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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『エムブリオマシンRPG』(2007年06月)
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『エムブリオマシンRPG』

 2007年8月、グループSNEの久々の新作『エムブリオマシンRPG』がジャイブさんから発売されます。
 SNEの事務所ではすでにヒートアップ・トーナメントが繰り広げられている新機軸ロボット・バトル。今日はデザイナーの秋口ぎぐる、片山泰宏を招いて、たっぷりその魅力を語ってもらおうと思います。
2007年6月 発行
記事作成 笠井道子


0.自己紹介?

笠井: では、まず最初に片山さんの自己紹介から行きましょうか♪
片山 新人の片山泰宏でございます。
秋口・笠井 ……そ、そんだけ(笑)?
秋口 きみは『Role&Roll』34号で「エムブリオマシンRPG」リプレイを執筆したんだから、ちゃんと自己紹介しないと。
片山 すみません、いきなりそれを求められるとは予想外でしたので(笑)。
笠井: 片山さんは去年(06年)夏の新人募集でSNEに入社したんですね。最初にSNEに入ろうと思った動機を聞かせてもらえますか。
片山 もともとRPGが大好きで、大学時代からずっと遊んでました。その気持ちが高じて応募したんですが、いまは日々修行の毎日です。「エムブリオマシンRPG」では主に世界観とRPGパートを担当しています。
笠井: なるほど。では、順番が後先になりましたが、メインデザイナーの秋口さんにも自己紹介をお願いします。
秋口 いや、もっと片山に聞きましょうよ。「初恋」はいつですか、とか根掘り葉掘り(笑)。
片山 え、ええーーー?(←なんだか嬉しそう)
笠井: まあ、それはまた後ほど。
秋口 なら、ぼくにも「なんでSNE入ったんですか」って聞いてください。
笠井: はいはい。で、なんで入ったんですか(笑)。
秋口 ぼくはね、じつは詩人なんです。ナチュラル・ボーン・ポエマーなんです。
片山・笠井 ……はあ……?
秋口 詩が書きたくてSNEに入ったんですけど、「ここは詩を書くところじゃない」って言われて。
片山・笠井 ……(ますます困惑)
秋口 あかん、これ文字で書いても、なんも面白ない。すみません、削っといてください。
一同 爆笑
 
 ご存知の方も多いと思いますが、秋口ぎぐるは小説「並列バイオ」シリーズや『ひと夏の経験値』、「ゲヘナ」リプレイ、TRPG専門書籍『Role&Roll』のボードゲームリプレイなどで活躍中の小説家です。「エムブリオマシンRPG」では統括とメインデザイナーを勤めています。


1.「エムブリオRPG」とは?

笠井: そろそろ本題に入りたいと思いますが、まず「エムブリオRPG」はどんなゲームなのか、簡単に説明していただけますか。
秋口 そうや、それを説明してくれ、片山。
(笠井: 自分のギャクがすべったからって、照れ隠しに開き直らなくても(苦笑))。
片山 一言でいうとロボットバトルRPGですが、舞台は中世ヨーロッパ風「異世界」です。
笠井: たとえばドイツとかフランスとか?
片山 はい、そうです(と、秋口さんをチラ見)
秋口 ……(無言)
笠井: あの、秋口さん、さっきから「ちょっとでも変なこと言ったら刺すぞ」みたいな目で片山さんを睨んでるんだけど。
片山 ええ、まるで口頭試問受けてる気分です(笑)。
秋口 いや、ドイツやフランスだけやなくて、ロシア風の国もあるんやからヨーロッパ全域やろ、と思って。
片山 そうなんすけど、一般にヨーロッパって言ったら、ドイツやフランスかなと……
秋口 だれが世間一般のヨーロッパの話をしてるねん(笑)。質問は「このゲーム世界での中世ヨーロッパ風とは」ってことやろ。
笠井: ま、まあまあ(笑)。西ヨーロッパだけでなく、ヨーロッパ全域をイメージした世界ってことですね。で、「ファンタジー」世界ではなく、あえて「異世界」とした理由は?
片山 いわゆるファンタジーとなると、ちょっとちがうんですね。まず魔法が存在しませんし、モンスターとか、エルフなどの異種族も登場しません。あくまで人間が国家を作って戦争をして、という世界です。ロボットが存在する点を除けば、現実世界の中世とほぼ変わりません。
笠井: そのロボット、つまりエムブリオマシンがゲームの核になるわけだけど、どうした理由でそのような異質なものが存在することになったのでしょう。
片山 (また秋口さんをチラ見しつつ……)エムブリオマシンはこの世界では「遺跡から発掘されるもの」という扱いなんです。遺跡は船のような建物のような形ですが、もとは何だったかわかっていません。じつは空から落ちてきた宇宙船という裏設定はあるんですけどね。
笠井: でも、ゲーム世界に生きている人々はその裏設定を知らない、ということですね。
片山 で、ちょっと前、エムブリオマシンの使い方を習得した国があったんですが、滅んでしまったんですよ。
笠井: それはまた、どうして?
片山 それも不明です。周辺諸国を侵略しまくったかと思うと、とつぜん負けはじめてジリ貧になっていきました。裏設定では、なんらかの理由でエムブリオマシンが動かなくなったことになっています。おそらく、その技術を封印しようと考えた人たちがいたのでしょう。けれど、すでに戦争の道具としては広まっていて、現在は原理はわからないものの、動かし方だけはわかっている、という状況です。
笠井: つまり、わたしたちが電子レンジを使うような感じ? よくわからないけど、ともかくボタンを押したら物が温まるような?
秋口 そう、そんな感じです。
笠井: プレイヤーはその世界に生きる人間として、遺跡から発掘されたエムブリオマシンの操縦者になる、という設定ですね。


2.「エムブリオマシンRPG」ができるまで

秋口 そもそもぼくが作りたかったのは、手軽なロボット対戦ゲームなんです。富士見書房さんから「バトルテック」という近未来ロボットものが出ていましたが、あれは熱の計算があったり、さんざんダメージ食らってるのになかなか壊れなかったり、意外とシブトイじゃないですか。
笠井: そうだったねえ(笑)。
秋口 それが「バトルテック」の面白さなんだけど、ぼくはもっと簡単に遊べるもの――どんどん部位のつぶれていく、楽ちんなロボットものを作りたかったんです。でも、編集さんとも話しあって、純粋なボードゲームという形態ではいまのプレイヤーにはなかなか受け入れてもらえない。やっぱりテーブルトークRPGの要素を入れたほうがいいだろう、ということになって、じゃ、まあRPGパートも作りますかぁって……
片山 そんな拗ねた子どもみたいに(笑)
笠井: それで、RPGパートについては片山さんに白羽の矢が立ったわけですね。
秋口 ええ、世界観などについてはある程度任せる形で進めてきました。


3.熱血バトルシステム

笠井: バトルシステムに関しては秋口さんがメインでデザインされたのですね。
秋口 ええ、ただ、細かいデータや戦闘バランスについては片山と同期の「丹野佑」に手伝ってもらいました。まだ大学生ですので、残念ながら今日は授業があって出社していませんが。
笠井: 「エムブリオマシンRPG」のバトルのここが面白いんだよ、という最大の売りは?
秋口 それはもう「プロッティング」の一言に尽きるでしょう。どの機体も1ラウンドに2行動できるんです。移動とか射撃とか白兵攻撃といった行動を自由な組み合わせで、あらかじめ専用の作戦シートに2回分の行動を記入しておきます。
笠井: 全員が記入したら一斉にシートを公開して、あとはプロッティングされたとおりに、1回ずつ、ほぼ自動的に処理していくわけですね。
秋口 だから、敵のそのラウンドの動きを見ながら自分の行動を決めるのではなく、前のラウンドの結果から次の行動を予測して、自分の行動を記入する。それがこのゲームのいちばんのポイントでしょう。あと前提として、軽い機体は移動力が高く、敵の攻撃があたりにくい、その代わり攻撃を食らったらつぶれやすい、というような形でバランスを取ってあります。
笠井: 重い軽いとか、大きい小さいとか機体の特徴はあるものの、戦闘では互角に戦えるようになってるんですね。戦闘はだいたい何体くらい?
秋口 プレイヤー人数は3、4人で1人一機の受け持ち。GMの操る敵の機体はそれよりマイナス1ぐらいですね。
笠井: 多ければ7機体の行動を予測して、自分の行動を決めるって頭が変になりませんか。
秋口 意外とそうはならないんですよ、これが。あらゆる可能性を考えて予測しているうちに、選択肢がいくつかに絞られてくるんです。どの選択肢の可能性がいちばん高いかを考えたときに、「もうこれ以上悩んでも無駄だ」と思える瞬間が絶対来る。
笠井: そうなんだ。
秋口 そう、地平がぱあっと広がる瞬間がね(笑)。だから大丈夫。しかも、その瞬間が来るのは、ボードゲームに慣れてない人のほうが速いんですよ。
笠井: 結局、自分の行きたいとこに行って、自分のやりたいことをやるしかないですからね(笑)。
秋口 一度、まったくこういうゲームの経験のない人にテストプレイしてもらったんですけれど、プロッティングの速いこと速いこと。「敵があそこにいるんですから、こっちはこれでしょ」って、ぱぱっと作戦シートに書き込んじゃう。
笠井: それでも、ちゃんと戦闘にはなる。
秋口 まあ、結局(ダイスの)出目次第ですから(笑)。
笠井: そだね、攻撃の判定はすべて2d10(10面体ダイス2つの出目の合計)だものね。
秋口 ダイス目と予想で印象的だったのが、SNEの社内トーナメントでの「北沢慶・力造」チームVS「友野詳・田中公侍」の対戦。
 
:「エムブリオマシンRPG」は基本は「GM1人VSプレイヤー3、4人」で遊びますが、バトルシステムだけを使ってプレイヤー同士の対戦も行えます。SNEではテストプレイを兼ねて5月ころからトーナメントが開催されています。
 
秋口 くどいゲーマー同士の熱戦が繰り広げられたわけですが、北沢・力造チームは敵のあらゆる行動を読みきったんですよ。毎ラウンド「向こうはこういう行動を取るから、こっちはこう動くのが最善」と見事に的中させてました。
笠井: それはすごい。わたしも参加したからわかりますが、なかなかできることじゃないですね。
秋口 なのに、北沢さんは全部、ダイスの判定で失敗。結局、北沢チームの負けでした。
一同 (大爆笑)
秋口 勝負に勝って、試合に負けたパターンですね。
笠井: という楽しいトーナメントの模様は近日中にSNEのホームページに掲載されますので、お楽しみに!
秋口 8月に開催されるJGC07でも、まず機体の扱い方に慣れていただくために、参加者の方々にはトーナメントを遊んでいただく予定です。ふるってご参加ください。


4.爆笑プロッティング
 
 「エンブリオマシンRPG」の戦場マップには、座標のついたスクエアなマスが描かれています。プレイヤーは専用の作戦シートに、自分の機体をどのマスに移動させ、東西南北のどの方向を向かせ、どのような行動を取らせるかなどを2行動分、あらかじめ書き込みます。
 一斉に作戦シートを公開したあとは便宜上、順に処理していきますが、1回の行動はすべて同時に発生したものとみなされます
 
笠井: トーナメントでは全員が1人1機の受け持ちなので、一種異様な緊迫感がありますが、ふつうの「エムブリオマシンRPG」ではGMだけは敵機を2、3機管理することになりますね。
秋口 そう、だからGMはどうしても多少プロッティングが粗くなる。ぼくがGMをしたとき、自分の機体が別の自分の機体に「突撃」を仕掛けて成功したことがあります(笑)。
笠井: 突撃というのは、方向だけを指定して真っ直ぐ機体を進ませ、途中に別の機体が存在したら、突撃攻撃が発生するというやつですね。
片山 それ成功しても意味ないじゃないですか(笑)。行動はキャンセルできるんだから、キャンセルすればよかったのに。
秋口 うん、まあね。だけど、そういうのも面白いかな、と。
片山・笠井: (絶対ウソだ。うっかりミスだ……)
秋口 もうひとつ、「激突」というのがあって、これはプロッティングを処理したのち、2つ以上の機体が同じマスに存在したら、潰し合いが起こるんです。社内トーナメントでも、秋田(みやび)さんの機体と篠谷(志乃)さんの機体が味方同士で激突してました(笑)。
笠井: わかるなあ。プロッティングのときは自分の機体しか見えないもの。
秋口 そうそう、自分の機体と敵の機体までは考えられても、味方の動きまではちょっと見られない。
笠井: ゲーム上、味方同士でも話ができないことになってるから、作戦シートをオープンして「えー、なんでこっち来んの?!」「だって、そこしか行くとこないでしょう」「言われてみりゃそうだ」とかね(笑)。では、バトルのことは詳しくお聞きしたので、そろそろTPRGについて……
秋口 いや、もっと聞きましょうよ。あと2,3時間、バトルについて語りましょう。
片山 戦いたいだけですか、秋口さん(笑)。
秋口 もとは、ぼくはそれがしたかったわけやから(笑)。


5.名前の由来

笠井: ところで、「エムブリオ」というのはどこから来たんでしょうか。
秋口 「胎児」という意味なんですけれど、この名前はゲームを作る前から考えてました。タイトルや作者は忘れちゃったんですけれど、昔読んだSFの短編で宇宙船のパイロットに妊婦が使われているという設定があったんですね。
笠井: なぜまた、妊婦を?
秋口 妊婦は胎児を守らなきゃならないから、五感の反応速度が一般の人より速いんだそうです。じっさいどうかはわからないんですけれど、小説ではそういう設定になっていて、面白いやないかと。で、妊婦がパイロットのゲームを作ろうと思ったんです。
笠井: このゲームで?
秋口 そう。だから、もとは「エムブリオマシンRPG」のパイロットは全員女性でした。
笠井: そんなばかな(笑)。
秋口 だって、最初はRPGを想定してなかったし、ボードゲームならそういう設定もありかと。
(笠井: そ、そうかなあ……)
秋口 まあ、本物の妊婦を使うわけにいかないんで、「プラセンタチップ」という擬似的人工胎盤みたいな、ちっこいチップを埋めこんで……
笠井: 想像妊娠状態にする、と。
秋口 そう、それです(笑)。その「想像妊娠チップ」を埋めこまれた女性は、よりロボットとのシンクロ率が高くなって大活躍できるという世界観に至ったわけです。そうした経緯で「胎児(エムブリオ)」という言葉が使われてます。「プラセンタチップ」自体、ほぼそのままの概念で残っていて、これを埋めこんだ操縦者は戦闘技能にボーナスがつきます。
笠井: なるほど。じゃあ、機体の「アルギュロス」とか「アラクネ」という名称はどこから来てるんでしょう。
秋口 あ、それは片山が説明します(突き放す口調)。
笠井: いきいなり冷ややかな声だなあ(笑)。
片山 ひどいですよねえ(笑)。世界設定の最初の段階で、先に何カ国か作成しまして、その主力兵装を設定することになったんですね。まあ、ガンダムで言えばジオングとかザクとか、あと――
笠井: いや、それ以上はいいよ。語りだすとキリがないだろうから。
片山 失礼しました(笑)。で、モデルとなった国の言語で、主力機体に名前をつけていきました。たとえば、アラクネはゴルディオス王国の主力機体です。この国はマケドニア風の国家で、アラクネはギリシア語で「蜘蛛」という意味です。
笠井: おお、カッコイイ! 機体のデザインは綱島志朗さんという著名なデザイナーさんにお願いされたんですね。デザインの線画が届いてますので、いくつか選んで掲載させていただきましょう。どれがいいですか。
秋口 じゃあ、アラクネ。アラクネで行きましょう。アラクネがいいです。
片山 どんだけ好きなんですか(笑)。
笠井: いや、じつはわたしもアラクネ好きですよ。名前も覚えやすいし、見た目も特徴的だし。サンプル機体は全部で9つありますが……
秋口 どれも弱いです。
片山 いや、そうじゃなくて(笑)。プレイヤーさんには最初はこのなかから選んで、少し慣れてから、武装を変更してもらおう、と。
笠井: 武装強化も「エムブリオマシンRPG」の楽しみの1つですからね。で、そろそろTRPGの話に戻りたいのですけれど……
秋口 いや、ちょっと待ってください(笑)。サンプル機体は弱いと言いましたけれど、なぜ弱いかというと、カスタマイズの楽しみを覚えてもらうための余地を残したわけですよ。

アラクネ(左端) 線画:綱島志朗
6.カスタマイズの楽しみ

笠井: おお。そういえば、エムブリオRPGでは戦闘に勝ったら敵機から武装を奪えるんでしたね。
秋口 ええ、ダイスを振って敵から何個の武装を奪えるかを決定します。そうやって奪った武装を自分の機体に搭載できるんですよ。
笠井: じっさいやってみると、萌えますねえ、これ。
秋口 でしょう(笑)?
笠井: たとえば自分がラージレーザーでやられたら、絶対ラージレーザーがほしくなるし。
秋口 そうそう、こないだ「スピタのコピタの!」の収録で「機雷&アンカー」のコンボが3回くらい成功したんですよ。
片山 それはすごい。そんなに成功するものなんですか。
秋口 たまたま目の前に白兵機体がいたんで、第1ラウンドから、1つめの行動で「目の前に機雷を埋める」、2つめの行動で「ロングアンカーで敵の白兵機体を引っぱってくる」とプロッティングして、ドーン(笑)。
笠井: それは、やられた人は「機雷&アンカー強えぇ! 絶対これ奪ってやろう」って思いますね(笑)。
秋口 参加してくれた皆さんも敵の武装を奪うシステムが面白いと言ってくださいました。
 
注:「スピタのコピタの!」――TPRG専門書籍『Role&Roll』に連載中の大人気体験コミック。作画は緑一色さん。
 
注:「機雷&アンカー」――機雷は指定したマスに埋めて使用します。そのマスに機体が入ると炸裂して大ダメージを叩きだします。「アンカー/ロングアンカー」は機体を指定のマスまで引き寄せてくる武器です。けれど、アンカーが届く距離は短いので、この組み合わせは思うほど簡単には成功しないのですが(笑)。
 
笠井: ただ、アンカーや機雷もそうなんですけど、じっさいの武装がどんな形をしているのか、わからない人がいると思うんですよ。たとえば、わたしとかね(笑)。
秋口 よくぞ聞いてくれました。武装は60種類ありますが、ルールブックではなんとそのすべてにイラストがつきます!
笠井: おお、それはすごいですね。それを眺めるだけでも楽しそうだ


7.「エムブリオマシンRPG」の遊び方

笠井: そろそろRPGのことにもどっていいですか(笑)。「エムブリオマシンRPG」では、基本的にはRPGパートを先に行い、その後にマシン同士の戦闘という構成ですね。プレイヤーは全員1人1機を受けもつ操縦者になるわけですが、RPGパートではいくつかのクラスがあって……
片山 いえ、このゲームにクラスは存在しません。
笠井: あ、そう……じゃ、次の話題に行こうか。
片山 いえ(笑)。RPGの判定に使用するソルジャー適性とかコマンダー適性というのはあります。
笠井: つまり、明確な職業(クラス)というのはないけれど、兵士に特化したキャラとか、スカウトに特化したキャラが作れるってこと?
片山 そうです。そうした適性はキャラクター作成時に生い立ちなどから決定しますが、その後、経験を積んで自由に伸ばすことができます。RPGパートでも行為判定は2d10で行います。
笠井: 潜入工作や情報収集はそうした技能で行うわけですね。ただ、「異世界」と定義するだけあって、はじめて遊ぶときにはシナリオに悩む人もいるかと思いますが。
秋口 ルールブックにシナリオが9本載っています。シンプルなゲームなので、最初にそれを遊んでいただければ、大体つかんでもらえるでしょう。
笠井: プレイヤーの立場は基本的には傭兵なんですね。
秋口 そうです。戦乱の世ですから、どこどこに潜入するとか、どこどこの町をぶっ壊す、というような依頼がメインになるでしょう。ぼくがやりたかったのは、三国志みたいな感じですね。三国志時代は、山賊まがいのやつらが英雄に成り上がることもあれば、逆に英雄が山賊退治みたいなこともする。そういうのがあってもいいんじゃないか、と思って。
笠井: しっかり遊んだ気分になれるのに、じつはプレイ時間があまり長くないのもいいですね。
秋口 ええ、RPGパート1時間程度、機体同士の戦闘が1時間半くらい。キャラメイクを含めて、3時間強で終わります。戦闘は最大10ラウンドですが、たいてい6ラウンドくらいで決着がつきますし。
笠井: たとえば敵機3機のうちの2機倒すこととか、シナリオごとに勝利条件を設定できるんですね。
片山 ええ、ですからゲーム時間はわりと自在に調整できると思います。


8.今後の予定

笠井: まず、本体のルールブックの発売は?
秋口 8月末には書店に並ぶはずです。JGC07では、まちがいなくルールブックを手に遊んでいただけるでしょう。
笠井: さらに、ルールブックと前後してリプレイが出ると聞いていますが。
秋口 はい、そうです……で、片山くん、リプレイの原稿だけど、どうなってる?
片山 えーっと、あと少しで手直しが終わりますので今日中には……

(いきなり打ち合わせがはじまったので中略(笑))
 
笠井: そのリプレイではGMはだれがやってるのでしょう。
秋口 ぼくです。いまなら、もっとうまくマスターできるって書いといてください。
笠井: 書けるかっ(笑)! 「もっとうまくマスターできる」じゃなくて、いまは経験積んでプロッティングの腕が上がったってことでしょう。
秋口 そうそう、それだ(笑)。
片山 あと『Role&Roll』34号(7月売り)で「エムブリオマシンRPG 狙われた商人 前編』が掲載されています。
秋口 35号(8月売り)で「同リプレイ 後編」が載りますし、前述の「スピタのコピタの!」のコーナーで取り上げてもらっています。その後も『Role&Roll』などでサポートをつづけていきますので、よろしくお願いします。
笠井: さらに、まだ詳しいことはお話しできませんが、いろいろな機会に「エムブリオマシンRPG」体験卓が用意される予定です。
 
 社内トーナメントでは男性メンバーはすでに熱い戦いを繰り広げ、女性メンバーも着実にプロッティングの腕を上げています。その模様は近々グループSNEホームページでご紹介する予定。
 最初のお目見えはJGC07。一度遊ぶと、病みつきになること請け合いの白熱のバトルです。みなさんも異色新作「エムブリオマシンRPG」にこぞってご参加ください。
お待ちしております!


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