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ある巣穴には、5匹のうさぎがいる。それぞれ優れた技を身につけたエリートたちであるはずだが、そろいもそろってのんき者。
物語に命を賭けるシンキングリーフ(通称リーフ)は一行のリーダー。怠惰だけれど好奇心旺盛、無敵の舌先三寸を持つ、未来の王様候補だ。未来の暗さには心が痛む。
優しい薬草師ハービィは頼りになるみんなのお姉さん。しかし、一日一度は笑い薬を食べて前後不覚にならないと、使い物にならない。もちろん前後不覚な彼女はもっと使えない。……困ったものである。
兄貴兄貴と慕われるのは、ピョンフーの達人、タイガーリリイ(通称タイガー)。多少おバカと言われるものの、周りじゅうボケだらけというこの環境では、ダントツのつっこみ王である。
手先の器用なエンジニアの名前はルー。食い意地がはってはいるが、腕は確かだ。どれくらい確かか? それはわからない。彼女はあらゆる機械を壊しまくるが、誰も彼女が造ったものを見たことがないからだ。
最後にぴすぴす泣きながらついてくるのは、ブルーローズ(通称ローズ)。特殊な超能力を使う巣穴でも稀な存在だが、度の過ぎた臆病とトロさのおかげで、誰も彼女を敬う気配はない。今日もてちてちみんなの後追っている。
ある巣穴には、5匹のうさぎがいる。彼らはある一件から『勇者』と讃えられている。
そんな彼らに、私はある言葉を贈ろう。
−−「看板に偽りあり」。 |
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