安道: |
これについては、実は、同じような内容の、「ナイトメアシナリオ」というのがPBWの方にはあるんだ。けど、まだ紹介はしていなかったので、こんなおもしろいことが出来るよ、と読者のみなさまに見せる意味で必要なチャプターだった。あと、キャラをたたせる意味でも。それぞれのキャラの、感情や過去に迫る内容をロールプレイしてもらうことで、プレイヤー、GM、読者のみなさま、各々が3人のキャラクターを掴むことできたんじゃないでしょうか。 |
――: |
確かに。空くんの、おばあちゃんについての話とかは、切なくて涙が出そうでした。 |
安道: |
ありがとう。でも、あそこまでキャラクターを際立たせることが出来たのは、僕の力じゃなくて、ほとんどプレイヤーさんたちが自分で考えてくれた設定のおかげだね。あと、もともとPBW版「Silver
Rain」が、キャラクター性をひき立たせる仕掛けをしてあること。 |
――: |
仕掛け? |
安道: |
まぁ簡単に言うと、裕福度とか。TRPG版でも、それが受け継がれてる。 |
――: |
あぁ! どちらも最初に、生まれなどを含めて色々設定を考えますね。じゃあ、安道さん自身から見て、主人公3人は、ズバリどういったキャラクターでした? |
-- ▼以下、結構なネタバレあり! ----
飛ばしたい人はここをクリック!
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安道: |
う〜ん。まず、兇子については、常に主役としていてほしかったし、ちゃんとその役割を果たしてくれたキャラだったと思う。快活な女性キャラとして、また「土蜘蛛」の一族として、物語上もシめるところはシめてくれた。空くんも、それに負けず劣らず活躍してたなぁ。最後の使役ゴースト・ルナたんとの絡みは、とても綺麗だった。あと、芙美ちゃんは、既にPBWでも活躍しているキャラなので、最年長の先輩として後輩の2人をひき立たせてくれたね。もちろん、彼女自身もキャラは立ってましたよ。 |
――: |
先輩の裸を写真に取ったりね(ぼそっ) |
安道: |
こら!(笑) 他にも、ちゃんと道に迷ったり泣いたりしてたさ! …………あれ?? |
――: |
どうした最年長(笑)まぁ可愛いから許しますけど。 |
安道: |
だね(笑)まぁ、そうやって、魅力的なキャラクターが主人公となり、ギャグあり・シュールあり・サスペンスありな感じで進んでいきます。ときに巣作り、脳内彼氏。「蒼き破鏡の使者」ぜひぜひ、ご一読くださいませ! |
-- ▲ネタバレはここまでです。 ---- |
――: |
あと、システム面のお話を。前作「白き〜」シリーズからの違いとかは、何かありますか? |
安道: |
あ、うん。そうそう。前作の段階では、サプリメント「メガリスクライシス」「エンドレスデイズ」が出てなかったよね。今作では、それらで新たに追加されたルールを指針にして、キャンペーンをやってます。そういう意味では、新サプリの内容を凝縮したリプレイにもなってるんじゃないかな。 |
――: |
追加ルール……今回注目のあれですね? |
安道: |
お、早速きたね。「エレメントシステム」。その通りです。 |
――: |
説明をお願いします。 |
安道: |
う〜ん、何と言ったらいいかな……。そうだね、ものすごく悪い説明をすると―― |
――: |
良い説明をしてください。 |
安道: |
は、はい! ん〜、つまりは「何でも出来ちゃうシステム」なんだよね。例のひとつに、「恋愛エレメント」があるよ。 |
――: |
恋愛? |
安道: |
うん。恋に落ちるまでの感情の動きを、「エレメントシステム」で表現できるんだ。
例えば、異性と街角でぶつかったときに、ドキッとしたかどうかの判定をして、成功すると、恋愛のエレメントが溜まっていく。この場合、エレメントが溜まる=キュンキュンしていくってことなんだけど、最終的には、「エレメントチェック」というものを行って、それが成功すると、「僕、恋に落ちました」ってなる。 |
――: |
へぇ〜! それは新しいですね。それって、友情とかも同じ要領で出来るんですか? |
安道: |
もちろん。「エレメントシステム」っていうのは、感情をルール化したシステムだから。少し変わったのだと、「死亡フラグ」なんてのもあるよ。 |
――: |
死亡フラグ? 死亡する前に、そのキャラが自分の死亡を匂わせる台詞を吐いたりするあれですか? |
安道: |
そう、「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ……」とかね(笑)「死亡フラグ」だと、台詞を言うごとに「死亡エレメント」っていうのが溜まっていって、結末時にそれが溜まりまくっていると、死んでしまう。 |
――: |
死んじゃうんですか!? |
安道: |
もちろんそこには、確率とかも関係してくるよ。 |
――: |
へぇ〜! 幅が広い。確かに、何でも出来ちゃいそうですね。 |
安道: |
うん。あと、このシステムの基本目的は、さっき言った「感情」なんだけど。もうひとつ、ままならなさの再現ってテーマもある。 |
――: |
ままならなさ、ですか。 |
安道: |
そう。従来だと、ロールプレイに任せていたがゆえに、自分の思ったとおりに動かせていた「感情」だけど、それをシステム化することによって、ままならなさがよりリアルに再現された。恋愛にも、成功・失敗の判定がちゃんと存在するってことだね。 |
――: |
うおぉ〜!! す、すげえぜエレメントシステム!! |
安道: |
しかも、これについてはちょっとした話があるよ。今年のJGCでも、もちろんこのシステムを使ってユーザーさまに遊んでいただいたわけだけど、その中には、恋愛のロールプレイに対して消極的だった方もいたのね。 |
――: |
あ、わかります。恋はちょっと恐いものでもありますからね。 |
安道: |
でしょ? でも、その方も「シルバーレインRPG」を遊んでいかれるうちに、どんどん恋愛エレメントを溜めていって、シナリオ最後にはついに告白するまでいっちゃったんだ! |
――: |
へぇ〜すごい!! めっちゃ楽しんでいただけてるじゃないですか! |
安道: |
しかもお買い上げいただきました。 |
――: |
うおおお!! すごすぎる!! |
安道: |
本当にありがとうございます。ただ、言ったように対応できる幅が広いので、最初は戸惑われる方もいらっしゃるだろうということで、今回のリプレイではサンプルとしてこれがふんだんに使われています。恋愛だけでなく、ストーリーに沿う形でもね。 |
――: |
お、メインストーリーにも関わってくるんですか? |
安道: |
今作でいうと、「古代魔術士の末裔エレメント」があるよ。 |
――: |
こだいの……? え? |
安道: |
(笑)例えば、他のTRPGだと、物語の後半に「あなたは実は古代魔術士の末裔でした」なんて唐突に言われても、ポカーンなわけだけど、「エレメントシステム」を使うと、プレイヤーさんはエレメントを溜めながら徐々に力に目覚めていく。だから、「あ、俺はこれに目覚めていくんだな」って考えられて、キャラクターの気持ちが自然に高まっていくんだよ。 |
――: |
うわ、本当に幅が広いな〜。それはちょっと特殊な使い方ですね? |
安道: |
うん。このやり方は、確かに難易度は高いかもしれないけれど、GMは、使いこなせばシナリオ運びをもっと楽に、そして面白くできる可能性がある。 |
――: |
GMもプレイヤーも幸せになる設計! |
安道: |
ですな(笑)だからこそ、今回のリプレイでは、そのあたりも参考にしていただけるように、シナリオを作ったよ。 |
――: |
そして最後に。これは皆さま気になっておられるところかと思いますが、シルバーレイン・プロジェクト全体について、今後の展開についてはどうなりますでしょうか? |
安道: |
今後は、まず、ゴーストタウンを題材にしたサプリメントを予定しています。 |
友野: |
あと、この辺は、シルバーレイン・プロジェクトのサイトでも書かせていただいてるんですけど、安道が前からやりたいと言っていたネタを、どんどん出していきますね。こいつも、今一生懸命頑張っております。 |
安道: |
はい! ありがとうございます。今後のサプリでは、GMなしでも遊べるような、オートマチックなシナリオも実現しますし、銀誓館以外の能力者をPCにする、通称「悪サプリ」についても計画中。今まで出てきた人狼組織、吸血鬼組織、ひっそり村で暮らしてるヤドリギ使いたちの所など、今まで行ったことのない場所にも出向いていくつもりですので、これからどんどん世界が広がっていくと思います。 |
――: |
うわー! 聞くだけでいくつもの遊び方が出来そうですね。 |
友野: |
遊びと言えば、シルバーレインの、独立したカードゲームというのも今デザイン中ですよ。 |
――: |
広げますね〜! |
安道: |
ですので、リプレイだけでなく、ルールブック、サプリメント、小説、カードゲームetc……ともども、どうぞよろしくお願い致します! |
友野: |
そうですね。と言いながら、小説遅れててすみません。ほんとに。頑張ります。 |