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ボード/カードゲーム特集 (2012年05月)
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ボード/カードゲーム特集

 今回は最近出たボード/カードゲームやその関連本の特集、豪華3本立て。
 まずは、好調なRPGデック構築型の「サンダーストーン拡張セット3 
竜の尖塔」とその解説本「サンダーストーン 完全ガイドブック2」。
 ついで、去年1年の海外ボード/カードゲームのレビュー、リプレイに加え、日本の同人ゲームやiOSアプリまで幅広くとらえた紹介本の決定版「
ボードゲームストリート2012」。
 そして、ようやく出ました、「キャット&チョコレート」の海外版で、米、独、仏版と世界同時発売というカードゲーム「
テキサス・ゾンビース」。
 これらのインタビューと同時に最新情報(「サンダーストーン」のさらなる続編や「アドバンス」、ドイツゲーム大賞の行方、「テキサス・ゾンビーズ」に続いての「シルク・ドゥ・モンスター」などなど)もお伝えします。インタビュアーもこれにあわせて3人が回りもちという豪華版。
 楽しみにお読みください。
2012年5月 発行
安田 均

  目 次


サンダーストーン
拡張セット3 竜の尖塔
完全ガイドブック2

サンダーストーン』の新たな世界が開かれる!
 2012年3月、すべての雷石を望むものが待ちに待った『サンダーストーン拡張セット3 
竜の尖塔 完全日本語版(以下『竜の尖塔』)』が発売された。拡張セットでありながら、それ単体で独立して遊べるという、新たなコンセプトを引っさげてやってきたのだ。
 この発売を受け、グループSNEでは安田均、柘植めぐみ、大井雄紀の3名がふたたび立ち上がった。そう、『竜の尖塔』をも網羅した『サンダーストーン 
完全ガイドブック2』を皆様の手元にお届けするためだ!
 今回は柘植めぐみ大井雄紀の両名に『完全ガイドブック2』の見どころや、『竜の尖塔』で広がった新たな遊び方についてインタビューするぞ。


 


●完全ガイドブック2、発売!
―― まずは『完全ガイドブック2』の発売、おめでとうございます。
柘植
大井
わー(拍手)。
―― 前回の『完全ガイドブック』から1年ちょっと、といった時期の発売でしたが。
柘植 竜の尖塔』の発売決定を受けて、企画が立ち上がった形です。
大井 ありがたいことに前回の『完全ガイドブック』でご好評をいただいていましたので、コレはやらなきゃ嘘だろう、という思いもありました。
―― 実際の製作体制は、どのような感じでしたか?
柘植 冒頭の「ソロリプレイ」や用語集ルールのおさらいや追加ルール解説は私が書きました。
大井 『竜の尖塔』のひとつ前のカードセット『サンダーストーン拡張セット2 宿命の軍団 完全日本語版(以下『宿命の軍団』)』を含めた、すべてのカードリストのテキストとコンボ集、他のセットを混ぜたオススメのカードセレクト例なんかは僕が書いています。大好評の解説コミック「スピタのコピタの!」は、緑一色さんが「Role&Roll」誌用に描き下ろしてくださったものを転載させていただきました。
―― そしてボス(安田均)に監修作業をお願いしたと。
柘植 はい。今回もアイデアをいただいたり、最終的なチェックをお願いしたりと、助けていただきました。
―― なるほど。『竜の尖塔』の発売が3月で、『完全ガイドブック2』は4月末に発売ということでしたが、3名ともかなり大変なスケジュールだったのでは?
柘植 正直に言えば、ちょっとだけ大変でした(笑)。でも、皆様に早くお届けしたいので、頑張りましたよ!
大井 カードリストやコンボの解説なんかは、プレイヤーとしてはかなり欲しいものなので、急いで取り掛かりました(※こぼれ話1)。
柘植 大井くんの主観によるコメントだから、ちょっと面白いことも書いてあるよ(笑)。
大井 『サンダーストーン』通ならニヤリとするコメントもあるはずです。

●『竜の尖塔』はココが違う!
―― では『完全ガイドブック2』でメインに解説されている『竜の尖塔』の詳しい内容を教えてもらいたいと思いますが。
大井 OKですよ。『完全ガイドブック2』では『宿命の軍団』と『竜の尖塔』の追加ルールを詳しく解説していますが、なによりお伝えしておきたいのは、コレです!
『竜の尖塔』は拡張セットでありながら、それ単体でもゲームが遊べる!
―― これまで『サンダーストーン』を遊んだことない人にもオススメしやすいですね。
大井 はい。『サンダーストーン 完全日本語版(以下『基本セット』)』に入っているカードのなかから、基本カードが再録されています。
柘植 他にも経験点がチップになったり、再録されたカードのイラストがリニューアルされていたりするので、遊んだことがある方でも美麗なイラストやコンポーネントを堪能して欲しいですね(※こぼれ話2)。
―― ダンジョン用のボードも追加されましたしね。で、新要素とか、どうです?
柘植 もちろんあるよ。これまでの拡張セットで登場した「」や「宝物」の新カードはもちろん、「環境設定」っていうのもある。
―― 「罠」や「宝物」は、コレまでと同じように山札に入るものですよね。それとは違う「環境設定」ってのに、もう少し突っ込んでもいいですか?
柘植 「環境設定」はゲーム中ずっと効いている効果で、『サンダーストーン』のルールを一部変更するものです。たった1枚の効果で、劇的に感覚が変わりますよ。
大井 『竜の尖塔』の目玉とも言えるシステムですよ。
―― ドヤ顔だな(笑)。具体的な効果で分かりやすいものとか、あります?
柘植 そうだね……「モンスターの金貨値が無効」とか?
―― うわ、ひど!(※こぼれ話3
柘植 まだやさしいほうだよ(笑)。『竜の尖塔』には、そういったルールを変更する「環境設定」カードが7種類入っています。
大井 解説コミックでは「ダンジョンホールふたつ」の「環境設定」でのプレイもされてますよ。個人的には一番オススメですね。
―― ダンジョンふたつ? じゃあ《サンダーストーン》はどっちに入ってるの?
柘植 どちらにも入ってます。そのため『竜の尖塔』には《サンダーストーン》が2枚用意されているんだよ。
―― すげー!(笑)
柘植 れまでカードセットを変えて何度でも遊べるのが『サンダーストーン』の特徴だったけど、「環境設定」は同じカードセットでもさらに違う遊び方ができて、よりバリエーションが広がったと思います。
大井 初めて遊ぶときから入れると考えることが多くなっちゃうかもしれないけど、慣れてきたら是非導入して欲しいですね。
柘植 これまでのセットをすべて持っている方は、大井くんが用意してくれたオススメの「カードセレクト例」で遊んでみてください。
大井 「環境設定」2枚とか、お祭りっぽいセレクト例もありますよ。

●これからの『サンダーストーン』
―― 『完全ガイドブック2』があれば、これまでの『サンダーストーン』が遊びつくせそうですね。では、これからの『サンダーストーン』についても少しお聞かせください。なんか、いろんな場所で動きがあるとか?
柘植 はい。まず、拡張セットの第四弾として『ソーンウッドの猛襲』が夏ごろ、完全日本語版として発売される予定です。その後も海外の英語版では『Heart of Doom(宿命の心臓)』という拡張セットが出ています。
―― さらに新要素が追加されてお目見えというわけですね。
安田 (突然乱入) 聞いてたけど、ここからはぼくが――もっと言うなら、『Heart of Doom』の後、『サンダーストーンアドバンス』というのが今年の春、海外で発売されたね。これは『サンダーストーン』の進化版といった感じで、手番でのプレイヤーの選択肢が増えてたり、《民兵》の使い勝手がよくなっていたりする。《民兵》と相性のいい武器があったり。プレイヤーが「使い魔」っていう、自分だけの1枚を持てるようになったりね。
―― なにやら、今までとは違う匂いがしてきましたね。
安田 大井の民兵嫌いもこれまでだな(笑)。
柘植 『サンダーストーン』の世界を楽しみにしている皆さんにとっては、耳寄りな情報だと思います。これの拡張版も7月にはお目見えするとか。
―― ずばり、こちらを日本語訳する予定はあるんでしょうか?
柘植 もちろん、皆様のご声援がいただければ、頑張りたいと思っています! だけど、まずは『ソーンウッドの猛襲』ですね。
大井 またコンボの幅が広がるのを楽しみにしています。個人的には「包囲戦」の要素が楽しみですね。
―― 「包囲戦」ですか。また面白そうな用語が聞こえてきましたが。
柘植 『ソーンウッドの猛襲』のモンスターには「シージ攻城兵器)」っていう分類があって、それがダンジョンにいると、折々に砲撃を受けて村のカードが廃棄されていきます。いつの間にか買おうと思っていた英雄がいなくなっていたりするので、緊張感がありますよ。
―― なるほど、ちょっとタワーディフェンスっぽくなってるわけですか。
大井 これまでの『サンダーストーン』がヌルいとか思ってる人は、かなりびっくりするかも知れませんね。

●まとめ
―― というわけで、『完全ガイドブック2』をはじめとしてイロイロ語っていただきましたが。
柘植 まだお伝えしきれないほど、『サンダーストーン』の世界は広がっていますよ。コラムでiPhoneのアプリとかの紹介もしたけど、Facebookでは『サンダーストーン』がオンラインで無料で遊べるようになってます。
―― なんと『サンダーストーン』もオンライン対戦ができるんですか。
柘植 まだ全部英語だけど、カードイラストでカードを覚えてる人はそのまま遊べると思いますよ(笑)。
大井 オフラインでは家でソロリプレイを参考にしてソロで遊び、オンラインで対戦すれば「いつでもサンダーストーン」ですよ!
柘植 それも『完全ガイドブック2』に載せたかったんだけど、分量の都合で今回は泣く泣くカットしました。
大井 僕、『完全ガイドブック2』用に7つコラム用意したんですよ。けど、スペースの都合でそのうちの3つしか載らなかった。
柘植 私はひとつだけ書いたんだけど、そんなにあったなら君のを載せてもよかったね。
―― それは、どこかで陽の目を見たりしないんですかね?
大井 きっと『完全ガイドブック3』でお目見えしますよ。
―― おぉ、それは期待ですね。『ソーンウッドの猛襲』と『Heart of Doom』が発売されたら、またカードリストや解説が欲しくなるはずですし。
柘植 皆様に『サンダーストーン』を遊んでいただければ、『完全ガイドブック3』もぜひお届けしたいと思っています。
大井 Role&Roll』や『ボードゲームナビ』には僕と河端ジュン一がサンダーストーンの記事を連載しています。最新情報はそちらでチェックしてくださいね!
―― これからも『サンダーストーン』の展開から目を離さず、チェックして欲しいですね。皆様、ぜひぜひ応援よろしくお願いいたします。
 
安田
柘植
大井
よろしくおねがいしまーす!
→目次


 

 ボードゲームストリート2012 ◆

 2011年のボードゲーム事情を総ざらい! 『ボードゲーム・ストリート2012』がついに発売となりました!

 

 2000年〜2009年に発売されたボードゲームを紹介した『ボードゲーム・ジャンクション』、2010年の総ざらいをした『ボードゲーム・ストリート2011』の好評を受け、今年も出させていただきます、グループSNE渾身のボード/カードゲーム紹介本
 15分で終わる簡単なゲームから2〜3時間のヘビーゲームや、果ては同人ゲームにiOSアプリまで――ボードゲームに関する、あらゆるジャンルを網羅して掲載しているうえに!
 会話形式で詳しいゲームプレイ風景がわかる「リプレイ」、遊びやすいライトゲーム中心に取り上げた「ウニ頭にもできるもん!」、普段からボードゲームに深く携わっている著者陣が2011年のゲームについて本音トークをぶっちゃける「座談会」なども収録。
「これから始めたいけど何を買ったらいいか分からない……」「ボドゲはやり込んでいるが、新鮮で面白いものだけを求めている!」なんて方、必携の一冊となっております!

『ボードゲーム・〇〇』シリーズ3冊目と言うことで、内容は昨年バージョンと変わらず、おもしろいです。今回はちょっと視点を変えて、「昨今のボードゲーム事情」にスポットを当てる形でインタビューを敢行しましたのでご覧くださいませ。
 インタビューされるのは安田均秋口ぎぐる笠井道子柘植めぐみ石在神明です(多いけど、いつもどおり!)。

●はじめに
〜ドイツボードゲーム大賞候補作・発表!〜
―― では、インタビューを始めたいと思います。よろしくお願いします。
一同 よろしくお願いします〜。
安田 いきなりだが、まず言っておきたいことがある!
―― わっ! ……な、何ですか急に(笑)
安田 本書は5月に出た1年前の海外ゲームを総括する本ということで、その2日後に発表された「ドイツゲーム大賞」の候補作について触れねばならないだろう……。
―― むっ、そういえばそうですね。

 なんと、この本の発売の翌々日に「ドイツゲーム大賞」の候補が発表されました!

安田 いやー、恐ろしいことですよホントに。すぐあとに評価が適正か判断されるんだから(苦笑)。
―― 結局ラインナップはどうなったんでしたっけ?
安田 上級ゲーム賞の方に、チョイスした『K2』が選ばれていてホッとした、というのが本音です(笑)
―― おおっ、それはよかったです(笑)。『K2』は確か雪山を登っていくゲームですよね。ルールはシンプルながら考えるので、とても好きなゲームです。
※なお『K2』については一つ、誤植がありますのでお詫びをさせていただきます。本書内でプレイをついうっかり「12ラウンド」と書いてありますが、正しくは「18ラウンド」です。ご注意ください。(安田)
安田 さらにドイツゲーム大賞と言えば、もう一作! 『村の人生』は、出た時期が12月か2012年1月かぎりぎりだったから、本には載せなかった――これもいいゲームなので、今回はこの2つの戦いになると思いますよ! あと、今回候補には挙がらなかった『トラヤヌス』や『おかしな遺言』もゲームとしてはまちがいなくおもしろいです。こちらもヒヤヒヤしながらカウンター誌ベスト10と比べたりしたら、一致してたのでホッとした。ドイツゲーム賞の方に期待かな。
―― なるほど、最新の予想というわけですね。ちなみに上級ゲーム賞でない本大賞の方はどうですか?
安田 うん、こちらは、さらに戦々恐々といった様相だよ。『キングダム・ビルダー』『ベガス』『ロバの橋』というメンツが揃っていますが、『キングダム・ビルダー』と言えば……
―― 言えば?
安田 柘植が何やら言いたげな目でこちらを見ている(笑)
柘植 い、いえ、特には。フフフ〜ン……♪(鼻歌)
―― ああ! そういえば柘植さんは、本書「座談会」の中で「コンポーネントがちまちましていて遊びづらい……」とかなんとかおっしゃってましたよね。
柘植 わーわー!(動揺)
―― 言いました、よね?
柘植 ……言った、けど、いいゲームではありますよ!? ……ただ、ちょっと遊びにくいだけで。
一同 (笑)
―― 良いと思います(笑) ゲームの好き嫌いは人それぞれですものね。

 のちのドイツゲーム大賞候補作を指して、こんなに自由な会話を繰り広げていいのか!? 誰かに叩かれやしないか!? と見ていて不安な「座談会」は本書内に絶賛収録されておりますので、ぜひご覧ください。
 私的な見どころは、各々が選んだ「2012年好きなゲームベスト3」。それぞれの著者が完全なる好みで選んでますので、自分と似たキャラクターの著者を探していただきながら「あ〜わかる、わかる!」と相槌を打っていただくと面白いと思います。

●安田均の大賞予想!
安田 そして、肝心の大賞ですが――たぶん『ベガス』が取ります(どーん!
一同 (うんうん、と無言の頷き)
―― 『ベガス』と言えば……サイコロを使った、ルール説明が5分で終わるあのゲームですよね? 確かにめちゃめちゃ面白かった覚えがあります。
笠井 どこが出してるゲームでしたっけ?
安田 なんと「alea」なんですよ。今までは大人向けのゲームを作ってた会社で、デザイナーも重たいゲームが好きなタイプが多いんだけど、今回は軽くて、でも考える人は考える、とてもいいゲームを作ってきました。
―― 最近、社長は軽いゲームを推していますが、ドイツの方でもそういう流れなのでしょうか?
安田 石在は「ドイツゲーム大賞は2005年あたりから流れが変わった」とか偉そうに言ってたな。
石在 偉そうにはしてないです!(苦笑) でも、『マニラ』と『ナイアガラ』が争ったときに『ナイアガラ』を取ったのは、ファミリー向けへのシフトの表れだったのかなあとは思いました。
安田 2001年に『プエルトリコ』じゃなくて『ビラ・パレッティ』が取った、なんてのもファミリー向けっぽいよね。

 ドイツゲーム大賞は2011年から、いわゆる「大賞」と「上級ゲーム賞」の二つを設けたことで、ざっくり言うと、それぞれ「軽いゲーム」「ガッツリ遊べるゲーム」に選定基準が分かれました。
 これは「ボードゲームの広がり」「ファミリー向け」を意識してのことでしょうが、とはいえボードゲーム界において世界一の名誉と言っても過言ではないドイツゲーム大賞が明確に「軽め」へシフトしているのはホントのところ。今後、世界中のゲームにどう影響を与えるでしょうか?
「ボードゲームストリート」も、既に2011年の頃から軽めのゲームを中心に取り上げていますので、この「時代の流れ」を肌で感じて頂けたらと思います。

笠井 それにしても、この場で、こうしてドイツゲーム大賞の話をできるのは面白いですね。『ボードゲームストリート2013』が出るのなら5月に発売するといいかも。
安田 ちょ、ちょっと待て! こんな怖いこと何度もするのか!?
柘植 笠井さんは自分が取り上げた『カリマンボー』が推薦作に選ばれてたから嬉しいんですよ。
笠井 うん(笑) 『カリマンボー』だけじゃなく、「ウニ頭」は毎回いいゲームを取り上げてるよ? 去年は大賞の『ディクシット』も掲載したし。
―― 強者の余裕というやつですか……(苦笑)

カリマンボー』は、世界観が「サイにぶつかられないように、あと、ウ〇チを踏まないように頑張る」という、いかにも子供が喜びそうな簡単なゲームです。
 本書に掲載されている「ウニ頭でもできるもん!」では、こういったカジュアルゲームを中心に、初心者と一緒の卓でも遊びやすいゲームをふんだんに紹介していますのでお楽しみに!(こぼれ話4)

●同人ゲームについて
―― あと最近盛り上がりを見せる同人ゲームについてはどうでしょう?
石在 盛り上がってますねー。特に注目すべき作品は、やはり『キャット&チョコレート』に『歌って♪ボーカロイド』に……
―― めちゃめちゃCMしとる(笑)
石在 すみません。いや、真面目に勢いはありますよ。ゲームマーケットなんて回を増すごとに熱気がすごいですし。
―― 半期ごとに巨大化していってますよね。このまま行くと来場者数5000人越えのイベントになる日も遠くなさそう。
石在 SNEの作品だけでなく『Hattari』(原題:藪の中)や『グリモワール』が海外でリメイクされるなど、日本の同人ゲームから生命力を持った作品はこれからもたくさん出てくると思います。

 やはり一般層に土壌ができつつあるということでしょうか? 『ボードゲームストリート2012』では、同人ゲームを取り上げるだけでなく、見やすいリストも収録しています。
「海外産のゲームには、どうにも抵抗があって……」という方は、このリストを見て軽い同人ゲームを購入されることもおオススメします!
 ちなみに最近のゲームマーケット2012春についてのレポートはこちらからどうぞ。

●「iOSアプリ」について
―― 今回アナログゲームだけでなく、それのiOS版についても紹介されていますね。
安田 面白いゲームは続々アプリ化されていっていますよ! 『チケット・トゥ・ライド』なんて「え、こんな値段で遊べちゃっていいの!?」という感じです。
―― だいたい高くて600円くらいですよね。
柘植 全部そんな感じです。とにかく安い。
笠井 気に入ったゲームが見つかると、半年以上、平気で遊んじゃいますね〜。
―― 笠井さんは、僕がお昼に出社すると、だいたいiPadをいじってますもんね。
笠井 悪いかい(笑)
安田 最近で面白かったのを言うと、タワーディフェンスでRPG的な『ディフェンス・クロニクル』、漂流物でRPG風リソースマネージメントな『アイランド・カスタウェイズ』。
笠井 『アイランド・カスタウェイズ』は、「ロマンス小説」的なフレーバーを持っています。
安田 分かりやすく言うと「あっちの昼ドラ」なんだけど、笑えるんだ。

 本書の「iOSアプリ」紹介コーナーでは、主にアプリ化されたボードゲームについて紹介しています。他にも、SNEのサイトでは「I gotta iPad」というコーナーで「ウニ頭」の笠井が独断と偏見で選んだiOSアプリを紹介しています。よろしければご覧ください!

●おわりに
―― と、盛りだくさんの内容でお届けする『ボードゲームストリート2012』ですが……最後に読者の皆様へ、一言、お願いします。
安田 はい。――なんだかんだで『ボードゲーム・ジャンクション』を含めると3冊目を発売できることとなりました。正直、はじめは誰もが2冊目(『ボードゲーム・ストリート2011』)を出せるなんて思ってもいませんでしたが(笑)、この結果は間違いなくユーザーの皆さん人口が増えて、応援していただいているおかげです。ありがとうございます。良い本になっていると思うので、ぜひ手に取ってください。
笠井 日本だけでなく、ボードゲームは世界に広がっていますよね。チェコ、ポーランド、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー……という北欧、東欧から。
秋口 スペイン、ポルトガル、ギリシャもあります。
柘植 あと、アジアも盛んですよ。中国ではもうボードゲーム万博が開かれて、日本のゲームマーケットの3倍の1万人以上を動員しました。
安田 はい。これから、ボードゲームの波はどんどんと大きくなっていくと思います。SNEとしても『マーメイドレイン』や『キャット&チョコレート』(『テキサス・ゾンビ―ズ』)を皮切りに世界に目を向けていますので、なお一層の応援をよろしくお願いします。
一同 よろしくお願いします!
◆告知
安田 というわけで、最後にちょこっと、これはうちのボードゲーム制作についてのお話なんですけど。
―― はい。
安田 今度のJGCでついに! 約2年間の歳月を経て調整をかけてきた『シルク・ドゥ・モンスター』が発売となります! 世界初のデック構築オークション・ゲーム!! 富士見/ブシロードさんの広告スケジュールなどで、8月31日に発売となりますが、いいものになっていると思いますので、ぜひよろしくお願いします。
―― おお! これは私の方からもよろしくお願いします!
秋口 よろしくお願いします。
安田 JGCでは「体験会」や「大会」なども開けるはずです!
笠井 皆さん、ぜひ遊びに来てください。ウニ頭ゲームもよろしくね。
→目次




テキサス・ゾンビーズ
―― それでは最後に、2012/05/19に発売された『テキサス・ゾンビーズ』について、デザイナーの秋口ぎぐるさんにお話を伺います。聞き手は笠井(道子)です。よろしくお願いします。
秋口 イエイ♪
―― (笑) すでにご存じの方も多いかと思いますが、『テキサス・ゾンビーズ』は2010年日本ボードゲーム大賞を受けた『キャット&チョコレート』の海外版になります。

キャット&チョコレート』(以下「キャッチョコ」)
 秋口ぎぐるが「川上亮」名義で出した同人ゲーム(発売:Qvinta essentia)。
 プレイヤーは数々の難題を切りぬけ、幽霊屋敷から脱出しなければなりません。けれど手元にあるのは、チョコレートやらネコやら口紅やら、一見使えなさそうなアイテムばかり。
それで、どうやって幽霊退治すんねん」というのを、機転(と口先三寸)で他プレイヤーに納得させる――そのナンセンス・ユーモア遊びやすさが愛され、2010年ボードゲーム大賞を獲得。2011年(株)アークライトから第二版が出版されました。簡単で楽しいパーティゲームです。


●キャッチョコ」から『テキサス・ゾンビーズ』へ
―― まず最初に、そんな「キャッチョコ」がMoonster games社から発売されることになった経緯をお聞きかせください。
秋口 ごめんなさい、じつはそこら辺のこと、『ボードゲームナビ 2012-01』(2012年5月11日発行/新紀元社)で、もうがっつり語ってるんですよね。
――
ええー、うそ? (あわてて『ボードゲームナビ』をぱらぱら) 
なんと、聞きたかった移植への経緯や苦労話からリプレイまで懇切丁寧に。
秋口 ええ、6ページにわたって延々と(笑)。
―― ……(己の不覚にしばしぼう然)
秋口 ほんま、すみません。
―― ……インタビュー、つづけます……。
秋口 つづけるんや(笑)。
―― だってさ! 「キャッチョコ」を世界で最初に売ったのはわたしやねん。このまま引き下がったら沽券に関わるやん。
秋口 (なんの沽券……?) 言われてみれば「キャッチョコ」の初お目見えは、2010年4月のSNEコンベンションでしたね。
―― そうですよ、印刷所から届いたばかりのほやほやを笠井商店で売ったんです。購入した方々が即フリープレイ卓で遊んでくださって、本当に大盛り上がりでしたよね。
秋口 その後「ゲームマーケット2010 春」に出展し、10月、ドイツ・エッセンの国際ゲーム祭ヤポンブランドさんのブースに出展しました。
―― で、Moonster games社とのお話がまとまった、と。
秋口 数社からオファーはあったんですが、いろいろ考えてMoonster gamesにお願いすることになりました。
―― まさに、とんとん拍子?
秋口 じつは「キャッチョコ」には元から英語版ルールが付属してるんですが、あれはSNEのベーテ(・有理・黒崎)くんが協力してくれたんですよ。
―― おおっ、それはいい、いままでほとんど出てない情報だ!
秋口 ま、まあ、そうかな(笑)? で、ベーテくんの翻訳があったから、これほど早く話が進んだんだと思いますね。

つまり、秋口さんのなかでは当初から海外展開を見据えていた、と。
そして、いざそれが実現するとなったとき――

―― Moonster games社からフレイバー世界観を変えたいという話が出てきた?
秋口 そうです、フレイバーはゾンビ、タイトルは『テキサス・ゾンビーズ』で。
―― もうね、100万回くらい同じこと言ってきて、うんざりだと思うけど――
秋口 なんでテキサスゾンビやねんっ!」と。「きみらフランス人ちゃうんか」と(笑)。
―― ですよね。で、ちょっと調べてみたんですが、何年か前テキサス大学の近くのデジタル道路標識が「ゾンビ注意(Zombies Ahead)」と書き換えられるイタズラがあったみたいですよ。
秋口 へえ、それは知りませんでした。
―― わたしも。でも意外と、西洋文化圏の人にとって「テキサスといえばゾンビ」は常識なのかもしれませんね。
秋口 そのあたり、今度ベーテにたしかめてみよう。


●発売まで
―― 世界観はがらりと変わったものの、いろんな方のご協力もあって、話は比較的すんなりとまとまったんですよね。
秋口 はい、当初フランス語版と英語版、独語版の予定だったんですが、同じならSNE日本語版も出そうということなり、いっしょに作ってもらいました。日本語翻訳はSNEが担当したんですよ。
―― 翻訳の翻訳のそのまた翻訳――って、もう頭がこんぐらがりますね。
秋口 ですね(苦笑)。ところが、いざ印刷という段になって頼みの印刷所が倒産したり。
―― あったあった! ようやく製品ができあがってからも、発送の連絡が来なくて「いったいいま、荷物はどこに?」とかね。
秋口 そうした事情で発売まで予想以上に時間はかかりましたが、今年5月の「ゲームマーケット2012 春」で、無事先行発売を行うことができました。
―― 売れ行き、ずいぶん好調だったと聞いています。「キャッチョコ」同様、たくさんの方に遊んでいただけたらうれしいですね。

●そして『テキサス・ゾンビーズ』
―― インタビューにあたって昨日『テキサス・ゾンビーズ』を改めて遊んだんやけど。
秋口 ほうほう。で、どうでした?
―― 「キャッチョコ」は幽霊屋敷からの脱出やったけど、こっちは「廃棄された軍事工場(いまは麻薬工場)のゾンビから脱出」に変わったんよね。
秋口 ええ。
―― 思うねんけど、ゾンビて物理攻撃、効くんよねえ。どんなアイテムでも投げつけたら相手は後退する、みたいな。
秋口 力でゾンビを追い散らしてく感じ(笑)?
―― そうそう、「キャッチョコ」の心理的怖さ不条理感とはまた別の、豪快な面白さっていうのかな。これはこれで赴きがちがってて楽しい。映画なんかでもようあることやけど、海外ではこういう「わかりやすい」怖さが受けるんでしょう。
秋口 じっさいに、どんなふうに遊ばれてるのか、興味のあるところですね。
―― あ、それはGenconとかOrigins(ともにアメリカを代表するゲーム大会)で、RPGの合間にさんざん遊ばれてると思うよ。ノリノリの身振り手振りで、ゾンビから逃げだすゲーマーたち。
秋口 やってそうですね。あと、ルール自体は「キャッチョコ」とほぼ同じなんですが、アイテムカードが半分近く入れ変わっています。
―― 「ピザ屋のクーポン券」とか「キャッチョコ」にはなかったよね。あれ、便利なのよ。このあいだ遊んだとき、倉庫で迷子になったけど、ピザの出前を頼んで連れだしてもらった。さすがアメリカやん、と感心してたけど――
秋口 Moonster gamesフランスの会社です(笑)。
―― やね(笑)。
秋口 ほかにも「」とか「」とか楽しいアイテムがありますし、種類も40枚から50枚に増えています。
―― あと、プレイヤーのひねり出した回答(解決策)の可否を他プレイヤーが判定するとき、親指を上向けて「Good」、下向けて「NG」と意志表示するようになったね(「キャッチョコ」ではSAFE/OUTカードを利用)。
秋口 あれはよく考えたと思いますね。カード枚数も減らせますし、ジェスチャーのほうが楽しいですから。
―― それでは最後に「これだけは言っておきたい」ということ、なにかありますか。
秋口 う〜〜〜ん、そうですねえ(沈思黙考。一瞬後)……あっ
―― お?
秋口 です、このボックス
―― はこ?
秋口 ちゃんと縦長の箱なのに、ほら、カードがどうやっても縦一列にしか入らない。
―― あれ、横2列にも入らへんの?――ほんまや、無理やり入れたら、ちょっと箱が膨らむ。
 
秋口 でしょ? 発注のとき、内径と外径をミスしたんですよ、たぶん。
―― ……箱の厚みを忘れたな、Moonster(笑)。
秋口 なので、これだけはどうしても言うときたかったんです(笑)。
―― 了解、じゃあ、ユーザーさんにどれだけ価値のある情報かはさておき、大文字で書いておきましょう。
 というわけで、「キャッチョコ」の面白さそのままに、異なるフレイバーで遊べる『テキサス・ゾンビーズ』、ぜひみなさんも機会がありましたらお手にとってみてくださいね。
秋口 うん、海外の方の感想も聞きたいけれど、むしろ日本の方々の感想を知りたいですね。
―― それはそうですね。『テキサス・ゾンビーズ』を遊んだ方、ぜひグループSNE宛てに感想のお便りください。
→目次


最後に、グループSNEはRPGだけでなく、いろんなゲームの分野に挑戦していきます。
オリジナルゲームも開発中。
ほかにも、新しい企画夏のJGCに向けて進行しております。
詳細はまだ明かせませんが、ご期待ください。
最新情報はSNEニュースにて。



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