トム・レーマンの傑作ダイスゲーム
『王への請願』が日本語版で登場! |
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ボードゲームを遊んだことのある人にはおなじみのダイス。 ボードゲームやカードゲームが型通り、定石通りのプレイにはまり込んでしまうことを妨げ、臨機応変な対応を求める要素として、奥行きを持たせてくれる魅力的な要素ですが、筆者のようにダイス運の悪い人間にとっては、ちょっと苦手な存在でもあります。 そんなダイスを主軸としたゲームということで、ダイス運で勝負がついてしまいそう、とダイスゲームを敬遠している方もいるのではないでしょうか。 『王への請願』は、そんな方にこそぜひ遊んでいただきたいダイスゲームです。 なぜなら、本作はダイスを振るだけでなく、特殊効果を駆使してダイスの出目を操作、ダイスの出目を、運だけでなく戦術的にコントロールしていくことで勝利を目指すゲームなのですから。 各プレイヤーは、手番が来ると決められた数のダイスを振ります。そしてそれぞれの目を見て、条件を満たしていれば場にあるカードを手に入れることができるのです。
最初は3個のダイスを振るだけですが、それがやがては4個となり、5個となり、あるいは特定の出目を操作できるようになり、とダイス運を自分の意思でねじ伏せることができるようになっていく展開は、普段からダイスに複雑な思いを描いている方にとっては、まさに快感。 ゲームは、特殊な能力を持ったカードを獲得しながら進んでいきますが、終了条件が満たされたところで、最後の勝負が始まります。
そして、最後はすべてのプレイヤーが「どれだけ多くのゾロ目を出すことができるか」の一発勝負を行って勝負を決します。 もちろん、ダイス運が良いに越したことはありませんが、最後の勝負に至るまでに、どのような能力を揃えていくのか、振るダイスの数を増やして確率を底上げするのか、ダイスの操作を主眼において、無理やりにでも出目を揃えていくのか……あなたにあったやり方で、ダイスの出目を決定していくという能動的なダイスゲーム。 もちろん、ダイスゲームの長所の一つである手軽さもあり、初めての方はまずダイスを振ってみるだけでも楽しめます。 ダイス運が良い方も悪い方も存分に戦うことができる、高い戦術性もかねそなえた傑作ダイスゲーム。 持ち運びやすい大きさのパッケージもあいまって、いつでも誰とでも楽しんでいただける一作です。 |