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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『SW2.0プレイヤーズハンドブック ザルツ博物誌』ほか特盛りインタビュー(2012年12月)
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ついに決戦の時。王子の選択は?
with BRAVE 3 閃光のトライアンフ 上・下

――: 2013年2月発売『ソード・ワールド2.0リプレイ with BRAVE3 閃光のトライアンフ 上・下』。ダグニア地方を舞台に2つのパーティが交差する壮大な冒険がついに完結ですね!

大陸全土を巻き込んだ人族と蛮族の戦いの結末は?
閃光のトライアンフ
 

著:北沢慶/グループSNE

 テラスティア大陸北東部、人族と蛮族の争いの縮図とも称されるダグニア地方を舞台に2人の聖戦士が織りなす英雄譚。

 グラスノへの蛮族大侵攻に端を発するダグニア地方の危機。
 若き聖戦士ロイの活躍によって鎮火したものの、一時はセフィリア神聖王国の首都アーレまで戦火が及んだことで人族の世相は戦争へと傾き、大陸新暦310年、法王は大規模な対蛮族討伐戦を開始する。
 時を同じくして、ダノス海を隔てた蛮族領イレスデアルではクーデターが勃発し、これまで防戦一方だった蛮族たちも人族領土へ侵攻するべく大きく動きはじめた。

 急進派蛮族たちが手に入れた謎の力に対抗できる唯一の武器、聖剣イラストリアスを手に対蛮族討伐戦の遊撃隊として進軍するロイと、幾重にも施された聖剣の封印を解くためテラスティア全土を巡るもう一人の聖戦士の少女ヘザー

 やがて2人の聖戦士の活躍により、蛮族たちの真の目的が明らかになる。
 ダグニアだけでなく大陸全土に危機を及ぼすことになるだろうこの企みを、ロイたちは阻止することができるのか?
 世界の命運を賭けた戦いが、今、はじまる――。


最終巻は二分冊

北沢 前回のインタビューでも語ったけど、『with BRAVE』は2人の聖戦士をテーマに2つのパーティの視点で人族と蛮族の戦争を描いた作品
『R&R』の連載と書き下ろしで同時進行するそれぞれの冒険を綴って、文庫には各巻に2つの冒険を織り交ぜて収録していています。
――: 書き下ろしは、第一期からの主人公であるロイ、連載はロイと対になるもう一人の聖戦士の女の子、ヘザーのお話ですね。
北沢 ロイ組は戦火を最小限にとどめるために対蛮族掃討戦の遊撃隊として従軍し、ヘザー組はロイに託された聖剣の封印を解除するためにテラスティア各地を巡ります。
――: 連載はヘザー組がロイ組に合流する直前まで、という気になるところで最終回を迎えたのですが、それが掲載された『R&R』vol.101発売の数日後には最終巻発売という驚きの刊行スケジュール。しかも二分冊
北沢 スケジュールは大変でしたが、お待たせすることなく物語の結末を楽しんでもらえるようがんばりました。
二分冊になった経緯はあとがきにも書いたんだけど、『with BRAVE』はそれぞれの冒険をしっかり書くとどうしてもページ数が増えちゃう。特に最終巻はどのシーンも捨てがたかったので、本当にありがたかったですね。
で、せっかく二分冊なので、
表紙を二冊合わせて一枚絵になる装丁にしていただけたので、ぜひ並べてお楽しみください。


2人の聖戦士、それぞれの旅路

北沢 ロイは遊撃隊として従軍しながら、かつての仇敵である女ドレイクのレーシィが持ってきた聖剣<イラストリアス>蛮族が手に入れた謎パワーに対抗しつつ、急進派蛮族が封印したヴォルクライアを救出するために蛮族の都イレスデアルを目指します。
――: ロイ組メンバーは、第一期からおなじみのグラスノの王女さまで神官魔術師フィオ、満身創痍で蛮族側の情報と聖剣を運んできたレーシィ、リーゼン地方から援軍として派遣されてきた2人、デュボール王国の竜騎士セオドアとアルフォートの妖精使いガレットですね。
北沢 ロイ組は行き先の性質上、いろんな立場の蛮族や、蛮族の支配を受け入れた人族などに遭遇する機会が多くて、その時々で各自が何を思うのか、という部分が大きな見所だったんじゃないかと思います。
――: なかでもフィオの葛藤は凄まじかったですよね。
北沢 そうですね。これまでみたいに蛮族に対して単純に「キル、バルバロス!」と言えない状況に、セッション中プレイヤーさんの脳が焼き切れるんじゃないかっていうくらい本気で苦悩していましたね。
――: 本文からも十分伝わってきましたよ〜。
北沢 あとロイ組では、2巻の第六話海底要塞をどうするかという議論があったんだけど、僕が考える以上にみんな真剣で、この時のロイの選択も印象的だったかな。
第一期初期にはへっぽこ言われていたけど、今や誰もが認める立派な聖戦士に成長したな、と思います。
――: そうですね〜。ではもう一人の聖戦士、"戦乙女"ヘザーの方は?
北沢 ヘザーは聖剣の封印解除の旅を続けるうちに、誰が何故この剣を封印したのか急進派蛮族たちの本当の目的は何なのか、という部分に触れていくことになります。
――: メンバーはヘザーの実家が雇った魔航船の船長でリルドラケンの重戦士アジュール、ロイの名代として同行することになったロイの従者イングリッド、第一期で物議を醸した、いろんな意味で危険物な魔動機師オルネッラとルーンフォークの操霊術師レギン
北沢 ヘザーは生真面目で努力家で、実力で聖戦士の称号を得ただけあって自分に自信があるように見えるんだけど、実はナイトメアであることをものすごくコンプレックスに感じていて、それを隠していることに悩んでいる。
――: ダグニア地方は穢れを忌避する土地だというのも、彼女のコンプレックスを助長してるんでしょうね。
北沢 そんな彼女がこの旅で今まで知らなかった広い世界を知っていろんな人に出会って成長していく様子がヘザー組の見所のひとつですね。
ちょっと面白かったのは、そんなヘザーのパーティーメンバーが、最終的に半分ナイトメアっていうところ。
――: 自分以外は誰ひとり自分がナイトメアだってことを隠したりしてなくて、あれ? え? って戸惑うところとかすごい可愛かったですよね。


"投人機の女"

北沢 連載では、せっかくならゲストキャラをたくさん出したいなと思って、行き先と遭遇する人物を読者募集することにしました。改めて、たくさんのご応募ありがとうございました。
――: 読者募集といえば、ロイ組のメンバーのレーシィ第一期の読者募集でご応募いただいたキャラの一人なんですよね(第一期読者募集の結果は『聖戦士物語』2巻巻末に収録されています)。
で、募集の結果いろいろな方が今作に登場したわけですが、最終巻ではなんとフェイダン地方のあの人が!
田中 あー……、出ましたね。"投人機の女"が。
一同 "投人機の女"(笑)!!

++ "投人機の女" ++
『新米女神の勇者たち』(全11巻/リターンズ続刊予定)をご愛読の皆さまにとってはおなじみのあの人。
 ちなみに、こんなあだ名がついたのは11巻の出来事が原因です。
 まさか個人購入する者が出るとは誰も想像しなかった投人機(『AW』P91、P115参照)。それがもたらしたのは、購入した本人すら予想だにしなかったとんでもない展開で……。

 未読の方は巻数を見て手を出すのを躊躇うかもしれませんが、ぞんざい勇者団の抱腹絶倒珍道中は読み始めると止まらないこと請け合いです。ぜひお試しくださいね!
 
北沢 そういう呼び方すると火曜サスペンスみたいだよね(笑)。
秋田 しかも"投人機の女"は偽名を使っているうえにいろいろ姿を変えるので、ますます火サスっぽいです。
北沢 彼女は、最初は一回限りのゲストのつもりだったんですが、ストーリー的にあそこで離れるよりも一緒に行く方が自然だったので、最終回にも参戦してもらいました。


成長と決断と

――: そして2パーティーが合流してのラストバトルは、13人のガチバトル。それだけの人数がいたらデータおこすの大変だったのでは?
北沢 あー、うん。人数もなんだけど、それ以上に手番の処理してる声より雑談の声が大きくて。それがまた面白いこといっぱい言ってて、データ起こしの時にうっかり聞き入っちゃって大変でした(苦笑)。
――: TRPGにありがちな話ですね(笑)。
北沢 ラストバトルが終わってからも今後の話でものすごく盛り上がったんだけど、それぞれのパーティーで見てきたもの、やってきたことが違うので価値観にもずれがあって、そこもちょっと面白いところでした。そのあたりもぜひ本編を読んでいただければと思います。
……正直、始めた時は無事に着地するか不安だったけど、なんとか着地点を見つけられたのでほっとしました。
秋田 "投人機の女"のオチは、ある意味かなりひどいことになってますけどね。最終回を読んで本気で「どうしよう……」と思いましたよ(遠い目)。
――: さすがソ……、じゃない、"投人機の女"(笑)。
北沢 本家シリーズでの再登場が楽しみですね(笑)。
ともかく、『with BRAVE』最終巻は期待もボリュームもサプライズも満載なので、ぜひお手に取っていただければ幸いです。


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