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モンスター・コレクションTCG ブロック2』 (2012年02月)
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『モンスター・コレクションTCG ブロック2』
開幕記念インタビュー』
 2012年2月モンスター・コレクションTCG(以下、モンコレ)は新しいブロック――ブロック2に突入しました!
 ブロックとは、モンコレのゲーム環境を半年間隔で分ける区切りのこと。詳しくは後ほど説明いたしますが、これによりモンコレの新しい楽しみ方ができるのです。

 ブロック2のトライアルデック(すぐに遊べる構築済みセット)は『
魔女』と『戦天使』。続くクロスブースターの『紺碧海の女王』も発売され、さらに3月にはブロック2のブースター『ヴァローカの精霊祭』も登場します。
 
 また、TCG以外だってモンコレは熱い!
 昨年末の12月には
ソーシャルゲーム版『モンスター・コレクション』がスタートし、追って同12月に小説『モンスター・コレクション・サモナーズ2 ソラステルの堕天使』が発売されるなど、この冬の快進撃は留まるところを知りません。

 そんな勢いに乗るモンコレについて、総監修の我らがボス安田均と、TCGのデザイナーであり小説の筆者でもある加藤ヒロノリ、TCGのディベロッパーである杉浦武夫に話を聞いてきました。
 聞き手は「最近ソーシャルゲームのモンコレにもハマっている」篠谷志乃です。それではインタビュー、スタート!

 ブシロードモンスター・コレクションTCG公式サイト内に、現在発売中の全カードリストが掲載されています。
 個々のカードについて詳しく知りたい方はこちら! 
 http://moncolle-tcg.com/jsp/cardlist

2012年2月 発行
記事作成 篠谷志乃

                      

■ モンコレTCG ブロック2 開幕! ■
 

モンスター・コレクションTCG トライアルデック 魔女&戦天使(ブロック2)』
2012年2月4日発売
 販売元:株式会社ブシロード 発売元:富士見書房

―― まずは、制作側である加藤さんと杉浦さんにお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
加藤
杉浦
よろしくお願いします。
―― さて、ついにブロック2の展開が始まりましたね。
加藤 はい、とうとう。
 ブロックとは?
 現在のモンコレは「ブロック制」というシステムで、カードの使用について小さな区切りが設けられています。1ブロックは約半年。それぞれのブロックについて、トライアルデックブースターパックなどが発売されています。
 区切りを設けることで、同一ブロック内ではカード資産の差が付きにくくなるため(カード総枚数が手ごろなところで上限に達するので)初心者も参戦しやすく、また
  • 最新ブロックのカードのみを使ったデックで戦う、ブランニュー戦
  • 自分の好きなブロックのカードのみを使ったデックで戦う、ブロック対抗戦
  • Gレギュレーション(2008年7月〜2011年2月に発売されたカードセットのこと)以降の全カードの中から、オプションという構築条件に沿ってデックを作って戦う、オープン戦
など、さまざまな環境でのプレイを楽しむことができます。

―― ブロック1のときと同じく、構築済みセットである2種のトライアルデックからのスタートとなりました。今回のテーマである『魔女』と『戦天使』。字面的にどちらもテクニック重視って感じがするのですが、ひとことで言ってどんなデックなのでしょうか?
加藤 魔女』は相手の弱点をついて倒す、小技ちみちみタイプのデックです。『戦天使』はでかいダメージをたくさん撃って倒す、大技タイプのデック。
杉浦 ダメージの大きさだけでなく、『戦天使』はスペルアイテムなどで2枠消費する効果が多いので、大技というイメージなんじゃないかと思います。
―― なるほど。自分のプレイスタイルに合う方から手に取っていただくのが良さそうですね。
杉浦 はい。あと『魔女』は先攻が取りやすいし、アイテムやスペルを使わないユニットも多めに入っているから初心者の方もプレイしやすいかと思います。
加藤 モンコレ古参のプレイヤーなら、たぶん『戦天使』の方が楽しいんじゃないかなあ。やりくりとかデック回しとか。でも『魔女』はパーティ構成をいろいろ考えながら遊ぶのが楽しいし……。
―― そういえば、今回から新要素2つ加わったと聞きましたが。
杉浦 弱点魔法弾ですね。弱点は『魔女』の、魔法弾は『戦天使』の柱となる要素です。
―― どちらも気になる響きですね。まずは、弱点の方から教えてください。
杉浦 弱点は、「弱点:X(+nダメージ)」と記載されるもので、弱点を持つユニットが火炎や電撃といった特定の属性ダメージ(X)を受けたとき、ダメージがn点増えるというものです。
―― つまり、数値ぶん余分にダメージを受けるんですか。確かに弱点っぽい。
加藤 以前からのプレイヤーさんにわかりやすく言うと、《クリティカル》や《デッド・ホール》の効果を常備能力として整理してルール化したものです。
《クリティカル》《デッド・ホール》
 どちらも魔属性の戦闘スペル。簡単に言うと、「属性ダメージを1点でも受けると、死亡または破棄される」という致命的な効果を相手に与えるもの。属性ダメージを与える戦闘スペルや特殊能力と相性がよく、これらを多用したデックは「クリティカル(デドホ)デック」と呼ばれます。ブロック1・2にはありませんが、オープン戦では今も人気のあるデックの1つです。

―― 魔女』はその流れを汲むのですね。スペル枠を持つユニットも多いですし、属性ダメージを与える戦闘スペルカードを駆使する戦い方をするのでしょうか。
加藤 それもあります。ただ、ユニット自身も相手に「弱点:X(+nダメージ)」を与えます。ほとんどが「●自動型特殊能力(指定されたタイミングになると自動的に発揮される特殊能力)」を持つのでプレイしやすいんじゃないでしょうか。
杉浦 基本的に「(弱点を与えられるのが)絶対に避けられない」という形に統一、絞り込んだことで、インパクトは上がったと思います。
―― 当たればダメージ増量確実……。確かに使ってみたくなりますね。
加藤 魔法弾は、「アイテム枠とスペル枠を1つずつ使う大技」という、実は以前にも使ったことがある要素ではあるんですが、これを磨いたものと考えてください。(苦笑しながら)これもね、ここに来るまですごい長い時間がかかったんです。初めは、「弓/矢」を復活させようと意気込んで作っていたんで。
弓/矢
 かつてモンコレで猛威を振るったアイテム(現在の大会レギュレーションでは使用できません)。「タイプ:弓」「タイプ:矢」を持つアイテムが揃うと、大ダメージや即死効果を与える矢を、手札にある限り制限なく使えるようになる強力なコンボとなります。ユニットが弓を装備し、さらに矢を複数使うという手順的な面倒さと、矢が尽きるまで対抗し続けるため対抗の連鎖が長引くという煩雑さがありますが、対抗しきった際の独特の爽快感が魅力となっていました。

加藤 でもね、どーーーも、こう、思っているような感じにならない。強すぎたり、弱すぎたり。組みにくかったり。で、できるだけシンプルにやりたいなって思って突き詰めていった結果、この形に落ち着いたわけです。
杉浦 各属性に1つずつあって、使用するユニットの属性に合った魔法弾を使うと強くなります。天使専用の魔法弾とかもあるんですよ。
―― それは楽しそうですね。
加藤 今まで、アイテムと戦闘スペルを両方入れるデックって、戦闘スペルが多く入ったデックよりちょっと弱めだったと思うんですよ。それをサポートする意味でも、この『戦天使』はいいところに落ち着いたんじゃないかなと思います。

■ トライアルデックの英雄たち ■
―― では、そんなトライアルデックの中から、お二人がおススメするカードを教えてください。
加藤 それは間違いなく、《災いの魔女スカディ》かと。もう抜群です。
  
杉浦 災いの乙女ヘイズ》と並んだときは、ちょっと震えますよ。相性が良すぎて。ただ、『魔女』同士のデックで戦うときは注意が必要ですけど。
―― ? どうしてです?。
加藤 災いの魔女スカディ》だけ「耐性:禁呪」を持っているんで、主力のスカディVSスカディでミラーマッチになると魔法が相手に効かなくなって、いきなり「キィー!」って爪でひっかきあいをするようになるんですよ。
―― アンタ、前から気に入らなかったのよ!(バシッ)」ってやるわけですね。
加藤 そうそう。ある意味、狙ってやってます(笑)。あとはこいつですね、《ドゥーム・サラマンダー》。こいつもすごく使いやすくて、イイ性能しているんで。あと、《ヴァンパイア・バット》もイイですね。
杉浦 ヴァンパイア・バット》は、昔いた《シャドウ・ストーカー》に似た特殊能力を持っていて、かなり使いやすいです。
―― 即時召喚可能なユニットで、小さな属性ダメージを与える。ホント似ていますね。
加藤 このあたりのユニットが新要素の弱点と相まって、けっこうなパワーを発揮します。
杉浦 『魔女』はいろんなパターンのパーティが作れるので、ユニットの組み合わせを考えるのも楽しいですよ。
―― なるほど、アレンジし甲斐がありますね。では、続いて『戦天使』のおススメカードもお願いします。
杉浦 ワルキュリア採魂隊》ですね。ブロック2で大活躍すると思いますよ。
加藤 戦闘スペルを使うデックなら、どこに入ってもいいカードに仕上がってます。『魔女』のデックに入れても使いやすいですよ。便利な特殊能力を持っているし。
杉浦 とはいえ、特殊能力のダメージ属性が「浄化」なので、『戦天使』のデックに入れて使った方がちょっとお得な感じがするはずです。《輝く雨の天使》の特殊能力でダメージを増やせますしね。
―― ほうほう。ちなみに、『戦天使』側の英雄たち、《戦天使エゼキエル》《戦天使サンダルフォン》はどうですか?
加藤 (カードを並べて)主役のふたりはもちろん強いんですが……。
  
加藤 優等生的で、「オレしかできないことをしている」って強さじゃないんですよね。どっかにある能力なんで。なので、ちょっと物足りないと感じる人もいるかもしれない。
杉浦 それでも、《戦天使エゼキエル》の強さはものすごいですけどね。《火竜ゲオルギウス》を5レベルにした感じだから、ものすごくパーティに幅が持たせられますし。
《火竜ゲオルギウス》
 ブロック1の8レベル英雄。コストは必要ですがユニット1体に特大ダメージを与える特殊能力と、パーティ全体に大ダメージを与える特殊能力の両方を持ちます。相手に合わせて使い分けのできる頼もしいドラゴンです。
―― (カードを見て)まさしくそんな感じですね!
杉浦 次のブースターで、使いやすい聖属性の戦闘スペルも追加されるので、デックの強化もバッチリです。
―― お、3月17日に発売される、『ヴァローカの精霊祭』(販売元:株式会社ブシロード 発売元:富士見書房)ですね。
加藤 このブースターのカードを混ぜると、『戦天使』は特にアレンジしやすいと思います。戦闘スペルはもちろん、追加されるアイテムも3種の神器(《封印の札》《魔力のスクロール》《滅びの粉塵》のこと。どれも便利で使いやすい)を加えるとまた違ってくるし。土とか別の属性に寄せたデックを組むこともできなくはないので、試してみるのも面白いんじゃないかな。
杉浦 『魔女』でも、もう1人魔女が増えたりしますし、《ヴァンパイア〜》など「種族:アンデッド」系のユニットも加わるのでアレンジを楽しめるかと。それによってスペル枠も変化するので、今の属性のまま戦闘スペルの特性を伸ばしたり、3属性にしたりすることもできます。
加藤 『魔女』と『戦天使』からモンコレを始めた方は、トライアルデックをそのままパワーアップしてみてください。デックとしてはかなりの強さになれると思います。トップメタ(その時期に一番強くて流行っているデックのこと)の一角を担うことができる……んじゃないでしょうか。
―― 主力じゃないですか。すごいですね!
杉浦 ブロック2は「種族:ジャイアント(基本的に5レベル。強くて使いやすい)」が全属性にいたりして、2、3、5レベルが多めです。一方、ブロック1偶数レベルのユニットの方が多め。こんな風にデックの組み方に変化を持たせています。なので一味違うデックの組み方を楽しんでみてください。
―― そういえば、ブロック2が発売されたことで、とうとうモンコレ同士でのブロック対抗戦が行えるようになりましたね。
杉浦 今はまだブロック1のカードの総枚数が多いので何とも言えませんが、さっき言ったとおり、ブロック2もカードが出揃えばかなり強くなります。
加藤 なので、ブロック同士の戦いもぜひ楽しんでください。

■ クロスブースター『紺碧海の女王』 ■
―― 先に3月発売のブースターのお話がでましたが、2月中にもブースターが1つ出ているんですよね。


 『モンスター・コレクションTCG クロスブースター 紺碧海の女王
(ブロック1&2)』
2012年2月18日発売
販売元:株式会社ブシロード 発売元:富士見書房

―― このクロスブースター『紺碧海の女王』のカードは、ブロック1・2の両方で使えると聞いていますが、全部で40種類ありますよね。その全部がそうなんですか?
加藤 はい、すべてそれぞれのブロックで使えます。
杉浦 そして、すべてのカードがだいたい役に立つように作ってあります。なので役に立たないカードはないはず。
―― それはステキなお話ですね。調整が大変だったんじゃないですか?
加藤 大変でしたねぇ。開発にあまり時間もかけられなかったですし。がんばって作りました。
―― ちなみに、このクロスブースターに英雄のユニットは?
杉浦 います。ポスターになっている《赤蛇姫カシオペア》や、ブロック2のプロモーションパックvol.3でも手に入る《黄金熊のモンブラン》がそうです。
加藤 モンブランは、すっごい性能をしているから(笑)。例の、股間近くにあるポケットからおかしな薬を取り出すんで。
―― なぜ、そこでわざわざ股間という言葉をつけるかな(笑)。
杉浦 あと、従来のプレイヤーのみなさんにはおなじみの、オーガの女傑《レッドソニア》も英雄になって帰ってきました。英雄以外のユニットも、低レベルから高レベルまで一通りいます。
加藤 ブロック1で「ちょっと足りないかな」と言われていたカードを、気持ち強化する雰囲気で入れています。「タイプ:狂戦士」のアイテムを1つ足したりね。
杉浦 全国大会の決勝が終わってから手を加えることができたので、ブロック1・2の両方に対して、ややメタゲーム(流行っているデックやユニットなどに対策を練る戦い方のこと)に絡みそうなカードも入れられています。
加藤 そういう意味では、このクロスブースターはいい時期に出すことができたのかもしれません。
―― これはぜひ混ぜてみないと、ですね。楽しみです。

■ 小説、クライマックス! ■
―― 次は、昨年末に2巻が出たモンコレ小説についてお聞かせください。
『モンスター・コレクション サモナーズII ソラステルの堕天使』
(2011年12月20日発売 原案:安田均 著:加藤ヒロノリ 発売元:富士見書房)
 師匠である天才召喚術師の少女アーニャに振り回されつつも、着実に力をつけるブリオは、成り行きで、最強の召喚術師を決める「キング・オブ・サモナー」に参加することに。参戦したアーニャと共に順調に勝ち進むブリオでしたが、恐るべき陰謀が進行していて――。謎の熊のぬいぐるみモンブランと魔剣使いの姫ドラジェの秘密も垣間見える、衝撃の展開から目が離せません!
―― 読みましたよ。すっごく面白かったです!
加藤 ありがとうございます。
―― これまで小説やTCGのフレーバー、TRPGなどで明らかになっていた六門世界、六芒世界……モンコレワールドのすべてがつながっていく感じがしました。
加藤 (いろいろな思いを込めた声で)ねっ。
杉浦 自分の小説の話になると、あまりしゃべりたがらない加藤ヒロノリ(笑)。
加藤 自分の作品をヨイショするの苦手なんで(苦笑)。
―― (笑)。いきなり熊のぬいぐるみが来たり、いろんな事件に巻き込まれたりしますが、メインはブリオの成長物語なんですよね。加藤さんには、もう1つ『ホーリィの手記(原案:安田均 著:加藤ヒロノリ 発売元:富士見書房)』シリーズという、こちらは少女の成長物語があるわけですが、ブリオの物語とは、まとっている空気みたいなものが違うように感じました。
加藤 ホーリィのときはちょびっと少女マンガを目指して書いたんですよ。で、今回は少年マンガっぽいのを意識して書きました。
『ホーリィの手記』シリーズ(全6巻)
(2002年4月〜2004年4月発売 原案:安田均 著:加藤ヒロノリ 発売元:富士見書房)
 修道院で暮していた孤児のホーリィは、突然あらわれた傭兵のボルカノと共に旅に出ることに。恋する乙女ホーリィには実はすごい秘密があって――。
 宿命と人の想いが交錯する壮大なファンタジー物語です。
―― ああ! なんかわかります。甘酸っぱさは控えめで、さわやかさが上がっていた気がします。肩の力を抜いて最後まで楽しく読めました。特にこの2巻は、数々のモンコレ作品の要素がこれでもかとちりばめられていましたが、「ブリオの成長」っていう柱があるので、要素を知らなくても充分楽しめるんじゃないでしょうか?
加藤 いつも「モンコレを知らない人にも楽しんでもらえるように」って心がけているので。モンコレを知っているとニヤニヤ度がちょっと増えるぐらいに仕上がっていると思います。
―― いや、かなりニヤニヤしましたよ! 客観的に世界に接しているモンブランやドラジェと、視点を共有できた感じがします。
加藤 そこまで行けているといいですね。ドラジェといい敵といい、活躍したの4レベルユニットばっかりで、でかい派手さはなかったですが(笑)。
―― でも、そこが主人公ブリオの身の丈にあっている気がしましたよ。超人ではなく一般人に近い立場で世界の危機に遭遇した気分でした。ああ、国が滅ぼされるんだなって。
加藤 そう感じていただけたなら嬉しいですね。
杉浦 オマケのカードもついていてお得感もありますよ。
―― この、初版に限定でついているプロモーションカードですね。
  
―― このオマケ、ほかにも「モンコレアイデアキャンペーン」なんてものがあるんですよね。採用されると、ブロック2で実際にカード化されるんですか?
加藤 はい。どんなカード案が送られてくるか楽しみです。
杉浦 ブロック2にはいろんなカードがあります。締め切りの3月末までにテーマとかも見えてくると思うので、それを受けて「それなら、まだここにこういうカードが欲しい」と送ってくれると採用率があがるかもしれません。
加藤 堅実なカードのアイディアよりかは、どうしても奇抜で面白そうなアイディアのほうが採用したくなります。バランスを取るためのよりは、「このカード使ってみてえ!」ってなる方がいいんじゃないでしょうか。
杉浦 いつも変なヤツの方が採用率は高いよね。
―― 変なヤツって(笑)。応募方法については本の帯に詳しく書いてありますので、採用を狙ってぜひご応募くださいね!

■ ソーシャルゲームの『モンスター・コレクション』 ■
『モンスター・コレクション ソーシャルゲーム』
(2011年12月9日公開 メーカー:フューチャーインスティテュート、プラットフォーム:GREE、Mobage くわしくはこちら
―― お待たせしました。加藤さんと杉浦さんからたっぷりお話をお聞きしたので、今度はボスからお話をお伺いしたいと思います。
安田 わはは、モンコレの方はさっき社内大会で存分に戦ってきたよ。残念ながら優勝は逃したけどね(笑)。今回は魔女デッククロスブースターをいくつか混ぜてみた。3勝1敗。最後は時間切れ判定で微妙だったから、満足かな。
―― おお、勝ち越しですね。おめでとうございます。
安田 トライアルデック、つえー! 内容的にやっぱり面白くて戦えるデックだと改めて確信したよ。触った方が弱くなる(笑)。
―― (笑)。さて、今度はソーシャルゲームについてお話を聞かせてください。公開早々に10万人、今や20万人も突破したソーシャルゲームのモンスター・コレクションですが、実際のTCGのカードイラストが使われているんですよね。
安田 うん。おもにブロック1のカードだけど、最近は懐かしいイラストのカードも出始めてる。《ホムンクルス・デルヴィス》とかね。
―― なんと。初出が『空中庭園の降臨(1999年4月発売)』のカードじゃないですか。
安田 :そう! 空中庭園は思い入れがあるし、いいよね。
モンコレの歴史
 モンコレが初めて世に出たのは1997年(なんと15年前!)。
 その後、前述の『空中庭園の降臨』など個性的なブースターを経て、『モンコレ2』(2000年−2004年)に移行。
 少しお休みをいただいたあと、モンコレはユーザーのみなさんの熱いご声援を受けて再始動します。『アニバーサリー』『STAGE 1』『STAGE 2』(2008年−2011年)と続き、現在の『ブロック1』『ブロック2』に至ります。
―― イベントも次々と開催されているし、そのたびにカードもどんどん追加されているんですね。以前モンコレをしていて、今は友だちと離れ離れになってモンコレできなくなっている人なんかが見ると、懐かしくなってまたプレイしたくなったりして。
安田 昔モンコレ仲間と遊んでいた感覚を、もう一度体験して欲しいね。
―― では、少しだけ内容に触れましょうか。ええと、ゲームには「冒険」と「バトル」という大きく2つの楽しみ方がありますね。
○冒険
 ストーリーを進める形式。冒険では、経験値だけでなく、新しいカードやカケラ(6分割されたレアカード。全部揃えるとカードになる)を入手します。新しいカードは手駒になるし、自分の持つ他のカードを強化するための素材にもなります。
○バトル
 おもにカケラを手に入れるための戦いです。自分の持っているカードを使って、あらかじめ組んでおいた攻撃パーティで戦いを挑み、勝てば相手のカケラを奪取。所持するカケラが狙われた場合は、やはりあらかじめ組んでおいた防御パーティで防衛しますが、負けるとカケラを奪われます。

―― 冒険では、先ほどお話を伺った小説「サモナーズ」シリーズのストーリーをなぞる形で進んでいきますよね。なので、こちらでもブリオアーニャモンブランたちが大活躍する、と。
安田 口調がいいよね。
―― モンブランとか最高ですね。そのままですもん。
安田 うん、サイコー!(笑) 遊んでいてニヤニヤしちゃうよ。
―― ボスが大学でソーシャルゲームについて講義をされたとき、チュートリアルの画面を学生さんに見せて説明しましたよね。そしたら、女子大生がめっちゃモンブランに食いついてました。「『ですぞ』だって!」って。
安田 そう言ってたよなあ。
―― 私、戦って物を集めて奪ってというタイプのソーシャルゲームはモンコレが初めてだったんですが、キャラクターやストーリー、カードのイラストのおかげもあって、すごく自然に慣れ親しむことができました。
安田 やはりストーリーがあるのが大きいんだと思うよ。あと、ゲームを作っている方々がモンコレを大好きなんですよ。だから単なるボタン押しのゲームになっていない。やろうと思えばお金をかけないで遊べるし。
―― あ! 私もそう思いました。携帯ゲームって課金しないとダメなんだと思って今までさわっていなかったんですけど。
安田 モンコレは少なくとも大丈夫。勘違いしないでね、ちゃんとたっぷり遊べるよ。
―― 入りやすいですよね。ソーシャルゲームからTCG小説に、TCG小説からソーシャルゲームへという双方向の流れがあるといいですね!

■ イベントも雑誌も盛りだくさん! ■
―― たくさんお伺いしましたが、本当にモンコレはすごい勢いですね。デジタルコミック誌『エイジプレミアム(発売元:富士見書房)』で掲載されていたコミック『モンスター・コレクション ドラゴン使いのアーニャ(原作・監修:安田均、加藤ヒロノリ、作画:こゆき)』も『月刊ケロケロエース(発売元:角川書店)』に掲載中ですし。
杉浦 先ほども言いましたが、3月にはブースター『ヴァローカの精霊祭』も出ますしね。腕だめしにイベントに参加されるのもいいかと思います。
―― そういえば、「モンコレ&ヴィクトリースパーク 新春はじめよう大会」が2〜3月中に、東京、大阪、博多、名古屋の4都市で開催されているんですよね。
加藤 はい。2月26日(日)に大阪で開催された大会には、僕と杉浦もゲストとして参加させていただきました。
杉浦 あと、『カードゲーマー vol.2(1月31日発売 発売元:ホビージャパン)』さんでも、特集記事とカードを付録までつけていただいたりしています。
加藤 『魔女』と『戦天使』の半分ずつ(25枚)のデックがそれぞれ1つずつ。つまり50枚。まるごと1つデックが付録という。
―― すごい! ゴージャスですね。
加藤 なので、ちょっと気になってまだやってない人は、そちらを買って遊んでいただくと雑誌もついてくるのでリーズナブルにデックを手に入れられるのかもしれません。
杉浦 雑誌特典カードもついてきますしね。
加藤 ただ、《ホムンクルス・アプリコット》だけエラッタが出ているんで】、そこだけ注意してください。カードの左下の枠外にある、使用可能ブロックが書かれている部分です。
杉浦 本当は「I・II」っていうのが正しいんですが、「II」だけになっているので。
―― 《ホムンクルス・アプリコット》はブロック1・2の両方で使えるんですね。
加藤 はい。気づくのが遅かった。申し訳ないです。それ以外は普通に遊べます。それで面白いと思っていただけたら、どっちかのデックをパワーアップしてもらえるとありがたいです。

■ 制作者からひとこと ■
―― 怒涛の展開を見せるモンコレについて、いっぱい語っていただいたインタビューですが、そろそろ時間となりました。最後にユーザーのみなさんへひとことお願いいたします。
安田 ブロック2は新しい試みもあってドキドキですが、面白いのは間違いないです。ブロック対抗戦もできるし、今までどおり最強デックを目指してもらうのも楽しいですよ。ソーシャルゲームも非常に面白いので、未体験の人はぜひさわってみてください。小説もよろしく!
加藤 今は、実はもうブロック3の開発に入っています。苦労しながらも楽しんで作らせてもらっているんで、期待していただけるとうれしいです。
杉浦 初心者講習会イベントなどはブシロードさんががんばってくださっていますし、富士見書房さんは雑誌とかイラストを取ってきてくださったり、やはりイベント等でがんばっていただいているので……。
加藤 僕らはいいゲームを作ること、これに注力してがんばります。
杉浦 また、ブロック対抗戦を盛り上げていけるように、それぞれのブロックを特徴ある楽しいものに仕上げていきますので……。
安田
加藤
杉浦
 これからもよろしくお願いします!



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