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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版&ウォーロック・マガジン創刊号(2018年05月)
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『アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版』

「ウォーロック・マガジン創刊号」

 こんにちは、グループSNEの笠竜海です。
『アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版(以降、AFF2e)』「ウォーロック・マガジン」、各所で楽しんで頂けているようでなによりです。昔を懐かしむような話が色々聞こえてきますが、若輩者のぼくにとっては、少々関わってはいますが、依然として未知の領域でした。
 前半は『AFF2e』とその大元である「ファイティング・ファンタジー」について、その始めから第一線で関わり続ける
安田社長と、今回の翻訳を中心となって進めたこあらだまりさんにお話を伺いました。
 後半は安田社長と1対1で、25年ぶりにその名が復活する雑誌「ウォーロック・マガジン」について詳しくお聞きしました。
 かねてよりのファンのみなさんも、ちょっとだけ気になる人も、必見のインタビューです!

 AFFの辿った経緯については、こちら(⇒アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版ってどんなゲーム?)で簡潔にまとめられています。合わせてご覧ください




目次
2018年05月
記事作成:笠 竜海


『アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版』
 
1.火吹山からAFF2eまで
――: それではよろしくお願いいたします。
安田&
こあらだ
よろしくお願いします!
―― まずは『AFF2e』についてお訊きしたいのですが……。
安田 きみはたぶん知らないだろうけど、そもそもの元になっているものがあるんだよ。ゲームブックって聞いたことある?
――: ゲームブック……あっ、はい、一応は。
安田 最初に「ファイティング・ファンタジー(以降、FF)」というシリーズ名のゲームブックがあったんだ。『火吹山の魔法使い』というのと、『ソーサリー』という四部作なんですけどね、すごい人気だったんだよ。
――: そう聞いています。
安田 ゲームブックというのは、各場面が色々と分岐していて、それを選んでストーリーを進めていくという本。ここでモンスターが出てきた、どうする? 戦う? それとも逃げる? とかって。そうやって400ぐらいの場面を行き来する。これが文庫として出ていて、当時の少年は夢中になった。
 しかしいったいこれが何かというと、
ロールプレイングゲーム(以下RPG)を1人で遊ぼうっていうものなんだよね。本の形でまとめて、易しいルールをつけて。その元祖が『火吹山の魔法使い』で、大ヒットしたんだ。
――: つまり……RPGを1人用の本にして、今回はそれをまたRPGに戻したということですか?
安田 戻したというか、もともとRPGとしては、こっそり作っていたものを1人用にしたんじゃないかな。
――: こっそりですか?
安田 多分。ゲームブックそのものからいきなりは、なかなかできないと思う。
 元々ね、これを作ったスティーブ・ジャクソンイアン・リビングストンは、ゲームズ・ワークショップというイギリスのRPG出版社の創立者たち。つまりぼくらみたいな人たちだったんだ(笑)。
 それで1982年に本を作ったら大ヒットして、スティーブ・ジャクソンは
『スティーブ・ジャクソンのファイティング・ファンタジー』というRPGを1984年にすぐ出したんだよ。それで翌年、翻訳が東京創元社から出たんだけど、ひじょうにユニークだった。
――: ユニーク?
安田 まずイラストが素晴らしい。当時のファンタジーアーティストたちがゲームブックのために書いたもの、それをふんだんに使えたんだね。
 しかも読んでいくと、まずきみたちが冒険しているというふうに絵を見せて、ダンジョンの右へ行くか左へ行くかを選んで。そういうゲームブック型のシナリオが最初にあるんだよ。。
――: ルールブックが、そこから始まるんですか。
安田 シナリオを進めながら、ここではこうなりますよって、ルールを書いているんだ。ゲームブックのイメージとうまくつながるように。6面体ダイス2個のシステムも、ゲームブックですでにやってるし。ということで、そいつがヒットした。
――: その最初のルールが『FF』なんですね。では、『AFF』は?
安田 『FF』から5年経ったころ、1990年に出たのが『AFF』。これはぼくがすぐ翻訳して、翌年には日本語版が出ている。
 でもその前にも「ファイティング・ファンタジー」関連は色々と出ていて。RPGのルールブック、モンスター集である『モンスター事典』、世界設定である『タイタン』の計3冊。それだけ準備が整ったところへ、『AFF』という統合したルールが出たんだ。本来、大ヒットするはずだった……。
――: はずだった?
安田 あまりそうはならなかった(苦笑)。日本では特に社会思想社さんが、もうこの時期、RPG関係を出さなくなってきてたんだ。それはしかたなかったんだけど、本国のほうでもあまり展開されていなくて。
――: どうしてですか?
安田 ひとつは『ウォーハンマー』という本格的なRPGが登場したから。これはイギリスを代表するファンタジーRPG。ゲームズ・ワークショップが、がっつりしたのを出して。まあ、ぼくらも訳したんだけど(笑)。『D&D』も広がっていたし、食い合いになったというのがひとつ。
 そしてもうひとつ。システム的にもね、ちょっといまいちだな、っていうところがあったんだよね。今になって言うけれども……う~ん、ぼくばかりしゃべってるなあ(笑)
こあらだ いえ、興味深いです。
安田 そんなふうにライバルも多かったから、特徴を出したかった。まず、『FF』の視覚的なところ。それを「ディレクター! ストーリー重視のシーンシステム!」とか押し出したんだけど、ちょっと無理があったね。
 ゲームシステムとしても、やや大ざっぱだった。特徴だけを生かそうとして、もとに近い形を残しちゃったんだね。ゲームブックのときは簡単でないと大変だから、判定はとにかくダイスを2個振って、技術点以下で成功。それなのにその技術点が、「6+ダイス1個」で決まるんだもの。
――: うわあ……。
安田 そんなもん、技術点12あるやつが強いに決まっとるやろ(笑)。1人が目立ちすぎると、他は面白くないよね。RPGはやっぱり、ストーリーでいくら凝っても、ゲーム自体が面白くないとダメ
 アドバンストという名前もね、『AD&D』に合わせたんだよ。つまり、『アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ』。それでみんな、『AD&D』とか『ウォーハンマー』みたいなすごいシステムのゲームだと思ったら、ギャップがありすぎて(笑)。
――: 全然アドバンスしてないぞ、と。
安田 そう! うまく一言でまとめたな。
――: ありがとうございます。
安田 ストーリーをどんどんシーンで見せて進めていこうという意図のRPGの作り方だったし、背景世界はそりゃすごかったんだよ。ディレクター中心でがんばったら面白い話はできるけど、プレイヤーがなんかそれで引きずられていって、大体やることが決まっちゃって……というふうになりすぎたね。
――: 今から思うとそういう面があった、と。
安田 うん。けれど今回、その『AFF』の第2版2011年に出た。なんと20年も経っている(笑)。その間にゲームブックは下火になったけど、もう1回RPGでは盛り返してきたわけ。
こあらだ それだけ長い間愛されてきた、と。
安田 ちなみに最初の『FF』はスティーブ・ジャクソンが作ったけど、『AFF』を作ったのはマーク・ガスコインで、『AFF2e』はグレアム・ボトリーという人。でも契約を結んだりして話をしてると、どうやら今回はジャクソンが積極的に関わってるみたい。「願いの井戸」の名で収録したり、『スティーブン・ジャクソンのファイティング・ファンタジー』からシナリオネタ続けたり。反省からかなんか知らんけど、アドバンスしてるよ、それこそ(笑)。
笠・
こあらだ
(笑)


2.最大の特徴
安田 さて、翻訳担当のこあらだまりさん。『AFF2e』の特徴について語ろうじゃないか。
こあらだ わ、わたしですか(ドキッ)。
安田 さっき、『AFF』では技術点の決め方が単純だったっていう話をしたよね。今回はどうだっけ?
こあらだ あっ、はい、ヒーロー作成のときですね。今回はポイント振り分け制になりました。
安田 そう、ダイスですべてがランダムに決まる、というのではなくなった。
こあらだ 技術点体力点運点、それと新しい能力値の魔法点。それらにあらかじめ決められたポイントをどう振り分けるかで、ヒーローができるようになりました。
安田 うむ。さて次に、この『AFF2e』最大の特徴は何だと思う?
こあらだ 最大ですか?
安田 うん。
こあらだ ええと、いろいろ特徴はありますけど……タレントかな。いろんなタレントがあって、バラエティ豊かなヒーローができますよ。
安田 残念!
こあらだ あれ、違うんですか。じゃあ最大の特徴って?
安田 ズバリ、魔法
――: 魔法ですか?
安田 魔法がなんと4種類も! ……なんだかテレビショッピングみたいになってきたなあ。
――: まあ、4種類も! そんなに?
安田 ……ノリのいいやつめ(笑)。
こあらだ ……(ついていけていない)
安田 まず、もともとあった魔術(ウィザードリィ)。いちばん普通の魔法かな。もちろんいろんなことができて楽しいけど。これが70近くある。
こあらだ 魔法といえば、「おおっと!」表とかもありますしね。
安田 そうそう! 「おおっと!」表はめちゃくちゃ面白い。突然蛙に変身しちゃったりね。パッとどこかに消えて、あとには花が咲いていた、とか(笑)。
こあらだ 呪文をかける判定でファンブル(大失敗)すると、とんでもないことが起こるんですよ。テストプレイでもいろいろありましたよね。
安田 慣れてきたら、ファンブルをダシにストーリーが広がってもいいと思うよ。  さて、魔法の2種類目。やっぱり、スティーブ・ジャクソンが関わっているのはここだろうね。魔術に対して、妖術(ソーサリー)旧大陸で使われている、アルファベット3文字の魔法。それが48も!
――: 確か「ウォーロック・マガジン」のリプレイでも使っていますよね。
こあらだ ああ、プレイヤーさんが必死に覚えてるやつ(笑)。
安田 今は覚えなくていいんだけどね。
――: えっ?
安田 昔のゲームブックの『ソーサリー』では、3文字が何か覚えていないと使えなかった。でも今回のルールには、そういうことは一切書かれていないんだよ。
こあらだ でもリプレイみたいに、ハウスルールとして「覚えてなきゃ使えない」っていうのもすごく楽しそうです。
安田 うんうん。それとは別に、妖術の面白いところは、体力点を消費するところ。呪文そのものの内容は魔術と微妙に違うくらいなんだけど、魔術は魔法点から導き出される魔力ポイントを消費する。いっぽう妖術は、体力点を――体を犠牲にして行使する。
こあらだ 体張ってるんですね、妖術師は(笑)。
安田 そして3種類目。魔法って誰だって使いたいよね? おれは盗賊だけど、1つや2つ呪文を知っててもいいじゃないか、とかあるだろう? そこで役立つのが、まじない。『D&D』でいうところの小魔術キャントリップ。このまじないは、誰でも使えるんだ。戦士でも。
――: 技能さえ覚えればいいんですよね。しかも使うのに必要な魔法点はすごく低くて済むってやつ。
安田 まじないの技能が1ランクあるごとに、呪文を3つ覚えられるんだけど、31もあって、どれも変なものばかり。使いようによってはめちゃくちゃ面白い。ただ「押す」だけの呪文、とか。
こあらだ あと、文字をにじませるとか微妙な呪文が。どこで使うんだろう、と思っています。
安田 そういうのを考えるのが好きな人にはぴったり。ひたすら強くなりたいって人もいるだろうけど、いやはや、楽しいんだよね、まじないは。
 ちなみに、身につけられる魔法は1種類だけなので、どれを使おうか悩むことはそれほどないかな。つまり、ソーサラー・ウィザードとかにはなれない(選択ルールでは、ものすごく経験点がいる)。ただし、まじないは重複しても取れるからお勧め。
 で、最後の4種類目が神様の魔法――
神術。正直、タイタンにはろくな神様がいないんだけど(笑)。
こあらだ みんな、とても人間的な神様ですよね。
安田 そうそう。でもいろんな神様がいて楽しい。誰が誰の娘だとかいう系譜もあって。中立の神様もいれば、悪の神様もいる。『ウォーハンマー』の影響もあってか、腐れの神様もいたり。
こあらだ 他にも嫉妬とか、疾病とか。
安田 神術を使えるヒーローは最初に、選んだ神様で決まる3つの神術呪文と、その神様特有の呪文が覚えられる。《治癒》の呪文は必ず入っているから、傷を治すのは坊主の専門だね(笑)。
 どの神様にするかは悩むと思うけど、それさえ決まれば、神術のルールは簡単。
呪文はそれぞれ基本的に1日1回だけ判定なしで使える
こあらだ どうしても使いたいなら、運点を1点消費してもう1回だけ。神様にちょっと融通利かしてもらうって感じでしょうか。
安田 それを考えると、ぼくなんか生臭坊主をやってみたくてしょうがなくなる。神様から能力を取り上げられそうになって、必死でなんとか誤魔化すんだ。「すみません、寄付しますから」とかディレクターに頼んで。でも結局、能力はなくなっちゃうんだろうなあ(笑)。
こあらだ きびしいですね。
――: つねに宗教的苦難に立ち向かう、ということですか。
安田 いろいろできるって言いたいだけ。そういう楽しさがいっぱいの魔法のRPG、それが『AFF2e』の特徴だろうな、とぼくは思う。
こあらだ なるほどです。
安田 ではあらためて、こあらださん、タレントの説明してもらえるかな。
こあらだ はい。ええと、ヒーローを作るときに、タレントというものを1つ取ることができます!
安田 もっと詳しく。たとえば……『AFF』のときから特殊技能というものがあって、それは今回もあるんだけど、これとタレントの違いは?
こあらだ そうですね……タレントはどちらかというと持って生まれた境遇といいますか、才能みたいなものですね。
――: 天賦の才?
こあらだ はい。いっぽうの特殊技能は、例えば[剣]の特殊技能を鍛えれば剣の武器をすごくうまく扱えるようになったりと……。
安田 そう、技能のほうはわりかしなんとかいって身につけることができる。派手ではないけど強いことは強いよね。
こあらだ 技能もタレントも種類はけっこう多いですよ。
安田 だから訳は大変だったよね。重ならないようにしないといけないから。
こあらだ はい、何度も訳語を検討しました。
――: 基本的に、ヒーローの成長は、この技能を伸ばしていくのがメインになりますか?
こあらだ そうですね。技能は少なめの経験点で新たに取ったり伸ばしたりできるので。
安田 『AFF2e』の成長は、シナリオの終わりに経験点を何十点かもらって、それをどう使うか、というわかりやすいもの。『ソード・ワールド2.0』とかと同じかな。他のRPGみたいにモンスター何体で何点とか、そういう細かくはなっていない。


3.シナリオを(簡単に)作ろう
――: 他にも特徴があれば教えてください!
安田 たくさんあるよ。モンスターも豊富だし、背景もタイタンという世界がある。それはさておいて、もう1つの特徴は、シナリオが、2つの意味で作りやすくしてあることかな。
――: 2つの意味、ですか。
安田 1つは、作るための道具があるということ。今回、「ランダムジェネレーターで作ったらいいんだよ!」みたいなことをジャクソンが言っている。ルールブックに入っているシナリオは昔の『AFF』にもあった「願いの井戸」なんだけど、構造は一緒でも中身は全然違う。モンスターをこう入れて、ストーリーをちょっと変えるだけでできるよ、っていう例示。
 ダンジョンのランダムジェネレーターも面白いよ。ダイスを放り投げて、落ちたところに部屋を作って……という感じ。ジャクソンはアイデアマンだね。シティ・アドベンチャーでもウィルダネス・アドベンチャーでも、わりと楽に作れる。
――: ふむふむ。
安田 もう1つは、ゲームブックの資産をすぐに活用できること。これは新しいやりかただね。
――: ゲームブックをシナリオに転用する、ということですか。
安田 うん。まあ、やりやすいのとやりにくいのとがあるけどね。もともと『AFF』は、場面を映画みたいに切り取って、どんどん進んでいこうという形のRPGシステム。ゲームブックをすぐにシナリオ化できるようになっているんだ。
こあらだ パラグラフからパラグラフに飛ぶ! みたいな感じで、シーンからシーンに飛ぶんですね。
安田 そういうこと。だから今だと、ものすごい量の資産が使える。昔の『FF』のゲームブックとか知らない人も多いから、古本でも買ってきてシナリオとしてプレイしたらいい。「知ってるよ、俺は」って古い人がいたならいたで、ディレクターとしては楽だし。そもそも、ぼんやりとしか覚えていないだろうけど。
こあらだ そういやこうだったなあ、みたいな。
安田 遊ぶうちに思い出したりしてね。具体例としては、『火吹山の魔法使い』
――: 今回、シナリオがルールブックとセットになっていますよね。
安田 うん。けっこうゴツいんだよ。だって400パラグラフの大冒険だから。全部やると10時間ぐらいかかるんで、2~3回に分けて、これ自体1つのキャンペーンとして遊ぶほうがいいだろうね。
 ただ、この類のゲームブックは世界の大事件に関わるものが多いから、続けて遊ぶとしんどいかも(苦笑)。『火吹山の魔法使い』ではザゴールを倒して、2冊目の『バルサスの要塞』ではバルサス・ダイアを倒して……次から次へと、強大な敵が現れる。
こあらだ ヒロイックですね(笑)
安田 だから普段はもっと普通の話をやって、たまにでかいのやるのがいいんじゃないかな。『火吹山の魔法使い』でルールを覚えたら、次は『死のワナの地下迷宮』とか。
 もともと『死のワナの地下迷宮』というのは、ファングという街で、サカムビット公爵が「生きて出られるやつを求む!」とか言ってコンテストをやっている、という世界観のお話なんだけどね。
こあらだ うわあ、面白そうですね。


4.『AFF2e』のこれから
――: ルールブックの世界の説明にあったタイタンの設定も、ゲームブックを踏まえて作られているんですか?
安田 もちろん。当時、ゲームブックは40冊ぐらい出ていたんだけど、『タイタン』という本に世界のすべてが詰まってる
 さすがに今回は一緒に出せなかったけど、6月末ぐらいにはがんばって出したいかな。
 そのあとは、9月くらいに『モンスター事典』を。これがまた、いろんなのがいて、読むだけでも面白いんだよ。『モンスター事典』は古いものを訳し直すけど、実は同じくらいの分量の『続・モンスター事典』というのがあって。それも一緒に出す予定。
こあらだ なんと、文庫2冊分くらいになるってことですね。
――: シナリオのサポートはあるんですか?
安田 よくぞ聞いてくれた! 実は昔、「ウォーロック」という雑誌があってだね。『FF』のサポート誌としてスタートしたんだ。やがてそこに『トンネルズ&トロールズ(以降、T&T)』が加わって、盛り上がって……最後のほうは『ウォーハンマー』の記事も載せていた。
 そのあと雑誌はなくなったんだけど、2年前に『T&T完全版』をサポートするために「TtTマガジン」が発刊されたんだ。このたび、名前が変わって
「ウォーロック・マガジン」になり、4月に創刊号が出た。『AFF2e』のシナリオについても、そこでどんどんサポートしていきたいと思ってるよ。
――: 「ウォーロック・マガジン」については、このあと詳しくお訊きするつもりです。
安田 了解。しばらくは雑誌でサポートをしつつ、今冬に『ソーサリー』4部作のキャンペーン・シナリオを出したいと思ってる。
 ……とまあ、ここまでぼくがしゃべりっぱなしだったんだけど……インタビュアーとして、他に聞いておきたいことはないの?
――: ええと……(悩)。ああ、そうだ! 日本にもいろいろRPGがあるなかで、この『AFF2e』はどういう位置づけになるんでしょう?
安田 「オールドスクール」かな。『AD&D』とか『ウォーハンマー』とかと同じ時代に作られたから、世界観とかも本格的。かといって、ものすごく重厚で読むだけでも大変、というわけでもない。民話や神話風に、けっこう身の回りのお話だったりする。それも特徴かもしれないね。
こあらだ 不思議と生活感がある感じがしますよね。『タイタン』を読んだり、ポート・ブラックサンドの設定を眺めたりしていても、すごく想像しやすいんです。自分が作ったヒーローがどんなふうに生きているのか、とか。
――: ぼくも翻訳を手伝わせていただいたんですが、世界観のところにある値段リストが面白かったですね。村とか町とか都市とかで、値段が違うんですよ。それがズラッと並んでいて。
安田 うん、あのあたりがいかにもだなあ、と思う。妙に民話的な、身近な感じがある。もとのゲームブックもそうだったけどね。そのあたり、ディレクターをやる人は意識してみると楽しめるんじゃないかな。
 ぶっちゃけ、『T&T完全版』とはタイプが全然違うよね。『AFF2e』もユーモラスなことは含められるけど、『T&T完全版』はパロディ的で、めちゃくちゃなところが面白い。破壊的ユーモアとも言える。いっぽう、『AFF2e』は身の丈に合った日常的ユーモア
こあらだ ニヤリ、と笑える感じですよね。イギリス生まれだからかな。
安田 6月に出る『タイタン』を読んでもらったら、想像が一気にふくらむと思うよ。もちろん、9月の『モンスター事典』でも。
 向こうのサプリメントには、他にも面白いものがある。『ヒーロー・コンパニオン』には新しい魔法がいっぱい載っていて、たとえば仮面魔法とか、入れ墨を使う魔法とか。やっぱり魔法が特徴だよね。土俗的なところから引っ張ってくるのもすごい。
こあらだ 呪術とかもありましたね。
安田 それから、『タイタン・ハーブ』といって、タイタン世界の薬草学みたいな本もあるよ。毒と薬とそれに関したモンスターがいっぱい、っていう本。すごいでしょう?
――: やっぱり、地に足のついた魅力っぽいですね。
安田 あとは……そうだ、小説! 今まで出せなかった、スティーブ・ジャクソンが書いたタイタン世界の小説をやりたい。『火吹山の魔法使い』のザゴールと、『バルサスの要塞』のバルサス・ダイアと、『モンスター誕生』のザラダン・マーの三すくみ。悪人どもの大決戦、『トロール牙峠戦争』っていう小説だよ。
こあらだ 大物ぞろいですねえ。
安田 その間で主人公が必死になって奔走して、うまくぶつけ合わせる、というお話。
――: それは、昔のファンにはたまらないでしょうね。
安田 たまらないね。
――: もう1つ訊きたいことが。新しく始める人に向けて、こういうところがアピールポイントだよ、っていうのはありますか?
安田 そうだなあ……(考えて)80年代後半のころなんだけど。
――: (昔話?)
安田 息子が小学校の3年生か4年生で、RPGを教えてほしいって言ってきたんだ。何を遊ぼうかなと考えて選んだのが、『FF』だったんだよ。システムが簡単だし。息子は友達を2、3人連れてきて、それはもう熱中して、面白かったみたい。
こあらだ へええ。
安田 そうしたらこの前、40歳近いおっさんになった息子がそのときの友達に会って、「お前のおやじとRPGやったよなあ。覚えてるわ~!」と言われたらしい。
 それくらい、『FF』はとっつきやすいし、魅力的だなっていう話。ぜひともみなさんも飛び込んでもらえたら、と思う。絶対面白いから!
――: 最後にいいお話をありがとうございました。ではこれにて、『AFF2e』のインタビューを終わろうと思います。ありがとうございました!



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