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TOP > ユーザーコンテンツ > イベントレポート > JGC 05 補足
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富士見カードのお部屋で〈キングズ・ブラッド〉

 と、いうわけで、バトンを受け取った藤澤さなえです。
 恐れ多くも、世界的に超有名なアメリカのトップ・ゲーム・デザイナー、スティーブ・ジャクソン氏と一緒にゲームをするというとんでもない体験をしてしまいました!
 そんなほっぺをつねりたくなるような一時の様子を、レポートさせていただきます。
 (註:エロくないですよ

***


 この日、藤澤は富士見カードのお部屋で、キングズ・ブラッド卓でレクチャーをしていました。
 キングズ・ブラッドとは2003年夏に、富士見書房より発売された多人数向けカードゲーム一枚一枚に可愛らしいキャラクターが描かれたカードを並べ、キャラクター同士を結婚させたり、子供を作ったり、兄弟を増やしたりして家系図を作り、広げて遊びます。UNOのように色や数字を揃えて手札を消費し、すべての手札を使った人が勝利! という、とても簡単なルールで、お手軽に遊べちゃうゲームです。
 ……また、その個性的なフレーバーから「子供を産め〜!」「離婚しろ〜!」「おばーちゃんと結婚じゃ〜!」などなど、ちょっぴりファンタスティックな会話が飛交うゲームでも有名(?)です。
 この日もどっぷり遊んでいるツワモノさんから初心者の方まで、たくさんの人が遊んでいってくださいました。
 そしてその中に、あの人がいたのです! アメリカより来日したガープスの生みの親・スティーブ・ジャクソン氏!
 まさかこんなスゴイ人相手にレクチャーすることになろうとは……。
 心臓をバクバク言わせながらも、藤澤はジャクソン氏と共に卓を囲み、キングズ・ブラッドを遊んでまいりました。

 海外からのお客様ジャクソン氏と、富士見書房の小笠原さん、そして遊びに来てくださっていたお客様1名と私。その4人でキングズ・ブラッドを遊ぶことになりました。
 そして周りにはズラリと見学者が多数。他にもジャクソン氏の後ろには2人もの通訳さんがつき、私の後ろにはガチガチに緊張中の後輩を見守ってくださっているのか、ジャクソン氏を見に来たのか加藤ヒロノリさんが立っていました。
 4人が卓についたなら、早速レクチャースタート。まずは全員手札をオープンした状態で、ゆっくりと説明を交えながらゲームを進めていきます。
 紳士のようなカッコイイ仕草と渋いお髭のジャクソン氏は、ゆっくりと頷きながら、そして時にはメモをとりながらルール説明を聞いていました。そんな何気ない姿にさえ目を奪われてしまいます。
 カッコイイのは、懸命に説明通訳してくださった通訳さんたちも同じです。熱気こもる会場内で、文字通り汗を流しながら、英語を話す姿は忘れられません。

 手札オープンでの1回戦は、皆で考えながらまったりゲーム。……それは表面だけで、実際は心臓爆発しそうだったのですけれど。
 でも、きちんと説明ができてジャクソン氏にもルールを把握してもらえた様子。ほっと一安心です。
 それでは、今度は手札を隠しての2回戦。さっきと違って、さくさくとゲームは進みます。 
 さすがはジャクソン氏、一度ルールを聞いただけでミスすることなくスイスイと手札を消費していきます。
 そしてイベントカード『暗殺』を出しながら、指鉄砲で「BANG!」とジェスチャーしたり、キャラクター同士を結婚させて「オメデトウ」と言ったり、場を盛り上げるトークも忘れません。うーん、ステキだ!
 私も調子に乗ってお父さん、お母さんをお嫁にください!と言いながら『離縁・復縁』カードをプレイしたりしてみたら……あぁ、通訳さん! そんなしっかりばっちり訳さなくていいですから〜っ!
 ニッと笑ったジャクソン氏を見て、何だかとっても恥ずかしくなる藤澤なのでした。
 恥ずかしいエピソードと言えば、もう一つ。ジャクソン氏が強力なイベントカードを2枚も回りくどい使い方をされたので、「まだイベントカードの使い方を理解してないのかな?」と思い、「これはこう使うこともできたのですよ」と、改めて説明したのです。
 すると、ジャクソン氏はやはり渋いスマイルでこう言いました。
「それはわかっていたけれど、わたしがしたプレイの方がよりたくさんの手札を消費することができただろう? わたしはこう見えても狡猾にプレイしているのだよ」
 ひぃ〜、ごめんなさい〜!
 まさかすでに効果的なプレイの仕方を考え・発見していたとは!
 いらぬツッコミをしてしまった私と加藤さんは、顔を赤くするしかありませんでした。あぁ、恥ずかしい。

 そしてゲーム終盤、効率よく手札を消費していたジャクソン氏が、華麗に最後の1枚をプレイし、ゲームセット。経験者ばかりの中、唯一初見のジャクソン氏が見事に勝利をかっさらっていったのでありました。
 もちろん手加減なんてしてなかったし、山札から現れるカードは全て偶然の産物なのに……それでもゲームの場がジャクソン氏に味方していたとしか思えないあざやかな勝利に、悔しさよりも純粋な驚きにぽかんと口を開けることしかできませんでした。これがゲーム界の巨匠のパワーなのでしょうか?
 そんなジャクソン氏はとても楽しくキングズ・ブラッドを遊んでくれたご様子。
 最後には「アメリカでもこのゲームを広めたい」と力強い言葉と笑顔を残して、会場を去っていきました。
 その後姿を名残惜しく見つめながら……
 私の発言のせいで、アメリカでは18禁指定されませんようにと、こっそり祈ったりしたのは内緒です。
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