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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『ゴーストハンター13タイルゲーム』拡張セット第1弾『7つの大罪』(2014年04月)
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『ゴーストハンター13タイルゲーム』
拡張セット第1弾『7つの大罪』インタビュー

 グループSNE/cosaicから好評発売中の『ゴーストハンター13タイルゲーム(以下、GH13TG)』
 今回その拡張第一弾として
【ゴーストハンター13タイルゲーム 拡張セット第1弾 7つの大罪】が6月に発売されます。
 発売前にデザイナーであるグループSNE代表 安田均にインタビューを行いました。
 気になっている点をズバッとガッツリとお聞きしてまいりました。ラストには重大情報も……?
 インタビュアーは私、グループSNE新人 石野力です。
2014年04月 発行
記事作成 石野力

 
――  それでは【ゴーストハンター13タイルゲーム 拡張セット第1弾 7つの大罪 (以下GH13TGEX1)】についてお話を伺います。よろしくお願いします。
安田  はいはい、よろしく。

◇まずはタイトルから
――  それではまず、GH13TGEX1『7つの大罪』というタイトルになった理由を教えてください。
安田  自分で言うのも何やけど、今回の拡張セット、頭から全部言うと長いタイトルやなあ(笑)。今後は『GH13 7つの大罪』で行きましょう。
 GH13TGの時は謎の建築家‘タテルベ’を追うという連続性はあっても、シナリオにテーマは特に設けなかったんだけど、今回は拡張だし、1つの方向性をもたせようと『7つの大罪』というのを持ってきたんです。なんかタイトル、いい感じでしょ。
――  確かに題名は、どんな内容のシナリオなのか、大罪がゲームにどう関わってくるのか気になります。
安田  いわゆる大罪は傲慢、色欲、怠惰、強欲、暴食、憤怒、嫉妬と7つありますし、今言ったとおりシナリオとも絡めやすいんです。
 そもそもキリスト教やダンテの「神曲」とかで認知度も高い。最近ではコミックにもなってる(笑)。
 GH13で追いかけたタテルベに導かれて、PCたちが地獄・煉獄巡りをするという、想像を膨らませやすいテーマだと思ったんです。
――  ということは、シナリオは全部で7つ?
安田  いえいえ、7本どころじゃないです。なんと15本も入ってますよ。
――  おおっ!それは凄い!
安田  基本ルールとボリュームは同じくらいか、ちょっと多い。拡張版とはいえ、見た感じはほぼ本体と同じです。

◇どんなシナリオがあるんだろう
――  15本、これはプレイヤーとしては嬉しい限りであります。15本の内訳はどうなっているんでしょう。
安田  キャンペーン7つ。残りの8つ単独で遊べるものになってます。
――  単独のものは、この拡張セットだけでも遊べるようになっていると聞いたんですが。
安田  そうですね、半分は。それはこの拡張を作る時から気をつけてました。
 
セミ・スタンドアローンという形式で、単独シナリオ群のうち4本は、このセットだけで遊べるようになっています。
 でも拡張セットというくらいだし、ぜひ基本セット(GH13TG)と組み合わせて壮大な物語を遊んでほしい。
――  そちらが7本のキャンペーンですね。先ほど仰っていた『大罪』が関わってくる。
安田  そうです。シナリオごとに何らかの大罪がモチーフになっているので、テストプレイしてもらってるさい、プレイヤーの人たちが「次のシナリオは何の大罪やろう?」って悩んでましたね。
――  小耳に挟んだんですが、キャンペーンはこれまで類のないものになっているとか。
安田  そうですね、特徴がいろいろあります。まず、新機軸として今度のキャンペーンはレベルダウンするかもしれない。いや、多分する。
――  え゛っ! レベルが下がるんですか!? それは聞いたことがない。いや、「ウィザードリィ」であったレベルドレインみたいな……?
安田  それは嫌なので、ちがいます。今回は全体が、レベルダウンしそうになる中を必死に下がらないように進んでいくというキャンペーンになっています。
 今までの、たとえばRPGだと、レベルってのは上がるものでしたよね。でもね、今回はちがう。下がる可能性が高い。これがスリル!
 キャンペーン1本目は8レベル、最強の状態から始まります。初めは楽勝ですよ。
 でもヘタなことをしてしまうと、シナリオ毎にレベルが下がっていくかもしれない。
 最初は何でもできるのにどんどん
「できるはず」が「できなく」なっていくんです。これは怖いですよお……。
――  たしかに一つのホラーですね…… いつの間にか力が吸われている感じといいますか。
安田  でも、それを乗り越えた最後にね、さらにいくつかの驚きが待ってます!
 キーワードは「一粒で三度おいしい!」
 これ以上は言えません。ぜひ自分の目で確かめてください。
――  驚くべき真相があなたを待ちうけるですか(ビシッ!きらりーん☆)
安田  あとね、単独シナリオもバリエーションが豊かです。船上シナリオなどもあって、初めてやると「おぉ~っ」て思いますよ、きっと。
――  それは是非プレイしてみなければ。
 そういえば、拡張セットの目玉として
大型タイルを用いたウィルダネス(野外探索モノ)がありますね。それについても聞かせてください。
安田  それも拡張セットのウリの一つになってます。
 こう言ったらわかりやすいかな。GH13TGは幽霊屋敷ですから、ファンタジーで言うならダンジョンや屋内がメイン、一方、拡張セットではウィルダネス、屋外も遊べる。
 この拡張セットの単独シナリオは、1本目から大型タイルを利用した野外探索になってるんです。とっても遊びやすいですよ。
――  1本目からですね。なぜウィルダネスを取り入れたのでしょうか。
安田  ホラーものは基本、屋内で幽霊や恐ろしい生物から逃げ回るというのが重要なところなんだけど、屋外はストーリーを広げるためには外せない要素だと思います。
 RPGもそうでしょ。最初から最後までダンジョンに潜りっぱなしでは飽きてくる。
 屋内で探険することもあるし、屋外に出て冒険することもある。このチェンジ・オブ・ペースは重要でしょう。

◇大型タイルあらわる。新タイルも続々
――  大型タイル、いわゆる変形タイルですが、これはどのようにして思いついたのですか?
安田  大きさについては、「これは森だ」と言って部屋タイルと同じ大きさが出てきたらどう思います?
 ゲーム的にはおかしくないけど、なんか感覚的にちょっと悲しいじゃないですか。
 そうなると、他のタイルとのバランスから見て、いくつかがつながった大きめのタイルを作ろうかなと。
――  そしてこれらの大型タイル、裏側にも工夫があるんですよね。
安田  そうなんです。表側には厩舎墓地などの野外シナリオ用タイル。裏側には巨大部屋角部屋などが描かれていて内部シナリオ用という具合になっています。そもそも形がちがうと、めくれない(笑)。
 ぜひ自作シナリオでも使ってみてください。
――  読者の方にいくつか新規タイルを紹介していただけますでしょうか。
安田  まずは井戸! これは作りたかった。井戸は怖いでしょ~、立体感覚もあるし、地下にも行けそうだし。逃げ道としても使える。
 あとは野外大型タイルとしてお約束の
墓地もあります。
――  ホラーには外せないものばかりですね。なんとも「らしい」タイルばかりです。
 個人的には井戸から何か出てくるシナリオを作ってみたいです。探険するのが今から待ち遠しい。
安田  屋内なら宝物庫とかね。宝物庫があるんならそこからつながる隠し部屋隠し通路
 
浴室もあるね。ホラーとかにはよくあるでしょ。シャワーを浴びていたら後ろでガチャっとドアが開いて……ってやつ。
――  カメラが揺れながら迫ってきて、振り向くとそこには……! たまりませんねえ。
安田  中には少し安心できる部屋もあります。ほんのり疑似回復のようなことができたりね。いま話せるのは、こんなところかな。

◇新要素"総ターン制限"
安田  そうそう、これは言っておかなくちゃ。新しい要素"総ターン数"、これを導入しました。
 実はこの要素、GH13TGのときから導入したかったんです。
 でも、あんまりゲームに慣れていない状況で制限を入れるのもどうかなあと思って。
 GH13TGでは「ある状況から何ターン以内に逃げましょう」と、そういう形で入れています。
――  そうでしたね。今回はゲームスタート時からターン制限があるんですね。
安田  その方が理屈はあってるはずです。制限のないシナリオだと、みんなでゆっくり時間をかけて手がかりを探しつくし、アイテムを全部発見したり、受け渡したりして準備を整えられるので、冒険心よりも慎重なだけの人が有利になる。
 今回は総ターン制限を入れたことで、ある程度バラけて探険をしないと、間に合わないかもしれないっていうジレンマを最初から入れました。
――  総ターン数制限があるお陰で「みんなで安全に探険する」のと「バラけてスピィーディに探険する」ことのバランスに悩むわけですね。
 ゆっくりアイテムを探していたら間に合わないかもしれません。これまで以上にプレイヤー間での協力が重要になりそうです。

◇個性的な新キャラクターたち
――  新キャラも追加されましたよね。お話していただけますでしょうか。
安田  それも魅力でしょう。基本セットでもで面白い子たちを送り出すことが出来たと思いますし。家見ちゃん(家相占い師-フィジオノミスト)と骨見ちゃん(骨相見-フレノロジスト)と呼んでますが、家見ちゃんばっかりプレイする人が居るくらいでして。
 今回もそれと同じくらい新しくて面白い子たちを考えしましたよ~。
――  それは気になります。1人ずつご紹介いただけますでしょうか。
安田  まずはダウザー。ダウジング(水脈、地脈を枝分かれした道具で探す)ができる子です。シナリオ中1回狙ったタイルを引いてこられるんですよ、山札の中から!
――  えっ、キータイルとかでも引いてこられるんですか!?
 配置前のタイルをチェックできるというのは家見ちゃん(タイルを2枚引いて好きな方1枚を配置できる)と方向性が似ていますが、必要なタイルを山札からガツンと持ってこられる。これは強い。
安田  次はですね、シスター(女性僧)。そういえば、なぜか居なかったなあという聖職者です。HPかMPを誰でもゲーム中に1度、10点回復させてくれるんですよ。これは便利な能力です。さらにアンデッド系のモンスターに強く、ダメージを多く与えられるようになっています。
――  今回は意外とモンスターとの戦闘も多いですし、間違いなく重宝しますね。ありがたやありがたや。
安田  そして次は火を操る少年、火炎使い(パイロキネシスト)。攻撃系なんですね。
 攻撃が通りさえすれば、ダメージが+2点されるんです。回復能力持ちの聖職者とのコンビでおぞましい戦闘ももう怖くありません。
――  主に戦闘になるボス戦などでメインアタッカーになれますね。シンプルで強そうです。
安田  そして最後に催眠術師(ヒプノティスト)。これがまたねえ、「HP,MP30以下」とは限られるんですが、モンスターを1体眠らせてバイバイ!
 中ボスクラスのモンスターでも一撃で倒せてしまうんです。どのモンスターを対象にするかは迷うところですが、ガンガン使ったほうがいいです。
 かなり面倒なモンスター増えていますから。
――  それは便利ですね。戦闘なしで排除できるのはありがたいです。
安田  この拡張セットだけを買われた方は、この4人を使って遊んでいただくことになりますね。
 基本のGH13TGをお持ちの方は基本の8人にこの4人を合わせた12人の中から好きな子を使ってプレイしてください。
 色んな組み合わせを楽しんでいただけると嬉しいです。
 実はGH13って、このキャラ分、一度に遊べるんですよ、最大12人同時に。判定カード(トランプなどで代用)さえあればですが。シナリオバランスは各自でとってほしいけど(笑)。

◇新規アイテムやイベント
――  新規アイテムではカメラが収録されたとか。「ラプラスの魔」などコンピュータゲームにも出てくる例のアレですよね。
安田  カメラはゲームでは必須のアイテムだったんですよ。
 これは資金の元になってたアイテムなので、うまく使いこなしてください。
――  イベントはどんなものが収録されるのでしょうか。
安田 "悪魔との取引"というイベントはなかなかおもしろい。取引すると良いコト起こりますよ。
――  悪魔!? 取引しちゃっていいんですか?
安田  もちろん、代償は取られますけどね(苦笑)。

◇シナリオを作ってみよう
――  そういえば、GH13TGの自作シナリオ募集もしていますよね。
安田  はい。皆さん楽しいシナリオありがとうございます。
 SNEでも遊ばせてもらっています。色んな人のシナリオが遊べるのは楽しいですね。
――  基本と拡張を組み合わせると、かなりの枚数のタイル・カードになりますよね。面白いシナリオが作れそうです。
安田  ええ。何度も言ってますが、このゲームはぜひとも皆さんにシナリオを作って遊んでもらいたいんです。シナリオを作るのは難しくありません。
 今回の拡張セットを入れることで、これまでよりもはるかに選択肢が増えました。
――  何かシナリオのネタになりそうなものとかありますでしょうか。
安田  例えば、街タイルや墓場を使ってアンデッドが徘徊する街からの脱出だとか、ゾンビものだとか、増えたタイルを最大限利用した迷宮だとか、教会に立てこもったりとか、いろいろ考えられますね。
 ぜひ、皆さんも新しいシナリオを考えてみてください。そして僕たちに遊ばせてください(笑)。
――  あと、このゲームを2人で遊びたいという声が届いてまして。どうすればいいでしょう。
安田  このゲームは基本的に3人~4人で遊ぶように作ってあるんです。3人だとキツめで4人だとちょっとましって具合に。
 今のところは2人なら、1人が2人分のキャラを受け持つ、1人なら3キャラぐらい担当するなどで遊んでください。
 純粋な2人用(1人1キャラ)のシナリオも、そのうち作ってみようと思っています。

◇最後に重大情報
――  EX1ということはEX2のようなこれ以降の拡張セットの話も出ているのでしょうか。
安田  もちろん、みなさんにこの拡張セットを支持していただけましたら、すぐにでも取り掛かりたいと思っております。それはこのキャンペーンシナリオの最後を読まれれば、おわかりのはず。
――  なんか意味深ですね。その辺りをもっと詳しく……。
安田  実はですね、もう1つ、とっても重大な情報があるのです。これは小説ファンの方も喜ばれるかもしれません。
 もう1月ほどしたら、そうした情報を出せると思いますので、まずはこの拡張セットを遊んで楽しみにお待ちいただければと。
――  なんでしょう、できれば一言だけでも……!
安田  一言だけですね…………長いことお待たせしていた小説第3部『アルケリンガの魔海』、出ます。
―― えっ!?(絶句)


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