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A Compendium of Seasonal Words for GroupSNE
SNE歳時記
07年01月特別版

   【はじめに】
『SNE歳時記』はSNEが独自に取材した内容をもとに、主観、先走り、希望的観測満載のさまざまな情報を、読者のみなさまにお届けするコーナーです。けっして公式情報ではありませんので、くれぐれも関係出版社さんに直接問い合わせたりしてご迷惑のかかることがないよう、よろしくお願いいたします。

1.SNE歳時記、リターンズです!

 ご無沙汰してしまいました。前回から5ヶ月も過ぎてしまいましたが、お元気にお過ごしでしたでしょうか。
 じつはSNEは今年で創立20周年。10周年のとき、某大手出版社の社長が「当初は5年の生命と思っていたのに、よく10年保ちましたねえ(笑)」と感慨深げにおっしゃいましたが(ヒドイ!)、なんとその倍の生命をつなぐことができました。
 それもこれも変わらずSNEを支えてくださった読者のみなさま(と編集さん)のおかげと、心より感謝しております。この場を借りて、改めて御礼申しあげます。
 ボス安田均が「年末には(記念に)ナニかしたいなあ」とぼそりと漏らすので、「ボーリング大会はいかが?」と提案すると、「それは毎年やってる!」とメンバー全員に総突っ込みされました。
 そんなこんなのSNEですが、07年も楽しい作品をお届けするべく一丸となって頑張りますので、応援よろしくお願いいたします!

2.まず最新作のおさらいをざっと……

 最初に年末から新年にかけて発表された作品6点を簡単にご紹介しておきますね。

 2006年12月
 T&T第7版 ルールブック
  監修=安田均 訳=柘植めぐみ/グループSNE
  新紀元社
 ソード・ワールド短編集
 死者の村の少女 サーラの冒険Extra
  著=山本弘
  富士見書房
 新ソード・ワールドRPGリプレイ集NEXT(8)
 スカイ・ステージ
  監修=清松みゆき 著=藤澤さなえ/グループSNE
  富士見書房
 新ソード・ワールドRPGリプレイ集Waltz(1)
 旅立ち・お祭り・子供たち
  監修=清松みゆき 著=篠谷志乃/グループSNE
  富士見書房
 ドラゴンランス 魂の戦争 第二部 喪われた星の竜
  著=マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン 訳=安田均
  発行=株式会社アスキー 発売=株式会社エンターブレイン
 2007年1月
 ソード・ワールドRPGリプレイ・アンソロジー(2)
 賽子の国の魔法戦士
  著=水野良/山本弘/友野詳/グループSNE
  富士見書房


『T&T第7版 ルールブック』はSNEが手がけた久々の翻訳RPG。これに先駆けて06年11月『ソロシナリオ&リプレイ 傭兵剣士』が出版されています。かつてSNEホームページで好評を博した北沢慶のリプレイと、元となったソロシナリオ1冊にまとまったものです。キャラクターやストーリー重視のRPGとは一味も二味も違ったデッドリーでシンプルなシステムが斬新です。ぜひお楽しみください。
 ソード・ワールド「サーラの冒険」シリーズ、社友山本弘さんは読者の度重なる催促に「必ず書きます」と確約してきましたが、07年、ついに完結しました。『サーラの冒険EXTRA』本編に連なる再録2篇書き下ろし1篇の短篇が収録されています。サーラ・ファンならずとも必読の一冊です。
『新ソード・ワールドRPGリプレイ集NEXT(8)』はいまさら説明不要でしょうか。かつては初々しかった藤澤GMのしたたかっぷりをとくとご堪能くださいませ。
 そして満を持して登場、篠谷志乃GMによる新リプレイ集『Waltz(1) 旅立ち・お祭り・子供たち』。こちらはNEXTシリーズとは打って変わったほのぼの路線。疲れたあなたの心を癒してくれることまちがいなしです。
 翻訳家・安田均の代表作ともなった壮大なファンタジー「ドラゴンランス」シリーズ『魂の戦争 第二部 喪われた竜の星』。衝撃の事実、絡みあう謎、死を賭して世界守ろうとする英雄たちの壮絶な戦いが繰りひろげられます。完結篇も年内にお届けするべく、着々と進行していますのでご期待ください。
 豪華執筆陣でお贈りする『ソード・ワールドRPGリプレイ・アンソロジー(2) 賽子の国の魔法戦士』。収録作品は表題作の「賽子の国の魔法戦士」(水野良+細雪純/「鋼の国の魔法戦士」番外編)、「絶対危険チルドレン」(山本弘+田口順子/「サーラの冒険」番外編)に加えて、〈コクーン・ワールド〉の原型となった「不思議な地底探険」(友野詳+弘司)の3篇が収録。「不思議な地底探検」は友野詳の実質的デビュー作であり、ちょっと注目ですよ(いろんな意味でかなり笑えます)。

3.シリーズ概観

 それでは、2月以降の刊行予定をシリーズ別にご紹介していきましょう。
 まずはSNEの代表作「ソード・ワールド」シリーズから。
 RPG関連書籍では、『Role&Roll』誌に連載中の記事を加筆修正した『ソード・ワールドサポート(2)』2月『ソード・ワールドRPGリプレイxS(猫)(2)』4月の予定で進行中です。
 長編小説では川人忠明『ダークエルフの口づけ(2)』が読者の熱い支持を得て2月に刊行。第3巻も今後の予定に上がっていますので、引き続き応援よろしくお願いします。
 また、ファン待望の「へっぽこーず」長篇2巻も執筆がほぼ終了。早春にはお届けできるはずです(待っててくれる読者がいるのだから3巻も頑張れ、秋田みやび!)。
 リプレイ集では「NEXT番外編」(雑誌掲載分+書き下ろし1篇収録)「Waltz」第2巻がまもなく刊行予定に入ります。また、巻を重ねてきた「NEXT(ぺらぺらーず)」シリーズですが、ついに第9巻をもって大団円を迎えます。「Waltz」第3巻とあわせて初夏までにはお届けできる予定。読者の要望が高ければ「ぺらぺらーず」長篇なども実現するかも?
 ……長篇で思い出しましたが、大事な作品を忘れていました、清松みゆき「混沌」シリーズ完結篇。こちらも「仕上げます!」という力強い言葉がありましたので、まもなく予定に入ってくるでしょう。となると、サプリメント「ソード・ワールドツァー5」の舞台は? (答:ケイオス○ンド)  まだまだ予定は未定ですけれど、首をなが〜くして続報を待っててくださいね!
 ソード・ワールドはこれからも、よりファンの期待に応えるべく進化しつづけます。小説やリプレイのみならず、ゲームサポートや新しい進化の方向についてさまざまな提案がなされています。07年、08年と飛躍するソード・ワールドにご期待ください。

 ついで、06年3月『ガープス第4版 キャンペーン』が刊行されたガープス・シリーズ。4月を目標に、翻訳サプリメント第一弾『ガープス・マジック』が進行中です(翻訳はすでに終了)。他に類を見ない多様な魔法の数々を気軽に楽しんでいただきたいと、オリジナル・ワールドも近々に展開される予定。これはボスを中心に、(準)若手を投入しての一大プロジェクトになっています。『Role&Roll』誌などで徐々に情報が公開されるはずですので、お見逃しなく!
 もちろん『Role&Roll』誌で好評を博した「ユエル」シリーズの小説も鋭意執筆中です。詳細はいましばらくお待ちくださいね。

 さてさて、根強いファンを獲得している「六門世界」シリーズ。
 まずは嬉しいご報告です。お待たせいたしました、ボス安田均の長篇『六門世界ノベル』第6巻にてついに完結! すでに原稿は富士見書房さんに行っていますので、今春にはみなさまのお手元に届くはずです。いましばらくご辛抱ください。
 快調に飛ばしている安田均・北沢慶「召喚士マリア」シリーズも短編集(3)初夏までに、長篇第6巻夏〜秋には刊行の予定。
 初夏にかけては『Role&Roll』誌に連載されていた加藤ヒロノリリプレイ各種データ加筆修正の上、R&Rブックスとして刊行されます(全2巻の予定)。
 より遊びやすく、より充実したプレイ環境を目指して、今年も「六門世界」チームは頑張ります。夏以降の展開に乞うご期待!
 また『モンスター・コレクションTCG 2』では、賞品用スペシャル・カードも同梱された「サドンデス・キット2」モンコレ・ネットワークで好評発売中(店頭販売はされていません)。少人数でも手軽にサドンデス戦やシールド戦、ブースター戦を楽しめますので、どしどし申し込んでこの機会にぜひ遊んでくださいね。

 06年リニューアルした「ゲヘナ〜アナスタシス〜」シリーズ。この異色のRPGはSNEで最も隠れファン(?)の多いタイトルの1つ。じっさい、ゲヘナの戦闘は一度やったらやめられません。「もっともっと厳しい戦闘を!」という(なんだかマゾヒスティックな)読者の熱い期待に応えて、現在、サプリメント第2弾(上級ルール)を鋭意製作中。
 その前に忘れちゃいけない、田中公侍GMによるリプレイ集第3巻3月刊行予定で進行しています。ラシーダたちの冒険はひとまず幕を閉じますが、嬉しいことにファンから高評価をいただき、上級ルールにあわせて新シリーズ登場の可能性が大になってきました。07年もアラビアン・ダーク・ファンタジー「ゲヘナ」は確かな足どりで走りつづけますので、ぜひみなさんも熱い戦闘を楽しんでください。

 衝撃価格と遊びやすいシステムで確実にファンを獲得している「デモンパラサイト」シリーズ。こちらも好評をいただいた力造GMによる「リプレイ」第3巻・完結篇、及びサプリメント第2弾2月刊行。時期は未定ですが、さらに新しいリプレイシリーズも検討中です。
 そして、ほんっっとうにお待たせいたしました! 北沢慶長篇が近々刊行予定に登場するはず。執筆は終了していますので、もうほんの少しだけお待ちくださいね。
 また、社友である高山浩さんとの強力タッグで、キネティック・ノベルも快調に製作が進行しています(詳細はocelotさんのホームページで随時、掲載されるはずですのでチェックをお忘れなく)。
 さらに、07年3月初旬発売の『Role&Roll』30号「デモンパラサイト」特集です。新鋭・諸星崇による入魂のリプレイデザイナー対談をお楽しみに!

『T&T 第7版』については『Role&Roll』29号・30号シナリオや紹介記事を、31号では重要な未訳の第7版対応のソロシナリオなどが登場の予定。北沢慶の爆笑リプレイ続編も改めて本の形でお届けしたいと思っておりますが、さて、どうなりますか。「T&T」の楽しさを知っていただくために、このホームページでも時に応じて紹介記事を掲載していきたいと思っています。

「T&T」だけでなく、上記で紹介したRPGはいずれも毎号『Role&Roll』誌にサポート記事が掲載されます。29号は2月初旬30号は3月初旬……と、07年から各月初旬発売に変わりますので、お買い逃しのないようご注意ください。
 また、同誌に連載中の安田均・江川晃によるボードゲーム紹介記事秋口ぎぐるによるボードゲーム・リプレイなども好評をいただいています。こちらもお見逃しなく(紹介するすべてのゲームをテストしていますので、文字どおり全力投入のコーナーなのです)。
 あ、それから、JGCのイベントから生まれた『Role&Roll』誌の連載「バカバカRPGをかたる」――友野詳の趣味嗜好炸裂の怪しいこのコラムが、ついに1冊の本にまとまります。だれより著者本人が「ホンマカイナ?」と目を丸くしていましたが、ホントです。4月を目処に鋭意作業が進行中です。

 そして最後になりましたが、翻訳小説(D&D)の続報を。
 おなじみフォーゴトン・レルムを舞台とした『クレリック・サーガ(1)』が3月に登場の予定です。異色のヒーロー、ドリッズトを主人公とした『アイスウィンド・サーガ』『ダークエルフ物語』で多くのファンを獲得したサルバトーレの作品。その面白さは折り紙つきです。訳者は安田均と、不肖わたくし笠井道子が担当いたしました。第2巻も間を空けず刊行すべく頑張っておりますので1巻を読みながら待っててくださいね。
 他にも、上述の『魂の戦争 第3部』新しいジュブナイル作品など、今後もさまざまな翻訳小説の刊行が企画されています。詳細をお楽しみに!

 あと2つだけお知らせを。
「ツクールモバイル@アドベンチャー」篠谷志乃がシナリオを担当する「天使の子供たち」が好評配信中! 詳細は「ツクールweb」にて。
ダンジョンズ&ドラゴンズ オンライン ストームリーチ公式サイト」で市川丈夫さんのオリジナル小説「強き戦友との旅立ちに」が好評連載中! ボス安田均が監修をしています。こちらもぜひお楽しみください。

4.孵化間近の作品たち、イベント情報

 ここまで述べてきた作品だけで今年は手いっぱい――な気もしますが、じつはSNEでは昨年、強力な新人を数名、採用しました。
 いやー、これがほんとに助かるんですよ。そんなことのために採用したのかというお叱りはさておき、大掃除の力仕事、ボスの大学の講義のお手伝い、荷物運び、テストプレイ要員として獅子奮迅の活躍です。そして現在は、先輩たちにこってり絞られつつ、少しずつ自分たちの作品に取りかかっています。詳細はまだ明かせませんが、新作RPG鋭意製作中。目標は初夏、ただいま猛烈な勢いでテストが行なわれているので、きっと大丈夫でしょう。
 それから、ボス安田均と社友山本弘の主導で、新たなシェアードワールドが胎動中。まだ企画段階とはいえ、なんと山本さんはすでに長篇1冊を仕上げたという力の入れようです。近いうちに企画を発表できるよう、有望新人たちも巻きこんで頑張っていますので、期待してお待ちください。
 他にもやりたいことはいっぱいありますが、さすがにこれ以上書くと鬼が笑い死にします。新年早々、それは縁起が悪いのでやめるが吉ですね。

 最新のイベント情報を1つお知らせしておきます。
 1月28日、イエロサブマリン三宮カードショップでTRPGセッションが行なわれます。タイトルはT&T(GM:柘植めぐみ)、ソード・ワールド(GM:川人忠明)、リボーン・リバース(GM:友野詳)の予定。ふるってご参加ください!

5.そして近況報告

 最後にちょっとだけSNEの近況を。
 昨年9月からボス神戸芸術工科大学「コンピュータゲーム史」という講義を行なっています。現在、その地位は客員教授。なんと、教授さまです! んで、教授さまが大学でなにをするかというと、学生といっしょにボードゲームやTRPGを遊んでます――うらやましい。でも、ゲームにはとんと無知な学生だったわたしは、そんな講義にうっかり迷いこんだらドン引きだったでしょうね(もちろん、ふつうのコンピュータ史の講義もありますので誤解なさいませぬよう)。4月からは引き続き「世界観構築論」。こちらはもっとTRPGやライトファンタジーに近いテーマとなるそうです。
 ものすごくプライベートな話題になりますがSNEの青年団長、北沢慶が9月に祝宴を挙げたのは、SNEのエッセイでも大暴露されていたので、もうみなさんご存じですね。今年もいくつか、SNE関係者にハッピーな話題がありそうです。いや、めでたいめでたい。けれど、お財布の中身がちょっと心配。「できるだけ日にちは空けてねー!」が本音かも? ああ、世知辛い。
 3児のパパとなった清松みゆき腱鞘炎で、年末のボーリング大会を断念。優勝候補だっただけに無念だったでしょう。ただ、SNEでは優勝者とブービー賞が次回の幹事を押しつけられるので、だれもが準優勝もしくは最下位を目指すという珍妙な現象が起こります。
 社員旅行海外視察JGCコンベンション、なにかとイベントの多い会社ではあります。
 作品でいえば、昨年スティーブ・ジャクソンゲームズから「キングズ・ブラッド」英語版が発売されました。それを遊んだオーストリアのゲームショップからドイツ語版を出したいとの申し出が届きました。とうとうSNEもグローバル企業へと大躍進!? 言葉の壁、費用の問題、市場傾向のちがいなど問題は尽きませんが、それが実現すればどんなに楽しいでしょう(大手を振って海外出張に行けますもんね!)。
 前述のとおり、SNEは今年で創立20周年。わたしがはじめて創設メンバーに出会ったのはまだSNE設立前、ほとんどが学生さんで、怖いもの知らずの若さに満ちていました。
 新しいメンバーを迎えたいまも、その社風は変わりません。
 この節目の年に、われわれはどんな新しい挑戦ができるでしょうか。どんな飛躍を見せられるでしょうか。読者とともに歩んだ20年を礎に、これからも模索をつづけます。
 だから、今年もいっしょにたくさんゲームを遊びましょう! よろしくね!

笠井道子

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