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『ソード・ワールド2.0』新時代開幕!?(2012年06月)
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■「ソード・ワールド2.0リプレイ with BRAVE」
『聖剣のクルセイド』

さあ、続きましては、4月にリプレイ『聖戦士物語』が第3巻にて完結した北沢慶の新シリーズ、『
聖剣のクルセイド』――通称「with BRAVE」の登場です!
―― ということで、北沢さん、よろしくお願いします!
北沢 よろしくー(笑)。
―― なぜ笑うんですか(笑)。
北沢 いや、だって『改訂版』のインタビューであんなにきれいに終わったのに、すぐまたインタビューされるのかと思うと(笑)。
―― 別にいいじゃないですか(笑)。さて、では気を取り直しまして。今回刊行されます新シリーズ、通称「with BRAVE」ですが、原稿を読ませていただきました。
北沢 ありがとうございます。
―― まずこの「with BRAVE」シリーズですが、『聖戦士物語』の続編に当たる作品なんですね。
北沢 そうです。『聖戦士物語』のキャンペーンが終了して、2年後のダグニア地方が冒険の舞台となっています。と言っても、ストーリーは完全に新しいものが始まるので、ここから読んでもたぶん問題はないと思いますよ。
―― とりあえず、主人公格のキャラクターは、聖戦士のロイ王子ですね!
北沢 かつては本当にヘナチョコの名ばかり聖戦士だった王子も、いまや8レベル。本当に立派になりました。
―― ホントですね(笑)。ではさっそく、本書の見所についてお尋ねしていきたいと思います。
◆ 1.コンセプトは、二人の聖戦士 ◆
―― 前シリーズでは、聖戦士であるロイ王子の成長が中心に描かれていたと思いますが、今回はどういったコンセプトなんでしょうか。
北沢 この「with BRAVE」シリーズのコンセプトは、なんといっても二人の聖戦士ですね。
―― 確かに、新キャラクターとして、かわいい女性の聖戦士が登場していました。
北沢 多少ネタバレになりますが、今回のキャンペーンは、ロイ王子と対を成すもうひとりの聖戦士に登場してもらって、二つのパーティを結成してもらおうというものがありました。
―― そういう意味では、登場人物多いですよね。
北沢 うん、大変だった(笑)。特に、プレイヤーを選ぶのと、セッションの予定を立てるのがもう、なかなかに。
―― 二つのパーティを結成してもらう、ということですが、その狙いはなんなのでしょう?
北沢 これは、今回のテーマにも繋がることなんですが、「with BRAVE」シリーズは、人族蛮族の戦争を軸に物語を描こうとしています。
―― ロイ王子も、戦争に駆り出されようとしていましたね。
北沢 あんまり詳しく話すと、読者の読む楽しみを削いでしまいそうなんでこれ以上は言えないけど(笑)。ただ、戦争って、なかなかひとつの視点だけだと全体が見えにくいというか、なにがどうなってるのかわかりにくい点があると思うんですよね。
―― 確かに、それはそうですね。
北沢 RPGって、基本的にPCの主観視点以外はほとんど使えないじゃないですか。その点、二つのパーティの視点を使えば、いろんなアングルが使えるんじゃないかな、と思ったのがひとつ。
―― 複数視点で物語を俯瞰するのは、面白そうです。
北沢 あとは、連載と文庫書き下ろしを融合させることで、リアルタイムで読む読者の方に、普段とは違う感覚を楽しんでもらえるかなぁ、と思った点があります。
◆ 2.R&Rの連載「蒼穹のヴァルキリー」 ◆
―― この「with BRAVE」シリーズは、「Role&Roll」に連載されているのも特徴ですね。
北沢 そう。「R&R」もチェックしてくださっている熱心な読者の方には説明不要かもしれませんが、ロイ王子とは別の聖戦士が、連載では主人公格を張ってます。
―― 女聖戦士ヘザーですね。
北沢 ロイ王子とは別の視点で、事件を追っていくことになるんですが……詳しいことはネタバレになるので言えません(笑)。
―― 現在進行形の作品のインタビューは難しいです(笑)
北沢 ただ、連載ものとして、それまでの話を読んでいなくてもわかりやすいよう1話完結型にしようというコンセプトはあります。まあ、1話完結と言っても、基本的に前後編にわかれてますけれども(笑)。
―― 連載は現在、3話が掲載されて、4話目がまもなくといったところですが……いろいろと思いがけないNPCが登場したりしていますね。
北沢 これまたネタバレを避けると奥歯に物が挟まった物言いになりますが(笑)。ヘザー組は、あるものを追って、世界中を巡る展開になっています。そのため、毎回いろんな地方や街に行って、いろんなNPCとも出会う、というのも見所です。
―― 過去に発表されたリプレイとの、クロスオーバー的要素ですね。
北沢 そう。ただ、やりすぎると初見の読者の方においてけぼり感を与えてしまいそうなので、まあチラッと顔見せとか依頼してくるとか、そういう感じでの登場が多くなりそうですけど(笑)。
―― これからヘザーたちがどんな地方に赴き、どんな人物と出会うのか、楽しみですね。
北沢 そのあたり、読者から募集する試みも検討されているので、もし実際に行われることになったら、ぜひ応募してくださいね。
◆ 3.苦労した点 ◆
―― さて、二つのパーティを同時に運営するキャンペーンというのは、苦労が絶えないと思いますが……そのあたり、どうでしょう?
北沢 大変ですね(笑)。プレイヤーだけで現在10人いますから、スケジュール確保だけでもてんやわんやで。
―― 大所帯ですねー。
北沢 最初は4人パーティ二つの、8人のつもりだったのに、なぜこんなことに……まあ、ここまできたら大差ないかもしれませんが(笑)。
―― しかも、第1話(連載では2話)では大変なことが。
北沢 あれはもうね、目が点になりました(笑)。ホント、TRPGってなにが起こるのかわからない(笑)。
―― どんなことが起きたのかは、ぜひ文庫で読んでいただきたいですね。
北沢 うん(笑)。でも1話のあの結末で、すごく物語が引き締まった気がしたので、個人的には結果オーライだと思ってます。
―― 他には、特に困ったことなんかはありませんか?
北沢 困ったというとあれだけど……みんな8〜10レベルなんで、戦闘が長引いて大変です(笑)。できることが多くて、戦闘そのものはエキサイティングで楽しいんですけどね。
―― GMの苦労が忍ばれます(笑)。
北沢 あと、実際にプレイしてみてわかったことなんだけど、ヘザー組は攻撃力に特化していて、ロイ組はどちらかというと防御的。なので、ロイ組の戦闘はすごい消耗戦になるんです(笑)。
―― なんとなくわかります(笑)。
北沢 ヘザー組のボス戦って、だいたい3ラウンドぐらいでケリがつくけど、ロイ組は10ラウンドとかかかることあるからなー。
―― (笑)
北沢 まあこれも、パーティごとの個性ということで(笑)。そのあたりも読者には対比して楽しんでもらえたらと思っています。
◆ 4.いつも大変なタイトル決め ◆
―― ちなみに、シリーズタイトルとなっている「with BRAVE」ですが、どういう意味なんでしょう?
北沢 ははは。「英語の文法的におかしい」というツッコミは多方面から受けましたが(笑)。
―― おかしいんですね(笑)。
北沢 うん(笑)。ベーテ君が「日本人にとって響きがいいなら、いいんじゃないですか」と言ってくれたのでもうOKです。
―― それは安心……なんですか?(笑)
北沢 ははは。で、一応意味としては、「勇気と共に」というニュアンスです。なので正しい英語としては、「with Bravery」とか「with a brave heart」になるのかな? ただ、タイトルには長いんで(笑)。
―― そうですね(笑)。
北沢 タイトル候補としては、いろいろ勇ましいものもいくつかあったんですが、やっぱりロイ王子をイメージすると、猛々しい感じはマッチしなくて。なので、「勇気」というイメージをもとに考えました。
―― タイトル決めは、毎回大変そうですね。
北沢 ホント、苦手です(笑)。今回もタイトル決めるだけの会議で、2時間以上かかった気が……
―― お疲れ様です。
北沢 最近はもっぱら「ウイズブレ」とか「ブレイブ」って愛称でSNE内では通っていますので、読者にも愛されるタイトルになるといいなーと思います。
◆ 5.今後の展望は? ◆
―― では、そろそろシメに入りますが……今後の展望などを教えてもらえますか?
北沢 はい。ロイ編を中心に、物語はこれからどんどんでっかく、そしてどんどん一筋縄ではいかない展開になっていきます。これはプレイヤーのみんなの選択にもよるんですが、ロイたちは大きな葛藤にさらされることになると思います。そこで彼らがどんな選択をして、どんな未来を描くのか、GMとしても興味が尽きません。
―― ロイ王子の責任は重大ですね。
北沢 ですね(笑)。前作が王子の成長をコンセプトにしていましたが、今作ではロイの選択がひとつのコンセプトになっています。前作で少し大人になったロイ王子の活躍に、期待してください()。
―― そこ、笑うと台無しですよ(笑)。
北沢 すみません(笑)。そしてヘザー組も、徐々に物語の真相や裏側を知っていくことになると思います。ヘザーにはヘザーの葛藤もあり、また成長過程にあるので、ぜひ彼女の活躍にも注目してくださいね。
―― では最後に、読者のみなさんへメッセージお願いします。
北沢 毎回予想外の出来事が起こるTRPGの醍醐味が、たっぷり詰まったシリーズになりそうです。ぜひGMやプレイヤーたちと一緒に、この先どうなるのか、ドキドキワクワクを共有してもらえると嬉しいです!
―― 今度こそ、本日はありがとうございました。
北沢 ありがとうございました(笑)。


■「ソード・ワールド2.0リプレイ from USA」
『蛮竜侵撃―ドレイクストライク―』
―― 今回のインタビュー、最後はグループSNEが誇る、超大型リプレイライター、ベーテ・有理・黒崎さんの登場です。よろしくお願いします!
ベーテ よろしくお願いするぜ! HAHAHA
―― 外国人がGMを担当するリプレイとして、大注目の中スタートした「from USA」シリーズですが、ついに6巻目ですね!
ベーテ HAHAHA! 俺様もこんなに続いて驚いてるぐらいさ! 読者のみんな、愛してるよ
◆ 1.怒濤の新展開 ◆
―― さて、第4巻でストーリーはひとつの着地点に至り、第5巻は外伝中心で主人公格であるアンセルムと、相棒のクリフの始まりの冒険が描かれたわけですが……この第6巻からは、驚きの新展開ですね!
ベーテ FUHAHA! あんまりしゃべるとネタバレになっちゃうから言いにくいが、今回は最初からフルスロットルだぜ!
―― わたしもしゃべってしまいたくてしょうがないんですが(笑)、いきなり冒頭からアンセルムたちを含む、いろんなことが大変なことになっていましたね。
ベーテ インパクト重視の導入で、プレイヤーのみんなには有無を言わせない展開になったから、ちょっぴり申し訳ないとは思ったんだが……みんなノリノリで乗ってくれたので、GMとしても嬉しかったよ。
―― アンセルムたちも、強くなりましたね。
ベーテ これで歯ごたえのある敵も出し放題! と思ったんだが……予想外にアンセルムたちが強くて。もっと強い敵を大量に出すか……2d20体ぐらい。
―― 本当に死ぬからやめてあげてください(笑)。
ベーテ HAHAHA! でも5巻で解説も書いてくれたし、そろそろ清松さんも許してくれると思うんだが、どうかな?
―― さすがに怒られると思いますよ(笑)。
◆ 2.今回のテーマは、リオス? ◆
―― いきなりの怒濤の展開に続いて、今回の見所はどのあたりでしょうか。
ベーテ 実は今回、せっかく『ソード・ワールド2.0ツアー2 リオス』なんてステキなサプリメントがあるから、こいつをふんだんに活用したいと思ってたんだ。
―― アンセルムたちのホームタウンであるリリオを含む、フェイダン地方南部の国家、リオスを詳しく解説したサプリメントですね。
ベーテ この本は、マジ読んでるだけでスゲー面白くてね! 最初は資料として読んでたんだが、気づいてたら読みふけっていたよ!
―― 確かに、リオスの首都ラスベートの詳細な設定や、首相から花屋の看板娘まで含めた100人のNPCリストとか、興味深い内容が満載ですよね。
ベーテ そして俺が一番興味を抱いたのは、専政君主制の国家が中心となるファンタジー世界で、リオスは共和制を敷いている独特な国家だという点だ。
―― 王様が支配する国じゃなくて、選挙によって選ばれた国民代表が治める国、ということですね。
ベーテ やっぱファンタジーと言えば王様だからね! でもそんな世界の中に、異質な存在があることが実に興味深い。
―― 確かにそうですね。
ベーテ 今回のキャンペーンでは、そうしたリオスという国が持つ、独特の政治的な国風を活かして、普通のファンタジーではあんまりないような葛藤ジレンマを描きたいと思ったんだ。
―― 双葉ますみさんの4コマのイメージからは想像もつかない、ベーテさんの新しい一面が垣間見えるキャンペーンになりそうですね(笑)。
ベーテ HAHAHA!
―― 話を戻して、その葛藤やジレンマというのは、どういうところでしょう?
ベーテ うん。やっぱヒロイックファンタジーって、すごい英雄や勇者が強敵を倒したり、あるいは王様を説得して国を動かしたりって、ダイナミックなことができるのが魅力のひとつだと思うんだけど、これが共和制だとそんなに簡単にはいかないだろ?
―― 王様がいないから?
ベーテ というか、王国なら、王様ひとり説得すれば国は動くけど、共和制だと首相ひとり説得しても、国は動かせない。議会とか、国民感情とか、そういういろんなものが絡まり合っていて、「こうするのが正しいのに!」ってヒーローが思っても、簡単には動いてくれない。
―― なるほど、確かに。
ベーテ こういうのって、限りなく現代に近い感覚だと思うんだけど、そういう制度がファンタジー世界に存在していて、しかもそういうリオスって国を動かさなきゃならない使命を帯びるのが、アンセルムのような蛮族出身者だったり、ウィストみたいなナイトメアだったりというところも、シナリオを作る上で興味深かった部分なんだ。
―― 蛮族であるアンセルムがどう立ち回るのかは、確かに楽しみですね。
ベーテ なので、今回はプレイヤーたちになるべく多くの選択肢を投げかけて、選んでもらうようにしたんだ。キャラクターによって信条や価値観は違うから、みんなで進む道を決める過程の議論も、とっても面白かった。そのあたりは、ぜひ読者のみんなも手にとって確かめてほしいな!
―― プレイヤーの考え方ひとつで、ストーリーが大きく変化するのもTRPGの醍醐味ですし、今回はその部分がダイナミックに組み込まれたシナリオですから、読んでいて「自分ならどうするかな?」と考えるのも楽しかったです!
ベーテ そう言ってくれると嬉しいぜ!
◆ 3.思いがけない出来事などなど ◆
―― 今回は単純じゃない構造のシナリオだったと思いますが、その分苦労も多かったんじゃないでしょうか?
ベーテ Hmmm……プレイヤーたちのおかげで、シナリオ展開的にはそんなに苦労はしなかったんだが……今回は久々に1巻2話の構成なので、執筆では苦労したな。
―― やっぱり1話あたりのボリュームが多いと、書くのは大変ですか?
ベーテ 尺の感覚が違うだけで、思いの外大変だったぜ。だけどその分、たっぷりと議論するシーンを描けたから、できあがった原稿は狙い通りってところだ。
―― さすがですね。
ベーテ あ、もちろんアクションシーンも楽しいぞ! 今回もいっぱい敵を出したからな! HAHAHA!
―― なんとなくプレイヤーたちも慣れてきている感が(笑)。
ベーテ やっぱり200%ぐらい敵を増量したほうがいいかね!?
―― やめてあげてください(笑)。
ベーテ それに、今回は久々に大ポカをやらかして、PCたちにまんまとしてやられた部分もあって悔しかった! Goddamn!!
―― あのシーンですね(笑)。ああいうのも、TRPGならではの面白さですねー。
ベーテ 悔しいが、ぜひ俺の大ポカも楽しんでくれ!
◆ 4.パーティ名募集も始まるよ! ◆
ベーテ そうそう、こいつを忘れちゃいけないぜ!
―― なんでしょう?
ベーテ 読者から「へっぽこ」とか「ぺらぺら」とか「ぞんざい」みたいなパーティ名は決めないんですか?」ってお便りがたくさん来るんだが、なかなか決まらなくて困っていてね。そこでもう開き直って、読者から募集することにしたのさ! HAHAHAHAHA!
―― おおー! それは面白い試みですね!
ベーテ というわけで、第6巻発売に合わせて、募集要項なんかも発表されると思うから、みんなぜひCoolなパーティ名を送ってくれ!
―― いまからアイデアを練っておかないといけませんね!
ベーテ HAHAHA! 詳しくは富士見書房さんの「TRPGポータル」の特設サイトで発表になる予定だ! ステキなプレゼントももらえるらしいから、みんな、よろしくな!
―― では最後に、読者のみなさんへメッセージをお願いします。
ベーテ OK。みんな、今回もかなり面白いものができたっていう自負があるから、楽しみにしていてくれ! あと、謎の大型新人、りゅう紫月先生の解説も楽しみにな!(笑)
―― それでは、本日はありがとうございました!
ベーテ GAHAHAHAHA! 感想も待ってるぜ!

 駆け足での紹介となりましたが、いろいろと興味深いお話も聞けたのではないでしょうか。
 ネタバレを避けるため、いろいろとふわっとした表現が多用されている点は、ご容赦ください。
 そしてぜひ、実際に読んでみてから、「ああ、これってこういうことかぁ(笑)」と振り返っていただけたら、光栄です!

 今後も、8月には大型サプリメント『カルディアグレイス』が控え、9月からもいろんな作品が展開していく予定の『ソード・ワールド2.0』!

 ぜひみんなで体験して、リプレイも楽しんでいただけたらと思います!

 今後とも、『ソード・ワールド2.0』シリーズへの応援、よろしくお願いします!




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