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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『魂の戦争 第一部 墜ちた太陽の竜〈上〉』『ルーンロード1 大地の王の再来 〈上・下〉』(2005年2月)

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ルーンロード1 〈大地の王の再来>
富士見書房
デイヴィッド・ファーランド著『

4.翻訳の苦労話

安田: そういや、この作家はフィールドワーカーというか、野外生活が好きらしくて、草木類がすごくたくさん出てきたっけ。
柘植: "大地"ひとつのテーマですしね。
笠井: 翻訳はたいへんでしたよ。作者に問い合わせたりもしました。
安田: 英語の草の名前はすごく雰囲気があるんだけどね。 "ソロモンズ・シール(ソロモンの封印)" という草なんか、すごくかっこいい。
笠井: なのに日本語に訳すと間抜けな名前になっちゃうんですよ。メボウキとか、コゴメグサとか……(笑)。現実にあるものと重なっているので、訳語のチェックはたいへんでした。この3人でべったり頭をつき合わせて、原稿をチェックしましたよね。
安田: なにせ上下巻で原稿用紙二千枚。たいへんだった。いまのところ、原書で4巻まで出てるのかな。これからどんどんおもしろくなっていくよね。
柘植: いま、第2巻の翻訳をお手伝いしてますけど、ずいぶん違った展開になってます。
笠井: でも "らしさ" は残ってますよ。そもそも、第1巻の原書六百ページが、たった3日間のできごとなんです。第1巻のときから続きを書くつもりだったのは明らかですよね。
安田: この作者って、アイディアがどんどん湧いてくるんだろうなあ。たとえば日録者(デイズ)という連中。王族に仕えて、行動を逐一記録しているという。世界に関わる特殊な教団っていう発想はすごくおもしろいよね。ぼくはデューンに出てくるベネ・ゲセリットや<ギルド>を連想した。ドラゴンランスにも年代史家のアスティヌスがいるけど、〈日録者〉はもっと極端。SFではよくあるアイディアを、うまくファンタジーに転換してるよね。
笠井: 冷静な観察者のように見えて、彼らにもまた個性があるのがいいですよね。
安田: そうそう。<観察者>ものっていう分野もあるんだけど、こいつらは妙に人間くさい。主人公のグボーンに仕えている〈日録者〉なんか、酒を飲んで酔っぱらって好きなことを言い出したり。この作家って、かっこいいところも書くけど、そういう俗っぽいところも混ぜこんでくる。一筋縄ではいかないタイプだなあ、と思う。
笠井: ちなみにタイトルのルーンロード(ルーン卿)とは、男女を問わず、〈変成棒〉と呼ばれるアイテムを使って他人から賦与をもらってきた人物を言います。
柘植: タイトルといえば、ちょうどここに、今日あがってきたばかりのカラー表紙の見本がありますよ。
安田: イラストは末弥純さんに描いてもらったんだよね。すばらしい!。

ルーンロード1
〈大地の王の再来〉上巻

ルーンロード1
〈大地の王の再来〉下巻
笠井: 大王アーテン何千人もの〈魅力〉の賦与を受けているというからどんなふうになるんだろう、と思っていましたが、末弥さんのイラストを見て納得、という感じです。
柘植: B>グボーンの護衛のボレンソンの頭のはげかかった感じがナイス!。
安田: 魔術師ビネスマンの、かっこよくはないんだけど魅力的、という感じも出てるよね。
柘植: お、価格は2500円ですか。
笠井: お得ですよ〜。量がすごいですから。


安田:
というわけで、『ルーンロード』は正統でありながら異色のファンタジー。ぜひ多くのみなさんに読んでほしいです。
柘植: 魂の戦争』『ルーンロード』ともに、3月28日発売です。店頭にいっしょに並ぶことになりそうですね。それで、今後の予定は?
安田: 魂の戦争』は3か月おきに出る予定。『ルーンロード』は大作だし、そうはいかないかな。
笠井: ただ、3月28日に上下巻同時発売ですよ(笑)。
安田: 第2巻は映画の公開に合わせて、ということにもなるかもしれないね。
柘植: たしか監督はアート・オブ・ウォークリスチャン・デュゲイ氏とか。もう製作に入ってるはずですよね。
安田: 早く映像で見てみたいなあ。
笠井: 大王アーテンは誰が演じるんだろう……どきどき。
柘植: 今日はどうもありがとうございました。
2つの大作ファンタジー、ぜひお読みいただき、感想を聞かせてくださいね!

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