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実録 SNECON2012


 最寄りの地下鉄、私鉄、JRが全線ストップし、どうあがいても目的地(大阪市北区民センター)にたどりつけなくなる――身も凍る、そんな怖ろしい夢を見て飛び起きたのは、12月9日の朝、SNECON2012当日でした。

 この日だけは這ってでも、人様の車を強奪してでも会場に入らないといけません。空から雪が降ろうが槍が降ろうが、たとえ生きたカエルが降ろうが、です。

 2012年、グループSNEは
設立25周年を迎えました。支えてくださる読者があってこその25年。
 今回のコンベンションは、
読者への感謝の思いから企画されたものです。それほど意味深いコンベンションに、万が一にも遅刻することがあれば、「読者への感謝の気持ちのないヤツ」というレッテルを貼られてしまいます。それだけは、なにがあっても避けねばならない!

 と、いささか不穏な夢見で幕を開けた大切な一日を、わたくし(笠井道子)が舞台裏をまじえてレポートいたします。当日の雰囲気を多少なり感じていただけたら幸いです。

執筆:笠井道子
 
【開幕まで】
 わたしが会場となる大阪市立西区民センターに到着したのは午前8:00。スタッフの集合時刻は午前9:00。さすがに早すぎたか? と思ったのですが、会場前にはすでに来場者の姿がちらほらと見えました。
 折しも厳しい寒波に見舞われたこの日、長時間、外でお待ちいただく申し訳なさもありながら、それほど今日を楽しみにしてくださっていたのかと胸の温まる思いもしたのでした。

 SNEの設営メンバーも集合時刻には全員がそろいました(なんと、SNEの総帥
安田均まで!)。部署ごとに簡単な打ち合わせをし、あとは会場が開くのを待つばかりです。

 ここまでは順調だったのです、ええ、
ここまでは。

 しかし、この後、我々は予想外の出来事に見舞われます。
 その一、会場が開いたのがなんと
9:30(9:15くらいには開けてもらえるのではないか、というわたしの予測が大誤算でした)。
 もはや受付開始予定まで正味20分を切っています。

 
大丈夫なのか、SNE!?

 解錠と同時に、スタッフの老いも若きも血相変えて設営に向かったのは言うまでもありません。
 その二、ふと携帯電話を確認すると、清松みゆきから再三の着信履歴。
JR(京都線)、事故のため
運行停止!」

 ほう、今朝の悪夢は正夢でしたか。けっこうな予知能力じゃありませんか、わたし?

 なんて感心してる場合じゃない。会場への主要経路であるJRが止まったら、なにより10:30開始のTRPG(テーブルトークRPG)を予約されているお客さまに多大な影響が出てしまいます。
 できるなら予約された全員が到着されるのを待ちたい。でも、開始が遅れると、タイムスケジュールを圧迫する――このとき、コンベンションスタッフであり、またメイン司会を務める北沢慶は頭が真っ白になったと言います。

 しかし寒波のなか、いつまでも来場者をお待たせするわけにはいきません。
 予定より5分押しの9:55、受付を開始しました。嵐にもまれるSNECON2012号の危なっかしい船出です。

【SNECON2012 タイムスケジュール】
  • 9:50 開場・受付開始/物販オープン
  • 10:15 開会式
  • 10:35 第一部開始 TRPG/モンコレコーナー/フリープレイエリア順次オープン
  • 14:50 TRPGセッション終了
  • 15:00 一次閉会・トークショー
  • 15:30 第二部 ボードゲーム大会/サイン会
  • 18:30 閉会式・じゃんけん大会
【受付開始】
 SNECON2012の参加方法は3種類。
●TRPG予約者
 SNEのメンバーがゲームマスター(GM)をするTRPG卓に、webにて事前予約された方(応募者多数でしたので、抽選になりました)。

●キャンセル待ち当選者
 上記抽選にもれた方から数名を、事前に無作為に選ばせていただきました。欠員があった場合のみ、抽選でTPRG卓に参加可能。

●当日参加者
 フリーエリアで自由に遊んでいただきます。

 それぞれの列を作って、まずはTRPG予約者の方々から受付開始。
 設営も終わっていない状況で、ほとんど見切り発車でしたが、みなさまのご協力のもと、なんとかスムースに列が流れはじめました。
 けれど、やっぱりTRPG予約者の来場が少ない――みんな待ってるよ、早く早く
 受付担当者は空欄の多い来場者名簿をじりじりと見つめつづけるのでした。

【開会式】
午前10:00過ぎ、いささか緊張気味の司会、北沢慶大井雄紀の開会宣言でSNECON2012が幕を開けます。壇上には到着の危ぶまれた清松みゆきの姿もあります。とりあえず、そこは「ほっ」と胸をなでおろします。


 開会式ではグループSNEの総帥安田均から、これまでグループSNEを支えてくださったみなさまへの謝辞が述べられます。


 また、簡単にではありますが、これまでともにグループSNEを牽引してきた主軸メンバーも紹介されました(清松みゆき友野詳加藤ヒロノリ北沢慶、そして裏方を務めますわたくし笠井道子の5名です)
 15分ほど引っぱりつつ開会式が終了するころには、なんとかTRPG予約卓の8、9割が埋まりました。時間通りに来場された方々のことも考え、ここでTRPG卓のキャンセル待ち抽選に踏み切ったのでした。

《楽屋裏点描》
 さて、わたくし、もっともらしくレポートをしておりますが、じつはこの辺りのこと、ほとんど記憶に残っておりません。
 コンベンションの楽屋裏はいつだって戦争。
 会場に送った荷物は5箱、荷詰めをしたのはこのわたし。
 なのに、もはやどこになにが入っているかがわからない。そうならないように送り状にはしっかり内容物を書いたし、箱のなかにメモも入れたのに――
あれ、どこ行ったっけ」「知りません
あれ、どこやったっけ」「わかりません
 荷造りした当人がわからなければ、だれにわかります? ああ、みんなの視線が痛い。
 そんななか、道案内係の河野裕ベーテ・有理・黒崎に使い捨てカイロと案内板を渡し、送りだしたことだけはしっかりと覚えています。


 参加者の方々からは「道案内の人がすぐにわかってよかった」と温かいコメントをいただきました。
 ま、これ以上のランドマークはほかにないでしょう。

【コンベンション開始】
 今回のコンベンションは上述したとおり、事前予約の必要な《TRPG卓》と当日参加の可能な《フリープレイエリア》があります。
 まずはSNEメンバーがゲームマスターを務める《TRPG卓》からご紹介しましょう。

《TRPG卓》
 今回用意したのは『ソード・ワールド2.0』『パラサイトブラッド』『ゴーストハンタ-RPG 02』の3タイトル計12卓。『ソード・ワールド2.0』8卓のうち2卓は「初心者卓」としました。

☆『ソード・ワールド2.0』(GM:清松みゆき、秋田みやび、藤澤さなえ、ベーテ・有理・黒崎、川人忠明、石在神明)

 言わずと知れたグループSNEの屋台骨の一つです。
 この日遊ばれたのはシンプルな人捜しシナリオながら、ウィルダネス・アドベンチャーダンジョン・アドベンチャーの2本立てという盛りだくさんな内容。
 とある卓では、ラスボスが絶体絶命のピンチに、禁断の「キノコ」に手を出し、即座にヒットポイント0になる(GMが
ピンゾロを振ってしまった!)という一幕もありました。
 TRPG経験がまだ数度というプレイヤーからベテランプレイヤーまでバランスよくそろい、なごやかにセッションが行われていました。
 ちなみに、プレイ中、「このシナリオ作ったのは、きっと
清松さんですね」とほぼ断言した方がいらしたそうです。
 して、その正否は――ご明察です。なんでわかるんでしょう?


☆『ソード・ワールド2.0初心者卓』 (GM:河野裕、森本有美)

 これまでも「TRPGは知っているけれど、やったことがない」という方はたくさんいらっしゃいました。ただ、今回目立ったのは「リアルではやったことがない(=オンラインセッションは経験あり)」という方が増えたこと。ふうむ、時代は変わったのですね。
 こうした方々こそ、グループSNEのこれからの25年を支えてくれるお客さまでしょう(もちろん、これまで支えてくださった方々への感謝は言うに及ばずです)。
 くれぐれも粗相のないよう、丁重におもてなししてくださいね、GMの河野さん、森本さん。
 シナリオの内容は魔剣の迷宮に囚われた歌姫を助けだすというもの。そのためには迷宮を攻略しなければなりません。
 楽しいのは、迷宮の入口で「ゲームのオープニングのような歌を歌って下さい」とか、「リドルに失敗したらBoop!と効果音を出してください」とシナリオでGMに指示されていること。
 初心者プレイヤーはこのちょっとした「つかみ」に大喜びだったようです。
 シナリオ作成者ベーテ・有理・黒崎の優しさと粋が活きていますね。


☆『パラサイトブラッド』 (GM:北沢慶、大井雄紀)

 2006年発表の『デモンパラサイト』を母体に、2010年装い新たに誕生した変身ダークヒーローTRPG『パラサイトブラッド』は根強い人気を誇ります。
 今回のシナリオは、とある超高層ビルで発生した人質立てこもり事件。どうやらヴィシャス(理性を失った悪魔憑き)が関わっているらしいと知り、国連の秘密組織「DUST」のメンバー(プレイヤー)が調査に赴きます。
 制限時間内に事件を解決しないと、ビルから吊された人質が、哀れ地面に叩きつけられてしまいます。急げ、変身ダークヒーローたち!
 という切迫した状況で、プレイヤーさんたちは見事に事件を解決した――んですよね、GMの北沢さん、大井さん?
 このシナリオは、じつは作成者が、大阪の天王寺で建設中の「あべのハルカス」という超高層ビルが日々のびていくのを、事務所に向かう電車から見ていて作ったものだそうです。シナリオのネタというのは、日常のあちらこちらに潜んでいるものなのですね。


☆『ゴーストハンター02』 (GM:友野詳、田中公侍)

 TRPG、小説、コンピュータゲーム、コミックと多岐にわたるメディアミックス展開を実現してきたシリーズ。1994年発表の『ゴーストハンターRPG』は2002年『ゴーストハンターRPG02』として復活。遊びやすく、かつスリル満点のシステムが多くのファンの心をつかんできました。
 シナリオの舞台は霧の都ロンドン。とある富豪が開いた怪談会に出席したプレイヤーたちは、それをきっかけに恐ろしい事件に巻きこまれていきます。罪のない人の、そして自分たちの命を守るため、怪談の謎を解かねばなりません。
 シナリオ作成者の友野詳が縁あって参加した、徹夜の怪談会にヒントを得て作ったもの。
 プレイヤーには「ゴーストハンター」は初めて、オフラインセッションは初めて、TRPGが初めて、という方が多かったそうですが、みなさん、積極的に動いてくださって楽しいセッションになった模様。むしろ、積極的に動きすぎて危機におちいるシーンもあったとか。

友野詳「二人くらいは狂気に追い込めるかと思ったのですが、神がかったA(エース)の引きに、敗れ去りましたね(笑)」
(ゴーストハンターでは「狂気」をトランプで表します。エースのカードは狂気を取り去る最強の札なのです)
 プレイヤーさんたちは「してやったり」でしょうけれど、ゲームマスターとしてはさぞかし無念だったことでしょう。「ゴーストハンター」はプレイヤーを狂気に陥れてなんぼ、のゲームですから。
 さらにいま、「ゴーストハンター」はグループSNE内で脚光をあびるシリーズの一つです。その理由は下記にて。







《フリープレイエリア》
 フリープレイエリアには「グループSNE/cosaic新作体験卓」「モンスター・コレクションTCG(以下モンコレ)コーナー」、それに参加者に自由にご利用いただく「フリープレイ卓」が用意されています。
 む、こう書くと、なんだか複雑そうですが、要は広いエリアを開放し、興味を持った卓に随時参加していただく場所です。参加者の方が持参したゲームをプレイされるのももちろん自由。

 では、それぞれのコーナーをざっとご紹介していきますね。

〈SNE/cosaic 新作体験卓〉
 SNEやcosaicの新作ゲームや開発中のゲームを体験していただけます。
 まず最初に「
cosaicってなに?」と思われた方に簡単にご説明。
 cosaicはグループSNEのメンバー秋口ぎぐるが代表を務めるゲーム制作会社です。
 2010年日本ボードゲーム大賞を受賞した、秋口ぎぐるデザインのカードゲーム『キャット&チョコレート/幽霊屋敷編』は品薄状態がつづいていましたが、cosaicの第一弾として「ゲームマーケット2012 秋」で先行販売、現在はイエローサブマリン各店で取り扱われています。
 そして、SNECON2012ではcosaic第2弾、第3弾が先行販売されました。同じく品薄になっていた『
キャット&チョコレート/ビジネス編』と完全新作の『フィルムフィクサー』の2点です。


ゲストの水野良さん「フィルムフィクサー」試遊中

キャット&チョコレート』シリーズはいずれも短時間で遊べる、文句なしに楽しいパーティゲームです。『フィルムフィクサー』はプレイ時間30分というお手軽なカードゲームながら、ゲーム的思考も必要な遊びごたえのある一作。次回は「
ゲームマーケット2013 大阪」で販売の予定ですので、買い逃した方はぜひそちらでお求めください。
 現在、『キャット&チョコレート/学園編』や新作の開発、海外作品の移植などを企画しています。
 もちろん、
cosaicグループSNEとの強力コラボもありますよ!
 直近で最大の注目作がこれからご紹介する『
ゴーストハンター13 タイルゲーム』です。


〈ゴーストハンター13 タイルゲーム〉
 TRPGの項でもご紹介した「ゴーストハンター」シリーズが、タイルゲームになって復活します! (いま脚光を浴びているというのは、このことです)

 しかし、
タイルゲームとはいったいなんぞや?!

 この作品は現在開発中ですので試作品になりますが、下の写真でなんとなくおわかりいただけるでしょうか。

 

ゴーストハンター」は1930年代の西洋をテーマにしたホラーです。本作では奇才の建築家「タテルベ・タカアキ」の造った館を探索します。
 具体的には1枚ずつタイルをめくり、そこに指示されたイベントを処理していく、というもの。
 当然のことながら身の毛もよだつ怪奇現象が起こり、プレイヤーは徐々に狂気に冒されていきます。こうなると時には味方を攻撃することもあり、いやがおうにも緊張感が高まります。
 全員で助け合い、協力しないと館からの脱出は叶わない、スリルたっぷりRPG風味のタイルゲームです。
 
2013年春発売を目標に、現在鋭意ブラッシュアップ中。詳細の発表を楽しみにお待ちください。
 余談ですが――TPRG風味ですから、とうぜんキャラクターカードが必要です。


 じつはこれ、企画が立ち上がったときに、不肖わたくしめが間に合わせに、段ボールに紙を貼り付け、クリップをはさんで作成したもの。
 これが意外に使い勝手がよい、とボスに好評で、現在に至るまで現役で活躍しております。なんかちょっと嬉しいですね。


〈ルッテ・ノーブル〉
 こちらも現在、鋭意開発中のゲーム。JGC2012では富士見書房のブースで体験卓が立てられ、ご好評をいただきました。
 参加者の方々から「どんなゲームですか?」と何度か聞かれたのですが、うーむ、一言で表現するのはなかなかに難しい。

笠井「ノンペンシル・ノンダイスの
ミステリー(推理)ゲームで、ちょうどボードゲームとTRPGの中間くらいの感じ」
参加者「はあ……?」
笠井「楽しいよ、やったらわかるって
参加者「なるほど、じゃあ、やってきます(笑)」
 という、やりとりを複数回させていただきました。


 レクチャーを務めたのは河端ジュン一真中あずさ
 マス目に区切られたマップ上を移動し、手がかりを見つけて、プレイヤー全員で話しあい、事件の犯人を推測する、というゲーム。
 判定方法や手がかりの見つけ方、また手がかりそのものも斬新なシステムになっており、独特のプレイ感覚が味わえます。
 とはいえルール自体はいたって簡単。プレイ時間も長くて2時間弱。
 わたしはテストプレイに参加するうちに、自分でもシナリオを作りたくなり、実際にゲームマスターを体験しました。アンケートでも「マスターをやってみたい」というご意見をいただきましたが、シナリオ作成もマスタリングも本格的なTRPGに比べると、かなりとっつきやすいのではないかと思います。
 今後も「ゲームマーケット2013 大阪」などのイベントで体験卓を立てていく予定ですので、ぜひ、この
新感覚ゲームを味わいにいらしてくださいね。


〈シルク・ドゥ・モンスター〉
 こちらはJGC2012で先行発売され、10/6に正式販売となったカードゲーム。
 デック構築型のゲームはたくさん出ていますが、そこに競りの要素が加わったことで、楽しいコミュニケーションゲームになりました。サーカス団のスポンサーも団員もモンスターだから、出し物も「ドラゴンの火の輪くぐり」「ベヒモスのフラフープ」とじつにユニーク。カードを見ているだけでくすっと笑えます。
 発売済みの作品ですので詳細は省きますが、興味をもたれた方は下記のサイトをご参照くださいね。
 著者インタビューはこちら。 シルク・ドゥ・モンスターコーナーはこちら


 応援に駆けつけてくださった富士見書房O氏。たくさんの方に遊んでいただきました。


《モンコレコーナー》
 なんとSNECON2012当日、2012年12月9日、東京で「モンスター・コレクションTCG 第15回全日本選手権 全国大会決勝」が開催されていました。そのため、モンコレの主軸メンバーである杉浦武夫はそちらに出張しております。
 しかし頼りになるボランティアスタッフ富士見書房I氏も駆けつけてくださって、モンコレコーナーは終日大盛況。

 開催されたのは、まず「ランブルファイト」。これは大会時間中に好きなだけ対戦をくり返し、最終的な対戦数や勝利数に応じて賞品を獲得する形式です。35名の方が参加してくださいました。
 午後からは「ランブルチーム戦」。こちらは1チーム8名、計4チームでの対戦です。それぞれのプレイヤーが別のチームの人と対戦し、最終的にチームの勝ち星の数を競います(レギュレーションは自由。相手と相談して好きなものを使えます)。
 ランブルファイトと同時開催で、戦ったことのない対戦相手であればランブルとしても認可される――のだそうです。
 なんというか、参加された方々には本当に
モンコレ漬けの一日ですね。
 チーム戦の結果は上位2チームが同点という接戦。そのため、1位チームの賞品として用意していたスリーブが足りなくなってしまいました。苦肉の策として、加藤ヒロノリのサインカードを提供したところ、何名かの方が希望してくださり、事なきを得たようです。

 これらと並行して、初心者講習会も開かれていました。

 

 写真左が初心者講習会です。
 初心者の方々がこの講習を受けてモンコレにはまり、延々初心者同士で戦ってくだったとか。それをわたしに教えてくださったときの富士見書房I氏の「どや顔」が忘れられません。


〈フリープレイ卓〉
 こちらは参加者に自由にお使いいただくエリア。
 用意したTRPG卓4卓は開始早々埋まり、何名かの方には午後以降に回っていただくことになりました。
 プレイされていたタイトルは「ソード・ワールド2.0」「エンドブレイカー!」「ゴーストハンターRPG 02」「ゲヘナ」など。さすが「わかってくださってる」と思わせるラインナップです。「ゲヘナ」卓では初心者の方を迎えて、ワールドからシステムまで丁寧にレクチャーしてくださいました。
 ボードゲームではプレイ時間の短いものが人気で、こちらから声をおかけするまでもなく、みなさま誘いあって楽しんでくださっていました。
 遊びごたえたっぷりの長時間ゲームをご持参くださった方には、プレイヤーが集まらず申し訳ありませんでした。次回からは少し時間の割り振りを工夫をしたいと思っています。

《ゲスト点描》
 なんといっても今回は
設立25周年を記念したコンベンション。親しい作家やゲームデザイナー、イラストレーターの方々もお招きしていました。
 まず、ORG代表
大貫尋美さん、ファーイーストアミューズメントリサーチから久保田悠羅さん、冒険企画局近藤功司さん。
 どの方もSNEにとっては、この25年常にかたわらにいて、刺激を与えつづけてくださった大切な「友人」です。
 それから、社友の
水野良さん、山本弘さん。設立時からグループSNEを牽引してきた中核メンバー、安田均にとってはまさに戦友とも呼べる存在です。現在は独立し、作家として活躍されているのは、みなさまご存じのとおり。
 夕方にご来場くださったイラストレーター/漫画家の
弘司さん、合鴨ひろゆきさん。
 合鴨さんは元SNEのメンバーであり「社友」でもあります。いまも折に触れ、コントラクトブリッジや麻雀の卓を囲むゲーム仲間でもあります。
 そして弘司さんといえば、「ゴーストハンター」シリーズを手がけてくださったイラストレーターさん。なんとSNECON2012の少し前にすでに「ゴーストハンター13 タイルゲーム」を体験してくださっているのです。すごい、いろんな期待(妄想?)に胸がふくらみますね。
 ほかにもお世話になった編集さんなど、思いがけず多くの関係者にご来場いただき、感謝感謝です。
 一般参加者もゲストの先生方も区別なくひとつのテーブルを囲む――SNECONならではの素敵な光景だと自負しています。


【一次閉会からサイン会へ】
  グループSNEのコンベンションではいつも午後3:00頃、TPRGセッションの終了後に「一次閉会」をもうけています。その理由は本来「(父兄同伴でない)15歳以下の参加者」を送り出すため」だったのですが、この頃は最初からご両親やお兄さんお姉さんが同行されることが多くなりました。
 つまり、この「一次閉会」は実質「ゲームをやって熱くなった頭を一回冷やそう」タイムです。なので、閉会自体は早めに切り上げて、「休憩&お買い物」タイムとなりました。
 また、SNEコン2010と同じく、今回も
イエローサブマリンさんの協賛をいただいています。さらに一次閉会のあとには「サイン会」も控えています。
 北沢慶の「感謝の気持ちをこめて、サイコロ1個でもお買い上げいただけたら嬉しいです」の呼びかけに、たくさんの方が応じてくださいました。

 

サイン会を行った作品は下記のとおり。

※ネオゲーム文庫
  • 『Let's play! モンスター図鑑』(安田均・加藤ヒロノリ)
※オリジナル小説
  • 『フラワーカード探偵咲』(川人忠明)
※ソード・ワールド2.0関連
  • 『SW2.0 ルール&データブック カルディアグレイス』(北沢慶・田中公侍)
  • 『SW2.0リプレイ 七剣刃クロニクル(1)』(秋田みやび)
  • 『SW2.0リプレイ USA(7)』(ベーテ・有理・黒崎)
  • 『SW2.0リプレイ バウムガルトの迷宮城』(北沢慶・大井雄紀)
《楽屋裏点描》
 直前に発覚して、真っ青になったこと。
カルディアグレイス』が市場のどこを探してもない!!
 富士見書房さんに在庫をさらっていただいたり、八方手を尽くしましたが、鋭意重版中とのことで、完璧な品切れ
 これほどありがたいことはないのだけれど、これほど哀しいこともない、スタッフ泣き笑いの一幕でした。
 みなさまにはご迷惑をおかけしましたが、まもなく市場に再登場とのことです。
 またサイン会時間の告知が徹底しておらず、後からサインを求めに来られた方を連れて会場を右往左往。レクチャー中の卓に押し入ってサインを頼むという一幕もたびたびありました。
 みなさまには大変ご迷惑をおかけいたしました。プレイのお邪魔をしたにも関わらず、快く受け入れてくださり、ありがとうございました。

【ボードゲーム大会】
 さてさて、午後3:30からはSNEコンベンションの名物ともいうべき「ボードゲーム大会」です(どなたでも参加できます)。
 安田均自慢のコレクションから厳選したボードゲームを楽しんでいただきます。プレイ時間2時間の手応えたっぷりのゲームから、わずか15分のお手軽ゲームまで各種取りそろえております。
 みなさん、遠慮は無用、空いてる卓を目指してGO! ですよ。
 なかでも注目は11月のドイツ・エッセンで行われた
Spiele2012で、ボスが仕入れてきた最新ゲームたち。

 

 左はボス自らがレクチャーをつとめた”
Airplanes”。航空路線を広げて乗客を都市から都市へと運びます。鉄道系ゲーム好きにはたまらない、本格派の名作。
 右は一風変わったタイルゲーム”
QIN”、レクチャーは石在神明
 ほかにリサイクルをテーマにした”
Unexpected Treasures" 、ドラゴンの胴体をにょろっと伸ばしていく”Dragons”、駒やチップを使わずボードに直接書き込む”Saint Malo”など、なんだか今年は「独特の味わい」のゲームが多かった印象です。
 遊んだ方々、いかがだったでしょう。楽しんでいただけたでしょうか。

 

左:司会にGMにレクチャーにと大活躍の北沢慶がレクチャーするのは、楽しいダイスゲーム「
ヴェガス」。
右:秋田みやびは2010年ドイツ年間ゲーム大賞を受賞した「
ディクシット」を担当。

 

 こちらは定番ゲーム。左は清松みゆきによる「
チケット・トゥ・ライド」、右は川人忠明による「アクワイア」。川人のすぐ右手にいらっしゃるのがゲストのORG大貫尋美さん。もちろん驚きのゲーム巧者です。ほかにベーテによる「ドミニオン」などがありました。


 上は田中公侍がレクチャーする『
おかしな遺言』。これはグループSNEの翻訳アークライトゲームズより2013年春に発売が決定しています。叔父さんの残した遺産をもっとも「無駄遣い」したプレイヤーが勝利する、というちょっと「おかしな」ゲーム、注目ですよ。
 それから忘れちゃいけない『
サンダーストーン』。同じくグループSNE翻訳発売アークライトゲームズの人気シリーズです。ついに発売、できたたてほやほやの拡張セット『ソーンウッドの猛襲』を遊んでいただきました。レクチャーは大井雄紀。気づけば翻訳を担当した柘植めぐみもちゃっかり卓に潜り込んでいたり(現場写真がなくて残念!)

 お手軽ゲームでは”ESCAPE" "DIVINARE" などの最新作のほか、先日日本語版の出たお絵かきゲーム「テレストレーション」や定番「アベカエサル」「テイクイットイージー」などを遊んでいただきました。
 もちろん、この時間にも上述の「モンコレコーナー」や物販も営業中。「SNE/cosaicゲームズ体験卓」では友野詳が「ゴーストハンター13 タイルゲーム」、藤澤さなえが「シルク・ドゥ・モンスター」(藤澤さなえ著:『モンスターサーカスへようこそ 〜シルク・ドゥ・モンスター リプレイ〜』ネオゲーム文庫もよろしく!)、河端ジュン一が「ルッテノーブル」のレクチャーをそれぞれ担当し、にぎやかなひとときとなったのでした。



【閉会式】
 会場に心地よい疲労が漂いだした午後6:30、いよいよ終幕へのカウントダウンがはじまります。
 その前にもう一盛り上がり、恒例じゃんけん大会です。


 山本弘さんから最新作『
もうUFOは来ない』(PHP研究所/12月11日発売)のサイン本ブシロードさんからカードスリーブ富士見書房さんからソード・ワールド威力表T-シャツほか多数、cosaicから「秋口ぎぐる手作りストラップなど、たくさんの景品を提供していただきました。
もらえるものはなんでもいただくぜ!」な、みなさまの本気が恐ろしくも楽しい時間です。
 わたくし笠井が個人的に輸入したドラゴンのピンブローチも景品仲間に入れていただきました。
 手に入れた方、「俺がほしかったのはこれじゃねー」とか哀しいこと言わずに、大切にしてくださいね。


 閉会式壇上には先ほどご紹介した錚々たるゲストのみなさまの姿があります(左から:近藤功司さん、合鴨ひろゆきさん、久保田悠羅さん、大貫尋美さん、弘司さん、水野良さん、山本弘さん)。
 それぞれの方に短い時間ながら現在のご活躍の様子をお話しいただきました。また、設立25周年への温かい祝辞も頂戴しました。
 先生方、お忙しいなか、足をお運びいただき、本当にありがとうございました。


 最後はグループSNEの取締役を務めます清松みゆきから来場者への感謝が述べられ、楽しかった一日はようやくにして幕を閉じたのでした。

 今回は専任スタッフの常駐しないフリープレイエリアを大きくもうけました。こうした卓では参加者の方々に自主管理をお願いしなければならず、我々にとっても大きな冒険ではありました。
 けれど、蓋を開けてみればそんな不安雲散霧消
 大きなトラブルもなく、最後まで円滑に運営することができたのは、ひとえにご協力くださったみなさまのおかげです。心より御礼申し上げます。
 感謝の思いをこめ、次の機会にはさらにパワーアップしたSNEコンベンションをお届けしたいと、新たに決意を固めた次第です。

 2013年グループSNEにとって春発売予定の『ゴーストハンター13 タイルゲーム』をはじめとする
新たな冒険の年となります。
 SNE/cosaicによる新作ゲームは今後も「ゲームマーケット2013 大阪」や「同 2013 春」「JGC2013」などで体験卓を立てる予定です。今回体験していただけなかったみなさまも、ぜひこれらの機会にはご参加くださいませ。
 みなさまとともに再び卓を囲める日を、スタッフ一同、楽しみにしております。
 また、今後の予定についてはグループSNEホームページにて随時お知らせいたします。チェックをお忘れなく!
 
 最後に。
 ご参加くださったみなさま、ずっと笑顔でサポートしてくれたボランティアスタッフ、ご協力くださったイエローサブマリンさん、各出版社さん、編集さん、ゲストのみなさま、SNECON2012に関わったすべての方に感謝を。

《閉会後点描》
 宴の後に待ち受けるもの、それは後片付け。閉会まで忘れていた疲労がどっと押し寄せてくる時間でもあります。
 しかし、この日の後片付けはマッハのスピード
 なぜかというに、大阪市立西区民センターは加藤ヒロノリのお膝元。その加藤ヒロノリが一押しする「カレー屋」さんで、ゲストもまじえての打ち上げが行われるのです。
 一刻も早く打ち上げ会場に向かいたいのが人情。
ご褒美があればがんばれる」見本のようなSNEメンバーだったのでした。

 それではみなさま、長々しいレポートに最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。

 
再見!!


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