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株式会社グループSNEオフィシャルサイト

ボードゲーム特集(2016年今後の予定)


1.グループSNE 公募ゲームコンテスト
●2016年今後の予定
―― つぎに近々の予定をお知らせいただけますか。
安田 今年もいろいろありますよ。ストーリーゲーム的/RPG的なものが加わったことで点数が増えている面はあるんですが、ボード/カードゲームも盛りだくさんです。海外作品のみならず、いまお話しした公募コンテストの作品やグループSNE社内コンペの作品などいろいろ出していきますので、ぜひ注目してください。
―― では、まず3月29日(火)発売ほやほやの『アタッケ』から!
安田 作品自体は1993年発表とちょっと前のものなんですが、グループSNEから出るライナー・クニツィアの作品としては最新のものになります。ドイツゲームを知ったころから、ぼくはこのゲームが好きで、いつか出したいなあと思っていました。同時期に出た『コルセア』は2015年にグループSNEから日本語版を出しましたが、『アタッケ』も非常に遊びやすく楽しいカードゲームですよ。
―― 具体的にはどういった内容でしょうか。
安田 トーナメントがテーマです。ゲームの目的は5種目(剣、斧、槍、モーニングスター、格闘)のトーナメントのうち4種目で先に勝利を収めること。各種目ごとに、ある種の競りを行います。
―― 出したカードの合計が最も大きい人がその種目に勝利するんですね。
安田 そうです。でも、ふつうは競りに負けたら、出したカードは手もとに戻ってきますよね。でも、このゲームでは勝っても負けても、出したカードはすべて捨て札になります。勝負ですからね、参加するからには勝たねばならない。そこが難しい。勝ち目がなさそうなら最初から参加せず、手札を守る、とかね。みんなの手札がなくなってから勝負に出ようとか、そうしていると遅れを取ったり、そういう読みが本当に面白いです。
―― 特殊なカードも2種類あって、それがどこで出るか予測するのも重要ですね。
安田 ゲーム好きな人ならすぐに理解できるし、簡単でよくできたゲームだと思います。あと、アメリカ版に『アイバンホー(Ivanhoe)』(GMT Games/2000)や、『アタッケ』そのものをリメイクした『ジェム・ディーラー(Gem Dealer)』(Eagle-Gryphon Games/2007)というのがあります。『ジェム・ディラー』のほうは『アタッケ』とほとんど同じなんですが、『アイバンホー』はアメリカ風のデータ型の細かいヴァリエーションを加えてあります。それはそれでいいんですが、ぼくはやっぱり最初のシンプルなのをぜひ紹介したいと思ったので『アタッケ』を出しました。トーナメント、というか馬上槍試合のイメージがすごく好きだったので。
―― ボックスアートもまさに槍試合ですね。
安田 そうそう! この作品のイラストは末弥(純)さんしかいないと最初から思っていました。それでお願いしたら快く引き受けてくださって、すばらしい絵を描いてくださいました。こういう縦長の構図だったので、タイトルも日本風に縦書きで「アタッケ」としました。
プレイ人数  3~5人
対象年齢  8歳以上
プレイ時間  15~30分
ゲームデザイン  ライナー・クニツィア
パッケージイラスト  末弥純
翻訳  安田均/グループSNE
価格  1,800円(税別)
発売日  2016年3月29日
―― クニツィア氏の作品については、今後も何点か予定されていますね。
安田 ええ、まずはボードゲームの名作『メディチ』、これの新しいカードゲーム版を世界に先駆けて5月に出す予定です。もちろん『メディチ』本体も傑作ですので8月ごろに出せるといいなあ、と。
―― おお、『メディチ』ですか!
安田 そうです、『モダンアート』『ラー』と並んで「クニツィア三大競りゲーム」と言われる作品ですね。『メディチ』自体も『メディチ vs.ストラッツィ』(Medici vs Strozzi/Rio Grande Games/2007)などいろいろシリーズが出ていますが、今回われわれが出すのは、大元の『メディチ』です。
―― 5月にはそのカードゲーム版が出るということですが、ボードゲーム版とはどう違うんでしょうか。
安田 『メディチ』というのは言ったとおり競りゲームなんですが、カードゲームでは競りがありません。
―― へ? むしろ競りの部分をピックアップしたゲームと思ってましたが。
安田 それがそうじゃないんですよ、競りの前段階となるカードゲームのところを取り出して拡大した面白いカードゲームなんです。基本的には価値の高い商品や同じ商品をたくさん集めることが目的です。
―― その『メディチ カードゲーム』を遊んだら、ボードゲーム版『メディチ』もすぐに遊べる?
安田 そう、カードゲームは入門的なものになっているので、それを遊べば『メディチ』の基本のシステムがわかります。ですので、ボードゲーム版を遊ぶときには「競り」の部分を考えるだけでいい。カードゲーム版は世界に先駆けての発売になりますし、イラストはカード/ボードとも末弥さんにお願いしていますので、期待していていください。
―― それでは、少し時間をもどして4月に発売される『知ったか映画研究家 スペシャル』についてもお話しいただけますか。
安田 そうそう、これはさっきも言いましたが、グループSNEのメンバーになった黒田尚吾が同人デザイナー時代に作った『知ったか映画研究家』のスペシャル版(決定版)で、ゲームの基本は変わりません。要するに架空の映画をネタに、みんなで語り合うというコミュニケーションゲーム。ただ、スペシャル版ということで、「映画研究家」以外のテーマでも遊べるようにしています。
―― ルールブックに「オリジナルテーマ」がたくさん載っていますね。「知ったかサラリーマン」とか「知ったか妖怪研究家」など、見ているだけで楽しそうです。
ところで、これはカードゲームということですが、カードはどうやって使うんですか。

安田 そのカードでランダムに映画の題名を決めるんです。たとえば「ゴブリンのもこもこ」とかね。で、みんなでそれについて「ああ、あの映画は泣いたよねえ」とか"知ったか"ぶって話を広げていく。
―― そ、それ、難しくないですか(汗)?
安田 ぜーんぜん。前の人の発言を否定せず、「うん、あれは泣けたね。とくに最後のシーンが……」のようにすべて肯定的に話をつないでいくんです。だから、話すのがあまり得意でない人でも乗せられて、どんどん話がふくらんでいく。無理にウケを狙う必要もないし、勝ち負けがメインのゲームでもないから、気軽に楽しめます。グループSNEのゲームでいえば『キャット&チョコレート』にちょっと似てるかな。
―― デザイナーの黒田さんは先にもお話にあったとおり公募コンテストに、こちらはゲーム的な『王国建設』で応募されたんですよね。
安田 そうです、彼は才能もあるし、グループSNEにとって必要な情報発信もできる人なので、メンバーとして入ってもらいました。いろいろ出したいゲームもあるみたいなので、今後に期待していてください。
―― そして、5月は『シヴライゼーション』(CVlization)が予定に入っています。
安田 はい、そのあたりから2015年エッセン・シュピールの新作がいくつか日本語版で登場しますが、その第一弾がGRANNA社『シヴライゼーション』です。
―― 昨年(2015年)同社の『CV-履歴書-』がグループSNEから出ていますが、その続編になるのでしょうか。
安田 続編――ではないんですよね、これが(笑)。
―― では、タイトルから推察するに文明を作るゲーム?
安田 そうです、『CV-履歴書-』は文字どおり履歴書を作るゲームだったんですが、今度は文明の履歴書を作るわけです。
―― とは?
安田 カードで行為を選び、資源を集めて文明を発展させていく、同時プロット公開型のゲームなんですが、そのシステムが一種独特なんですよ。自分がそのターン、どの行為をしたいかをカードで選び、いっせいに公開する。その結果、2人が同じ行為を選んでいたら最高、1人や3人以上だと不利になる、という不思議なシステム。
―― CV-履歴書-』も一風変わったシステムでしたが、今度もまたユニークですね。
それから、同じ5月に『ダイス・オブ・ザ・デッド ボードゲーム TOKYO ARMAGEDDON』が予定に入っています。
安田 はい、舞台はゾンビが大量発生する東京。その東京を大きな壁で囲んでしまって、なかのゾンビ化をなんとか食いとめないと大変なことになる。決められたタイムリミット内で、なんとかゾンビ細胞からの回復をめざそうと、ハーフゾンビとなったキャラクターたちが大活躍するゲームです。
―― 協力型のゲームでしょうか。
安田 はい、協力型ストーリーゲームで、シナリオをいくつか遊んでいくタイプですね。
―― 4月20日(水)、KADOKAWAから出版されるRPG『ダイス・オブ・ザ・デッド』とリンクしていると聞いています。
安田 うですね、システムは似ているようで細部はちがいますが、サイコロを転がしてプールを作って、そこから行為を選ぶという点では似ています。世界観カードアイテムモンスターは共通しています。
―― 3月19日(土)に行われた「KADOKAWA春の大TRPG祭」にはボスも参加され、RPG『ダイス・オブ・ザ・デッド』のお披露目もされました。詳しくは下記のレポートをご覧ください。
安田 東京アーマゲドン」まで含めた『ダイス・オブ・ザ・デッド』については、4月の著者インタビューでたっぷりお話ししたいと思いますので、ぜひそちらも楽しみにしていてください。
ゾンビサバイバルRPG ダイス・オブ・ザ・デッド

(イラスト:藤井英俊)
※『ダイス・オブ・ザ・デッド』RPG版のカバーイラストです。
―― 5月にはさきほどお話しいただいた『メディチ カードゲーム』が出て、その後となりますと?
安田 6月に、これも先ほどから話題に上がっている『アニマルマインド(正直者の罠)』、7月まで言うのであれば、2015年エッセン・シュピールの新作『ラプトル』という2人用が出ます。これはカターラフェデュッティ合作の傑作ですよ。
カターラ(Bruno Cathala)とフェデュッティ(Bruno Faidutti)はともにフランスのゲームデザイナー。カターラは『Abyss』(Asmodee/2014)、『Five Tribes』(Days of Wonder/2014 )で有名な最近旬のデザイナー、フェデュッティは『操り人形(Ohne Furcht und Adel)』(Hans im Gluck/2000)でおなじみのデザイナーです。
―― 注目作が目白押しですが、気になるのはどこに行けばそうしたゲームが遊べるかだと思うんです。
安田 そうですね、たとえばゲームマーケットは東京で年に2回、神戸開催を入れると3回あります。あとは夏のJGCですね。他にショップさんやゲームカフェなどで、みなさんと一緒に遊べる機会を増やしていきたいと思っています。地元のイエローサブマリンなんば店さんやキウイゲームズさん、トリックプレイさんなどでは随時イベントを開催していますし、他にももしご要望があれば考えますので、ぜひ。
―― 近々で言いますと、ニコニコ超会議(4月29日(金)30日(土))やゲームマーケット2016春(5月5日(木))がありますね。
安田 それから6月19日(日)に名古屋で開催される「ファミリーゲームフェスティバル2016」にもグループSNEとしてはじめての出展を考えています。さらに、7月大阪の「テーブルゲームフェスタ」には今年はグループSNEとして参加の予定です。物販もありますよ!
ニコニコ超会議/ゲームマーケットブース 4月29日(金)・30日(土)開催 東京
ゲームマーケット2016春 5月5日(木)開催 東京
ファミリーゲームフェスティバル2016 6月19日(日)開催 名古屋
テーブルゲームファンフェスタ2016 7月開催予定。詳細は後日お知らせいたします。 大阪
JGC2016 9月3日(土)~9月4日(日) 東京
イエローサブマリンなんば店 定期的にグループSNEの最新作体験会や『ドレッドノート』の大会を開催していただいています。
キウイゲームズ 2ヶ月に1度程度、グループSNEの体験会を開催していただいています。
トリックプレイ グループSNEの事務所から歩いて3分。こちらも2ヶ月に1度程度、体験会を開催していただいています。
最新情報はtwitter SNEボードゲーム班(Kai)で随時お知らせいたします。

―― 毎月、なにかしらのイベントがありますね。
安田 そうしたイベントで遊んで楽しかったゲームを、今度はお友だちやご家族をまじえて一緒に遊んでもらえたら嬉しいです。
―― それでは最後に、みなさまに向けて一言お願いいたします。
安田 今年もいろいろ遊ぶぞー(笑)。ボードゲーム、カードゲーム、TRPG、トレーディングカードゲーム、コンピュータゲームアプリも出ますしね。
ゲームというのはコミュニケーションというのがぼくの持論です。ゲームがあれば楽しいことには事欠かないと思いますので、ぜひみなさんで楽しんでください。
―― 他に言い残したこととかはありませんか。
安田 (熟慮ののち)うんっ、たくさん話したから大丈夫!
―― それでは本日はありがとうござい――
安田 あーーー、大事なこと忘れてた。
―― なんですと(笑)?
安田 今年も『ボードゲームストリート2016』出ます。こちらもよろしく~~!


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