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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『練兵都市/Expansion:エムブリオマシンRPG』発売記念インタビュー(2009年04月)
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『練兵都市/Expansion:エムブリオマシンRPG』発売記念インタビュー

 ルールブック発売から1年半あまり。リプレイが3シリーズサプリメント(Expansion)が2種類と、快調に展開を続けるファンタジー・ロボットRPG『エムブリオマシンRPG
 その最新作となる「学園生活サプリメント」『練兵都市/Expansion:エムブリオマシンRPG』が発売! エムブリオマシンのパイロットたちに焦点を当てた、従来とは一風変わった魅力について、秋口ぎぐる片山泰宏河野裕の3人に語っていただきました!
2009年4月 発行
記事作成 諸星崇


1.「出席を取りまーす。アルギュロスくーん」「ちゅどーん!」「大破、と」
諸星: まずはなにより、『練兵都市』の発売、おめでとうございます。
3人: ありがとうございまーす。
諸星: ざっと、内容のほうを教えていただけますか?
河野 今回は、「リートフェルト教練学園」という、EM(エムブリオマシン)の乗り手を養成する学園を舞台とした、「学園生活サプリメント」です。
片山 背景としては、ゴルディオス王国という強国に攻め込まれ、戦争状態に陥った小国家連合という国家共同体が、兵士の育成と確保のために設立した教育機関、となっています。
諸星: これはもともと、「学園モノでいこう」というコンセプトがあったんですか?
秋口 実は、ここに『エムブリオマシンRPG』の製作中、つまり2年以上前のメモが残ってるんだけど。サプリメントのタイトル案に、『御前試合』『密林戦線』、そして『練兵都市』というのがすでに書いてある。
一同: おおーっ!!
諸星: 『御前試合』と『密林戦線』は、すでに発売されていますね。
秋口 そう。そして今回の『練兵都市』と、びっくりするほど構想通り(笑)。その頃から、「学園」というものを取り上げたい、と話していた記憶はあるかな。それと、「練兵都市」では河野をメインに据えてみよう、という作り手側のコンセプトもあった。
河野 はい。自由にやらせていただきました。
諸星: 企画が来て、何を考えました?
河野 まずは、とにかくユーザー層を広げたくて、よりアドベンチャー・パートに重点を置く作りにしよう、と。それと、門戸の広い「学園」というキーワードも取り入れました。せっかく初期構想にもあったわけですし。そうして、何度も遊んでいくうちに、たくさんのNPCとの人間関係が構築されていって、自分だけの「学園生活」が営めるようになっていく、長期的なキャンペーン・シナリオを楽しんでいただけるサプリメントになりました。
諸星: たしかに、従来より乗り手、PC本人にスポットが当たるようになっていますね。
片山 キャラクターシートから変わっています。今までは「機体シート」で、全体の3分の2が機体のためのスペースだったのですが。
河野 今回は「セッションシート」となり、シート自体の大きさが2倍になりました。で、つけ加えられたのは、すべてPCのためのスペースです。右半分はすべて、PCのデータやNPCとの人間関係を残すために使います。
諸星: これまでとはまるで別のゲームが遊べる、と。
秋口 『エムブリオマシンRPG』のExpansionでは、常にそれを目指していたしね。『御前試合』や『密林戦線』もそうだった。ちなみに『練兵都市』は、これまでで最も厚く、ルールブックと数十ページしか変わらないけど、安い! それでいて新しい遊び方ができる、お得な一冊!
3人: お買い上げください!


2.「受け取ってくれ、オレのパイルバンカー!」「ごめんなさい。白兵武器は趣味じゃないの」
諸星: 『練兵都市』にはNPCがいっぱいいますね。
片山 顔のあるキャラクターだけで20人です。シナリオの登場人物なんかも含めると、『練兵都市』だけで30人を超えますよ。
河野 その全員と、人間関係を築くチャンスがあります。
諸星: それがどんどん死ぬとか?
一同: (笑)
片山 『練兵都市』のあとがきにも書いたんですけど、ふたりが学生をとにかく死なせたがって
秋口河野 そんなことはない!(笑)
片山 あります! これは譲りませんよ!
河野 たしかに、リートフェルトは、最初はもっと平和でほのぼのした学園でした。けど、それは『エムブリオマシンRPG』の世界ではないかな、と思って。背景には戦争があるわけですし。
秋口 仲の良かったクラスメイトが、ある日、いなくなっていたり。そういった恐怖感というかな、薄氷の上の理想郷といった雰囲気を学園に持たせたかった。悲劇はすぐとなりにあるんだ、というね。
河野 そこから、20人のイラストつきNPCが、サイコロの目によっては自動的に、なす術もなく死んでしまうルールにつながったんです。ただ、それが苦手という人もいるでしょうから、セッションシートのチェック欄には「別離」という言葉を使っているんです。
諸星: 人間関係のできたNPCが死んでしまった場合、チェックするところですね。「死亡」ではなく、「別離」?
河野 はい。ルール上では死亡という表現になっていますけど、セッションの流れなどでは、死なせたくない、死んでは不自然、ということもあるかと思って。その点、別離なら、たとえばもう会えなくなったとか、超長期入院とか、いろんな使い方ができますよね。
秋口 へー、そうなんだ。
片山 そうなんです。……って、秋口さん?
秋口 知らなかった。先に言っといてよ。危うく、最終段階の修正で全部「死亡」に書き換えるとこだったよ(笑)。
片山河野 危ねぇーっ!!
諸星: NPCとの人間関係というと、恋愛もきちんとルール化されていますね。
河野 色恋沙汰は、やはり学園生活の醍醐味かと。
諸星: 秘密結社の「エデン」を作ったのはどなたですか?
河野 えらいスンマセン(笑)。
片山 あれは、こやつめの所業にございます(笑)。
諸星: 「学生同士の恋愛関係を否定する秘密結社」って、またムチャな設定を(笑)。しかも名前が「楽園」
河野 でも、あれは本当に「楽園」を意識しているんですよ。「エデン」が活躍するシナリオができるのは、学園が平和なときだけなんです。
諸星: そういえば。『練兵都市』では、「戦況」によって雰囲気ががらりと変わりますしね。
片山 戦いが落ち着いていれば、リートフェルトは安全ですけど、場合によっては「敗戦目前」になって、ろくな装備もないまま戦場に駆り出されたりします。友人や恋人が死ぬ確率も高まります。
河野 ほら。そんなときに「エデン」なんて、出してる場合じゃないでしょう。あれは楽しい学園生活の象徴なんです。まさに「エデン」!
片山 それ以外にも、「生徒会」に所属したり、「学食」で古式ゆかしい西洋料理を食べたり、学園生活を楽しむためのギミックを大量に用意しています。隅々まで味わってみてください。


3.「先生、エネルギー弾薬はおやつに含まれますか?」
諸星: シナリオが5本。これはけっこうシリアスなものになっていますね。
秋口 そこはハードにまとめたね。敗戦目前の戦況で戦ってみたり。
片山 結果いかんでは、小国家連合がなくなる瀬戸際までいくかもしれません。もちろん、その先に踏み込んでしまいたいGMさんは、どうぞやっちゃってください。公式には、この先のサプリメントなどでフォローすることになると思いますけど。
諸星: 追加機体、追加武装などは?
河野 いつもどおり、たくさんあります。
片山 それと、「Role&Roll」さんに掲載された、メディックとカウンセラー用の「戦闘補助品」が『練兵都市』でまとめてあります。戦術の幅が大きく広がると思いますので、活用してみてください。
諸星: では、最後に今後の展開についてのお話をお願いできますか?
秋口 次のサプリメントは、初心に帰ろうかと、バトルパートを念頭に置いたボードゲーム的なものを作成中。
片山 『御前試合』、『密林戦線』、『練兵都市』と、同じ『エムブリオマシンRPG』でも別種のゲームを遊べる形にしてきましたけど、次回は『エムブリオマシンRPG』のベーシックなプレイ環境をサポートできるものにするつもりです。
河野 なぜ基本ルールブックにこれが載ってなかったんだ、と言われるように(笑)。
秋口 そうだね(笑)。あとは、いつもどおり安価で。
片山 お求め安いお値段でお届けできれば、と思います。
河野 もちろん、内容は濃密に。
3人: 鋭意、製作中です! お楽しみに!
諸星: 期待しております。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
3人: ありがとうございました!

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