GM |
さて。今日も今日とて、君たちは巣穴に近い丘の上で平和に遊んでいる。陽だまりにまどろんだり、追いかけっこして遊んだりと、いつものように幸せな一時だ。 |
ルー |
ルーはおいしい草食べてるのー。はぐはぐ。 |
ローズ |
あたしも食べてるの。はむはむ。 |
ハービィ |
わたしもー。うへへへへへへ……。 |
タイガー |
ちがう! お前の食ってる草は違う草だ! |
リーフ |
いきなりラリってどうするんですか。私はお腹がいっぱいだから、のんびりお昼寝でもしてましょう。はーしあわせ。 |
GM |
そういうのどかな光景のなか、君たちのほうへと若いうさぎが、たふたふと駆けてくるよ。「おーい、おーい」 |
リーフ |
私たちにですか? 知り合いかな? |
GM |
そう、君たちも知っているうさぎだ。巣穴の長老……王様の身の回りの世話をしているオーキッドくんという男の子だね。 |
タイガー |
長老のお小姓か。 |
ハービィ |
は、まずい。こんなところを見つかっては……。(こそこそ草を隠している) |
GM |
「は? 何か言いましたか、ハービィさん? 何をかくしているんです?」 |
ハービィ |
え? 何でもないですよ、うふふふふふふ……。(でも、目がイってる) |
GM |
「まあ、いいや。みなさん王様がお呼びです」 |
ルー |
王様が? |
タイガー |
オレたちみんなをか? |
ハービィ |
え? 何だろう、あれはばれてないはずだし、あのことじゃないだろうし……。
(裏で一体何やってんだか、このうさぎ……) |
リーフ |
私もですか? めんどうくさいなあ、食事だってまだこなれてないのに。 |
ローズ |
王様が呼んでるんだもん。行かなきゃだめだよ。 |
リーフ |
ああ、王様の話にも興味はあるけど、ここでゴロゴロしていたいという甘やかな誘惑が私をとらえて離さない……二律背反の苦しみとはこのことですね(笑)。 |
タイガー |
世の中を舐めきった噺家はオレ様がひきずっていこう。 |
GM |
「そうですね、そうしていただけると助かります」君たちの王様は、いくうもの出口がつながった巣穴の最奥部に暮らしている。 |
ルー |
じゃあ、みんなと一緒にてふてふ歩いて、王様のいるところにいくね。 |
GM |
王様はいつもの場所で君たちを待ってるよ。威厳のある立派な風体のうさぎだけど、もう巣穴からは出られないんじゃないかってくらいに太っているのだ。 |
リーフ |
これはこれは、王様におかれましては御機嫌麗しゅう……。
(礼儀作法をこころえている。未来の巣穴のリーダーは一味違う) |
ローズ |
本日はいかな御用でございましょうか?
(この子も礼儀作法を学んでいる) |
GM |
「おお。きたか、お前たち」 |
タイガー |
なんか用か、王様。
(ピョンフー使いには礼儀作法は必要ないらしい……) |
ルー |
なになに? お話ってなあに?
(エンジニアには礼儀作法は……以下略) |
ハービィ |
王様太りすぎ。いいダイエットの薬いりません?
(もちろん薬草師に礼儀作法など……以下略。それでいいのか、ハービィ) |
GM |
「……お前ら3匹、もう少し重々しさというものを持てんか? まあいい、生活指導のために呼んだのではない。じつはお前たちに、ある使命を果たしてほしいと思ってな」 |
リーフ |
と、申されますと何か厄介事が? |
GM |
「うむ、お前たちも聞いているだろう、このごろ西の森のはずれにでるというオバケのことを」 |
ローズ |
え、おばけ? |
ルー |
聞いてるのかな? |
GM |
サイコロをひとつ振ってみて、出目が4以下だったら聞いているよ。巣穴では結構噂になっている。 |
一同 |
(ころころ)うん、知ってる。 |
タイガー |
(ころころ)うむ、聞いてるようだ。問題は、オレが覚えてるかどうかだな。 |
GM |
……知力判定してみれば? |
タイガー |
(ころころ)もちろんさっぱり覚えとらんぞ(笑) |
ハービィ |
脳味噌の硬直具合はあいかわらずだね、兄貴。噂を聞いたときはあんなに見に行きたがって暴れてたくせに。 |
ルー |
そうだよぅ。シンキングリーフはめんどくさがるし、ブルーローズは怖がって寝床でめそめそ泣きだすしで大変だったのに。 |
タイガー |
そうだっけ? なにしろ3歩歩けば忘れる鳥頭なもんで。 |
GM |
あんたはうさぎだ。で、巣穴に広まっている噂では、西の森のはずれに、夜になるとものすごく大きな音をたてる巨大なオバケがでるらしい。みんなが、こわいなこわいなと囁きあってることを知っている。 |
リーフ |
大きな音……ですか。 |
GM |
そう。「それでじゃな。ついこの間もわしのかみさん……つまりは王妃が夜の散歩に出たときに、それらしい怪物を見てひどくこわい思いをしたらしいんじゃな」 |
ハービィ |
はあ。王妃さまが一人でお散歩ですか。勇気あるんですね、こわい噂の広まってる最中だというのに。 |
GM |
好奇心もあったんだよ。王妃は気の強いおかただったしね。でもその一件以来、王様と顔を合わすたびに「あなた、巣穴を引っ越しましょうよ。あの怪物どんどん近づいてくるみたいですわ。ね、引っ越しましょ」とせがんでくるのだ。よほど怖かったんだろうね。 |
ローズ |
そうだよ、引っ越そうよぅ。王妃様が怖いんだから、きっとものすごぉくこわいんだもん。そんな怪物が近づいてくるなんてやだよう、ぐしぐし(泣) |
タイガー |
話だけでおびえてどうする。 |
リーフ |
(さらり)タイガーにはおびえるだけの知力がないんですよ。それで王様、一体私たちは何をすればいいんですか? |
ルー |
お引っ越しのお手伝い? |
ハービィ |
それとも移住先を見つけてくればいいのかな? |
GM |
「いや、この大きな巣穴で暮らすうさぎ全員を移動させるとなると、そうとう大変だ」 |
リーフ |
それ以前に王様一人を巣穴から出すだけでも大変です。 |
GM |
「う、うむ、それもある。新しい巣穴を一から掘るのも厳しい。だから、できることなら、巣穴の移動はしたくないのだ」 |
タイガー |
なるほど。 |
GM |
「そうなるとだ。うちの嫁がおびえているだけならいい。しかし万が一、嫁の言うとおり怪物がこのす穴に近づいてきているとなると一大事じゃ」 |
ルー |
そうだね、怖いね。 |
GM |
「……というわけで、選びぬかれた勇者たるお前たちに使命をあたえよう」 |
ハービィ |
は? ゆうしゃ? それ、わたしたちのことかな? (心の底から意外そう) |
ローズ |
どういう基準で選んだのかなぁ。 |
GM |
「何をとぼけとるか。ついこの間、人間に囚われた薬草師のチューリップを、大激闘の末、見事に救出してきたそうではないか。巣穴では大評判になっているぞ」 |
リーフ |
そ、そういわれてみれば、私がおびえるあなた達を率いて、かっこよくチューリップさんをたすけたという話を、そこらじゅうに吹聴してまわった気が……(笑) |
GM |
「そう、それじゃ。わしも聞いたぞ、見事なものではないか。そこでお前たち5匹の勇者にならば、西の森のバケモノの正体も突き止められるだろうと、思ったわけじゃ」 |
ルー |
きっとものすごぉく、美化された冒険譚だったんだろうねー。 |
ハービィ |
……王様の耳に入るまでに、どれだけ余計な尾ひれがつきまくってるんだろう。 |
GM |
「ゆけい! 5匹の精鋭たちよ! 行って我らが巣穴を脅かす巨大なバケモノの正体を暴いてくるのだ! そしてあわよくば、その脅威をとりのぞいてくるがよい!」 |
タイガー |
王様、何かちょっと浸ってるッす。 |
ハービィ |
いけないクスリやってるのかな? |
GM |
「ごちゃごちゃ抜かしとらんと、さっさと行けーーっ! げしっ(5匹まとめて蹴り飛ばされたらしい) |