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GENCON2004
北沢慶のアメリカ紀行 |
8月もお盆を過ぎ、SNE社内もJGCへ向けてあわただしくなる頃。
ボス安田以下5名の勇者たちは、無謀……じゃない果敢にもアメリカで開催されるビッグなゲーム・コンベンション、GEN−CONに参加するべく日本を旅立ったのだった!
これは出発2時間前まで原稿と格闘し、ついには上がらないままヨボヨボとアメリカへ向かった、北沢慶による哀と涙と冒険の物語である。 |
執筆:北沢慶 |
出発当日:朝 |
早めに旅の荷物をまとめ、家を出る朝8時ギリギリまで原稿をやっていた北沢は、一睡もせぬまま自宅を出た。もちろん原稿は終わっていない(涙)。
しかし飛行機の搭乗時間は約12時間。一睡もしていない体なら時差ボケも関係ないぜヒャッホウと関空へ向かう。
今回の旅の面子は、安田社長、社長の奥さん、笠井さん、新人の藤澤、そして北沢の5人。特に遅れる人間もなく、無事全員が関空で集合。なぜか超満員の出発カウンターで1時間近く足止めを食らうものの、早めの集合でなんなく搭乗に成功したのだった。 |
出発当日:アメリカへ |
ついに空の人となった一行。
北沢は思惑通り爆睡モードへ突入。原稿を入れてきたモバイルを取り出すも、速攻で夢の世界へ大ジャンプである。
飛行機の中は、お盆も過ぎたと言うのに日本人の家族連れで満員状態。あまり海外へ行く、という雰囲気はない。機内食を食べたり、子供に枕を強奪されたりしつつ、あっけなくデトロイト・メトロポリタン空港へ到着。
ここで一度飛行機を乗り換え、ニューヨークへ向かう。今回の大目的はGEN−CONだが、まず最初に2日ばかり、ニューヨーク観光をするという日程だ。
デトロイトについたあたりからさすがに日本人の数もぐっと減り、ようやくアメリカ気分満点。
しかしことごとく看板や案内図に日本語のガイドがついているのには、ずいぶんと驚かされた。日本人、そんなにたくさん来るのね……。 |
出発当日:ニューヨーク |
ニューヨークへ到着したのは、昼の3時も過ぎようかという頃。一行はタクシーに分乗し、一路ルーズベルト・ホテルへ。創業1924年の伝統あるホテルだ。
しかしニューヨークの道路事情はなかなかハード。かなり車が込み合っている上に、タクシーは強烈なカミナリっぷりである。ガンガンスピード出すは割り込みするは、路肩走るは、ウィンカーなしで車線変更するは、乗っている北沢は久々に車で酔いそうになってしまった。
まあそんな乱暴な運転なれどホテルには無事到着し、ロビーへ。さすが伝統のホテル、入り口からして日本ではそうありえない超スゲー内装。
しかし3時からチェックインできるはずなのに、5時半まで待ってくれと言われた我々は、フロント脇にあるカフェでブリッジをしつつ待つことにした。重厚なホテルのカフェでバドワイザー片手にブリッジなどしていると、なんだか映画のワンシーンのようである。
あと初めて気付いたのだが、アメリカではビールの泡を立てないものらしい。頼んだバドは、ジョッキすりきりいっぱいまで泡なしのビールが入っていた。ちょっと不思議。 |
出発当日:ちょっとニューヨーク観光 |
夕食はアメリカンなステーキで! ということでステーキハウスに予約を入れ、時間まで軽く周囲を観光することに。
目指すはニューヨークの銀座、フィフス・アベニュー。ここを軽くうろついて、女性陣は靴の買い物、男性陣は本屋でアメリカの売れ筋動向をチェック。輸入マンガを大騒ぎして物色し、床に座って読むアメリカン・オタクたちの姿に「やっぱいろんな意味でアメリカはスケールがでかいなあ」などと思ったりしつつ、予約していた時間になったのでステーキハウスへと向かった。
しかしスケールのでかさを実感するのは、むしろここからだった。
全員合流したところで、肉のオーダーを開始。せっかくだからアメリカンサイズのイカレたステーキを食いたいと思っていた北沢は、なるべく値の張るものを注文。ボス夫妻は日変わりのスペシャル・ステーキを頼んだのだが……。
まあ北沢のステーキは予想通り1ポンド(約460グラム)はあろうかというビッグサイズ。香辛料たっぷりでなかなかうまそうである。
が。
最大級の爆弾は、文字通りスペシャルだったチューズディ・ステーキであった。
まず、デカイ!
……というか、日本の肉屋なら「何人前にお切りしましょうか?」と尋ねられそうな肉の塊だよ、これ……。
しかもボスは好物のレアで注文したため、肉の大半があったまっただけの真っ赤な肉である。その食事風景はまるっきり解体作業のようであった。
あ、ちなみに味はなかなかうまかった。味付けは塩こしょうだけなので、肉そのものがウマイってことなんだろう。
ともあれ、アメリカンサイズというものをまざまざと見せつけられた、いい夕食であった。
北沢の1ポンド肉 |
藤澤のオーダー
そして右上に写っている…… |
↓
日変わりのスペシャル・ステーキが
コレである
↓ |
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出発当日:エンパイアステートビル |
せっかくニューヨークの中心に宿を取ったのだからと、夕食の後にエンパイアステートビルへと向かう。あのキングコングも登った由緒ある超高層ビルだ。
しかし北沢、ここでガス欠になり始める――眠気に耐えられなくなってきたのだ。
てっきりエレベーターでひょーいと一番上まで上っておしまいだと思っていたら、エレベーターまで45分待ちという脅威の列。思わず東京タワーのエレベーター待ちを思い出す。挙句列を待っていると立ったまま寝てしまうダメっぷりで、まさに生ける屍であった。
しかもいま、アメリカはなにかとテロに対して神経質なので、どこにいくにも金属探知機やら荷物チェックやらされる。そして北沢はいつも万能ナイフを持ち歩いているので、行く先々で止められたり没収されたりするのだ。このエンパイアステートビルでも例外ではなく、なにかと面倒であった。
でも便利道具は、いつも携帯していないといざってときに役に立たないしなあ……。
ともあれエレベーターで80階まで上り、ぐるりと夜景を見る。きれいなんだが、足許ふらふら。さらにもう1機のエレベーターで86階にあるテラスに出た。欧米はどんな高くて危なそうなところでも、外に出させてくれるのがいい。
もっとも眠くて死にそうな北沢は、ビルの外周を一周した段階で、ベンチに座って轟沈。その日は贅沢にもタクシーでホテルに戻り、ようやく30時間ぶりぐらいにまともなベッドで寝ることができたのであった。 |
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