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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN』発売前記念インタビュー(2010年8月)
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『 サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN 』 発売前記念インタビュー

 全国1億人の紳士淑女の皆さま、お待たせしました!
 透明感ある文体でじわじわとファン層を広げ続ける
セツナ系青春ファンタジー「サクラダリセット」 待望の続編―― 『サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN』 (以下、『サクラダ3』 )が、9月1日、ついに発売(予定)です!
 今回はその脱稿を記念して、さわやかな文体が魅力の著者・
河野裕 に、私、ウザやかパーソナリティこと 河端ジュン一 が、お話を聞いてまいりました! こ、今宵は暑い夜になる!(収録・7月某日。夕暮れ時の事務所にて)

 
「サクラダリセット」シリーズ をまだお読みになったことのない方は、以前のインタビュー から目を通していただきますことをお薦めいたします。

2010年8月 発行
執筆/河端ジュン一



□■はじめに
――: それではインタビューを始めたいと思います。よろしくお願いしますー。
河野 よろしくお願いします。
――: まずはじめに、ですが……
河野 (頭を下げて) 発売が遅くなってすみません!
――: おお、びっくりした(笑)。そういえば、2巻のあとがきでは 「3巻の発売は夏頃を予定しております」 とおっしゃってましたね。
河野 そのとおりです。9月1日は、おそらく夏ではありません。刊行が遅れますことをこの場を借りて、心の底からお詫びいたします。本当に申し訳ございません!


 『サクラダ3』 は、刊行まで余計にお時間をいただいております。しかし、今回は時間をかけた事もあって、ひと際充実・洗練された内容にしあがっておりますので、もう少しだけお待ちくださいますようよろしくお願いいたします!


――: 今回は1年という区切りでもありますし、「サクラダ」全体 についてや、河野さんの作家生活 についての質問をしていきたいと思います。
河野 おお、ありがとうございます。
――: では、改めまして質問ぜめをしていきますね。
河野 (ぜめ……?)


□■ついに1年
――: 1巻が発売されたのは09年6月。思い返せば、1年以上もサクラダを書かれていることになりますね。
河野 これもすべて、制作に関わって下さった方々と、読者の皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。
――: この1年で、何か変わったことなどありましたか?
河野 一番大きな変化は、やっぱり入院をした事かなぁと思いますが(笑)。できるだけ野菜とか食べるようにしよう、と思ったり。
――: 確かに、入院は大きな変化でしたね(笑)。社内も騒然としました。お体には気をつけてください。「サクラダ」に関してはどうですか?
河野 「サクラダリセット」シリーズの執筆に関しては、1冊目の頃とそう変わらないと思います。だいたいいつも、好きなことを好きなように書いてます。
――: アバウト(笑)。物語を作るときも、わりと感覚的に進められるんですか?


□■物語の作り方
河野 そうですね。特に決まった方法はないのですが、作り方としては、単語一つや、日常で経験した些細な出来事なんかを膨らませて作ることが多いです。
――: 些細な出来事、というのは?
河野 例えばもうだいぶ前のことなんですが、コンビニに行った時、高校生くらいの女の子が 「何を食べたいんだろう」 って呟いたのが聞こえたんです。
――: ほうほう。日常生活における、ごく普通の疑問ですね。
河野 この台詞が 「私は何を食べたいんだろう」 という意味なら、彼女は普段どんな生活を送っているんだろう? という風なことを考えて物語を作ります。たぶん望んだものは大体食べられる生活で、食事にはそれほど拘りがなくて、でもできるだけ気に入る食事を見つけたくて、それは意外と難しいことで……という風に。さらにサクラダ的に考えれば、彼女の不満がどこにあり、どんなことを望んでいて、どんな能力を手に入れるのか、と考えていきます。
――: なるほど〜! ちょっとした物事の中にもネタはいっぱい詰まっている、と。そうして、同時にキャラクターもできあがっていくわけですね。


□■キャラクター
――: では、キャラクター名なんかはどうやってつけてらっしゃるんですか?
河野 浅井ケイは、まず 「ケイ」 という名前が決まっていました。その由来はアルファベットの 「K」 です。
――: 」 ?
河野 理由を説明し始めるとちょっと長くなるのですが……。一人称で書かれる小説には、主人公の名前を「私」や「僕」で統一して、本名を明かさないものがあります。その変形として、あだ名で呼ばれ続けるとか。
――: ああ、ちょうど乙一さんの小説にもそういったものがあったように思います。
河野 なぜそういうことをするんだろう?」と考えた時、「たぶん名前でキャラクターに個性がつくのが嫌なんだろうな」と思ったんです。大抵、人名は漢字だし、漢字には意味があります。どうしても、その意味に引っ張られると思うんです。で、読者が感情移入しやすい主人公を作る時、名前は邪魔なんだろうな、と。
――: サクラダの主人公も、そのようにしたかったと?
河野 はい。でもサクラダは、三人称小説の体を取っていることなどもあって、名前を伏せるのが難しかったんです。だから「最も意味を持たない名前」としてアルファベットを考えて、そこから人名にしやすい 「ケイ」 を選びました。浅井、はなんとなく、ケイに繋げた時、音の響きが良いような気がしたからで、深い意味はありません。
――: けれど春埼美空、は全て漢字ですよね? 
河野 春埼美空は、「春埼」という苗字が先にありました。というか、ハルキ、という読み方が、ですね。主人公がこのキャラクターを苗字で呼ぶことは、早い段階から決まっていたのですが、二人はそれなりに親しい設定でもありました。だから苗字なんだけど、どこか下の名前っぽく聞えるものにしたかったんです。
――: 「アサミ」とか「マキ」とかですか?
河野 そうです。そういった、苗字、名前のどちらにも使えそうなものを考えて、その中から「ハルキ」を選びました。美空の方は、音の響きで。意味はありません。
――: キャラクターを書くときの、モデルはありますか?
河野 キャラクターに関しては、基本的にはないです。漠然と、いろんな人の色んな要素を集めて作る感じですね。ただ、作中の描写なんかは、かなり実際の経験を元にしていると思います。例えば学校は、通っていた高校と中学を混ぜ合わせて描写していたり、という感じです。


□■最後に
――: では、最後に少しだけ 『サクラダ3』 について。作中の時期についてですが、いつ頃のお話になるんでしょうか?
河野 基本的には、1〜2巻の2年前、主人公たちが中学2年生だった頃のエピソードになります。
――: 今巻の見どころ、キーワードなどは何でしょう?
河野 キーワードは、アンドロイド
――: アンドロイド?
河野 そのまま、人間に似せて作られたロボットのことです。もちろん作中にロボットが出てくるわけではないのですが、でも物語の鍵になる言葉は「アンドロイド」
――: ロボットは登場しないのに、キーワードはアンドロイド……。よくわからないので、もうちょっと詳しく!
河野 これ以上、詳しく説明するとネタバレになってしまうような気がするので、あまり答えたくないです(笑)。ぼんやり 「サクラダにおけるアンドロイドとは、どういったものだろうなぁ」 と考えていて貰えると嬉しいです。
――: むぅ、わかりました。それでは、見どころは?
河野 今回は2年前のエピソードがメインなので、「ああ、中学二年生の主人公やヒロインはこんな感じだったんだなー」 と思いながら読んでいただければいいな、と思ってます。
――: では、期待してくださっている皆さまに一言お願いします。
河野 刊行ペースが遅くて、誠に申し訳ありません! 一所懸命書きましたので、読んで頂けると幸いです。『サクラダ3』は、1〜2巻でぼんやりとしか見えていなかったことが、もう少しだけくっきり見えるような内容になっている、はずです。
――: ほう! これは今から楽しみですね! 私も作品を手に取れる日を楽しみにしております。本日はありがとうございました!
河野 ありがとうございました!


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