Group SNE
News
About SNE

Products

User Contents
  ●著者インタビュー
●イベントレポート
●リーダーズサーカス
●エッセイ
●TRPGリプレイ
Link
indexに戻る
 
TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『ゲヘナ 〜アナスタシス〜』(2006年02月)
←「著者インタビュー」トップへ


ゲヘナ  〜アナスタシス〜
監修:友野詳 著:田中公侍/グループSNE

 ハロー! 秋口ぎぐるです。今回はアラビアン・ダーク・ファンタジーRPG「ゲヘナ 〜アナスタシス〜の発売に合わせ、監修者である友野詳著者である田中公侍、そしてゲヘナ・リプレイシリーズ1巻&2巻の著者である三田誠らを招き、インタビューを敢行することと相成りました。「ゲヘナ 〜アナスタシス〜」とは? その魅力は? そして今後の展開は??? ――むさくるしい男たち(全員がメガネ)から存分に話をうかがってしまいます。
 ちなみにインタビュアーである秋口(もちろんメガネ)も「ゲヘナ 〜アナスタシス〜」に深く関わっていたりします。ルールブック本体の開発にも参加しましたし、ゲヘナ・ノベルシリーズの1〜2巻ゲヘナ・リプレイシリーズの3〜5巻も執筆させていただきました。一瞬、あれ、なんでおれがインタビュアーやってんだろ? おれ、むしろインタビューを受ける側じゃ……?などと考えたりもしましたが、「ゲヘナをよく知っている人間のほうがより深いインタビューができるんだよ!」と自分を無理やり納得させたりもしました。SNEは今日も平和です。
2006年02月 発行
記事作成 秋口ぎぐる


はじめに

秋口:  さてさて、さっそくインタビューを開始する――前に、皆さんに念を押しておきましょうか。今回は「ゲヘナ 〜アナスタシス〜」発売記念ということですから、主に、著者である田中公侍さんに語っていただきたいと思います。
田中公侍(以下 田中):  え、そうなんですか? ここは全体を見渡した立場から語れる友野さんに語っていただいたほうが――。
友野詳(以下 友野):  いやいや、おまえが語らんでどうする。
三田誠(以下 三田):  ええやんポロリ(ポロリは田中公侍のニックネームです)語りなよ。
田中:  そんな、僕なんか立てていただかなくてもいいですよ。
秋口:  べつに立ててるわけじゃないから。
田中:  え?
秋口:  こうやって先に念押ししておかないと、ぜんぶこの二人(友野と三田を指さす)がしゃべっちゃうでしょ? 田中さんの語る部分なくなっちゃうでしょ? そういう配慮だから!
一同:  (笑)。
田中:  なるほどたしかに……(汗)。
 
(※注 田中公侍は三田誠や友野詳よりも後輩のため、この二人に挟まれるとどうしても萎縮しがちになってしまうのです)
 
秋口:  というわけなので、今日はがんばってください。
田中:  ははぁ、では恐縮ながら……(汗)。

第1版との違い

秋口:  「ゲヘナ 〜アナスタシス〜」は先に発売されていた「ゲヘナ 〜GEHENA〜」の第2版ということですが、第2版になって最も変化した点はなんでしょう?
田中:  世界観はわりとそのままですね。大きく変えたのはシステムの部分です。わかりにくかった部分はわかりやすく、面白かった部分はそのままに。
友野:  うむうむ。
田中:  最も大きく変わったのはキャラクターの作り方と、成長の仕方ですね。
秋口:  どのように変わったのでしょう?
友野:  簡単に言うと、キャラクターを構成する要素の核である術技の部分が変わった。
田中:  いままではキャラクターがレベルアップすることで闘技や魔術を覚えていってたんですけど、「ゲヘナ 〜アナスタシス〜」の場合はその逆である、ということですね。つまり闘技や術を覚えていくことでキャラクターがレベルアップしていくと。
三田:  闘技、魔術イコール強さ
田中:  そうですね、闘技や魔術をたくさん覚えればそれだけ強くなる、という。
友野:  たくさん覚えるだけではなくて、極めることでも強くなるかな。一つの技や術をひたすら極めることもできる。
田中:  そうそう、そこも売りの一つなんですけど、どの闘技や魔術を選ぶか、どの闘技や魔術を極めていくか、というバリエーションが非常に多いゲームになっているんです。ほぼ無限ですね。基本的に「まったく同じ能力のキャラクターは2人といない」と考えていい。
秋口:  もうほとんど話していただいた気もするんですけど……あらためて「ゲヘナ 〜アナスタシス〜」のウリ、アピールポイントなどを挙げるとしたらどんな部分でしょう?
田中:  もちろんゲヘナのウリと言えば連撃システム闘技魔術になるんですけど……そのウリである戦闘の内容というか、「キャラクターごとの戦い方」までもをプレイヤーの思うままにカスタマイズできるという。そこが第2版、最大のウリでしょうね。
三田:  やっぱりゲヘナの華は戦闘だしね。
田中:  そうですね。悪い奴、怖い奴をなぎ払っていく、その痛快さを楽しんでいただくRPGと言えます。
友野:  強い奴が強い! 愛や友情だけでは生き残っていけない! そういうシビアさ、ダークさも強調しておきたいわなぁ。
三田:  まさにダーク・ファンタジー!

今後の展開/システム面

秋口:  ユーザの皆さんとしては、今後のサポートなどについても気になるところだと思うのですが。どのような展開が待っているのでしょう?
友野:  まずはサプリの話やわなぁ。
三田:  いいですねぇ。
田中:  サプリメントは出ます! 第1弾サプリの内容ととしては、特に世界観の部分を大事にしていきたいですね。
三田:  瓦礫の都シェオールについてのくわしい解説を入れたり、シェオールの主立ったNPCを掲載してみたり。
田中:  そうですね。今回の「ゲヘナ 〜アナスタシス〜」って、第1版のゲヘナと第1版用のサプリ1と2をぜんぶ合わせて、その上でシステムをブラッシュアップしたような内容なわけですよ。それだけ盛りだくさんな内容ですから、どうしても第1版からカットされてしまった部分も出ています。そういった部分を拾っていきたいなぁと。
三田:  それだけじゃないよね?
田中:  はい。いまお話したような内容に加えて、次のサプリでは第1版の展開ではやってこなかったこと――PC用の新種族について取りあげていきたい。
三田:  おお〜。
秋口:  どんな種族が加わるのか、ゲヘナファンとしては気になるところだと思うのですが。
田中:  具体的にどの種族が加わるのか、という点については現在もテスト中なんですが――候補に挙がっているものとしては、まずは獣人のバリエーションですね。
友野:  空が飛べる鳥類の獣人とか、爬虫類の獣人とか。
田中:  あとは蠍人間のアンドロスコルピオ
三田:  アンドロスコルピオって、なんかPCが苦戦してた印象しかない(笑)。
田中:  でもあの種族、最初はゲヘナ第1版にPCとして入れられる予定だったんですよ。
三田:  な、なにぃ〜!?
秋口:  それは驚きですねー。アンドロスコルピオは獄卒のはずですけど?
田中:  それとは別に、ジャハンナム固有の種族としても存在しているわけですよ。
友野:  しかもこっちはかなり異様な姿。獄卒は上半身が人間で下半身が蠍やったけど――。
田中:  そう、PCとなるアンドロスコルピオはまんま巨大な蠍が直立したような姿です!
秋口:  えええ!?
友野:  しかも完全蠍形態に変身して、戦闘時は鋏や尻尾で戦うことができる
田中:  どこの怪人やねん!? という感じですが(笑)。
秋口:  それが次のサプリメントに収録されると?
田中:  それはまだ未定ですね。現在テスト中ということで。
三田:  データ作り、大変そうだなぁ(笑)。
田中:  さらにPCとして使える新種族として有力なのが、これまで世界設定の上で少数はいるとされながらも取りあげられてこなかった存在――ずばり人間と妖霊のハーフ
三田:  ハーフジン! 妖霊強度プラス享受者パワー!
田中:  それをPCとして使えるようにしてしまおうと。
秋口:  おお〜。それは予想していませんでしたね。面白そう!
田中:  ハーフジンは自身が妖霊でもありますので、自分で妖霊の能力を取得してそれで殴ったり、もしかしたら補助なんかもできるかもしれない。
友野:  ルールは従来の枠内で処理するので、楽しくプレイできると思うよ。
秋口:  なんか……なんというか……通常のインタビューの枠を超えてきましたよね。「ゲヘナ 〜アナスタシス〜」発売に合わせたインタビューと言うよりは、サプリの予告インタビューみたい。
田中:  自分で自分の首を絞めているような気もする
一同:  (笑)。
秋口:  さらにサプリの話が続いちゃいますけど、注目の新闘技などは?
田中:  もちろん入れます! 現在、遊んでいただいている皆さんからはそういう要望が強いですしね。ゲームのデータ面の追加はどんどん行っていきますよ。いま考えているぶんだと、複数の術技で使える闘技とか――。
三田:  マルチ闘技か!
田中:  あとこれもまだ未定ですけど、種族ごとの闘技なんかも考えたいですね。
友野:  「この種族だけが使える闘技」とかやな。蠍人間だと【蠍格闘】とか。
田中:  そうです。それに加えて、この種族はこの術技が得意、みたいな種族ごとの特徴を考えてもいいな、などと……どれもまだ構想段階での話ですが。
三田:  新サプリがちょっと見えてきた(笑)。
秋口:  夢が広がりますよねー。
三田:  ちなみにシナリオは?
田中:  書き下ろしはもちろん、これまで雑誌に掲載されてきたシナリオを第2版対応にして掲載しなおす、といったこともしていく予定ですね。とにかくたくさん掲載して、遊びやすい環境を整えていきたい。
秋口:  何本ぐらい収録される予定でしょう?
田中:  最低でも三本。もちろんキャンペーンとして遊べるような工夫もしていく予定です。夏頃には出すつもりですが……。
友野:  ここはゲヘナっぽく、熱い陽射しが降りそそぐ季節にはお届けできるとしておこうか。
三田:  いいですね〜。

今後の展開/ストーリー面

秋口:  ここまでシステム面の展開についてお聞きしてきましたが。ストーリー面については?
友野:  ここからはインタビュアー交替でええんとちゃう?
秋口:  え、僕がこたえる側ですか?
田中:  いいですね。じゃあ僕が秋口さんにお聞きします。「ゲヘナ 〜アナスタシス〜」の発売に先駆け、いち早くそのシステムを使って書きあげてくださったゲヘナ・リプレイの第2期シリーズ――アザゼル・テンプテーションシリーズ。その3部作がついに完結するわけですが。
一同:  おおー(拍手)。
田中:  その著者である秋口さんにお話をうかがっていきましょう。ゲヘナ・リプレイシリーズとしては第5巻、アザゼルシリーズとしては3冊目である今回のリプレイ。システムは第2版を使いつつも、話としては第1版の世界設定と第2版の世界設定をつなぐものになっていますよね。
秋口:  あ、あの……僕が話すべき内容を、ほぼすべてインタビュアーがいま言っちゃった気が……(汗)。
一同:  (笑)。
三田:  せっかくだし、プレイヤーたちへの不満なんかをぶちまけちゃえば?
秋口:  不満はなかったですよ。ほんと、なんのストレスもなくGMをやらせていただきました。ちゃんと監修者いじりもセッションの中でやれましたし(笑)。
友野:  4巻を読んだお客さんが気になってるのは、5巻はどの程度エロいのか? ということやと思うけど?
三田:  やーい下品〜(笑)。
秋口:  いや、そんなに今回は……そもそも元からべつにエロかったわけでは……。
田中:  4巻には男娼の館が出てきたりしてましたけどね(苦笑)。
秋口:  今回はありませんからね。そりゃ王城の後宮なんかの舞台は使いましたけど、その舞台自体の性質を使ったストーリーにはなっていませんでしたし。
友野:  あまりにも行き過ぎな発言は監修者としてカットしたしな(笑)。
田中:  そういや第一稿では《枕事》の内容を表す単語が伏せ字もなしに、モロに入っていたような……。
一同:  (笑)。
秋口:  ま、まあそんなこともありましたけど(汗)。
友野:  実際のところ、5巻は非常に面白くなってたと思うよ。ちゃんとタイトルロールであるアザゼルを軸にした話にもなってた。もちろんこれまでの3巻、4巻も面白かったわけやけど。
秋口:  ありがとうございます……。
田中:  ここらで発売日の時期の話に移りましょうか。ゲヘナ・リプレイ5巻にしてアザゼル・テンプテーションシリーズ完結編、王女と獄と放浪者たち――これは3月中旬から下旬あたりにお目見えですね?
秋口:  はーい。鼻血を垂らすシバーブの表紙が目印です。
一同:  (笑)。
秋口:  皆さまよろしく――ということで、そのリプレイですよ。リプレイシリーズの展開! 一つのシリーズが終わると当然、次のシリーズが始まってほしいわけですが。
友野:  ここでまたインタビュアー交替か(笑)。
秋口:  そうですね。田中さんに、この先のリプレイの展開をお聞きしたい!
田中:  もちろんやりますよ。アザゼルのシリーズは第1版と第2版をつなぐ役割を担っていたわけですが、次は徹頭徹尾「ゲヘナ 〜アナスタシス〜」、背景世界からシステムからなにからなにまで第2版を使ったリプレイを展開していく予定です。
三田:  まさに純正アナスタシス。
田中:  べつにアザゼルのシリーズがまがいものだったというわけじゃありませんが(笑)。
友野:  でもまぁ、ある意味でハイブリッドではあったわな。
田中:  そうそう、ハイブリッドだったものから、次は純血種の第2世代へ。そのリプレイシリーズが始まっていくわけです。
三田:  だれが書くの?
田中:  それは「ゲヘナ 〜アナスタシス〜」の著者であるわたくし田中めが。
秋口:  祝、文庫ソロデビュー!
一同:  (拍手)。
田中:  タイトルはまだ未定です。
友野:  今回は炎術使いの女の子が活躍してるとか。
田中:  そうですね。女の子を主人公に据えて、新しさを全面に押しだした形で書いていきたいですね。
友野:  いきたいですね、と言うより、もう書いているはずだが(笑)。
田中:  実はそうです。もう収録も終わって、テープ起こしも終わりました。GMも一新、プレイヤーも一新。フレッシュな魅力を皆さまに楽しんでいただければと。
秋口:  テープ起こしも終わっているということは、もう間もなくお目見えと考えていいのでしょうか?
田中:  はい!(断言)
友野:  なんとアザゼル・シリーズの完結編が発売された1か月後、4月には発売の予定
秋口:  おおお!
田中:  ゲヘナシリーズはあまり間を空けずにどんどん展開していきたいなぁと。
三田:  新リプレイの続編なんかは?
田中:  それもやります。もちろん読者さんの反応次第という側面はありますが、それでも制作サイドとしては完全にやる気ですね。僕のリプレイについても、2巻3巻と続けて出していければ。
秋口:  心強い言葉だ……。
三田:  あれこれ買っていけば、そのままサプリメントの発売時期へ突入(笑)。

ストーリー面/もう一つの展開

秋口:  ストーリー面に関しては、リプレイとは別の展開もあるとお聞きしたのですが。
田中:  小説ですね。ゲヘナ・ノベルとしてはこれまで秋口さんが長編を書いていますが……。
三田:  2冊、書いてくれたよね。
田中:  次はゲヘナに関わったいろんな作家が原稿を出しあう短編集、という形を考えています。
友野:  それによってファンの皆さんにいろんなゲヘナを楽しんでもらおうと。例えばアラビアン・ダーク・ファンタジーのダークさの部分をより突きつめた作品であるとか。
田中:  いろんな作家がいろんな角度からゲヘナの世界を見せていくという。こちらも梅雨前にはお届けしたいなぁと考えています。
友野:  現在はそのための執筆陣を厳選中ということで……。
田中:  2006年、ゲヘナは全速力で走りつづけます。
友野:  走りすぎて倒れないように(笑)。
三田:  ケガしないのがいい選手の条件(笑)。
秋口:  なるほど、皆さん2006年は全力疾走、完全燃焼で灰になると。
田中:  灰にはなりません!
一同:  (笑)。
秋口:  では「まわりを灰にするほどの勢いで燃えあがる」ということで(笑)。ファンの皆さま、今後ともゲヘナをよろしくお願いいたします。
一同:  よろしくお願いいたします!

←「著者インタビュー」トップへ


TOP