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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 友野×清松×北沢×川人(+柘植)座談会(2005年1月)
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友野×清松×北沢×川人(+柘植)座談会
「百鬼夜翔完結おめでとう編!」

【ちょっと振り返ってみよう】

秋田: それでは、皆さんのちょっと気になる百鬼エピソード。たくさんの物語があったわけですが、自作でも、他の人の作品でも。シリーズ全体を通して、ちょっと振り返ってみようと思いますが、いかがでしょう? まずは、北沢さん?
北沢: んー、自作の中では、落書のエピソードが一番好きでしたね。「真夜中のらくがき」。
秋田: やっぱり学校の雰囲気というのは、誰にでもわかる、独特なものですし、微妙なノスタルジィもあって、私も、あの話好きです。
友野: うん。じつは、あの話が百鬼というシリーズの方向性を決めたような気がする。
北沢: あと、自分のキャラですが、友野さんの書いた風花の、車を運転する話が大好きでした。いや、話のメインはそこじゃないんですけどね(笑) 風花らしいなあって、しみじみ思いましたから。
秋田: 川人さんは?
川人: んー僕は、ずっとひかりのシリーズを書いていたわけですが。書き足りないです。本当なら、10冊ほどの長編を書くつもりでしたから!(どーんと、胸を張っている)
友野: 書きすぎ! ていうか、本当に、あとエピソード10個ほど、聞かされていたし(笑)
川人: ーしょうがないですね。こうなったら、百鬼ではなく「ひかりの冒険」を新しいシリーズとして立ち上げて、角川に持ちこみをしましょうか……(考え込んでいる)。
秋田: 川人さんの野望ですね(笑)
川人: ああ、それと、野望といえば、他の人の作品にひかりが出なかったのがちょっと残念でした。
清松: いや、ひかりは君の色が強すぎて使いにくかったんだよ(汗)
独特の世界持ってたしね。弱かったし(きっぱり) いや、でも今から考えると、導入や噂話の聞き役に使えたんじゃないかと反省することしきりなんだよなあ。
川人: では。つぎのシリーズでは、もっと使いやすいキャラで、話に出張ろうと思います(笑) あと、ひかりの真骨頂は、ジョニーと出会ってからだと思ってます(きっぱり)
秋田: い、活き活きとしてますもんね。じゃあ、えーと、次は……清松さん。
清松: んー。僕も、正直バカップルしか書いてない気がする(笑) 途中参入したってこともあるけれど。気がついたら、シリーズ通して、虫ばっかり。
北沢: そう言われれば。蜘蛛書いて蜘蛛書いて……バグ書いてバグ書いて。バカップル書いて(笑)
清松: 深層意識になんかあるのかな、必ず尻尾に何かついてるんだこれが(笑) あと、自分のシリーズでの反省だけど、エニぐまが一回逝っちゃってから、蘇るまでにもう一エピソードを付け加えたかったなって思ってる。
友野: あの段階で、ラスト近かったですからね。
清松: 逆算すると、すぐに復活するしかなかった。最終長編で生き返るなんてことすると、そりゃあもう、大変なことに(笑)
北沢: それは確実に、完結編1が出てしまいますね。
友野: 清松さんの話の作り方は、論理に論理を重ねていくという、ある意味、一番ゲーム小説としての基本を踏まえた形になっているんで、ホンマ勉強になります。
清松: まあ、そういう書き方しか出来ないわけで(照) あと、個人的にちょっと困ったのは、百鬼におけるうんちくたれがペン妖怪のジェラルドだったことだな。
北沢: 肝心な時にしゃべれない!
川人: それは致命的だ!
清松: いや、それもあるんだけど……ジェラルドの薀蓄は、俺の薀蓄と時代が重ならないんだ!(バタバタ机をたたいている
友野: ジェラルドの薀蓄は19世紀で止まってるからなあ(笑)
清松: エニぐまを出して、ちょっと楽になったけどね(苦笑)
秋田: あはは、エニぐま誕生秘話ですね。


++ こそこそ、娘さんたちの内緒話 ++
秋田 柘植さんはいかがでしょう? 何か、思い出深いエピソードとか。

柘植 わたしはやっぱり最初の「夜からの招待」が思い出深いかな。なにせシリーズの最初を飾らせてもらった作品だから。

秋田 たしかに、シリーズ一発目というのは、プレッシャーかかりますね(うんうん)

柘植 特にジェラルドのキャラには、わたしの大好きなものをいっぱい詰めこもうと思ったんだけど……まだ書き足りないなあ。ジェラルド主人公の短編をいつか書きたいです。

秋田 それは、私もぜひ読みたいです。期待してます!


秋田: じゃあ、最後に友野さん、お願いします。
友野: 自分的には「白昼の冥路」がお気に入りかな。読者には、難しいとか言われたけどね(笑) キャラはオーナーとルゥを書くのが楽しかった。
川人: それは文面からひしひしと伝わってきましたよ(笑)
友野: あ、やっぱり? あと、ちょっと自分を誉めたいのは「暁に散る翼」。あれ、後半60枚を半日で仕上げたからね。
秋田: それはすごいです(感動)
友野: 朝の十時に起きて、夕方の六時には会社に向かわないと、スキー旅行に間に合わないという状況で……。「まさか、その日のうちに入稿できるとは、夢にも思いませんでした」と担当編集に言わしめましたよ!(胸張っている)
北沢: ……僕は、ロッジで原稿書いてました(こそ)
友野: そんな状況でUPしても、大きな手直しはなかったしね。百鬼や妖魔は、大抵何か憑かれたように一気に書いてることが多かった気がする。レッドキャップの話とかも、後半50枚ほど、一日で書いていたし。
一同: (とりあえず、みんなで拝んでいる)
友野: はははははー、ひれ伏せー―! 俺を神と崇めろー!(大得意) ともかく、みんなのエピソードの積み重ねは、どれをとっても思い出深いし、その、どれも疎かにしたくないという百鬼の最終シリーズ……まあ、これは妖魔夜行も含めてのものなんだけど……が今回の最終話、三部作のモザイクノベルになったという感じかなあ。
北沢: よく、あんな面倒くさいことをしようと思いましたね(笑)
清松: 正気の沙汰とは思えんかったぞ、本当に本にできるのかと(笑)
友野: うん。面倒くさかった。でも、またやりたいと思ってるぞ。新しいシリーズとかでも目論んでいるから。
【これからこれから、内緒の話?】
秋田: では、一つ一つ……もっとエピソードを聞いていきたいところですけれど。これからの展望。または、新シリーズなどの情報を、こそっと漏らしたりはしてくださいませんか?
友野: 一応、百鬼シリーズは、今回の長編で終了します。まだ、NG集……じゃなくて、番外編なんかも企画していますので、形になればなあという感じですね。まだ、具体的なスケジュールなどは決まっておりません。
秋田: 期待しています。次シリーズの構想などは?
友野: とりあえず、新しいシェアードワールド小説の構想を、ここ半年の間、百鬼夜翔の面子プラス、新しい面子で組み立てています。ここにいる某インタビュアーとか、他にも色々とフレッシュな面々が参加して、ちょっと新鮮な感じですね。今度は妖怪から離れた、新しいホラーです。シリーズ・タイトルは〈リボーン・リバース〉。まあこのタイトルから想像できるものとは、違った内容になってるけど。
秋田: 今度のメインとなる舞台は?
友野: 神戸です。どんどん西に向かってますなあ(笑) ちょっと先……夏になる前に、これの第一巻もお目見えできると思います。楽しみにしていてください。
秋田: なるほど、本日は皆様ありがとうございました(ぺこ)
一同: (礼)

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