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T&TライブRPG |
会場に集った参加者――もとい冒険者たちに、このライブRPGグランドマスター北沢慶より当イベントのシナリオ概要が読み上げられます。
カザンという街に住む冒険者たちは、カザンの支配者である女魔術師・レロトラーに召集されます。
近頃カザン領内に出所不明の財宝が出回っており、鑑定の結果その財宝はいずれも価値が高いものであると判明しました。
財宝が出回ることと時を同じくして、街の各地で起きた問題に関してギルドへひっきりなしに依頼が舞い込んできます。
依頼の報酬は件の財宝。
レロトラーは各ギルドに呼びかけ、冒険者に依頼の達成及び財宝の回収を依頼したのです。また、レロトラーはもっとも財宝を集めた冒険者ギルドに対して特別報酬を約束しました。
こうして冒険者たちは、ギルドの威信と特別報酬をかけたギルド対抗の財宝集めへとカザンの街に繰り出したのでした。 |
さあ、ここから約3時間、JGC会場ほぼ全域にわたって作られた、カザンの街に存在する場所を模した「A.会の貴族と商人の居住区」「B.黄金地区」「C.大市場」「D.武具師街」「E.酔いどれ千鳥足」「F.カザン衛兵本部」「G.ウルク居住区」「H.波止場」などのブースを巡って、依頼達成&財宝回収に奔走します。
ちなみに僕も「H.波止場」にてブースマスターを務めさせていただきました。次々にやって来るパーティを出迎えていたので、ずっと喋りっぱなし。それを気づかってくれて全ブースにはそっとのど飴が置かれており非常に助かりました。
各ギルドのギルドマスターはSNEから清松みゆきの「青蛙亭」、ベーテ・有理・黒崎の「ブラッドレイブンズ(血鴉亭)」。そして冒険企画局から河嶋陶一朗さんの「監獄亭」、長尾姿子さんの「五竜亭」。
さらにゲストとして安田社長にも参加していただきました。
参加者の皆さんは入場の際配布された封筒を開き、キャラクターシートに記載されている共通する番号の方々5名とパーティを組み、この4つのいずれかのギルドに所属します。
今回は定員100名全員にご参加いたき、5人1パーティなので5パーティずつ、人数ではイーブンの状況でライブが開始できました!
各ギルドマスターはトロールワールドの住人に扮した格好で冒険者の依頼受注を待っています。とくに“ジャイアントドワーフ”の異名をとったベーテさん、圧巻です。
〇クエストに出発
そして配布された封筒に封入してある「クエスト一覧表」をもとに、所属しているギルドのギルドマスターに受注したいクエストを確定してもらい、A〜Hいずれかブースへと出発します。
依頼でもらえる財宝数が高いほど難しく、内容も「戦闘」「冒険」「交渉」「その他」と分かれているため、クエストシートを見ながらどうブースを回っていくか、キャラクターの特徴ごとにまずは相談してみるのが重要です。
〇キャラクターについて
キャラクターシートには主に「種族」「職業」「タレント」「固有スキル」が決まっています。そして依頼を達成していくとキャラクターは成長していきます。
◇種族
種族は人間やドワーフ、エルフといったT&Tでプレイヤーが冒険者として選べるものがランダムで割り振られています。
◇職業・スキル
職業は4種類あり、職業ごとに固有スキルをもっています。
戦士(2名)
武具の扱いに卓越した職業。「戦闘」に関するクエストで使用できるスキル「武器ボーナス(2回まで使用可)」をもっています。「戦闘」で判定の成功数を+1する。
盗賊(1名)
手先が器用で、様々なクエストに柔軟に対応できる職業。スタート時にもっているタレントが他職業が1つのところを2つ習得。
魔術師(1名)
魔術を学びそれを行使できる職業。「冒険・その他」のクエストで使用できるスキル「呪文の訓練(1回まで使用可)」をもっています。「冒険・その他」のクエストの成功数を+2する。
戦闘魔術師(1名)
白兵戦と遠距離攻撃の両方を器用にこなせる職業。「戦闘」に関するクエストで使用できるスキル「これでも喰らえ!(1回まで使用可)」をもっています。「戦闘」で判定の成功数を「1d6÷2(端数切り上げ)」する。 |
◇タレント
『鍵開け』『大工』『鑑識』など様々な種類のタレントが各キャラクターに1または2つ習得しています。クエストシートの依頼文を読んで、これらのタレントが使えそうなものを見つけ、もし実際にこのタレントが使えるようであれば判定に有利になります。
◇キャラクターの成長
依頼を達成すると財宝だけでなく、「冒険点」が貰え、これが一定数貯まっていくごとに2、3、4、5とレベルアップしていきます。タレントが増えたり、スキルが強くなったりします。
レベルの上限5に達した後は得た冒険点が財宝1個として換算されるので、さきに得られる冒険点が高いクエストを受けるのもひとつの手です。
〇判定は実にシンプル!
各ブースで依頼を受けると必ずダイスを使った判定を求められます。ダイスの数はひとりにつき2個。つまり全員で10個です。
判定では「『出目4以上』を『5個以上』」というような目標値が依頼ごとに決められています。
「あれ……? この場合だとひとり1個は出目4以上を出さないと成功しないぞ」と、普段の出目に自信のない方たちはちょっと心配になることでしょう。
そこで判定にはT&Tらしく「ゾロ目による振り直し」があります。
例えば、「『出目4以上』を『5個以上』」の目標値だったとき、ダイスを2個振って「2」と「2」だったら振り直し、次に振った出目が「4」と「4」なら成功数2に加えてまた振り直します。さらに振ったものが「3」と「5」だったら、さっきの成功数2と今回の成功数1を併せて成功数3となるのです。
「ちょっと待て、簡単に言ってるけどダイス2個でゾロ目を出すのは難しいじゃないか!」と思った方もいらっしゃることでしょう。
そこで「タレント」というものを参照します。クエストで指定されたタレントと、自分が習得しているタレントが一致しているとその数だけダイスが1個追加されます。こうなると高い出目や、ゾロ目が出しやすくなりますね。
微妙に成功数が足りない時などは固有スキルを使ってなんとか成功にできます。
○依頼はこんな感じ
「B.黄金地区」には実際にこのような依頼がありました。
とある豪商のもとで衛兵隊長を務める男が血相を変えて、きみたちの前に姿を現した。
「今宵、我が主が大貴族を数名招いての晩餐会を執り行う。
これは主人の今後の栄達に関わる重大な催しだ。万にひとつ、御一同の不興を買ってはならない。だがよりにもよって部下どもが一斉に流行り病に倒れたのだ。いよいよ困った。お前たち、良い報酬を約束するから警備を手伝ってくれ!」
こうして衛兵に身をやつしたきみたちは大貴族を乗せた馬車を出迎えた。 |
クエストの種別は「その他」、指定タレントは「御者」「鍵開け」「運動」「乗馬」。出目4以上を4個以上です。 |
こんな感じで依頼が始まります。成功すればなんてことはありませんが、もし失敗すると問答無用でパーティは全滅してしまいます! 弁当の配達や冒険譚を語るだけの依頼に失敗しても全滅します。
なぜ全滅したのかその様子が約70種のクエストすべてに担当ライター渾身の全滅テキストがついていて、北沢さん曰く「実は全滅した方がおもしろいかも?(笑)」
クエストに成功すると……
ダガーを懐に隠していた御者を捕え、晩餐会は誰もが満足したものとなった。
きみたちは衛兵の代行を務めあげ、徹底した警護ができたのだ。 |
クエストに失敗すると……
大貴族の供回りのなかに潜んでいた刺客に気づけなかった。
晩餐会が台無しになった代償は、余興としてきみたちの首をテルビューチェで撫でることで、あがなわれた。 |
と、失敗すればこのとおりなんとも無残な結末に(笑)。このクエストに成功すると財宝と冒険点がそれぞれ1つずつ手に入ります。そしてギルドマスターに報告&次の依頼の受注をします。
もし全滅していたら、封筒に同封してあった「全滅管理シート」にチェックを入れ、ギルドマスターのもとに戻ると復活できます。
〇特殊なブース
◇カザンの闘技場
ソロ・アドベンチャーでもおなじみ、カザンの街にはかかせない「闘技場」もブースが設置してありました。
しかもその闘技場主人として我らが安田社長……もといヤスキン、否、「ヤスキング」が待ち受けていました!
ここではモンスターと戦い、勝利することでクエストを有利にすすめられる魔法のアイテムが入手できます。振れるダイスは職業ごとに異なりますが、基本はT&Tの戦闘ルールと同じです。
なんと闘技場の最強モンスター・ヤスキンに挑む冒険者が殺到したとか(笑)。みなさん全力でこのライブを楽しんでいますね。
SNEメンバー松田実愛 作、黄金の王冠を戴冠したヤスキング。めちゃくちゃ似合っていて冒険者一行から大好評でした。
◇お金の神神殿
クエストでピンチになった際、心の支えだった固有スキルを使用回数の上限まで使ってしまった……そんなとき助けになるのがこのお金の神神殿。
クエストに成功して、ギルドマスターにその結果を報告する前に、ちょっとこの神殿に寄り道し、所持している財宝を1点を捧げるとなんと1キャラクターの固有スキルが上限まで回復します。
ただやりすぎるとギルドにまったく貢献できなくなるので、「ご利用は計画的に」と神殿に向かうタイミングも冒険者の勘が求められます。
〇最終イベント
ライブ開始からしばらく経ち、各ブースは閉鎖されます。
財宝の数を計数し、どのブースが1番多くの財宝を手にしているのか比べあいます。
「監獄亭」 |
「青蛙亭」 |
「血鴉亭」 |
「五竜亭」 |
182個 |
154個 |
158個 |
130個 |
おぉ……監獄亭がトップをひた走り、五竜亭が大きく離されてしまってますね。SNEギルドVS冒険企画局ギルドで比べると実に拮抗しているのですが(笑)
もちろんこの比べあいだけでイベントは終わりません!
「『出目4』以上」がいくつ出たか、その個数で競いその順位でボーナスの財宝が得られるのです。1位は40個、2位は20個のボーナスゲット!
「監獄亭」vs「五竜亭」そして「青蛙亭」vs「血鴉亭」でまず予選が行われました。各パーティ全員がダイスを2個振る大規模な戦いとなりました。
その結果……ベーテさん率いる「血鴉亭」と長尾さん率いる「五竜亭」の戦いに。
長尾「順位が最弱であっても、最後に勝つことが王道の物語です。絶対に勝ちます!」
一同「おぉ〜〜〜っ!」
ベーテ「お前ら、この斧にかけて敗北は許さねぇぞっ!」
一同「よっしゃぁ〜〜〜っ!」
まさに“ドワーフ”VS“エルフ”の実にファンタジーらしい様相を呈した1位決定戦。その結果は……
ベーテ・有理・黒崎の「血鴉亭」の勝利!
これにより財宝は……
「監獄亭」 |
「青蛙亭」 |
「血鴉亭」 |
「五竜亭」 |
182個 |
154個 |
198個 |
150個 |
これにて「血鴉亭」の優勝! ……と思わせて、まだ終わりではありません!
この財宝の数から各ギルドのパーティの「全滅回数」分を引きます。「全滅管理シート」にチェックを入れていたのはこのためだったのです!
もしかしたら監獄亭の大逆転の可能性も……?
「監獄亭」 |
「青蛙亭」 |
「血鴉亭」 |
182−7 |
154−8 |
198−7 |
175個 |
146個 |
191個 |
この時点で「血鴉亭」の優勝が決定しました!
ちなみに「五竜亭」は
長尾「えーっとですね、ほかのギルドは全体で7、8回全滅だったそうですが、五竜亭は1パーティに7回全滅したところがありまして……合計で17回全滅しちゃってます(笑)。私たちは死を恐れない脳筋チームだったようです(一同笑)」
最下位ながらライブRPGをきっちり締めくくる笑いをかっさらっていった五竜亭の蛮勇……ではなく健闘を讃え、大拍手のなかでライブRPGは閉会しました。
ちなみに「カザンの闘技場」の主人、ヤスキング曰く「ヤスキンに挑んだパーティは多く、およそ半分は勝ち、およそ半分は負けた。この結果に自信をもった冒険者も、リベンジを果たしたい冒険者も『T&T完全版』でより高みを目指すのだ! がっはっは!」
と、その盛況さに大満足のご様子。
参加していただいたみなさま、大変ありがとうございました! またライブイベント開催の際、足をお運びいただければ幸いです。
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