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GENCON2004
北沢慶のアメリカ紀行 (2) |
第2日目:朝 |
8時間ばかり爆睡し、アメリカ2日目の朝を迎える。
やはりアメリカの朝と言えば、アメリカンブレックファーストだ。夕べ当分肉は見たくないと思うほど食べたにもかかわらず、ちゃっかりお腹は空いている。おそるべし。
アメリカンブレックファーストとは、バッフェスタイル――日本で言うところのバイキングだ。しかしこっちの朝食バイキングはうまい! パン、ベーコンとソーセージ、卵(目の前で好きなように焼いてくれる)、果物、チーズや野菜、スモークサーモン……好物&うまいもののオンパレードである。
はっきり言って、朝からこんなに食べたら1日2食で十分だ。
「まだ昨日の晩ご飯がお腹に残っていて、あんまり食べられません」とかかわいいことを言っていた藤澤も、お代わりに行ってしまうのだからさすがである。ちなみにその手でタバスコやケチャップ、メープルシロップの小ビンをいくつもかっぱらってきていたのは秘密だ |
第2日目:メトロポリタンミュージアムへGO! |
朝食を嵐のように平らげた我々は、本日第1の目的地、セントラルパークにあるメトロポリタンミュージアムへと向かった。
メトロポリタンは、日本でも聞いたことがある人も多いだろう。世界4大美術館に数えられるとてもスゲー美術館だ。我々は地下鉄に乗ってセントラルパークを目指す。かつては旅行者が近づいてはいけないと言われたニューヨークの地下鉄も、いまや大阪の地下鉄なみの治安のよさだ。
とにかく広いセントラルパークを横目に、ついにやってきたメトロポリタン。その重厚かつ美しい正面入り口に、まず感動する一行。午後からの行動のために、館内の行動はわずか2時間半に制限されてしまうのが非常に残念だ。
ともあれ、少しでもたくさん回るために一行は美術館内へ突入。しかしやっぱり荷物チェックをされてしまうボクら。とほー。
やばいアイテムは全部かばんに入れてクロークに預け、展示室へ向かう。すっかり美術史にはうとくなった北沢でも見たことある絵や美術品が、触れる距離にずらずら展示されてるってどうなのさ! ガラスの額に入っているわけでも、柵で近づけないようにしてるわけでもないというおおらかな展示っぷりってすごいなー。
でも本気で絵の勉強をしている人にしてみれば、絵の具や筆のタッチが至近距離から見ることができるので、この上もない至福の時間だろう。
そのほかにもギリシャ・ローマの彫像や美術品、エジプトの神殿(これ、運んできたのか……?)、数々の宗教画など、3日ぐらいはここにこもりたい気分になる。しかも館内は広くギャラリーも入り組んでいるので、楽勝で自分の居場所を見失うダンジョンぶり。
結局時間がないので最後は武器&甲冑コーナーでプレートメイルやらツーハンドソードやらハルバードやらを見てハァハァして、メトロポリタンを後にした。
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第2日目:チャイナタウンへいっちゃいな(吐血) |
昼はプラザホテルでお茶……だけのつもりが「最低ひとり14ドル分は頼んでね」とウェイターさんに言われ、やむなくケーキを注文。朝食べ過ぎの我々にはなかなか強力な攻撃となったが、想像とは裏腹にドギツイ甘さもなくおいしくいただけた。
その後、ここからはブランド物を探しに行くというボス夫妻と別れ、ニューヨーク観光に乗り出す笠井、藤澤、北沢の3人。
地下鉄に乗ってまず目指したのは、ブルックリンのほぼ南端に近いバッテリーパーク。もちろん自由の女神を見るためだ。もっとも時間の都合で自由の女神遊覧船には乗れなかったので、海岸からデジカメ最大望遠で撮影。しかし遠くにかすむ自由の女神というのもなかなか趣があってよい。
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後方にかすむ自由の女神像 |
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こちらの女神はパーク内にいた大道芸人さん
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バッテリーパークで記念撮影を終えた我々は、続いてグラウンド・ゼロ――かつてワールドトレードセンタービルがあった場所へと向かう。初めはなんとなく「せっかくニューヨーク来たから行ってみよう」程度の気持ちだったのだが、周辺へ到着すると阪神大震災後の神戸の風景を思い出し、すっかり神妙な気持ちになってしまった北沢だった。やっぱり街中にぼっかりとあいた巨大な穴を見ると、沈痛な気持ちになる。
しかしそこから一転、お気楽ノリでチャイナタウンへ向かう我々。今度はタクシーを使っての移動だが、相変わらずニューヨークの運転は荒っぽい。
そして到着したチャイナタウンは、我々の想像を遥かに超える規模のものであった。
とにかくどこまで行ってもチャイナタウン。しかも下町ムード満点。うまそうな中華料理屋がぞろぞろ並び、雑貨や服屋が並び、なぜか散髪屋まで密集している。
ここからは笠井&藤澤コンビが本領発揮。服に靴にと物色しまくり、時には値切りまくり、着々と買い物をしていく。うーむ、実に楽しそうだ。
北沢はそれについていって物色したり、姪っ子の土産を買ったり、店の外で涼んでいてホームレスにお金をせびられたりしていた。
しかし街中で飛び交うのはひたすら中国語。店員さんもほとんど英語より中国語メイン。まるっきり香港か上海かって雰囲気なのであった。 |
第2日目:ブロードウェイへ! |
ホテルで再びボス夫妻と合流した我々は、本日のメインイベント、ブロードウェイ・ミュージカルの観劇へと向かうのであった。
我々の泊まっていたルーズベルト・ホテルから歩いていけるというのだからすごい。開演まで少し時間があるので、今日はさっぱりした夕食を、ということでわずか2日目にして日本料理屋へ。
これがまあ、ブリバリ日本人の経営する日本人の店員がいる店で、すっかり日本にいる気分になってしまう一行(量はややアメリカンだったけど)。しかし回りのアメリカンたちは焼きソバの残り汁(油?)をご飯にかけて食べてたり、寿司と一緒に白ご飯食べてたりと、不思議空間ではあった。
そして待ちに待った開演時間が近づき、劇場へと足を運ぶ一行。今回の演目は、英語がわからなくてもわかりやすいようにと、ポピュラーなタイトル「オペラ座の怪人」だ。
しかしまあ、劇場前の人波のすごいことすごいこと。さすがはブロードウェイ。しかしツアーパックが組まれていたのか、やたら日本人の集団に出くわし、「どこやねんここ」と思ったり思わなかったり。
劇場内に入り、座席につく。ド真中やや後ろの観劇には最適の場所だ。北沢はボスから借りた阪神タイガース・オペラグラスで舞台を隅々までチェック。火薬を使った演出に目をやられる。おーのー。
「オペラ座の怪人」は日本でも劇団四季の公演で有名だが、もちろん本場もすごい舞台装置、演出、そして役者の熱演と圧倒されまくり。しかも音楽は舞台の下に生オーケストラがいて生演奏という豪華ぶりだ。
しかし! しかしである。
北沢、またしても電池切れ。必死に英語のセリフを追うものの、歌に変わるとそれは一気に子守唄となって北沢を闇の世界へと引きずりこんでくれるのである。
結局かなりの部分を眠気との格闘に費やしてしまい、とてももったいない思いをしたのであった。どうやら北沢の連続稼動時間は12時間程度が限界だとわかった、ニューヨークの夏の夜。
とっほっほ。 |
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