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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『密林戦線/Expansion:エムブリオマシンRPG』『聖女のちょっとした受難/Replay:エムブリオマシンRPG』(2008年08月)
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『密林戦線/Expansion:エムブリオマシンRPG』
『聖女のちょっとした受難/Replay:エムブリオマシンRPG』
発売記念インタビュー

○『聖女のちょっとした受難/Replay:エムブリオマシンRPG』

秋口 続いて番棚くんに新リプレイのことを聞いていこう。
番棚 新リプレイの執筆を担当した番棚葵です。よろしくお願いいたします。
秋口 このリプレイには片山くんも関わったんだよね?
片山 はい、巻末のワールド紹介を書かせていただきました。
秋口 なら3人で進めていこうか。さっそくだけど、新リプレイのタイトルは――。
番棚 『聖女は可愛い。幼女だともっと可愛い』
片山 ではなくなりましたよね?
番棚 はい、ごめんなさい(笑)。最初は『上手な聖女のさらい方』とか『密林に聖女はいらない』とか、どっかで聞いたことあるタイトルをいっぱい考えていたんですが……最終的には『聖女のちょっとした受難』で落ちつきました。
秋口 なんで番棚くんが書くことになったんだっけ? もちろん最終的にOKしたのは僕なんだけど。
片山 これまで番棚さんは、主にデモンパラサイトに関わってましたよね。
番棚 SNEの20周年パーティーで、ジャイブの編集者さんとお会いして。その時、真っ先に「エムブリオマシンのリプレイを書かせてください!」ってお願いしたんです。
片山 20周年パーティーっていうと、去年の冬ですね。
番棚 はい。なんだか僕の事が変に伝わっていたらしく、編集者さんに「君があのキモい人?」とか言われて(笑)。そこがすべての始まりだったような気がします。
秋口 ぶっちゃけ番棚くんは前のリプレイシリーズでスタッグのプレイヤーをやってたんだよね。それで「あれだけキモいプレイができるんだから、書いても面白いものを生みだせるに違いない」と判断してもらえた、ということかな。実際、僕もそう思ったし。
番棚 ありがとうございます。


○新リプレイのコンセプト

秋口 今回のリプレイには特別なコンセプトがあったとか。
番棚 はい、実はリプレイ用にずっと温めていたネタがあったんです。それが、「PCたちはそれぞれまったく別の立場からゲームがスタートし、ともすれば敵同士にもなる」というもので。
片山 僕も原稿を読みましたけど、今回のリプレイでは1話目からPC同士が戦っていますよね。
番棚 ええ。最初は敵同士だったPCたちが少しずつ和解していく――という仕掛けで作りたかったんです。平成仮面ライダーみたいな、かっこいいノリで。
秋口 ということは、今後は彼らが仲間になるような展開も?
番棚 そうですね。最終的にはプレイヤーが何を選択するかによりますが。2巻以降では、そういった展開になる可能性も十分にあるストーリーになっています。
片山 PCが敵同士で、本当に戦闘までやってしまうというのは珍しいですよね。
番棚 他のTRPGじゃあ、あんまりプレイヤーVSプレイヤーってできませんから。でもその点、『エムブリオマシンRPG』は元々対戦ゲームとしての要素も兼ね揃えています。だからPC同士の戦闘も無理なくできるんじゃあ……と思って。これが元々考えていたストーリーにぴったりきたので、そこから膨らませて今回の作品ができました。
秋口 ほかにもコンセプトがあるんだよね。
番棚 そうですね。1巻は『密林戦線』と同時期の発売なので、あちらで紹介されているワールドやシステムを最大限に活用しようと。
片山 ちゃんと密林が舞台ですよね。
番棚 もちろんあの素晴らしいシステム……っていうか、ボードゲームもやってますよ(笑)。機体を組ませずにセッションを開始し、PCには密林探索ゲームで得た武装だけで戦ってもらう。以降も引き続きその機体を使用してもらう、という。
秋口 まともな機体になったと思う?
番棚 一応どの機体も戦える状態にはなってます。ただ、ぎりぎりの数の武装しか集められなかったせいで、2話目でけっこう大変な思いをするPCがいたり……(笑)。
片山 そう言えば、主人公の機体が複座型なんですよね。
番棚 はい。主人公の女の子には物語のキーとなる妹がいるんですよ。その妹が補助役(機体の後部座席に座り、背面への射撃を担当するNPC)になれる、と思ってあの設定にしました。
片山 複座型、使いこなせると強いですよね。
番棚 はい。実際のセッションでもたびたび「おおっ!」っと思わせるシーンがありましたよ。


○ちょっとしたストーリー

秋口 ストーリーについても聞いていこうか。
番棚 キーとなる主人公の妹、彼女が「聖女」としていろんな勢力に狙われます。様々な陰謀が渦巻き、主人公たちを巻きこんでいく……というのが主なストーリーですね。このあたりの筋立ては極めてオーソドックスで、それを土台にとにかくユニークなPCたちが暴れまわります。
片山 今回のPCは、かなり特徴的な面々が集まりましたよね。
番棚 なにせ主人公の女の子が野心家で、健気な妹を成り上がるための道具だとしか思っていませんから(笑)。彼女を止めてくれるかと期待したPCたちも、みんな変人ばかりでしたし。
秋口 そういったキャラクター付けは、GMの意図ではないの?
番棚 自然発生したものです。好き勝手やっていいとは言ったのですが……まさかあそこまで突き抜けるとは(苦笑)。
片山 妹萌えの彼、凄いですよね。前シリーズのスタッグもキモさで売っていた面がありますが。今回の彼は、あれを上回っているのではないかと。
番棚 彼のプレイヤーには(キモいキャラクターを演じるための?)天性の才能がありますから。
秋口 ぶっちゃけ「キモい」を超えて「怖い」の域だよね。
片山 筆者の素質もあるとは思いますよ?(笑)


○ワールドデザイナーの視点

秋口 ワールドデザイナーから見てどうだった? 今回の新リプレイは。
片山 作中ではスルスリート教国という宗教国家の権力争いが描かれているわけですけど……ぶっちゃけわりと俗っぽい印象ですよね、今回のスルスリート教国って。
番棚 うう、すいません……今回はスルスリートの中でも特に俗っぽい人たちばかりが登場した、ということで(汗)。
片山 いや、もちろん問題はないんですけど(笑)。
秋口 前のリプレイシリーズでも俗っぽく描いちゃったよなぁ、舞台とかNPCとか……バルトルドの皇女とか、特に酷かった。
片山 ああ、あのキャラはいいんです。いじられてなんぼですから。
秋口 それがデザイナーのこだわりか(苦笑)。――スルスリート教国ってバチカンがモデルだよね?
片山 そうですね。スルスリートの組織運営はキリスト教がモデルになっています。ただ、宗教自体はミトラス教という太陽信仰をモデルにしていて……クリスマスだとか1週間が7日あることとか。こういった要素は元もとミトラス教のもので、あとからキリスト教に取りこまれたもの……だったはず。
秋口 そうなんだ。
片山 ワールドパートではラティオ教の創世神話とか、スルスリート教国の七天騎士団それぞれの役割とか、そういった部分を重点的に書きました。
番棚 各騎士団の役割を7種類も、よく考えましたよねぇ。
片山 最初は大変だと思ったんですけど、書いていったら意外とすぐに埋まりました(笑)。読者の皆さんが『エムブリオマシンRPG』を遊ぶときに、アドベンチャーパートで活用していただけるとありがたいですね。


○最後に

秋口 恒例だけど、最後に読者さんへのメッセージをください。
番棚 特徴的でキモいPCたち、健気なNPC、そして彼らに振りまわされるGMの姿をぜひ楽しんでください!




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