GM |
緑が森の陽だまりは、お昼寝するのによいところ……などと思わず歌い出したくなるほどのどかな草原で、君たちは今日も今日とて平和に暮らしている。 |
リーフ |
ああ、平和だなあ。何かお話の種でもないものかしらん。 |
ルー |
わーい、ごはんたべるー。 |
ハービィ |
今のうちに薬をつくろう、新しい種類のやつ(いそいそ) |
リーフ |
ああっ、ハービィがひっくり返ってる!(笑) |
ハービィ |
あ。薬をためす前に、解毒薬はちゃんと教えておくから。何かあったら飲ませてね。 |
タイガー |
……ふふふふ。ついでにこっちを混ぜて飲ませると、どーなるかなぁ? |
ローズ |
やめてーやめてー、なんだかこわいよぉ。ハービィ、笑いながら痙攣してるよぉ。 |
リーフ |
多少の波乱は、平和な生活へのスパイスですよ、気にしない気にしない(笑) |
ルー |
あむあむ。この草おいしー(我関せずで食事を続行しているらしい) |
GM |
……などという微笑ましい光景を君たちが展開させていると、上のほうからパサパサと飛んでくる者に気が付くのでありました。 |
ルー |
なになに? |
GM |
ここいら辺でよく見かけるカラスのクロスケくんだ。べつに友達ではないけれど、うさぎを襲ったりはしない。まあ、顔見知りといったところだろうか。 |
リーフ |
やあやあ。いいお天気ですねえ。 |
GM |
「カーカー、そんな平和にかまえてていいのかー? お前たちの仲間が人間に捕まっちゃったぞー」 |
ルー |
ふえ? |
リーフ |
一体誰が? いつ、どこでなんですかー? |
GM |
「背中に変な袋しょった、年取ったうさぎだったぞー」 |
ハービィ |
変な袋とは失礼な。この中には役にたつ、気持ちのよくなる薬がいっぱい入ってるのに……あ、ということは、もしかしてわたしのお師匠様かな? |
GM |
ピンポーン |
リーフ |
一体何が起こったんでしょう。 |
GM |
「チビうさぎたちが向こうの丘で遊んでたら、犬が来て、そんでもって人間が来て、チビたちを逃そうとして捕まってたぞ」 |
リーフ |
……と通訳します。 |
ハービィ |
それは大変。人間たちに薬草の背負い袋を見られてしまうかも。(うさぎが技術を持っていることは、人間には秘密なのだ) |
GM |
「とにかく、丘の向こうに連れていかれたみたいだったぞ。じゃあ、たしかに伝えたからな。オレは薄情者じゃないぞー」ばさばさ。 |
タイガー |
薄情じゃないけど無責任だぞー! 騒ぎの種だけまいて逃げるなー! |
ローズ |
丘の向こうってなにがあるのぉ? |
GM |
人間の農場があったような気がする。危ないから近寄らないようにって周りから教えられてたよ。 |
ルー |
きっとそこに連れて行かれたんだね。 |
リーフ |
よくわかりませんが、とにかく見にいってみましょう。うまくいけばおもしろい話のネタが拾えるかもしれない。 |
ハービィ |
お師匠さまあ、全部の薬草のレシピを伝えるまでは死なないでぇ。 |
タイガー |
丘のほうに急いで駆けていこう。たふたふたふたふ。 |
GM |
じゃあ、一緒に食事をしていた仲間のうさぎが、巣穴のリーダーへ報告に走ってくれた。 |
リーフ |
友よ、ありがとー。きっと面白い物語を持ち帰ってきてくれるからねー。 |
ローズ |
……なんか、言葉が変。 |
リーフ |
きっと今夜は、人間対格闘うさぎの、スペクタルアクションストーリーを披露できますねー。もちろん、怠惰で平和主義の私は、安全な物影で無事を祈っていますとも。 |
タイガー |
目を開けたまま寝言ほざいとらんで、とっとと走れ! |
リーフ |
ええー、めんどくさいぃぃ。 |
GM |
そんなこんなやってるうちに、君たちは目指す丘のほうから、半べそかいて走ってくる仔うさぎたちの群に遭遇する「えーんえーん。チューリップおじさんが、にんげんにつかまっちゃったよー」 |
ハービィ |
よしよし、怖かったね。何があったのかお姉さんに話してごらん。 |
GM |
「おじちゃんがー、おじちゃんがー」子供たちはパニックに陥っていて、何が何だかさっぱりわからない。 |
ルー |
これは宥めてあげないと。 |
ローズ |
もー大丈夫だよぉ。 |
GM |
「びー、びー」「こわかったよー」 |
リーフ |
しかたがない、ここは私の出番ですね。《感情誘導》しましょう。これをやると疲れるから、本当はやりたくないんですが。 |
タイガー |
……こ、このうさぎは。本当に未来の巣穴のリーダー候補か? |
ハービィ |
みんな、あの顔から溢れでて、今にもたれ流さんばかりのカリスマに騙されているのかもしれない。 |
リーフ |
失礼な。……では、子供たちを10分かけて説得しましょう。「みんな、落ち着くのです。もう怖い連中はいませんよ」 |
GM |
判定は成功? なら子供たちは落ち着いた。ぴすぴすと鼻を鳴らしてる。 |
リーフ |
ぜーはーぜーはー、ああ疲れた。もう動きたくないぃ。 |
ハービィ |
何があったの? 詳しいことを話してごらん。 |
GM |
子供たちの話によると、彼らはついついいつもよりも遠くにエサを食べに出てきてしまった。そこに、人間たちの飼ってる犬がやってきて、面白がってだろうけど、ガウガウと吠え立てられてしまった。 |
ローズ |
いぬぅ? それはこわいよぉ。大きい声で吠えるものぉ。 |
GM |
そう、子供たちも恐慌状態だ。それに大きくて黒くて硬い筒を持った人間がやってくるのが見えた。これは危ないと判断したチューリップおじさんは、犬に薬草を投げつけて、ひるませたスキに子供たちを逃そうとしたんだけど自分は失敗してしまった。 |
ルー |
それで人間に捕まったの? |
GM |
「うん。犬に押さえつけられて、やってきた人間に耳をつかんで連れてかれちゃった。ひっくひっく」 |
ハービィ |
それひどい。むかむか。 |
GM |
《人間知識》で判定してみて。 |
ハービィ |
(ころころ)マイナス2成功。 |
リーフ |
マイナス5成功です。 |
GM |
マイナス2の成功度でわかる、人間に捕まったうさぎの運命。パターンその1、食べられちゃう。 |
ハービィ |
ああ、お師匠様。今ごろはおいしいうさぎ鍋になっているのですね……(泣)。 |
タイガー |
そして前足は幸運のお守りとして、永遠に人間を守護することになるのだ。 |
ルー |
そんな、そうそうにあきらめなくても。 |
GM |
マイナス5で知るパターンその2。人間はなぜか、捕まえたうさぎを意味もなく生かして置いておいておくことがある。何のためだか知らないが。 |
ローズ |
……保存食。 |
リーフ |
あのねみんな、人間はうさぎを捕まえたら、変な動物だから殺さずにずーっと生かしておくことがあるんだよ。 |
ルー |
ずーっとってどのくらい? |
リーフ |
僕が知るかぎりでは、8ヵ月!(リーフは特別かしこいうさぎなので、なんと数字を8まで数えられる) |
ローズ |
……はちってなあに? (でも他のうさぎは4以上の数はわからない) |
タイガー |
ブーンて飛んでくる、刺されると痛い虫のこと? |
リーフ |
たくさん、たくさんってことだよ! |
ハービィ |
そんなにいっぱいの時間置いておかれたら、お師匠様死んじゃうよ。 |
GM |
そうだねえ。チューリップ師匠はそろそろ70ヵ月を過ぎて、そろそろ老化判定の必要なお年だったから。 |
ルー |
大変だあ。 |
GM |
でも師匠がいなくなれば、巣穴の薬草師のナンバー1はハービィのものだ。 |
リーフ |
おお。そういえば、昨日ハービィが仔うさぎたちに「明日は丘のほうにご飯を食べにいっておいで。おいしい草がいっぱい生えてるからね、ふふふ」と囁いているのを聞いたような……。 |
タイガー |
お前かー! お前が仕組んだんかー! |
ハービィ |
にやり。……って嘘ですよ。わたしはそんな子じゃないですもん。 |
GM |
では《地域知識・ちょっと広め》を持っている人は判定してもらおう。 |
ローズ |
あたしない。「あんた迷子になるから、お外いっちゃ駄目」って言われてたもの。 |
リーフ |
《地域知識・ご近所の草原》しかないです。出かけるのめんどくさいから。 |
ルー |
ぴったり成功。 |
GM |
ならこの附近で、人間が生息している場所をだいたい知っている。 |
ルー |
丘の近所の、あの辺りかな? |
ハービィ |
じゃあ、はやく助けに行こう。お師匠様を幸運のお守りになんてしたくない。 |
タイガー |
人間って、昼も夜も行動してたっけ? |
リーフ |
陽が沈んで、しばらくしたら寝ますよ。でも人間は、なぜか陽が傾き始めたら、うさぎを食べる儀式の準備を始めるんです。 |
GM |
そのとうり。もしかして、今晩の人間の食卓を飾っているのは……。 |