■祝! 1周年記念 |
皆さんは東京は秋葉原にある『R&Rステーション』をご存知でしょうか?
ボードゲームやTRPGのルールブック、そして関連書籍等のアナログゲーム全般の商品を多数取り揃えたショップさんです。
この『R&Rステーション』が、2006年11月12日をもって、なんと開業1周年となりました。
『R&Rステーション』は我々、グループSNEの商品を多数取り扱っていただいたり、イベントを多数開催していただいたりで、大変お世話になっているショップさんでもあります。
その、『R&Rステーション』から10月上旬にゲスト参加の依頼があったのがことの始まりです。
「きたる11月12日に『R&Rステーション』が1周年を迎えます。つきましては友野詳先生、北沢慶先生、そして……力造先生にゲストで来ていただこうかと思いまして」
余裕の表情で頷く友野、北沢の両作家。そして驚愕の表情を浮かべるオレ。
「あのー、もう一回ゲストの名前をいっていただけますかね?」
「……つきましては友野詳先生、北沢慶先生、そして……力造先生にゲストで来ていただこうかと思いまして」
ああ、先生! なんという甘美な響き!
今までイベントには適度に参加させていただきましたが、指名で召喚されるのはコレが始めて。小市民なオレの心が躍りまくります!
「よーし、パパ頑張っちゃうぞ!」
ちなみにお題目は、このコンベンションの2日前に発売された『GURPSユエル』のサプリメント『かくて世界は広がった』を用いた『GURPSユエル』のセッションを友野詳が担当、そして、11月2日に発売された『デモンパラサイト』のサプリメント『デモンパラサイト上級ルールブック』を用いた高レベルセッションを北沢慶、及び力造が担当となりました(今回のイベントはこれらの新作を記念してのものでもあります)。
友野の伯父貴、北沢の兄貴、そして鉄砲玉のオレというある意味、完成されたトリオによるゲスト陣は、颯爽と東京の地を踏むことになったのでした。
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■やってきたぜ! 『R&Rステーション』 |
前日の雨の影響か、関東平野の冷たい風が肌に染みるものの、天気は抜群の快晴で、まさにコンベンション日和(←?)です。
『R&Rステーション』は、秋葉原にあるビルの6階にあり、エレベーターで上に上がります。
11時30分頃に、会場入りしようとしたオレは、ここで友野の伯父貴と遭遇。
「伯父貴! 来てらっしゃったんですかぃ?」
「おう、リキか。今日は頑張ってお勤めするんじゃぞ?」
「へぃ!」
……などという任侠チックな会話がなされたかどうかは定かではありませんが、とにかく激励をいただいた上で会場入りです。エレベーターに乗って、6階の会場に到着。扉が開くと、目の前には綺麗に整頓された清潔感溢れるアナログゲームショップの風景が広がります。
人の入りは上々のようで、レジの方は忙しそうです……お、TRPGサポート誌『R&R』などで活躍していらっしゃる「ヒゲの編集」こと宮野さんが働いている姿が目に入りました。
お客さんたちが商品を買い上げているようで、レジの対応に大忙しといった感じです。といいますか、店員をしている姿が妙に輝いている風に見えるのは俺の錯覚でしょうか?
これはきっと……愛です。アナログゲームにかける熱い心が、愛が宮野さんの心を誠心誠意をもった商人の顔に変えているのです。
今、あの人は労働の喜びをこの上なくかみしめているに違いない! そう思うと、オレの表情もふっとほころびます。うん、なんだかテンションが上がってきたぞ!
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■ゲストトークショウ |
12時頃になったので、イベントが始まりました。
今回のゲストは友野詳、北沢慶、オレのほかに『異界戦記カオスフレア』などでお馴染みの小太刀右京先生と、三輪清宗先生の二人もいらっしゃいました。
ちなみに、二人とは古い頃からの付き合いだったりもするんですが……こうやってお互いがアナログゲームイベントでゲストとして召喚されるようになるなんて、奇妙な気分です(笑)。
おもわず、こんな会話がこぼれます。
力造「ねえ、小太刀くん、三輪さん。二人がゲームの紹介話している横で座っていると、なんかアマチュアコンベンションに参加してた時のGM紹介を思い出して……」
三輪清宗「そ、それをいわないで(汗)」
小太刀右京「うーむ、まるで関西のTRPGイベントだな(笑)」
さて、記念コンベンションの最初のイベントはゲストによる新作トークショウです。
今回、我々のお題目になったのは『かくて世界は広がった』『デモンパラサイト・上級ルールブック』の二点です。
『GURPSユエル』のサプリメントとなる『かくて世界は広がった』は友野詳のエッセイの紹介でも分かるように、魅力的な世界観を堪能するための、異種族をメイン作成された『GURPSユエル』専用のサプリメントです。これを用いれば一風かわった異種族を遊ぶ事が可能になり、『GURPSユエル』の遊びの幅を、さらに広げることは間違いありません!
そして、もう一点のお題目である『デモンパラサイト・上級ルールブック』は北沢慶原案によるTRPGルールブック『デモンパラサイト』の専用サプリメントであり、高レベルに対応したデータや新しく追加された共生生物のデータなどが盛り込まれたルール拡張をテーマにした一品です。
恥ずかしながら、オレこと力造も執筆の手伝いをさせていただきました。
友野詳、北沢慶は、ともにトークショウで新商品の魅力をアピールして、時折お客さんを沸かせながらイベントのテンションは最高潮へと達していきます!
さて、次はお客さんたちのお待ちかね、楽しい楽しいセッションの時間です!
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■セッション開始! |
友野詳は新サプリメント『かくして世界は広がった』のサプリメントを用いた『GURPSユエル』のセッション、北沢慶と力造は新サプリメント『デモンパラサイト・上級ルールブック』を用いての高レベル対応セッションとあいなったわけですが……おや、テーブルの数には「デモンパラサイト卓×3」とかありますよ? 一体なぜ? オレたちは分身とか出来ないのですが。
???「フッフフフ、その心配には及びませんよ」
その渋い声に反応して、振り返ると、そこには『デモンパラサイト』と今回の『上級ルールブック』の編集をしてくださったアークライトの編集者、刈谷圭司さんがいらっしゃいました。
力造「刈谷さん!」
刈谷圭司「今回はワタシもGMをするということで、召喚を受けました。ひとつよろしくお願いします」
刈谷さんは『R&R』などで掲載されている、RPG体験マンガのGMを務めたりもする剛の者です。
はっきりいってコレは心強い! 刈谷さん、よろしくお願いします!
セッションをするプレイヤーの配分が終り、オレたちもそれぞれに用意されたテーブルに着席します。
今回、オレのセッションに参加してくださったのは男性4名、女性1名。
高レベル対応、そして『上級ルールブック』に掲載されている新ルール「デュアルパラサイト」を適用してのキャラクター作成が始まります。
「デュアルパラサイト」ルールは、通常は1種類の「悪魔寄生体」を2種類体内に着床させることで、獲得できる特殊能力を増やし、能力の組み合わせが楽しめるようになるというステキな選択ルールです。
力造「あまり慣れていない方はデュアルパラサイトルールを用いずに、1種類の共生生物を伸ばして成長させることをオススメします」
プレイヤー一同「はーい」
などと、一見平和的にキャラクター作成が開始されたのですが……さる会話がきっかけになって、不思議な現象が起こり始めます。さる会話とは以下のようなもの。
力造「デュアルパラサイトの組み合わせはアレとコレがどうこう」
慣れたプレイヤー「強力なコンボといえばアレがどうこう」
慣れていないプレイヤーの皆さん「ゴクリ……」
暫くすると、慣れていないプレイヤーさんたちの手がとまってしまいました。
もしかして、先ほどの会話を聞いて、デュアルパラサイトのルールを使いたくなったのでしょうか?
力造「あれ? 皆さんキャラクターは作らないのですか?」
他のプレイヤーたち「あの……我々もデュアルパラサイトをしてもいいでしょうか?」
どうやら正解のようです(笑)。
慣れていないプレイヤーさんはデュアルパラサイトルールを使った難しいキャラクター作成はしないほうがよいかなーと思っていたのですが、今思い起こせば、配慮が足りなかったのかもしれません。
やはり、自分でキャラクターを創造するという楽しみはTRPGの醍醐味なのです。
『デモンパラサイト』はルールが簡単なので、オレはこの申し出を快く承諾します。
共生生物の決まらないプレイヤーにはオススメの共生生物を紹介したり、キャラクターシートへの能力の写し方を説明したりして、皆さん熟考の末に、キャラクターを完成させて、さあセッション開始です!
が、ここで……女性のプレイヤーさんから、すごい一言をもらいました。
女性PL「あ! 力造さんが勧めたこの共生生物って、服はどうなるんですか!?」
力造「……? えっと、変身を解くと服が濡れはしますが破損はしませんよ」
女性PL「よかったー、力造さんの勧める共生生物だから、てっきり服が全損するのかと」
バリン。
おや、何かが心の中に砕ける音が聞こえましたよ?
そうか……そうだよなあ。確かに、エロいエロいと評判(?)の『デモンパラサイトリプレイ・悪魔憑きの目覚め』を読んだ人には確かに、オレがプレイヤーを騙して、まるで服が全損するように仕向けたよう(リプレイ中に、「共生生物」の変身によって服が破損することを説明していなくて、ヒロイン二人が変身すると、服が全損するというステキな展開になってしまいました)に見えるんですよねえ……。
……いや、まあ理由はいえません。
大人の事情でいえません。
当初はかなでが男で、アキラの持つ共生生物「クレイモア」の変身による服の損傷がそでや破ける程度だったのに、編集者の「ヒロインを2人にして服を全損させるようにしろ」という指示を受けてしまい、泣きながら原稿を修正したなんてことは口が裂けてもいえません!
女性ファンを返せ!
緑を、森を返せ!!(笑)
……もっとも、おとなしいリプレイを書いたところで女性ファンがオレにつくとは全然思ってないのですが(笑)。
「ちいぃ、服が脱げるやつを勧めておくんだったぜ!!」というボケを一瞬口にしようかとも思いましたが、なんだか全てが嫌になってしまったので、苦笑を浮かべて華麗にスルーすることに決定しました。オレってダメな人間です。
そもそも、「先生」とか言われて舞い上がってたのがいけなかったんですね。思い切り殴り返された感じです。
そして、この後……オレは皆を楽しませる、壊れたGMするだけの機械へと変貌していたのは内緒です。
でもまあ、引っかかったのはこの出来事だけで、あとはプレイヤーさんたちも面白くって、楽しいセッションになったわけですが。
とにかく良いセッションでした(笑)。
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■サイン会 |
会場全体のセッションもひと段落し、今度は新しい商品などの紹介トークショウになりました。
トークの話題となったのは、近いうちに発表される予定の『GURPSリボーンリバース』と『傭兵剣士・リプレイ&ソロシナリオブック』などです。
『GURPSリボーンリバース』は『GURPS第4版』対応の新作として発表される現代もののRPG。『傭兵剣士・リプレイ&ソロシナリオブック』は偉大なRPG『T&T』のルールを用いた超ステキソロシナリオブックである『傭兵剣士』を『T&T第7版』に対応させた形で、さらにリプレイまで掲載したという超豪華な復刻版です。
これらの予定作品の話題の後に、制作中の作品である『デモンパラサイト・サプリメント2(仮)』と『デモンパラサイトリプレイ3巻』の内容などを少しだけ喋らせてもらいました。
そして、最後には各ゲスト陣によるサイン会が開催され、お客さんたちが購入してくださった商品にサインをすることになります。実は、力造はサインをしたことがあまりなく、今まで起こった突発的なサイン会で、割と赤っ恥をかいていたため、なんと今回は生意気にもサインの練習などをしてきたりしました(笑)。
北沢慶「お、なんだかサインぽいな(笑)」
いえ、兄ぃ、サインなんですってば(笑)。
毎回思うのですが、サインを書くのってなんであんなに恥ずかしいのでしょう……冷や汗タラタラ、必死でサインを書き書き、ようやくイベントを終えたのでした。
いろんな事があった今回の『R.CON』でしたが、なんだかんだで楽しい事や笑えることばかり。
きっと、力造は今回のコンベンションのことを忘れることはないでしょう。
そして、次に機会があれば、もう一度参加したいと思う、本当に楽しいイベントであったことは間違いありません!
来てくださった皆様、本当にありがとうございました!
(了)
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