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GM: |
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さて、あなたたちがデイジーに情報の確認をしていると、一匹の黒猫が、開け放していた窓から飛びこんできました。 |
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ラファル: |
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お、と思ってそちらに向きます。 |
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GM: |
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床に足をつけたと同時、猫は煙に包まれます。煙が晴れると、そこにはプーカの少年、シュイが立っていました。 |
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このプーカの少年も、本編の第1巻に登場したキャラクターです。蛮族に住処を追われたところを、母親ともどもラファル一行によって助けられた、という過去があります。
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ラファル: |
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驚き慌てて、マントでシュイを覆います。
「何のつもりだこんな場所で!」 |
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GM: |
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(素に戻って)下半身に何も履いてないからですか? |
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ラファル: |
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違うわいこのケダモノGM! 幻獣が街中に現れたら、パニックが起こるかもしれないだろ! |
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GM: |
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あー……確かにそうですね。では、シュイはラファルの覆ったマントの中でモゴモゴとしながら、何か言いたそうにしています。 |
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ラファル: |
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とりあえず落ち着け、と言おうか。安心させるために手を取ります。 |
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ルシアス: |
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自分も、このプーカの少年とは会ったことがあるからな。こんなところまで来たのには、何か余程の理由があるのだろう。コーネリアスの方にちらっと視線を送るぞ。 |
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GM/コーネリアス: |
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「私は何も見てないわよ?」 |
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ラファル: |
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あんた、いい女だよ。 |
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GM/コーネリアス: |
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「あら、そんなの最初から分かってることよ」 |
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ルシアス: |
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その掛け合いをちょっと白い眼で見る。 |
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GM: |
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シュイは、かつて自分と母親の手助けをしてくれたラファルとルシアスの姿を確認して、少しだけ安堵した様子です。どうしますか? |
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ラファル: |
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いくらなんでもこんな所で幻獣が堂々と立っているのはまずいな。ルシアスさん、一旦、個室に行きましょうか。 |
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ルシアス: |
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コーネリアス、少しの間だけ、二階の部屋を借りるぞ。 |
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GM/コーネリアス: |
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「ヘンなことに使わないでね?」 |
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ルシアス: |
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誰が使うか! 話を聞くだけだ! と怒鳴りつつ、二階に個室に移動する。 |
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アーピー: |
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ではオレサマは、その四人の後ろにこっそりついて行って、部屋の外で聞き耳をたてるぜ。 |
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アラン: |
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アーピーさんが行くのならば僕もそれについて行きます。 |
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GM: |
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では、部屋に入って人心地つくと、シュイが話を始めます。
「実は、母さんからの伝言があってここまで来たんだ。ラファルたちに、どうしても伝えなくちゃならないことがある、って」 |
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ラファル: |
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どうも雲行きが怪しいな。 |
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GM/シュイ: |
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「うん。最近、母さんが森の中を歩いてたら――」 |
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ラファル: |
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ちょっと待て。君の母さん、立てるようになったのか? |
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GM/シュイ: |
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「もちろん。最近はぴんぴんして、森中を駆け回ってるよ」 |
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ルシアス: |
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前に会った時は、立つのもやっと、といった雰囲気だったぞ。 |
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GM: |
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回復したんですよ、きっと! これぞ幻獣の神秘です。 |
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ラファル: |
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いいのかそれで(笑)。まあいいや、で話の続きは? |
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GM/シュイ: |
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「母さんが森の中を徘徊……散歩してると、怖い男の人たちの姿をよく見るらしいんだ。見分けはつかないけど、二十人ぐらい。それで、その話をこっそり聞いてみたら、次の新月の夜に、部族の集落をどれかを襲う、という計画があるみたいなんだ」 |
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ラファル: |
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GM、森と集落一帯までの距離はどれぐらいだ? |
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GM: |
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(もう一度、地図を示しながら)水場から街までが徒歩で二日、一本木から街までが徒歩で一日、一本木から水場まで二日、といったぐらいでしょうか。 |
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ルシアス: |
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……新月までは何日ある? |
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GM: |
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三日だけ、ですね。 |
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ラファル: |
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ぎりぎりじゃないか! オレの面が馬泥棒たちに割れてて、それで復讐、ってことかな? |
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GM: |
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シュイの証言によると、ラファルの部族を特別に狙っているわけではないようですね。どの部族が襲われるのかは分からないのが現状です。母親はもうちょっと頑張って情報を集めよう、と意気込んでいるらしいですが。 |
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ラファル: |
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大人しく養生してなよ! 若返り過ぎだろ! |
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ルシアス: |
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……まずは、状況をコーネリアスに伝えよう。ヤツなら、何か知っているかもしれない。 |
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ラファル: |
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そうですね。こちらに関しても、正式に依頼として受理する、と。しかし、いよいよおかしな話になってきたな。オレたち二人でどうにかできるだろうか? |
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アーピー&アラン: |
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話は聞かせてもらったぜー! |
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アーピー: |
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(ポーズをキメて)そこの少年、腕利きのタビットはいらないかい? |
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アラン: |
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僕はそれを後ろからランタンで照らします! |
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ルシアス: |
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ぐぐっ、と目を逸らす。 |
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ラファル: |
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(あらぬ方向を見ながら)セレスさんいないのが残念だな〜。 |
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アーピー: |
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む、無視しないでー! とてつもなく強いグラップラーな上にとてつもなく強い妖精使いですよ、オレサマは? |
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ルシアス: |
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アーピーをじっとりとした目つきで見る。 |
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アラン: |
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その背後から顔を出しつつ、「僕もいますよー」と主張します。 |
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ルシアス: |
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おお、アランさんじゃないか。 |
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ラファル: |
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あ、リチャードさんの隣にいてランタン掲げてた人だ。 |
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アラン: |
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そ、そんな認識? 間違って無いけど…… |
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アーピー: |
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オレサマを連れて行っても後悔はしないと思いますよ? |
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ラファル: |
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(どこからか取り出したニンジンをふり回しながら)ほーらニンジンだよー。 |
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アーピー: |
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そ、そんなものでこのオレサマを釣れるとでも…… |
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ルシアス: |
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と言いながらニンジンを食うな。 |
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GM: |
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……デイジーとシュイが横で口開けて呆れてますよ。 |
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ルシアス: |
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とりあえず六人で、下の階に行くぞ。そして、コーネリアスに、ここ最近の盗賊たちの動向などを聞いてみる。 |
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ルシアスたちの質問に、コーネリアスが情報をくれます。
馬泥棒が良い収入になると聞いて、馬泥棒事件の前後、周辺地域から盗賊が集まってきました。しかし本編にあるように、ラファルたちの活躍で一件は解決して、馬を売るルートは潰れてしまいました。
そこで、手持ち無沙汰になった盗賊たちは、ただで帰るわけにもいかずに、街道などで追い剥ぎまがいのことを始めました。しかも彼らは散漫に動くため、衛兵たちも有効な対策を立てることができなかったらしい、とのこと。
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アーピー: |
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この二つの事件、やっぱり関係があるんじゃないか? |
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ルシアス: |
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盗賊たちが、組織的に行動している可能性が高いな。 |
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GM/コーネリアス: |
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「デイジーちゃんの話だと報酬も出るようだし、そこのシュイ君の話も含めて、〈雷神の吐息亭〉が正式に依頼を仲介した、ということにしてあげるわ」 |
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アーピー: |
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オレサマとアランの分の報酬はどうなる? |
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GM/コーネリアス: |
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「ええ、もちろん、そちらの御二方にも報酬は出せますわ。部族が共同で出資していますので余裕もありますし、何よりも状況が状況ですからね。合計で16,000ガメル、事件をきっちり解決して頂ければ、耳を揃えてお支払いします」 |
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ここで情報を整理して、「水場に行く」もしくは「一本木に行く」という二つの方法が取れることになりました。
水場に行けば何らかの状況証拠が見つかるかもしれません。一本木に行けば、シュイの母親から情報を引き出せるかもしれません。
――ラファルたちは、二者択一を迫られます。
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ルシアス: |
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時間的な余裕はない。……が、やはりここは、シュイの母親のところに行くべきだろうな。シュイの話では、もしかしたら、深入りしているかもしれない。 |
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ラファル: |
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一本木まで丸一日。そこから水場までは二日…… |
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アラン: |
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ぎりぎりのタイミングですね。 |
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ラファル: |
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二手に別れて情報を集める、というのが最も効率がいいんだろうけど……その選択はしない方がいいよな。 |
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アーピー: |
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そうだね。盗賊たちの規模も分からないのに、分断したところを叩かれたりしたら、返り討ちにされて終わるかもしれない。 |
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ルシアス: |
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情報収集をしなければならないのに、絶対的に時間が足りない、か。何にせよ、シュイの母親に情報を聞きに行こう。 |
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GM/デイジー: |
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「そういうことなら、アタシも及ばずながら手助けいたしますわ。ライダーギルドに口利きして、移動用の馬を貸して差し上げます。これで少しは移動時間を短縮できるでしょう?」 |
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アラン: |
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ありがとうございますデイジーさん。ありがたく使わせてもらいます。 |
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GM: |
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ところで、デイジーの処遇はいかがしますか? 彼女は速駆けが得意なので、メッセンジャー役になれるかもしれません。あるいは素直に、部族に帰すという選択肢もありますが。 |
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アーピー: |
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護衛もつけずに帰すのか? 今のところ不審人物による実害がないとはいえ、危険じゃないかな? |
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ルシアス: |
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何があるか分からないからな――そうそう易々と森に連れて行くわけにもいかない。しかし新しい情報を入手した時、部族に指示を飛ばしてもらうために動いてもらえるかもしれない。よし、連れて行くことにしよう。デイジー、いいかな? |
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GM: |
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デイジーは責任感が強いらしく、あなたたちの要求を快諾します。 |
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