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安田均の「ゲーム日記」 第2回 (1997年2月28日版)


1月某日
 グループSNE(及び、某社と某ショップ)で、いま水面下で進んでいる海外大物RPGのセッションをする。タイトルを明せないのが残念だけれども、きっと今年の夏のJGCでは、その覆面を脱げる(どんなタイトルか発表できる)と思うので、乞うご期待。
 ところで、今年の夏のJGCはこれまでとちがって、合宿が中心の、もっと企画が盛り沢山のものになる予定。晴海のドームを借りて、昼はゲームのデモや見本市、ショップが中心、夜は近くのホテルで合宿で、もっとゲームを遊んだり、にぎやかな企画が進行することになりそうだ。アメリカのジェンコンやオリジンにより近い形になることが予想されるわけ。
 それにあわせてグループSNEでも、いろんな企画を出してくださいといわれて、意見をつのると、けっこうおもしろそうなものが集った。
 ドリームクエストRPGキャンペーンや、モンスターコレクションTCGトーナメントといういかにもストレートなものから、アレクラスト大陸横断ウルトラクイズ、D&D四畳半ダンジョン、ハイパーT&T巨大ドラゴンを倒せ!(MR14400のドラゴンにみんなでサイコロを振って挑戦するのだ)、バー〈うさぎの穴〉(ひとつ目ドクロ亭を兼ねる)、カルシファード大軍議、メック〈チキチキマシーン〉レースなど、どんなものになるのかよくわからないものまでいろいろ出ている。いくつ実現するかなと、おそるおそる実行委員会に提出したら、“いいなあ、基本的には、そういったものでいきましょう”みたいな感じらしい(こりゃ、これまでとだいぶちがうゾ)。
 調子にのって、ほかにも“榊〈マルチプレイ三昧〉一味と安田均〈SNEボードゲーム狂い〉一派の18番勝負”とか“山本弘のトンデモビデオの部屋”とかも企画に出したけれど、いいのかなあ。
 う〜む、おもしろくなりそうだ。



1月某日
 グループSNEで、神坂一さんを呼んでのマジック・ザ・ギャザリング小大会。
 総勢16人でタイプUトーナメントを遊ぶ。
 神坂さんがマジックのカードを集めているのを知って、そりゃ、遊んだ方がおもしろいですよ、とぼくが言っていたら、とうとうはまり出したらしい。なら、遊びましょうよと、水野良が誘って、こうした小大会になった。
 こちらもモンスターコレクションTCGとか、つぎつぎに出るMYTHOS(クトゥルフTCG)やバトルテックTCGなど新しいものばかりを追いかけているので、マジックをこうして遊べるのはいい機会だとばかりに参戦する。
 結果は?
 老兵は死なず。なんと4位に食い込む健闘ぶり。ふふふ、ダテに紹介者を語ってるわけじゃないぞ(だいたい、紹介者というのは、ふだんだれも知らないゲームのルールを公平にまちがえずに、いろいろ気をつかってインストラクトしなくちゃならず、実際のゲームでは負けることがよくあるのだ。これを不思議がる人もいるので、これを機会に書いておこう)。
 いちばんひどかったやつは北沢慶。日頃、あくどい仲間とマジックを遊びまくれている立場を利用し、あろうことか、にこにこと楽しんでいるゲストの神坂さんや、時間がなくて大変だったんだようと言っている水野良を3タテにし続けるという暴発ぶり。
 北沢君、これできみの作家生命は断たれたね、ハハハ。



1月某日
 メディアワークス編集部のN氏が打ち合せで来社。まあ、『アースドーン』関係のことなんかだけれど(めざせ、JGCルールブック!)、そうした各社の打ち合せ内容をここで書くことはできない(そんなことをしたら、あっというまに、この日記が埋ってしまう)。
 何が言いたかったかというと、『ある日、どこかのダンジョンで』がわりと順調なので、その続編を出しましょう、という嬉しいお話。
 この作品、グレッグ・コスティキアンが書いたRPGのコミカル・パロディ調の楽しい作品で、ぼくは大好きなのだが、どう受け取られているのかもうひとつわからず気にかかっていたもの(結構公平に新刊を紹介してくれているRPGマガジンでも無視されてたもんなあ。コスティキアンときいて、天下のRPGマガジンが喜ばないとは、もぐりだぞ!)。
 ううむ、読者の皆さん、影からの応援ありがとう。
 えっ、まだ正式には決まっていない?! これから企画会議で通すって? まあまあ、そう言わずに。六門世界Uが終わったら、すぐにでも翻訳を始めるからね〜。




2月某日
 Sさん一家を訪問。この人とはSFからゲーム、ミステリ、映画といろいろ話があう上、子供2人の学年まで一緒というので、家族ぐるみで付きあってもらっている。
 なにしろ2家族8人ともなると、ゲームもいろいろできる。
 この日遊んだのは
 ピノクル(アメリカトランプゲーム)
 ヤーツィー(アメリカダイスゲーム)
 フォーラム・ロマヌム(ドイツボードゲーム)
 カタンの開拓6人版(ドイツボードゲーム)
 じゅうたん商人(オーストリアせゲーム)
 クク(イタリア幻のカードゲーム)
 6ニムト(ドイツカードゲーム)
 テイク・イット・イージー8人版(ドイツボードゲーム)
 ブラックレディ・キャンセレーション(万国共通トランプゲーム)
 
 この9つ、自分でいうのもなんだけど、どれも傑作だ(あえていうなら、ヤーツィーのサイコロ5個を使って、ライヤーダイスをすれば完璧か)。
 特に最後の4つは、多人数のときに遊ぶゲームとしては最高! ゲームというのが、こんなに楽しいものかというのを満喫できると保証しておこう。
 夜中の2時過ぎまで遊ばせてもらう。きっと隣り近所にうるさかっただろうなあ。
 しかし、このラインナップを見ると、なんだか世界ゲームオリンピックができそうだぞ。
 あとは、イギリスからクリベッジ、中国から中国ドミノのチェーテンかテンチュウ(別に麻雀でもいいけど)、日本はやっぱりこれ、花札の八八を加えればまちがいないな。
 ということで、次回はそれらを遊びましょうということでお開き。




2月某日
 久しぶりにコンピュータゲームにはまってしまう。
 このところ、グループSNEで出せる予定だったコンピュータゲームが軒なみ中止(ハイパーT&T、クリスタニア)もしくは延期(モンスターコレクションTCG)になったので、ちょっとコンピュータゲームを遊ぶ気力まで失せていたのだが、おもしろいものはやっぱりおもしろい。
 で、年末からの話題作『マスター・オブ・オリオンU』や『ヒーロー・オブ・マイト&マジックU』に手を出さねばと思いつつ、ついちょっと以前の『1830 』コンピュータ版(アバロンヒル/DOS版)をはじめたら、これが運のつき。
 とにかくコンピュータが強くてコテンパンにやられるので、むきになっていたら、あっというまに3日ほどが経っていた。
 考えてみれば、このゲーム、コンピュータが強いのは当然だ。多人数(4人から6人)とはいいながらも、ぼく以外はすべてがこちらを攻撃してくるんだものなあ。マルチでそれをやられたら、なかなか勝てないぜ。
 しかし、このゲーム、価値は高い。というのは、先にも書いた『1830』というボードゲームは戦術性が高くて、時間がかかる(5時間以上)のが難点なのだが、それを1時間半くらいで終わるようにしてあるからだ。
 基本的な戦術も、やや限定はされるもののしっかりと教えてくれるから、これで何回か遊んだなら、『1830』を遊ぶときにも、つまらないまちがいはしなくてすみ、大作ボードゲームを充実して楽しめるようになると思うのだ。
 とにかく、まるで計算したかのように、いや、まさに計算をして、株の購入ラウンドにこちらがあと1ドル足らなくて買えないというような買いかたを他の数人のコンピュータ・プレイヤーがしてくる。値段の下げかたも悪辣で、一人が売りに出して値段を下げた株を、こちらの目前で前のプレイヤーが買い取るように仕組んでくる。
 たしかに『1830』というボードゲームは、こうした陰険なやりかたがしょっちゅう起こるゲームだから(乗っ取り、おしつけ、買い叩きは日常茶飯事)、それに慣れるという意味でも価値はある。それに線路タイルの置きかたも、巧く使ってこちらの邪魔をしてくるから、自然とどんなものがどれくらい残っているか気にするようになるしね。
 こうしたゲームでまれにコンピュータ同士が争って、漁夫の利を得て勝てることもある。近頃はハーデスト・モードでも5回に1回くらいは勝てるようになったけれども、最初の頃はとにかく勝てたら、万歳とでも言いたくなるような気持ちだった。
 ぼくは、このプログラムはよくできていると感じた。もちろん、そうした腕もあったからこそ、このプログラムチーム(シムテックス)は、いまじゃ『マスター・オブ・オリオン』や『マスター・オブ・マジック』などで、ヒットを飛ばすようになったんだろうけどね。
 それとコンピュータ・ゲームの威力は、計算やら時間面だけにとどまらない。この『1830』では、ランダムマップ・モードがあって、いろんな地形でも遊べるのだ。もちろん、バランスが悪いランダムマップなど遊べるかという人もいるかもしれないが、いくつかはよくできたものもあって結構おもしろい(原プログラムの、あくまでB&Oとペンシルバニア鉄道に固執するコンピュータプレイヤーを、ちがう地形で叩くというのもおもしろいものだ。ただ、油断すると、こちらに敵対してくるのは変らないから、一発でやられるけど)。




2月某日
 メビウスのゲーム会に行く。
 メビウスはご存知の人も多いかと思うが、いま見どころのドイツゲームを直輸入して、それに日本語訳(かなりしっかりしたものだ、これはとても大事なこと)をつけて売っている。
 現在ドイツのテーブルゲーム(ボードゲーム/カードゲーム)が百花繚乱状態にあるというのを知れるのも、このお店によるところが大きい。
 ぼくは仕事がら東京に行くことが月に1度以上はあるので、できればここに寄ることにしている。
 ゲーム会は週に1度、店が7時に終わってから。まあ、メビウスに入ってくる新しいゲームを真っ先に楽しみたいというので、そこに集まる人たちも必然的に“強者”が多くなる。
 テーブルゲームというか、伝統的なゲームの知識や紹介では第1人者と思える草場純氏をはじめ、ブクブクさんなどNIFTYのゲーム(一般)会議室やJAGAの主要メンバーがその時間になると、続々と集ってくる。
 ぼくは始まる前から行って、店長の能勢さんとドイツゲームを中心にいろいろと話をするのが好きなので、今日も1時間ほど早目に着く。
 能勢さんは店長だけあって、あたたかい人柄がにじみ出てくるようなタイプだ。しかも、2月のニュルンベルグのゲーム見本市には、仕事でもあるので毎年行かれるから、生の情報が早くて正確、そうした話を聞くのはとても楽しい。
 今回もドイツゲームの情勢はどうですかと聞くと、思っていた以上に活発だったということ。インターネットなどで去年のエッセンのゲーム祭(こっちは秋。ドイツでは年に2回、大きなゲームの催しがある)のレポートを読むと、ここ数年絶好調だったドイツゲームもそろそろ波が通りすぎつつあるのか、といった論調だったので心配したが、全然そんな気配はないということだった(だいたいインターネットの評論とかは、書いてるやつがどこのだれだかわらないことも多いからね)。
 その証拠に、相変わらず出ているゲームの多いこと。しかも、今年は若手のステファン・ドーラの当たり年というか、彼のデザインのゲームが目につく。もちろん、6ニムトのクラマー、カタンのトイバー、メディチのクニーツァとご三家は健在だが、それらをこうした若いデザイナーが追いかけているのは、分野が健全な証拠だろう。
 ボードゲームファンの間で話題になったメイフェアゲームの倒産だが、これも正確には倒産ではなく、ボードゲーム、鉄道ゲーム、TCGなどは順調なのに、社長の個人的な理由で会社を売りに出した(アメリカじゃよくある話)ということらしい。
 クラウス・トイバーは、『カタンの開拓』が大ヒットしたために、いまはその関係の仕事にかかりきりになっているそうだ。彼のファンとしては、痛し痒しというところか。

 ゲーム会では、新しいカードゲームを立て続けに4つほど遊んだ。
 ほんとはボードゲームにも“イギリス版エルグランデ”みたいなものや、“メトロポリス”を連想させる『ダウンタウン』など興味深いものも多かったのだが、時間がないのでしかたない(メビウスのゲーム会は2〜3時間)。
 カードゲーム4つはどれもよくできていたが、その中では『シット!』(なんちゅう題だ)というのが、いちばんおもしろかった。なんというか6ニムト系なのだが、考えても考えなくても遊べるという部分をうまく生かしている。カードゲームで考え抜いていくタイプは、ある意味で、コントラクトブリッジなどがあるわけだから、そうそう傑作が出てくるとは思えない。もっと、読めばわかりそうで読み切れない、しかし、なんとかなりそうだ、と思わせるゲームがぼくなどには魅力的に思えてしまうのだが、果たして『シット!』のウケはどうなるのだろうか。




2月末日
 ということで、六門世界Uを鋭意執筆中。こちらも、モンスターコレクションTCGともども期待していてください。

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