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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『』(2011年03月)
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ソード・ワールド2.0リプレイ from USA 2
姫騎士襲撃−プリンセスナイト−


監修:北沢慶
著:ベーテ・有理・黒崎/グループSNE



 ドレイクでありながら人族側についた青年アンセルム。
 アンセルムに命を救われた姫騎士フェチの魔動機師クリフ。
 上司を殴り倒して騎士団をクビになった神官戦士エリヤ。
 押し付けられた人生に抗うため逃走したナイトメアのウィスト。
 波乱万丈な人生を流れ流れてやってきたグラスランナーのミケ。

 兄との対立により故郷ディルフラムを出奔したアンセルムは、蛮族の企みを人族に報せるためディルフラムで助けたクリフと共に鉱山と運河の街リリオを目指す。
 その途中、初仕事に向かう新米冒険者エリヤ・ウィスト・ミケの3人娘と出会い、アンセルムの正体を隠したままパーティを組むことになるのだが……。

 紆余曲折の末、リリオ評議会副議長の一人ウルゲンにアンセルムを認めてもらうことができた一行。
 しかし、ほっとひと息ついたのもつかの間。冒険者の店の奥の小部屋に呼ばれた彼らに極秘任務がくだされる。それは、誘拐されたリリオ評議会議長の娘を奪還すること!
 ただちに犯人を追う彼らを待ち受けていたのは……

 え、ほんとに姫騎士?!

 さらに、アンセルムまさかの大暴走! とばっちりをうけたウィストの悲痛な叫びがこだまする。そして暗殺者の正体はなんと××××・ニンジャマスター?!

 それぞれの事情で冒険者の道を選んだ5人の、人族と蛮族の垣根をこえた絆を描く異文化交流リプレイ。
 1巻をはるかにしのぐ爆笑の連続、阿鼻叫喚の第2巻ぜひお楽しみください!

いろんな意味で大型新人
ベーテ・有理・黒崎による異文化交流リプレイ!

――: 『ソード・ワールド2.0リプレイ from USA 2 姫騎士襲撃−プリンセスナイト−』(以下、『USA』)。ベーテさんは著者インタビュー初登場ですね〜。
ベーテ Yeees!(親指を立てて突き出す) 初めてでドキドキします。
――: ベーテさんは日米ハーフのアメリカ人で、アメリカにいた学生時代にTRPGを遊び倒したそうです。
そんなベーテさんが感じた
日米のプレイスタイルの違いについて随所に書かれているのが『USA』の見所のひとつになっていますね。
北沢 『USA』は2種類の異文化交流をコンセプトにしています。
ひとつが日本とアメリカのTRPG文化の差異。外国人GMが日本のリプレイ文化をどう見ていくのかという部分。
ベーテ それに対してもうひとつが、『BT』で追加された蛮族プレイヤーキャラクターの(すごくいい発音で)ドレイクが加わったことによる、人族と蛮族の異文化交流です。
北沢 TRPG文化の差異について語るだけなら1冊やれば十分だし、ベーテ君は書き手として非常に高い才能の持ち主だからイロモノで終わるのは勿体ない。
ということで、長く続けていけるようなしっかりした物語を目指しました。
――: なるほど〜。
ベーテ このリプレイの企画をいただいた時に強く思ったのが、王道とは違うダークヒーロー物みたいな……、例えば『ダークエルフ物語』の主人公(これもすごくいい発音で)ドリッズト・ドゥアーデンみたいに悪の勢力側の種族が正義に目覚めて、いろいろと辛い目にあいながらも人類のために戦う……。
――: ふむふむ。
ベーテ のとも若干違う、というか……。
――: 違うんかい(思わずツッコミ)。
ベーテ なんて言ったらいいのか説明が難しいんですが(苦笑)。ダークサイドのライトストーリーみたいな? とにかくまあ、そういう感じの物語を作ろうっ! と。
――: まあ、なんとなくわかるような気で、続きをどうぞ。
ベーテ なので(やっぱりすごくいい発音で)ドレイクのキャラクターを主人公に、人族の中に混じる蛮族ならではの様々な問題や諸々の事柄を描いていきたい、と思って、始めたリプレイ……だったんです
――: え、過去形?!
ベーテ ええ(キッパリ)。
北沢 いやいや、そう極端にはズレてない……はず。
秋田 (ボソリ)それ、「背骨が同じだから鳥類も人類も同じだ」って言ってるようなものですよ。
北沢 え、脊椎動物まで広がる?! せめて哺乳類にまとめようよ!
――: 例えばそれは、かっこよくキメたシーンをヘンタイが台無しにしちゃうようなところだったり?
ベーテ 台無しとは限らないんですが、強烈な味付けとしてヘンタイというのが……、1巻時はクリフだけでなんとかなってたんですけど、2巻でちょっと大変なコトが起きてしまって……。
一同 あー……。
北沢 でもそういった突飛な言動を抜きにしても、このメンバーはものすごい絶妙のバランスびっくりするくらい神懸ったストーリー展開を作ってるのがすごい。
例えばアンセルムが蛮族だってバレた原因とか、エリヤが本気で殴りかかったのをちゃんとクリフが庇うシーンとか。
――: たしかに、こんな流れは作ろうと思って作れるものじゃないですよね。
北沢 その結果、まあ……多少当初の予定からずれてたとしても、非常に面白いリプレイに仕上がったのではないかと。
読者の皆さまからいただくお便りの数や内容からも、概ね楽しく受け入れてもらえてるようで嬉しく思っています。
ベーテ HAHAHA. いつもお便りアリガトウゴザイマース!


You are very more funky!

――: アメリカのTRPG文化で育ったベーテさんに質問! アメリカではTRPGってすごくポピュラーな遊びなんですよね?
ベーテ はい。だいたい小学生高学年から中学生にかけて、インドアな趣味のある人なら1回くらいはやったことがある程度には。で、それを高校になっても大学になっても続けていく人たちが……。
北沢 今のRPG業界を支えているわけやな。
ベーテ そうです。全然関係ない業界の人でも、聞いてみれば学生の頃に1回くらいはやったことあるって人が多いです。
北沢 そういえば英語の勉強してた時に、男の先生は大概やってたって言ってたな。
ベーテ あぁ、そうですね。ほとんど男性の話だと思います。アメリカでもやっぱり女性人口は少ないですから。
一同 そうなんだ。
ベーテ 『D&D』やってるのはだいたい男性で、『ヴァンパイア・ザ・マスカレイド』になってくると女性比率も高まってくる、というおもしろい現象がおきるんですけどね。
『ヴァンパイア』は主に『goth』っていう人たちがやってて、わりと住み分けがあったりするんですよ。もちろん何でも遊ぶ中間層もたくさんいますけど。
――: 嗜好によって住み分けがあるのは日本も同じようなものですね。ちなみに、ベーテさんがTRPG始めたきっかけは?
ベーテ 幼馴染の兄がやってたんです。その時は人数が揃わなかったのでキャラクターを作っただけでしたけど。ちなみに、初めてのキャラはニンジャでした
――: 2巻でニンジャが出てきてたのにはそんな背景が?!
ベーテ はい。でも、それだけじゃなくてニンジャは大事です。アメリカ人がセッションやるとたいていニンジャ出すんですよ。
――: マジで?!
ベーテ アメリカ人はニンジャ大っっ好きなんで、全然オリエンタルな設定じゃなくても出てくる敵キャラは何故かニンジャ、という。
一同 へえー……。
田中 でも今の話の流れだと、アメリカ人のニンジャ好きはベーテ君のフィルターがかかってるだけなんじゃないかと思えてくる。
川人 いやいや、アメリカ人の血にはニンジャに対する憧憬が刷り込まれてるってことなんだよ、きっと。
ベーテ そういえば、ニンジャを出したセッションで、データを見たクリフのプレイヤーさんに「ベーテの作るデータはファンキーやなー……」ってしみじみした口調で言われたんですけど、あれが今までの『USA』セッションでいちばんショックな出来事でした。
一同 ショック受けるところそこなんだ?!(笑)
ベーテ 俺としてはアレは普通やと思ってたんですよ!
田中 アイツのロールプレイの方がよっぽどファンキーだと思うけどな。今度同じようなこと言ってきたらそう返したれ!(笑)


ふわっとアメリカンな感じって何だ?

――: そんなにポピュラーな遊びなのにリプレイ文化はない?
ベーテ ポピュラーだからリプレイで紹介する必要がないんだと思います。
一応ルールブック内に、遊び方を紹介するためのリプレイに近いものが載ってることはあるんですけど、だいたい1〜2シーンくらいでルールや戦闘の解説に使われる程度です。
――: 日本みたいにまるまる1冊の読み物なんかはない、と。
ベーテ 『ドラゴンランス』みたいにセッションを元にした小説ならたくさんありますけどリプレイ本はないですね。
田中 アメリカ人は他人のプレイングなんか気にしないんじゃない? 「みんなどんな風に遊んでるんかなー♪」って気にするメンタリティが。
ベーテ ああ、ないですね(断言)! 卓を囲んだ時に完全にわが道を行くっていう人ばかりではないですけど、他人がどういう風に遊んでるのかなんてどうでもいいので。
――: じゃあベーテさんは、日本のリプレイに触れて、実際に書いてみてどうでした?
ベーテ 日米のTRPG文化の差異を客観視するのがものすごく難しかったですね。
ちなみに『USA』の前に書いた『マージナル・ライダー』外伝リプレイの時は、先に掲載されてた作品を参考に日本的普通を目指したので、『USA』とはだいぶテイストが違ってますが。
北沢 アレもあんまり普通でもなかったけどな……、まあいいや(笑)。
アメリカ人のここが変っていう部分を書けって言われても、ベーテ君にとっては普通にしてることなので、何がおかしいのかわからないんですよね。
ベーテ 何より最初は「アメリカっぽく」って何なんだろう? ってすごく悩みました。プレイ中にツッコミが入ればわかるんですけど、そういうところばっかりでもないので、何度も音声データを聞き直して確認したり。
北沢 どういう部分がアメリカっぽいのかっていうのをピックアップして調整する作業が大変で、第1話の原稿が完成するまでが一番苦労したよね。
みんな、なんとなくふわっと「アメリカンな感じ」って、ふわっとした意見しか言わないから(笑)。
ベーテ 実際にそれがどれだけ受け入れられるかっていうのもわからなくて不安で。1巻が発売されてようやく吹っ切れた感じです。


ドラゴンマガジンに外伝リプレイ掲載!

――: 2巻で大暴走してしまったアンセルムですけど、まだ真面目でかっこよかった頃の彼がクリフと出会って蛮族の国から脱出する外伝リプレイが、ドラゴンマガジン2011年1月号から全3回掲載(※)されましたね。
 
 ドラゴンマガジン2011年1月号 第1話 『蛮域脱出―ディルフラムエスケープ―』
 ドラゴンマガジン2011年3月号 第2話 『妖魔必殺―ゴブリンズマストダイ―』
 ドラゴンマガジン2011年5月号 第3話 『犬小鬼之里―コボルドへイヴン―』
 
ベーテ この外伝連載で一番衝撃的だったことは、第3話のセッション中クリフが1度も「姫騎士」って言わなかったことです。
一同 な、なんだってー?!
ベーテ 「姫騎士」って言えなくなる程追い詰められてる様子を、ぜひお楽しみください(笑)。
――: 外伝リプレイでは、二人の脱出に協力してくれる新キャラちゃんがとにかくすごくて、クリフがツッコミ役に回ってるというのもびっくりですよ。
ベーテ もしドラマガを買い逃しちゃった人は、文庫にまとまるよう富士見書房さんに熱烈なラブコールをぜひ!
北沢 できれば単行本化まで持っていきたいので、ぜひ応援お願いします。


++ オマケのこぼれ話 フィリーチーズステーキ ++




次回サプリは魔法データ集!
夏までの刊行予定

――: それでは最後にSW2.0全体の今後の予定をお願いします。
北沢 まず5月には秋田さんの『ソード・ワールド2.0リプレイ 新米女神の勇者たち 11』が出ます。
――: ついに最終巻ですね!
秋田 とりあえず、セッション中ことあるごとに「ここで負けたら12巻♪」ってみんなで楽しげに言うのが恐ろしかったです。
――: ぞんざい勇者団が敗北したら『新米女神の勇者たち』が終わって『新米神の蛮族たち』が始まるとSNE内でウワサされてましたが。
北沢 ひとまず無事……かどうかはともかく、大団円を迎えたようです。
秋田 初めての7人セッションほか、いろいろがんばりました。
ついに
融和神アーメスの特殊神聖魔法も登場し……、アーメスたんの信者になりたいってちょっとだけ思いました(笑)。
アーメス信者になりたい人もそうでない人も、どうぞ楽しみにしていてください。
北沢 6月にはベーテ君のリプレイ『ソード・ワールド2.0リプレイ from USA 3 竜魔争鳴 − ラヴコンフリクト −』と、小説の新シリーズ『ソード・ワールド2.0ノベル 堕女神ユリスの奇跡』が出ます。
ベーテ 『USA』3巻はえらいことになります。主にウィストが
――: 2巻でも散々だったのにあれ以上に?!
ベーテ はい。どうえらいことかは6月をお楽しみに。
北沢 小説は僕の作品で、魔剣に呪われた青年が「自称女神」の女の子と邪竜退治に行くお話です。
 そのあと7月は1回お休みして、8月魔法を中心にしたデータ型のサプリメント
『ソード・ワールド2.0サプリメント ウィザーズトゥーム』。現在鋭意製作中です。ぜひご期待ください。
 同じく8月には『R&R vol.65〜66』に掲載された清松さんの15Lvセッションリプレイに書下ろしを1本追加した
『ソード・ワールド2.0リプレイ 滅びのサーペント』も出ますので、こちらもどうぞお楽しみに。
――: 夏まで盛りだくさんですね。
北沢 この他にもいろいろやっています。まだ企画段階のものも多いですが、お伝えできる時期が来たら順次お伝えしていきたいと思いますので。
SW2.0スタッフ一同 今後ともSW2.0をどうぞよろしくお願いいたします!
――: ありがとうございました〜。



――: あ、忘れるとこだった! 田中さ〜ん! マージナル外伝はいつですか?!
田中 ま、まもなく……。お待たせして申し訳ありません!
――: だ、そうです。こちらも楽しみにお待ちくださいね!


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