリーンショット付きで解説されていますので、問題なし。

すべて自分でやりきりたい、という方にはもちろんお薦めしませんが、次の手に詰まってにっちもさっちも行かなくなると、ストレスが溜まることがもあります。
そんなとき、ちらりと参考にされてみてはいかがでしょうか。


【Puppetshow: Mystery of Joyville HD】
価格:\450
カテゴリ: ゲーム
サイズ : 179 MB
言語: 英語, フランス語, ドイツ語, スペイン語
販売業者 : Big Fish Games, Inc
PC用ダウンロード版:あり
参考URL:http://itunes.apple.com/jp/app/puppetshow-mystery-joyville/id428214721?mt=8
さてさて、こちらも超絶お薦めアイテム探し系アドベンチャーゲームです。

どうやら我々は依頼を受けて、ジョイビルという田舎町にやってきた探偵らしいのですが……

写真左:重苦しく沈んだ街の中を馬車で進み、依頼人の元へと急ぎます。
写真右:こちらが依頼人の女性。
怖い――いますぐ踵を返して帰りたくなりますね。

息子のサイモンが三日前から行方不明らしくて、それを探してくださいって言われます。

アイテム探しの場面。
左下のスプーンのような窓に、1つ前のアイテム探しで見つけた歯車が表示されています。
こうしたアイテムは後のシーンでナゾを解く鍵となります。

"Drawn"に比べてはるかに遊びやすく、ストレスがありません。
フレイバーも演出も、とってもハイエンド。日本語対応していないのが残念でなりません。
でも、ヒントもありますし、やってみると意外にさくさく解けるのではないでしょうか。

ちょっと不気味で重厚なイラストや音楽がよくストーリーに合っていて、「芸術的」とも思える作品に仕上がっています。
英語は苦手、と言わず、ぜひぜひ挑戦してみてください。


数えればきりがない、お薦めアプリ
筆者は本当に一時期、アイテム探しにはまりました。
おかげでハードディスクがすぐに満杯。
本稿を書くのにスクリーンショットを撮ろうとしても、まーあ、落ちる落ちる。
ほとんどのアプリをiPadから取り除き、「工場出荷状態にもど」し、必要な分だけインストールしてはまた消すという荒技を駆使しまして、ようやくこれを書いてます。
ほんま、時間も手間もかかって大変やねん、このコラム――けど、やめない、楽しいから(笑)。

と、そんな筆者の御託はさておき、遊んで楽しかったものを簡単にご紹介しておきますね。
【Treasure Seekers: Visions of Gold 】
価格:\450
サイズ : 107 MB
言語: 英語, フランス語, ドイツ語, イタリア語, ロシア語, スペイン語
販売 : G5 Entertainment AB c 2010 Big Fish Games, Inc.
PC用ダウンロード版:あり(日本語タイトル『トレジャー・シーカーズ - 海賊の秘宝 』
参考サイト:
http://itunes.apple.com/jp/app/treasure-seekers-visions-gold/id388932738?mt=8
隠された海賊の秘宝を求めて旅立つネリーと弟のトミー。
上に挙げた2作品よりとっつきやすく、可愛いお話。仕掛けもとてもよく出来ています。
iPadではシリーズ3作まで出ています。
唯一の難点はボリュームが少ないこと。書籍で言うなら、中編なんだよなあ、これ……


【Samantha Swift and the Fountains of Fate 】
価格:\600
サイズ : 212 MB
言語: 英語
販売業者 : MUMBOJUMBO c 2010 MumboJumbo, LLC
PC用ダウンロード版:あり
参考サイト:
http://itunes.apple.com/jp/app/samantha-swift-fountains-fate/id386181428?mt=8
インディジョーンズ風の宝探しゲームです。
惜しい! 全体にちょっと(いや、かなりか?)ダサい。
それでもお薦めする理由(わけ)は、パズル部分が秀逸で、なおかつユーザーフレンドリーであること。
そして、価格のわりに充分な遊びごたえがあること(MUMBOJUNBOのアプリは総体にこうした印象を受けます)。
これはPC版では第四作にあたるようです。
それほどフレイバーにこだわらず、延々遊びたい人にはお勧め。

こうしたアイテム探しを組み込んだアドベンチャー系アプリは本当にたくさん出ています。
1回では紹介しきれないので、次回に持ち越しです。
また、アイテム探しは紙媒体ととても相性がよく、グループSNEにとっても新たな可能性を開いてくれそうな気がします。
次回にはその辺りも含めて、ご紹介したいと思います――早い話、宣伝なわけですね。

本日のオマケ
いやー今回たっぷり書いたなー、もう「本日のオマケ」要らんやんなー。

仕事中、ひとりごちた筆者に「ほしいです!」と言ってくれた同僚が二人。

え? 要るん?

ありがたいっちゃあありがたいんですが、読者のみなさまにはすでに「読み疲れ」を起こしておられることと思いますので、簡単に。

【ネコアップ】
価格: \85
サイズ : 17.0 MB
言語: 日本語
販売 : Ryuji Kuwaki c RyujiKuwaki
参考URL:
http://itunes.apple.com/jp/app//id410011600?mt=8
iPhoneアプリです。
動物虐待ゲームです。
です。
ただ、どういうゲームかというと、UFOらしきものが上空にふわふわ飛んでて、そこまで猫をつまみ上げるゲーム。
ね、ちょっと虐待っぽいでしょ?
     

猫ってやつぁ古今東西、ゲームなりコミックなりイラストなり小説なり、ジャンルもへったくれもなく登場する。
以下、あくまで筆者の主観。
「犬好き」より「猫好き」の人のほうがセンスがいい。それは認めるが「猫好き」を自称する女には気をつけたがいい。そいつは暗に「わたしって可愛いでしょ」って言ってるんだ(いま、日本全国ン十万の猫好きを敵にまわしたな、わたし)。

まあまあ、それはおいといて。
人気アプリ「つみネコ」を引き合いに出すまでもなく、ネコがテーマのアプリは星の数ほどありますが、この「ネコアップ」はそのなかでも限りなくベストに近いと思います。

液晶パネルに指をあてるとビームが出ます。そのビームでネコをとらえて、上空のUFO(らしきもの)まで運びます。
つかまえたネコの数によって、だんだんビームが強力になり、一度にたくさんのネコをつかまえたり、大きなネコを捕らえることができるようになります。
ビームで茂みを壊すと、特殊効果をもつパネルが出ます(ビームのレベルを上げたり、ネコを眠らせたり、制限時間を延ばしたりできます。
  茂みを壊して、「Sleep」のパネルを発見したところ。
このパネルをUFOまでもちあげると、ネコが一瞬眠り込み、捕まえやすくなります。


基本の制限時間は3分。
自分のスキルアップも実感できますし、集めたネコの種類も記録されており、コンプリートの楽しみもあります。

iPadだと画面が大きいから難しいのかと、iPhoneでもやってみましたが、難易度は同じ(そりゃ、そうよね)。
単純ですけれど、けっこう面白いです。
ぜひ、お試しを。


というわけで、第四回はこれにて終了。
第五回はもう一度、アイテム探し系アドベンチャーゲームをご紹介しますね。
3月中旬に更新の予定です。お楽しみに。
ご意見ご感想ご要望はwebmaster@groupsne.co.jp まで。

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