安道: |
ユエル・サーガサプリメント『かくて世界は広がった』、発売おめでとうございます。 |
友野&杉浦: |
ありがとうございます。 |
安道: |
今回のサプリメントは一体どんなものなんでしょうか? |
友野: |
ええ、もう名前のとおり「世界を広げる」サプリメントです。そういう意味では最近でた「ゲヘナ〜アナスタシス〜」のサプリ『魔星降臨』と近いですね。 |
安道: |
と、いうと……ルナルの時よりも世界観は広がってるんでしょうか? |
杉浦: |
プレイヤー用の種族は大幅に増えましたね。 |
友野: |
従来いた、エルファにドワーフとミュルーン。そこへジャナストラ独自の種族であるニュールとラルファ。そして以前からプレイヤーキャラクター(以下PC)として使ってもらおうと思っていた翼人をメインに持ってきました。これだけで6種類。 |
杉浦: |
さらにミュルーンとニュールは無駄なくらい詳細に分けました。 |
友野: |
無駄とか言わないの(笑)。ミュルーンは水鳥とか小鳥とかできるようにしました。ニュールなんかはアルマジロ、モルモット、アライグマなどなど。表紙の「かわいいハリネズミ」もできますよ(笑)。もちろんエルファ、ラルファ、ドワーフなんかは信仰ごとに分かれてるし。 |
杉浦: |
全体で20種以上はいますね。 |
安道: |
結構な数ですね(汗)。 |
友野: |
さらに彷徨いの月から、ケンタウロス系のギャビット、いわゆるパン系のシャロッツ、妖精系……のはずなんだが、妖精になりきれてない昆虫人間フェリアなんかも(笑)。これは基本NPCなんだけど、PCとして使っても大丈夫なようにしました。 |
杉浦: |
だから、全部含めて細分すると30超えますね。 |
安道: |
40に迫りますか!? |
友野: |
大きなくくりにすれば13種かな。 |
杉浦: |
結論的にはいっぱいってことです(笑)。 |
友野: |
元々、ルナルの特徴として種族の多さがあります。最初のユエルは「まず簡単に遊んでもらいたい」というのがあったんで人間をメインにしました。なので今回のこのサプリでようやくユエルが完成した感じかな。 |
安道: |
なるほど。では、その異種族たちが活躍する舞台はどうなっているでしょうか? |
友野: |
今回のサプリメントにはシナリオ1本とシナリオソース10本。それに貝の街、シェベルのガイドを載せています。旧ルナル時代をご存知の方はバドッカに位置すると思っていただければ。 |
杉浦: |
あとはモンスターを(ガープス)第3版から(ガープス)第4版対応にアップデートしました。ジャナストラ大陸対応ですね。これも60体ほど用意したので闘ってみてください。 |
友野: |
敵としては変身種族シェイパーのデータを追加しました。キャラクターポイント(以下CP)が飛びぬけてすごいので、やるなら全員がシェイパー族なんてセッションがいいでしょう(笑)。 |
安道: |
ほんとにすごいボリュームですね。 |
友野: |
いかついボリュームとは違って、表紙の方はとても爽やかになってます(笑)。イラストレーターの、せんのあきさんには良い物をあげていただきました。 |
杉浦: |
そうですね。鳥や小動物がいっぱいで、メルヘンチックな感じです。 |
友野: |
アーキタイプのリス・ニュールなどは女性プレイヤーを誘うのに最適です(笑)。男性には、セクシーなジャング・エルファや可憐なラルファ少女がいるしね。 |
安道: |
今回、制作するにあたって苦労した点はどこでしょうか? |
杉浦: |
やはりガープス第3版から第4版に変換するのが大変でした。何回も話にあがってますが、ボリュームがすごくて……予想以上に時間がかかって大変でした。安道君も手伝ってくれたから分かるよね? |
安道: |
ええ、少ししかお手伝いできませんでしたが、分かります。たしかにすごいデータ量でした(笑)。 |
友野: |
まぁ、なのでお届けするのが多少遅れてしまったわけですが…… |
友野&杉浦&安道: |
待っていてくださった皆様すみませんでした! |
友野: |
がんばったんですが……人間には限界というものがあります(苦笑)。 |
安道: |
でも、その分すごい本になったんですよね? |
友野: |
ええ、満足して頂けるものができたと自負しておりますよ。本当にぎゅうぎゅう詰めですが(笑)。 |
杉浦: |
元々ある種族のデータも増えましたからね。すごいことになってますよ。データ好きの方はこれを見てハァハァしてください(笑)。 |
友野: |
でも実は、収録しきれなかった部分もあって…… |
安道: |
それはもったいない! 一体なにが収録できなかったんですか? |
友野: |
……実はシナリオを2本書いていたんですが、そのうちの1本を落としました。他にはランダム遭遇表なんかも。ですが、これらはRole&Rollさんに掲載していただけることになりました。 |
安道: |
おおー。それは楽しみですね。話は戻りましてサプリの方ですが、どういう風に遊んでいただきたいとか、ありますか? |
友野: |
昔からルナルを遊んでくださってる方には、また新しい地平が広がると思いますし、逆に「そんなに量が多いとしんどいなぁ」という方には、主要PCキャラのみですが「まずはこれで遊んでみてください!」というベースキャラクターを用意させてもらいました。 |
杉浦: |
もちろん、全部のデータを遊びつくしてとは言いませんし、そこは気楽に遊んでもらいたいですね。 |
友野: |
あと、異種族の概要を読んだらシナリオを思いついてもらえるような書き方を心がけましたので、そこも見ていただけたらと思います。それからユエルにあった、第4版との齟齬もエラッタを記載させて頂きました。本当にすみません。 |
友野: |
ちょうど「気軽に遊んで欲しい」って話題が出たので、ガープスについてちょっと。 |
安道: |
なんでしょう? |
友野: |
ガープスっていうと、細かいことがいろいろ書いてあって難しいと思われがちなんですが、実は違うんですよ。 |
安道: |
と言いますと? |
友野: |
ベーシックに書いてあるんですけど、面倒くさいならルールを省いていいんです。スティーブ・ジャクソン氏は「何より大事なのはその場のノリであり、君たち自身のストーリーだ」とおっしゃってますしね。 |
安道: |
ふむふむ。ということは、ほとんどGM判断で判定していいってことですか? |
友野: |
極論を言えば、サイコロ3個振って小さい目が出ればいいくらいの感覚で(笑)。なので、あの細かいルールは、どう判定していいのか、どうしても思いつかなかった時の指針として使ってくれればいいんですよ。 |
安道: |
なるほど。実をいうとガープスは初心者向けと言えるわけですね? |
友野: |
そうですね。なので、あのデータ量に構えず、気軽に遊んで欲しいと思ってます。 |
杉浦: |
ルールをないがしろにしろって意味ではないですけど、好みに応じて取捨選択できるのがガープスの魅力ですからね。 |
安道: |
今後の予定はいかがでしょうか? |
友野: |
あ、忘れていましたが、ルナル最強と言われたウィザードですが、今回は省略しています。ユエルでサポートしている魔法が少ないこともありますしね。 |
安道: |
魔法……といえば「ガープス・マジック」ですか? |
友野: |
ええ。只今、江川晃が誠心誠意を尽くして訳してくれている「ガープス・マジック第4版」、魔法のデータばかり載っているサプリですね。これが発売される頃に合わせて、ウィザードのデータを紹介できればと思っています。 |
安道: |
なるほど。ガープス・マジックが加わることでユエルの世界はまた広がるわけですね。 |
友野: |
もちろんユエルだけではなく、ガープス自体にも広がりが出ますよ。 |
安道: |
楽しみが増えますね。 |
友野: |
他にもユエルに関してはリプレイの続刊、小説の展開などを考えています。それからガープスは色々な展開が控えているので楽しみにしていてください。Role&Rollで連載中の「どんどんガープス」も楽しみにしていてください。 |
安道: |
そういえば、ガープスのルールブックといえば、新シリーズが出るんですよね? |
友野: |
ええ。川人忠明と私が一緒に制作した「ガープス・リボーンリバース」のルールブックも無事、HOBBY BASEさんより、11月22日の発売が決定いたしました。こちらの方も遊んで頂けたら幸いです。 |
川人: |
どうぞよろしくー。 |
安道: |
あ、川人さんだ。せっかくですし、お二人に「ガープス・リボーン・リバース」についてお聞きしてもよろしいですか? |
友野&川人: |
どうぞどうぞ。 |
安道: |
「ガープス・リボーンリバース」とは、一体どんな感じのゲームなんでしょう? |
友野: |
これはですね。ユウレイと言う不思議な存在がいる現代社会で、ユウレイにとり憑かれた若者たちが活躍するお話です。別に若者じゃなくてもいいけど(笑)。 |
川人: |
PCたちは、悪いユウレイが起こす怪奇事件を、自分にとり憑いたユウレイの様々な能力を使って解決していくのだ。 |
安道: |
つまり、ユウレイVSユウレイということですね? |
友野: |
そうですね。現代ゴーストアクション――いわゆる超常能力バトルが楽しめるんです。どんなイメージになるかは、すでにスニーカー文庫でシェアードノベル展開中の小説や、富士見書房より出版されているリプレイなどを参考にしていただければと思います。 |
安道: |
自分にとり憑いたユウレイは、守護霊みたいなものなんですか? |
川人: |
そんなにいいものじゃないかも(笑)。自分のユウレイは暴走したり、言うことを聞いてくれなかったり、果てには宿主に害をなすこともあるんですよ。いかにユウレイを制御するか、また、調整するかと言った点も楽しんでもらえると思います。ゲームでは、ここを数値で表現するので、特に工夫を凝らしました。 |
友野: |
他にも、バラエティに富んだ暴走表なども用意し、随所にサイコロを振る楽しさを追求しました。なので、サイコロを振るのが好きでしょうがない人は是非遊んでみてください。 |
川人: |
「ガープス・リボーンリバース」は、ベーシックがなくても遊べる一冊になっております。これからガープスを始めてみようかな、と思う人はガープス入門編として活用してくださいね。 |
安道: |
これからもガープスからは目が離せませんね! 今日はお三方ともありがとうございました! |