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GENCON2004
北沢慶のアメリカ紀行 (4)


第5日目:アンディといっしょ
 GEN−CON体験2日目の朝は、いつもと同じようにホテルのバッフェ(朝食バイキング)から始まる。
 そしてお腹も膨れた一行は、いよいよ本気の買い物に突入するべく物販スペースへと向かった。
 ボスと共にまず向かったのは、前日に知りあった日本語の流暢なアメリカ人アンディのブース。昨日のレポートではうっかりはしょってしまったが、彼は天羅万象・零」の英語翻訳を手がけている日本通。そんな彼のいるブースはインディーズのRPGを扱っており、まずはそこにある愉快そうなゲームを買い漁ることから買いものは始まった。


アンディといっしょ


 そこでボスの大人買いが炸裂し、10冊以上のルールブックやサプリメントを購入。そこですっかり息投合した我々は、アンディに頼んで目当てのゲームを探してもらうことになったのである。
 さすが日本のゲームにも精通しているほどのマニアであるアンディ、北沢ではガイドブックと首っ引きになっても見つけることのできなかったブースの大半を熟知している。
 主に探していたのは、友野兄ィに頼まれていたJGCイベント「バカRPGを語る」用のネタ系RPG。しかしアンディのおかげであれよあれよという間に集まってゆく。
 ……まあ、友野兄ィがメーカー名を略称で書いてよこしてなければ、ガイドブック見れば大半が見つけられたってのは黙っておこう。
 中にはすでに売り切れのものがあったり、逆にアンディオススメのゲームを買ったりと、北沢のかばんは急激に荷重を増してゆく。さすがカード社会アメリカだけに、物販の大半がクレジット・カードOK。現金が尽きてもカードでバンバン買いつづけてしまったため、来月の請求が心配だ。
 しかしアンディとクレジット・カードのおかげで、午前中だけで買いものはほぼ終了。おそらく北沢ひとりでは、1日かかってもこの1/3も見つけられなかったのではないだろうか。
 ありがとう、アンディ。日本に来るときは、一声かけてね。





第5日目:コスチュームな人々
 軽く昼の休憩の後、物販以外のブースも巡回することにした一行。
 ここで藤澤は昨日買ったファンタジックな娘さんルックに変身。ボス、笠井さん、北沢を含めた4人はあてどなくぶらぶらと会場内をさまよう。



 ミニチュアゲームTRPGTCG、どのスペースも凄まじい広さ、そして凄まじい熱気。
 なんといっても圧巻はミニチュアゲームで、体育館ほどの広さの会場に並んだ机の上は、ジオラマとミニチュアがこれでもか、これでもかとセッティングされている。狭い日本の家庭事情では、絶対にありえない光景だ。



 そしてこの日はコスチュームコンテストの日。なので会場内は本気なコスプレの人たちがごろごろしている。特にファンタジー系やSF系は半端ではない力の入れようで、布や革はまさに本物に迫る勢いの出来。中身が本物の外国人(というか、我々が外国人なわけだが……)だけに、もはやコスプレとかいう次元とは違うように見えてくる。



 もちろん玉石混合なのは日本もアメリカも同じだが、クオリティの高い人ともなれば本物の俳優か映画の撮影のよう
 そんなあたりをふらふらと歩いていたら、藤澤がアメリカンなカメラ野郎に「写真を撮らせてもらっていいかい?」と声をかけられる一幕も


写真を要求され
さりげなくポーズを取る藤澤


 しかしコスプレイヤーを撮る人たちってのは、全世界共通の雰囲気を持っているなあと思った北沢であった。

  

  

 その後再び休憩をかねてショッピングモール(こちらはGEN−CONとは関係ない)でお茶をしつつ、またチャイナ服を買う藤澤。もはやカード破産寸前である。
 ……ま、パパのカードなんだが。


第5日目:夕食を青色に染めて
 さっそくチャイナ服に着替えた藤澤と笠井さんと共に、物販で最後の買い物。ちまちまと土産を買って、夕食へと向かう。
 今日はボスの希望でパスタ屋ということだった。予約が取れない店だったものの5時という早い時間だけに大丈夫だろうと行ってみたら……なんとパスタ屋の店内は青いシャツの集団で埋め尽くされているではないか!
 そう。実はこの日、地元のアメリカンフットボール・チーム、インディアナポリス・コルツの試合が7時から予定されていたのだ。
 しかも、GEN−CONの開催されているコンベンションセンターと繋がっているドーム競技場で。
 ……GEN−CON会場から、グラウンド見えてるんですけど。
 そんなわけでパスタ屋は断念し、去年ボスがGEN−CONに参加した際寄ったという怪しい日本料理店へとシフトすることとなった。
 ニューヨークと違い、こちらは店員さんもアメリカ人。カウンター内に日本人っぽい板前さんはいるが、あくまでスタッフはアメリカ人中心だ。
 しかし内陸であるインディアナポリスでは新鮮な魚の確保は難しいらしく実にハイコスト。なので各人はベントウ・ボックスだのシュリンプカレー・ウィズ・ライス&ウドンだのサーモン・4ウェイだの不思議メニューに挑戦することに。
 まあ、ベントウ・ボックスは例によって超巨大。サーモン・4ウェイは3種の鮭切り身(ムニエル、味噌漬け、テリヤキ)とスモーク・サーモンというまさに鮭づくし。そしてシュリンプカレー・ウィズ・ライス&ウドンはカレー味のエビ天がうどんとご飯に載っているというオリジナリティ溢れる代物だった。


シュリンプカレー・ウィズ・ライス&ウドン


 もっとも見た目のユニークさはともかく、味は結構うまくて、ネタになった上においしくいただけてみんな大満足だった様子である。
 ……もっとネタっぽいものを期待していた北沢は、ダメ野郎ですか?


第5日目:アメフト見るぜ!
 まるで他人事のようにアメフトネタを書いていた北沢であるが……。
 アメフト・フリークであるボスが、こんな貴重な機会を逃すはずがない!
 野球と違い、年間16試合しかないアメリカンフットボール、NFL。この日はその優勝候補としても名高いインディアナポリス・コルツのホームにおけるオープン戦だ。地元ファンは当然大盛り上がり。新聞のトップもオリンピックを押しのけてコルツのニュースである。
 スタジアムに着々と集まってくるコルツ・サポーターたち。北沢も昼のうちに仕入れておいたコルツTシャツに着替えてにわかファンに早変わりだ。
 当然地元チームの応援なので、会場には青いユニフォーム姿のコルツ・ファンしかいない。対戦相手のニューヨーク・ジェッツのファンの姿は数えるほど。
 まさに甲子園での阪神巨人戦のようだ。
 前日にチケットを購入していたボスと仲間たちは、フィールド全体が見渡せる絶好の席を確保済み。実はルールのほとんどを知らない北沢は、ボスのとなりに座ってレクチャーを受け、試合を観戦する。
 とにかくルールがややこしいイメージがあったアメフトだが、実際見ながら解説されると意外にもシンプル。オープン戦とはいえ実際にトーナメントが始まれば1戦負ければ終わるNFL、両チームとも気合十分だ。
 だが逆に、オープン戦ゆえ途中からスター選手が次々交替し、試合内容がしょっぱくなっていく。
 しかもにわかとはいえ応援しているコルツはジリ貧で負けていくじゃないか!



 ……結局コルツは1タッチダウンしか奪えず、逆に3タッチダウンを奪われ、7対31の大敗
 くうっ。胸のコルツTシャツが泣いてるぜっ。
 思わずジェッツ・ファンになりそうになった北沢。とりあえず今年のNFLは、コルツとジェッツの両方を応援してみようと思ったのであった。


最終日:さらばインディアナポリス!
 GEN−CON4日目の朝、日程の都合上、我々は閉幕を前にして帰途につくことになっていた。
 もう定番となったバッフェ目当てのホテル巡りで最後は朝からステーキを食し、荷造のために部屋に戻る。その途中、トゥルー・ダンジョン(実際にホテルの広い部屋にダンジョンを作って遊ぶライブRPG)すでに解体されているのを見て、祭の終わりの寂寥感をそれとなく味わう。トゥルー・ダンジョン、遊びたかったなぁ(2時間待ちとか言われて諦めたのだ)。
 しかしやっぱりというかなんというか、GEN−CON最後の難関は荷造であった。
 北沢のスーツケースは比較的小振りだ。それでも半分は空っぽで持ってきたのだが……入らねーよこんなたくさんのゲーム!
 それでもなんとか工夫して、リュックサックとスーツケースで荷物を分け分けして詰め込む。最後は北沢の全体重をかけて止め金をロック。なんとか強引に荷造完了だ。
 しかしスーツケースの2/3を本(アメリカのゲームはカラーグラビアも多い)で埋め尽くすとどうなるかというと……まあ持ち上がらないわけだ、これが(涙)。
 スーツケースのキャスターが壊れるんじゃないかと思いつつ、ゴロゴロ引きずってタクシー乗場へ。ボスのスーツケースも負けず劣らずの大荷重で、アメリカンなタクのスタッフも思わず「ワオ!」と叫ぶ重さ。
 ……これ持って日本に帰るのを想像するだけで、ぐったりした北沢だった。


最終日:慌ただしい空路
 余裕を持ってインディアナポリス国際空港へ到着し、航空券を発行。荷物を預けて一安心。
 ちなみに荷物の最大荷重はボスの巨大スーツケースで、59ポンド。北沢の小型スーツケースが58ポンドであった。
 ……実、詰まりすぎだよ(涙)。
 なお、再三出てくるアメリカのセキュリティ問題だが、スーツケースもこいつに晒されている。ほぼ確実に、スタッフが開けて中身を確認しているのだ。なので鍵をかけるなと指示されるわけだが……一度開けてちゃんと現状復帰できるのか、あれ?
 まあそんな心配はさておき、お土産を買うべく空港内の売店を散策。Tシャツや小物など、なかなかよさげなものは多いのだが、北沢的にこれ以上荷物を増やすことに抵抗があるため見送り。もう頭悪そうなチョコレートの詰め合せでも買おうと心に誓う。
 しかしインディアナポリスにはそれっぽいものがなく、途中乗り換えるデトロイトで買うことにした。
 ……のだが。
 デトロイトのメトロポリタン空港に予定より飛行機は早く着いたものの、発着口が渋滞していて降りられない! 30分以上飛行機に詰め込まれたため、なんと次の飛行機の出発時間になってしまったのだ。
 もちろん、土産は買えない。煙草を吸う時間もない。
 というわけで、予想以上に普通の土産を買うことに失敗。藤澤もアメリカのエロ本買い損ねた〜とぼやいていた。
 ノースウエスト航空がノースワースト航空だとか言われている所以を、思いがけず身を持って体験した我々だった……。


最終日:そして日本へ……
 デトロイトを発し、一路日本関空へ。
 今度は意外と外国人が多く、まだアメリカ気分。機内では北沢が見逃した映画オーシャン・オブ・ファイアーを上映しており、少しラッキーと思ったら……前の外国人、頭でかすぎだよ!
 常に画面半分ぐらいが後頭部で埋まっている状態で映画を見つつ、フォアグラ用の鴨よろしく機内食を詰め込み、日本へ向かう。やっぱエコノミーは狭いけど、ビジネス・クラスに乗れるほどの金はなし。いつかビジネスで旅行できるほど金持ちになりたいなー
 帰りは風に逆らって飛ぶので、余分に1〜2時間かかる上に、飛行機も揺れるのが定番。しかし想像以上に揺れはなく、目が覚めたら関空に降りていた。
 行きとは違って、再入国は審査も簡単。すんなり日本の地を踏むことができた。
 カラッとして日差しは強くとも涼しかったアメリカと異なり、雨で日の光も差さないくせにじめっと暑い日本。思わず「帰ってきたなー」という気分になる。
 もっともアメリカは乾燥しすぎで寝ていても喉が痛くて目が覚める有り様だったので、どっちがいいかは究極の選択とも言える。帰ってくるなり鼻や喉の痛みが治ったもんなぁ。
 ここでタクシーをチャーターしているボス夫妻とは解散し、売店でアメリカ土産を買い漁る笠井、藤澤、北沢の3人。日本語の品質表示ラベルが貼ってある土産をもらっても、にこやかにスルーしてくださいね……。
 その後大阪の藤澤とも別れ、笠井さんと二人空港バスで京都駅へ。
 しかし到着してみれば、すごい土砂降り。全身濡れねずみになりつつタクシーで帰宅した。究極の晴れ女属性を持つ社長の奥さんと別れたからでしょうかね……おそるべし。
 ちなみに帰宅した後に荷ばらししようとしたら……スーツケースの止め金が壊れていた。どうやらアメリカンな税関の連中が開けたはいいが閉まらず、強引に閉じたためのようだ。ガッデム。
 次は新しいデカイスーツケースを買おう……そう心に誓い、泥のように眠りについた北沢であった。

 嵐のような5泊7日の旅。
 特にトラブルもなく、健康を害するものもなく、無事に終わったことがなによりも最高のことだろう。
 そして再び、締切りに追われる現実がやってくる……アメリカ、いいとこだったなぁ(遠い目)。


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