リーフ |
それじゃあ、なんだか仲間の顔じゃなくなったタイガーリリイを連れて、3つめの人間の巣に行ってみましょうか。 |
GM |
うん、今度はちょっと前の二つの巣とは様子が違うみたいだよ。 |
ルー |
へ? |
GM |
ここは周囲がコンクリートに囲まれてる。 |
ハービィ |
あうう(ころころ)うん、なんとか耐えてる。 |
ローズ |
大変だね、コンンクリート恐怖症。 |
リーフ |
あ、街ネズミくんたち、この巣のことは何か知りませんか? |
GM |
「ううん、ちょっとだけなら。ここは真っ白なボクたちの親戚とか、犬とか猫が、檻の中にたくさんいるっチュよ」 |
リーフ |
ふーん。まあ、うさぎがたくさんいたところもありましたしね。 |
GM |
「でも中に気持ち悪いのがいるっチュよ。頭を切り開かれて、脳みそが丸見えになってるようなヤツがいるっチュ」 |
タイガー |
脳みそ……ああ、頭の中に詰まってるアレだな。 |
ローズ |
あ、兄貴、いつ見たのぉ? |
GM |
「それで、いろいろなヒモがつながったりしてるのっチュ」 |
ルー |
うわー、なんかイヤだなあ。 |
リーフ |
まあ、嫌なところは早くすませてしまいましょう……といっても、ここで薬を見つけなきゃ後がないんですけどね。 |
GM |
「ここはほかの場所とはちょっと造りがちがうっチュから、ボクらの使う空気のとおる穴を通っていくといいっチュ」と言いながら、街ネズミたちは君たちを積み上がった棚の方まで案内してくれた。細かい網のはった小さな抜け穴が、棚の上のほうに一つ開いているのが見えるよ。 |
タイガー |
なるほど。棚を伝い登って、あの壁の穴に入れってことだな。 |
ローズ |
え、登るの? やだよう、あたし『高所恐怖症』なんだもん(泣)。 |
タイガー |
お前、まだそんな余計な弱点ついとったんかい。 |
ローズ |
くすんくすん、高いの怖いよう。 |
ハービィ |
よしよし、下を見なきゃ大丈夫。 |
リーフ |
ついてこなきゃ、一人ぼっちで置いてきぼりになってしまいますよ(笑)。 |
ローズ |
いやーん、それはもっと嫌(泣)。 |
タイガー |
……しかも『孤独恐怖症』のさびしん坊ときたもんだ。 |
GM |
通気孔からは、正面に人間の匂い、左に犬とか猫の動物の匂い。あとは右から、人間の作るいろんな草の匂いが流れてくるよ。 |
ハービィ |
そこだ! 右に薬があるんだ! |
リーフ |
きっとそうですね。でも一応人間を避けて、動物たちにここのことを色々訊いてからにしませんか? |
ルー |
そうだね、何があるのかわかんないもんね。 |
GM |
狭い穴をずりずり伝っていくと、途中に金網になっている場所があって、下の部屋が覗けたりするよ。ここには変な装置と動物たちがいる。 |
リーフ |
下に降りてみましょう。一番近いところにいるのは、どんな動物ですか? |
GM |
猫だよ。モップみたいに毛むくじゃらで、白い毛皮だ。「あら、うさぎじゃないの。こんなところでなにしてるの? 早く檻にかえったら?」 |
リーフ |
私たちは外から来たんです。あなたたちは一体何をしてらっしゃるんですか? |
GM |
「さあ、よくわかんない。でも人間がいろいろ私たちをいじくりまわしていくわね。ほら、そこに脳みそパックリ割れた犬がいるでしょ」といって猫が顎をしゃくった方向に……。 |
ローズ |
見ない、見ない。ぜえぇぇったいに見ない!(泣) |
GM |
あ、そ。見た人は恐怖判定しておいてね。 |
リーフ |
で、どんな風にされるんですか? うさぎたちは病気のことを調べられていたそうですけど。 |
GM |
「えっとね、たまに頭がすごーくよくなったり、電波が飛んできたって大騒ぎをはじめるヤツが出てくるわね」 |
ルー |
どんなことされて、そうなるの? |
GM |
「切られたり、つつかれたり、薬を飲まされたりすることが多いわぁ」 |
タイガー |
シルバーファーが言ってたのは、その薬か! |
ハービィ |
猫さん猫さん、ここから昔その薬をのんだうさぎが脱走したとかいう話、聞いたことない? |
GM |
「さあ……? 私はそんなに前からいるほうじゃないしねえ」 |
リーフ |
じゃあ、ここのことを一番よく知ってるのは誰ですか? |
GM |
「そりゃあ、人間でしょ。あ、そういえば一番昔からここにいる人間も、脳みそいじくられたり、色々薬を飲まされたりしていたみたいねえ」 |
ルー |
に、人間もですかぁ。 |
GM |
「そう、それでその人間は私たちの言葉がわかるのよ」 |
リーフ |
おお、それはすごい、人間のくせに! |
タイガー |
そいつはこの近くにいるのか? |
GM |
「ううん、ずっと地面の下のほうの部屋に閉じこめられているみたい」 |
ハービィ |
じゃあ、とにかく行ってみる? 人間なら、詳しい薬の在りかを知ってるかもしれない。 |
リーフ |
ええ、そうしましょう。人間は地面の下の部屋でしたね、ありがとう猫さん、教えてくれて。 |
GM |
「気を付けてね」猫はけだるげに見送ってくれる。 |
タイガー |
じゃあ、穴を下に下にとくだって行こう。 |
GM |
地下に続く穴もあるよ。体力判定に成功すれば、両手足をつっぱって降りることができそうだ。ただし、これは真下に向かって4メートルの穴だから、ブルーローズには怖いだろう。どうしても下に降りるっていうなら、マイナス4の判定ね。 |
ローズ |
あたし、待ってる。ああっ、でもひとりは嫌だよう(泣)。 |
リーフ |
大丈夫、万が一のことを考えると超能力は必需品ですからね、血ヘドを吐こうがついてきてもらいますよ。ふふふふ……。 |
ハービィ |
ブルーローズ大丈夫、ちゃんと安全な方法を考えるからね。 |
ローズ |
とか言いながら、ハービィは自分だけドーピングしてるし。 |
ハービィ |
だって、体力に自信ないんだもん。 |
タイガー |
じゃあ、オレ様から行くぞ、(ころころ)もちろん成功! |
ルー |
兄貴が降りきらないうちに、ルーもレッツチャレンジ。(ころころ)あ、プラス1失敗。兄貴の上に、1メートル分落下(笑)。 |
タイガー |
キサマ、最初からオレをクッションにするつもりで、タイミングを計ってたな! |
ルー |
うん、ごめんね兄貴(笑)。 |
ハービィ |
なるほど、あの手があるわけね。じゃあわたしも、ルーがタイガーリリイからどくかどかないかぐらいのタイミングで……(ころころ)あ、2も失敗しちゃった。 |
GM |
じゃあ、2メートルぶんの高さからタイガーリリイの上に落ちる。 |
タイガー |
ぐはあ、お前ら……覚えてろよ! |
GM |
次はシンキングリーフ? |
リーフ |
そうですね、あ、あの下の阿鼻叫喚状態を見てると、やっぱりブルーローズは無理をしないほがよさそうです。ここで待ってるといいですよ。 |
ローズ |
ええー、ひとりじゃやだよう! |
リーフ |
と、油断してすがりついてきたところを、情け容赦なく蹴り落とす!(笑) |
ローズ |
きゃああん!(泣) |
GM |
鬼かアンタ。 |
リーフ |
タイガーリリイ、受け止めて下さいね。 |
タイガー |
無茶な注文しやがるな。 |
GM |
それは体力と敏捷力でそれぞれ判定マイナス2の判定が必要だな。ブルーローズも受身を試みるというなら、《軽業》で判定してもいい。 |
ローズ |
うん、それやったら兄貴の負担を軽くできるんだろうけど、あたし技能ないから13以上の出目でファンブルなの。 |
タイガー |
……余計なことせんでいいわい。たあ!(ころころ)どっちも成功、華麗にキャッチだ! |
一同 |
おおー(感心)。 |
ハービィ |
ヒーローだね、兄貴。 |
タイガー |
でも顔はイタチ(笑)。 |
リーフ |
最後は私ですね。 |
タイガー |
さ、とっとと先に行くか(きっぱり)。 |
ローズ |
そうだね(あっさり)。 |
リーフ |
ああ、そんなあ。 |
GM |
自業自得って言葉知ってるか? |
タイガー |
それはともかく。地下まで来たはいいが、どこに話のわかる人間がいるのかさっぱりわからんぞ。 |
ハービィ |
わたしたちの言葉がわかるんだから、好き勝手に呼んでればいつかは応えてくれるんじゃない? |
タイガー |
それもそうか。おーいにんげーん、聞こえたら返事しろー! |
ルー |
人間さーん。 |
GM |
そうやって君たちが騒いでると、ややあって通気ダクトの網の部分がパカリと開いて一人の人間の雄が顔をだすよ。 |
ハービィ |
は、なんかドキドキ。このヒト本当に話が通じるのかしら。 |
GM |
「うさぎくんたち、あんまり騒いでると他の人間に見つかっちゃうよ」 |
リーフ |
話はわかるんですか? |
GM |
うん。というかこの人、君たちの頭の中に話しかけてきてるよ。 |
タイガー |
おおっ、これはブルーローズに時折くらわされる毒電波! |
ローズ |
わあ、この人間さん超能力者だあ。 |
GM |
「ほら、おいでおいで」人間は手の上でクラッカーの箱をがさがさ。 |
ルー |
わーい、ごはんだ! ばたばたばた。 |
リーフ |
なんかいきなり警戒心ゼロって感じですね。 |
ルー |
ごはんをくれる人に悪人はいないもん。 |
GM |
「おおっと、順番順番」人間は君たちを手の上に乗せて、部屋に下ろしてくれる。「君たち、ここの実験動物じゃないね?」 |
タイガー |
いや、オレはちょっと別の場所で実験を受けたようなもんだがな。今のオレはうさぎではなく、イタギだ。 |
リーフ |
あのですね、私たちは超能力ボーン、兎武術バリバリなスーパーうさぎになるための薬を探しにきたんです。あなたはここに長くいるようですが、なにか知りませんか? |
GM |
「うーん、超能力の薬ねえ。ないことはないけど……」 |
ルー |
やったー。 |
ハービィ |
きらきらした目で見上げよう。 |
GM |
「効かなかったらひどい目にあうこともあるよ、頭がはじけたり変形したり……」 |
ローズ |
あう、それはちょっと……。 |
GM |
「それに、すごく厳重に保管してあるからなあ。君たちじゃ無理なんじゃないかな」 |
リーフ |
つぶらな瞳で見上げましょう |
ローズ |
期待をこめたまなざしで(笑)。 |
ルー |
いかにも無邪気に(笑)。 |
タイガー |
かわいいうさぎ瞳で(笑)。 |
ハービィ |
あ、じゃあ兄貴は参加しないで(きっぱり)。 |
GM |
「うーん、困ったなあ」 |
ローズ |
すりすり。お願い、お願い。 |
リーフ |
それがないと、私たちの親戚の巣穴は、イタチによって全滅させられてしまうんです。私たちのようなしがないうさぎには、あなただけが頼りなんです……と泣き落としもこめて《説得》。 |
ルー |
それ、人間にも効くの? |
リーフ |
話ができれば通じるはず。(ころころ)なんとか成功。 |
GM |
……う、抵抗失敗。情けない人間どもだな、ことごとくうさぎ風情にいいように操られるとは。「しかたないなあ、ちょっとここで待ってるんだよ、うさぎ君たち」 |
一同 |
やったー! |
GM |
人間は部屋のドアの前に立つと「むん」と念じて鍵を解除した。そのまま外にやすやすと出て行ってしまったよ。 |
ローズ |
すごーい!(おめめきらきら) |
ハービィ |
よかったね、憧れの師匠ができそうじゃない。 |
ルー |
でも暇になっちゃったね。人間の部屋をあちこち探ってみよう。ごそごそ。 |
GM |
じゃあ、いきなり音が鳴りだす黒い箱だの、噛みごたえある電線だの、ティッシュペーパーの箱だのをボロボロにしてなさい。 |
リーフ |
部屋のすみっこをでも齧りましょうかね。 |
ローズ |
あ、紙の束だ破いちゃえ。 |
ルー |
毛布噛んじゃえ。 |
ハービィ |
ああ、一服一服。うふふふふ……。 |
タイガー |
本能の赴くままだな。オレ様はそんな下等なことはせん。……さて、人間ってのはこのあたりに酒を隠してたりするはずだが……(ごそごそ)。 |
GM |
おのれが一番タチが悪いわ。そうやって君たちが時間をつぶしていると、耳から血を流しながら『ガープス・サイオニクス』なソロ・シナリオをこなしてきたらしい人間が戻ってきたよ。 |
ローズ |
おかえりなさーい。だいじょうぶ? |
ハービィ |
ふへへへへ……このクスリを飲んだら〜疲労点〜回復するのよ〜。 |
GM |
「おや、ありがとう」そうだな、その薬をもらえたら、この人完全に回復できるよ。 |
ローズ |
おじちゃん、ブラックローズっていうお名前あげる。ローズは代々の超能力者の名前なんだよ。 |
GM |
ありがとう。その命名ブラックローズさんは、手に緑色のアンプルを何本か握ってる。 |
リーフ |
ありがとう! これなんですね、勇者になれるかもしれない薬というのは。 |
GM |
「そう。でもまだ飲まないほうがいいよ、ずっと効いてるとは限らないし」 |
タイガー |
イタチどもと対決前に飲めってことか。 |
リーフ |
ハービィには万が一のために《解毒》用の薬草をたくさん作っておいてもらいますから安心してくださいね、みなさん。 |
ローズ |
なにを? |
GM |
「CIAが一生懸命開発した超能力ドラッグが、かわいい野うさぎの役にたつかと思うと楽しくてしょうがないよ、実験人間のボクとしては」 |
ルー |
しーあいえー? |
リーフ |
この御恩は忘れません。あなたのことはきっと素晴らしい物語にして、永遠に巣穴で語り継いでいきますからね。作者シンキングリーフの名と共に。 |
GM |
「ありがとう。さ、早くお逃げ」 |
ローズ |
ブラックローズは逃げないの? |
GM |
「どこにも行く場所がないんだよ」と人間は悲しそうに目を伏せる。 |
ハービィ |
あら〜、深刻な顔しちゃだめよ〜。そんなときにはコレをやって元気になりなさいね〜、うふふふふふ……(薬草をさしだしている)。コレは恐怖も心配もなにもなくなって、幸せだけが訪れるクスリなのよ〜。 |
GM |
「た、たしかに気楽になれるみたいだね。じゃあ試してみようか、もぐもぐ」 |
タイガー |
誰か、クスリに頼ってはいかんと教えろ。こいつらに。 |
GM |
「もぐもぐ……あれ? なんだかこの薬草を食べていると、新しい力が目覚めていく気がする……」 |
ローズ |
え? |
リーフ |
おや『あなたの知らない世界』でも見えましたか? |
GM |
「む! 何だか思い浮べるだけで自分の好きな場所に行けるような気になってきたぞ! いや、きっと行ける!」 |
一同 |
テレポーテーションだ! |
GM |
「ありがとう、うさぎたち。ボクはこの能力を使ってここから逃げることにするよ」 |
ルー |
わあ、おめでとう。よかったね! |
ローズ |
すごいすごい、さすが心のお師匠さま! |
リーフ |
まったくです、ついでに私たちを連れて外まで出てくれれば、もっと素晴らしいですね(笑)。 |
タイガー |
下水に置き去りにしてきたうさぎたちもな。 |
GM |
……最後まで、人間を使い倒す連中だな。「そのかわり、ボクがCIAに殺されそうになったら助けにきてくれよ、ちっちゃい弟子」 |
ローズ |
もちろん! |
リーフ |
嬉しそうですねえ。 |
タイガー |
ふ、地獄の始まりだとも知らずにな……。 |
ルー |
兄貴って一体、どんな修業時代すごしたの? |
かくして、うさぎたちはついに(仮称)簡単勇者様開発薬を手に入れた!
ついでに約一匹は念願の師匠を見つけてほくほくだ。
仮名・ブラックローズ氏のその後を、うさぎたちは知らない。強力な味方として、いつか再び相まみえる日がくるのか。それとも、いつかつまんない騒動のタネになって迷惑をかけられるのか……。
それはともかく。
結局、今回も役に立たなかったピョン太の巣穴のために、うさぎたちはついにイタチの群れと全面対決だ! 芽生えるか、勇者の力!ほとばしれ、友情パワー!
うさぎたちは今、伝説となる……。
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ハービィ |
あれー? なんで気が付いたら外にいるの? いつのまに? |
タイガー |
てめえは永遠にラリッてろ! |
……ダメかもしんない。
|