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TOP > 製品情報 > シルク・ドゥ・モンスター > じめてのシルク・ドゥ・モンスター 第3回


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 奥が深い!

2012年10月6日、グループSNEの完全オリジナル新作『シルク・ドゥ・モンスター』(以下『シルク』)が発売になりました。
このコーナーの読者の方々はすでに製品版『シルク』のプレイを楽しんでくださっていることと思います。
いかがだったでしょう、前2回の記事はお役に立ちましたか。そちらではルールの概要デック構築競りについて基本的なことを解説しています。
まだ読んでないという方はぜひ先にそちらをご覧くださいね。

『シルク』はとても懐の深いゲーム。楽しみ方もさまざまです。
今日はその辺りも含めて、少し突っこんだお話をしたいと思います。
一つ一つのカードの個性や使い方を知ることで、お友だちにほんのちょっと差をつけることができるはず。

今回も案内役はおなじみの3人です。


プレイヤー紹介
シルクル ゲーム大好きおねーさん。面倒見がいい。
デモン 運の悪さはテクニックでフォロー。堅物男。
スター 頭の中は花畑、天然ボクっ娘。

それでは早速、本日の紹介に参りましょう――の前に、うれしいお知らせを一つ!
ゲームの発売と同時に、新紀元社ネオゲーム文庫から『モンスターサーカスへようこそ! シルク・ドゥ・モンスター リプレイ』(藤澤さなえ/グループSNE)が刊行されます。
 これ一冊で『シルク』の基本のすべてがわかる、読んで楽しいリプレイです。ゲームに興味を持ってくださった方は、ぜひこちらもお手に取っていただきますようお願いいたします。


関連サイト
シルクル 二人とも『シルク・ドゥ・モンスター リプレイ』は読んだわね?
デモン もちろん読みましたぞ。
スター 面白かった〜! はじめてのゲームであわあわしている(著者の)藤澤さんは他人とは思えなかったよ。イラストのかわいさで獲得するスポンサーを決めちゃったり。
デモン けれど、2回3回と遊ぶうちにどんどん上手くなっていく、拙者にはその過程が興味深かったな。
シルクル じゃあ、もう遊び方はばっちりね。今日からは手加減しないわよ?
デモン おう、望むところだ。
スター ボクだって負けないもん!

今回主にご紹介するカードは下のとおりです。

団員カード 《スライム大回転》 《ドワーフの巨砲》
《ドッペルゲンガーの三面鏡》
《ベヒモスのフラフープ》
スポンサーカード 【ジャック・オ・ランタン】


 哀れ、サーカス団員、人身売買?

すでに何回か『シルク』を遊んでいる3人です。
ゲームがスムースに進行する一方で、場にはしだいに本気モードが漂ってきました。
やがて、団員をスカウトしようとしたスターがあることに気づきます。

スター あれ、団員の山札に《スライム大回転》がもう残り2枚しかないよ。《ドワーフの巨砲》もあと3枚……
デモン ふふふ、やっと拙者の深慮遠謀に気づいたか、スター。だが、いまさら遅い! もはやスライム軍団は拙者のものだ!
スター へ? 《スライム大回転》って「演技力0」でしょ? ボク、別にいらないよ、そんなナメクジ。


デモン ナ、ナメクジだと? 拙者の可愛いスライムをナメクジ呼ばわりするとは言語道断、失礼千万!
スター え? え? ボク、なにか悪いこと言った?
シルクル まあまあ、落ちついて、デモン(笑)、次の競りはあなたの手番からでしょ。スターに《スライム大回転》の実力を見せてあげればいいじゃない。
デモン うむ、それもそうか、次に競るのは【インキュバスのホテルボーイ】だな。拙者としては、これは挑戦する価値がある。


スター ええっ? デモン、スライム(コスト1)とかドワーフ(コスト2)とか「安物買い」したから、デックの枚数多いじゃない。それでゲーム終了時、デック10枚以下にできるの?
シルクル しっ! (とスターに目配せ)
デモン 見よ、我がサーカス団の白眉《スライム大回転》を! 手札を2枚捨て札にして2枚山札を引く。よし引いた、《ドワーフの巨砲》2枚! その2枚の効果で《サテュロスの一輪車》と《玉乗りゴブリン》をゲームから除外する。それによって合計演技力6だ!
スター うそ、サテュロスさんとゴブリンさん、大砲の弾にされちゃうの? なんかデモンって残酷……
デモン あ、いや、それはその――拙者のサーカス団は少数精鋭なのだ。大砲の弾にしたのではなく、よそのサーカス団に譲り渡したと考えてくれ。
スター それだって人身売買じゃない。働き者のゴブリンさんがかわいそうだよ。
シルクル (サテュロスはかわいそうじゃないんだ(笑)) で、結局デモンの演技力は6ね。う〜ん、どうしよっかなあ (と、スターをちらり)
スター (ふるるっとかぶりを振る) ボーナスなしでも人気2なのは魅力だけれど、ボクはデック枚数多いからね、無理には取りにいかないよ。
シルクル そうね。勝負に行くならわたしなんだけれど、デモンは団員を2枚も破棄したことだし、ここは譲ってあげましょうか(にっこり)。
デモン なんだか恩着せがましいな。ほかに目当てのスポンサーがあるだけだろ。
シルクル ふふふ。

演技力0の《スライム大回転》は一見弱そうですが、狙った団員を引く確率が上がる上、競りに負けても手札にもどってくるので、じつに「使えるやつ」なのです。
ドワーフの巨砲》も演技力3を得るには団員を1枚除外する必要があるため「ちょっと損」な感じがしますね。でも、デック枚数を絞り、強いカードを引く確率を上げるのは重要な戦略のひとつ。《スライム大回転》との相性も抜群です。


ベヒモスは舞台を占拠する

数ラウンドが経過し、デモンは着々とデック枚数を減らす一方で、《ベヒモスのフラフープ》など強い団員をスカウトしています。
やがて獲得競争場にスポンサー【エルフの革命家】が登場しました。人気1のスポンサーですが、ゲーム終了時、デックの総枚数が最も少ないと人気がプラス2されます。
ほかには【ガーゴイルの苦労人】【ジャック・オ・ランタンの訪問者】【リザードマン海賊船長】が並びました。


スター エルフの革命家】……
シルクル ええ、デモンにとっては喉から手が出るほどほしいスポンサーね。
デモン 当然、全力で行くぞ。まずは《スライム大回転》で2枚手札を引いて、と。
スター え〜またぁ? もう見飽きちゃったよ、それ(笑)。
デモン よし、《ベヒモスのフラフープ》来た! 2枚で演技力6――
シルクル ちょっと待って、デモン。


シルクル デモンはすでにコスト1の《スライム大回転》をプレイしてるから、ベヒモスは出せないわね。ベヒモスはコスト2以下の団員と一緒にはプレイできないの。
デモン ……く、くぬぅうう、そうだった! ならば拙者の演技力0だ。
シルクル じつはわたしも最低枚数のボーナス、狙えるのよね。安くで手に入るなら【エルフの革命家】はほしいところ。《ドワーフの巨砲》で《玉乗りゴブリン》を除外して、演技力3よ。同時に【トロール炭坑王】を疲労させて《サテュロスの一輪車》を除外、カードを1枚引いておくわ。
スター ああ、シルクルまで。もっとみんな団員を大切にしようよ。
シルクル 世の中、そんなに甘くはないの。団の方針についてこられないメンバーは売り払うのみよ。
スター (むっ) そんな薄情な団長に、あっさりスポンサーをもってかれるのはしゃくだ。ゴブリンさん2枚と《ケット・シーの綱渡り》2枚で演技力4だよ、どう?
シルクル あら、捨て札のケット・シーまで使うなんて。そんなにほしかったのなら、残念だけれど今回はスターに譲るわ (くすり)
スター あ……手札使わされた? ボクは便利スポンサーの【リザードマン海賊船長】が狙いだったのにぃ!

結局、ベヒモスを手札に残していたデモンが【ガーゴイルの苦労人】を、最後まで手札を温存したシルクルが【ジャック・オ・ランタン】と【リザードマン海賊船長】の2枚を手に入れました。

デモン うーむ、どうもシルクルに有利にゲームが進んでる気がしてならんな。
スター やっぱ、年の功よりカメの甲ってね。
シルクル すごい、難しい言葉、知ってるのね、スター。
デモン 感心してる場合ではないと思うが……
シルクル (はっ) だれがカメよ、失礼な!
スター 怒るのそこじゃないし(笑)。

ちなみに。
シルクルたちはゲーム中、本来黙っておくべき「腹づもり」までぺらぺらとしゃべっています。
じっさいのゲームではこんなに自分の狙いを明かしたりしないだろう、と思われるかもしれませんね。
けれど、なぜか『シルク』でははったりに交えて、けっこうぽろりと本音を漏らしてしまいます。
他プレイヤーとの駆け引きが重要になるコミュニケーションゲームならではの楽しさですね。

 いたずらっ子のジャック・オ・ランタン

さらにゲームは進行し――

スター つぎのスポンサーは【トレントの長老】、手札上限がマイナス1される代わりに人気3! うわー、これってみんな、本気で取りにいくよね?


現時点での「人気」は以下のとおり。
スター 8点
(【エルフの革命家】の効果により、ゲーム終了時、デック枚数が最も少なければ+2)
デモン 9点
(【インキュバスのホテルボーイ】の効果により、ゲーム終了時、デック枚数が10枚以下なら+2)
シルクル 11点

デック枚数の多いスターが【エルフの革命家】のボーナスを得られる可能性は低いのですが、ここで【トレントの長老】を手に入れれば大いに逆転の目が出てきます。
もちろんデモンにとってもシルクルにとっても、このトレントが勝利への鍵を握るスポンサーであることはまちがいありません。

シルクル そろそろゲームは終盤だから、これの行方で勝敗が決まるわね。じゃあ、わたしはとりあえず《ゴブリンの玉乗り》1枚で様子見しましょう(演技力1)。
スター 様子見なんかしてて、あとで泣いても知らないよ? ボクは最初っから全力で行くからね。まずゴブリンさん2枚とケット・シーさんで演技力3。《セイレーンの合唱団》で演技力4。セイレーンさんの効果で山札を1枚引いて、と――
デモン スターもずいぶんと上達したものだ。
スター なんだか上から目線だね、デモン。でも笑ってられるのもいまのうち。引いたよ、《スケルトンダンス》、これで合計演技力8!! スケルトンは演技力1の団員1枚ごとに演技力がプラス1されるんだ。


デモン おお、すばらしい! だが、拙者も全力で対抗だ。ついに完成したこの演目を見るがよい、ベヒモス3頭揃い踏み、合計演技力9だ!
シルクル そこで、わたしは《ドッペルゲンガーの三面鏡》2枚を、ともにデモンの出したベヒモスに変身させ、前の手番で出していたゴブリンと合わせて演技力7。さらに――
デモンスター (あ、あれ……?)


シルクル どうしたの、二人とも。あまりに見事なプレイに声も出ないのかしら?
スター ううん、そうじゃなくて、あの。
デモン じつに言いづらいんだが、シルクル、先にコスト1のゴブリンをプレイしてるから、ドッペルゲンガーはベヒモスには変身できないんじゃないのか?
シルクル (カードのテキストをなめるように読み)「(ドッペルゲンガーの)演技力はその(選んだ)カードの数値や効果になる」…………デモンの言うとおりだわ。
ああっ、わたしとしたことが、ここに来てなんというミスを!
デモン シルクルには悪いが、拙者らにも逆転のチャンスが残されたということだ(余裕綽々)。
シルクル いいえ、このくらいで諦めていてはゲームには勝てないの。ベヒモスがだめなら、ドッペルゲンガー2枚はスターの出した《スケルトンダンス》に変身させ、さらに《ケット・シーの綱渡り》1枚を出しましょう。
スター ええーっ、そういうの、人の褌で相撲をとるって言うんだよ!!
シルクル また古い言い回しを(笑)。それはともかく、ゴブリンもケット・シーも演技力1なので、スケルトン(ドッペルゲンガー)はそれぞれ演技力2になる。これで合計演技力6ね。
スター でも、まだ足りないよ、ケット・シーさん、捨て札なのにいいの?
シルクル いいの、ここで、お待ちかねのスポンサーの出番よ。二人ともまだ手札は1枚以上あるわね。じゃあ――
デモン な、まさか?
シルクル ご期待どおり【ジャック・オ・ランタン】を使ってさしあげるわ。全員手札を1枚左隣のプレイヤーに進呈しましょう!
スター うそぉ?
デモン なんですとぉ?


デモン ああ、拙者の虎の子のベヒモスがスターの手に……
スター ベヒモスなんて1枚あったって意味ないんだよ。それよか、ボクの《スケルトンダンス》が……
シルクル うれしいわ、スター、ありがとう(にこやか)。デモンにもいいものが行ったわよ。大好きでしょ、それ。
デモン スライムなんぞ掃いて捨てるほど手札にあるわ、文字通り!

『シルク』は他プレイヤーとの駆け引きを楽しむゲームです。そのため、積極的に他プレイヤーを邪魔するカードはありません。
この【ジャック・オ・ランタン】も決して100%の邪魔カードではないのですが、使う場面によっては、とても効果的です。
たとえば、スターは次の手番、《スケルトンダンス》をもう1枚プレイして、合計演技力12にするつもりでした。でも、それがベヒモスに代わってしまったため、プレイすることができなくなりました。
もちろん、唯一手札に残っていたベヒモスを奪われたデモンにとっても迷惑なこと、この上ありません。

その一方で――

シルクル で、まだわたしの手番ね。【リザードマン海賊船長】を疲労させて山札を1枚引く。運良く引いたケット・シーを1枚出して、いまスターにもらったスケルトンがダンスする。
スター ずるい、ボクが苦労して集めたカードなのに……
シルクル ゴブリン1枚、ケット・シー2枚で合計演技力3。どれも演技力1だから、スケルトンに変身したドッペルゲンガー2枚とスケルトン1枚の演技力はそれぞれ3。これで合計演技力12よ、いかが?
デモン ……だめだ。
スター 本気のシルクルには手も足も出ない……


こうして、有利なスポンサーと人気の高いスポンサーを満遍なく集めたシルクルが勝利を収めたのでした。

カード1枚1枚に個性があり、その個性が戦略戦術によって長所にもなり短所にもなる『シルク・ドゥ・モンスター』の楽しさ、少しは伝わったでしょうか。
「弱くもあり強くもある」カードたちによって、遊ぶたびに違う赴きのゲームになると思います。
今後もこうしたカードの使い方を少しずつご紹介していきたいと思います。お楽しみに!

取りあげてほしいカードのご要望などありましたら、ぜひこちら(webmaster@groupsne.co.jp)までお知らせくださいね。

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