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さて『ガープス・ユエル』の構成は、これまで書いてきた通りだ。
第一章:クイックスタート
第二章:キャラクター作成
第三章:呪文リスト
第四章:判定ルール
となる。第四章には、ファンタジー世界での戦闘を扱うための、必要にして十分なルールが抽出されているのだ。
そして第五章は、ワールドガイドである。
これまでのルナルは、暁の大陸リアドが舞台だった。『ガープス・ユエル』の舞台は、南方に浮かぶ陽光の大陸ジャナストラが舞台である。
まず、このワールドガイドでは、ジャナストラの(というよりルナルの)典型的な街のようすが描写される。そして、PCを冒険に誘導するために、今回から準備された独自の立場も解説されている。これまでは、ソードワールドの冒険者にあたる、PCの立場は(日曜冒険者という提案はったが)それぞれの遊び手が工夫してきた。もちろん、今回もそうしてもらってかまわないが、それが面倒なひとは、ワールドガイドで準備された設定を使ってもらうといいだろう。
それに続いて、ジャナストラ大陸のさまざまな地域についての解説が、具体的なシナリオソースとともに多く掲載されている。
まずはリプレイ『ユエル・サーガ』の舞台になっている象牙の国ファラントをはじめとする、沿海四州。それから、美女傭兵コンビの故郷、カラカヤ連邦。敵役としても、謎の第三者としても使えるシェイパー帝国。また、人間以外の種族の領域についても解説されているのだ。
PCたちが、独自の国を打ち立てられる領域として「百戦・闘士領」という土地も用意されている。これまでのバドッカに代わるものとして、貝の国シェベルが用意されているけれど、これの設定は基本ルールだけでは物足りないかもしれない。
そして、ワールド・ガイド前半のしめくくりは、タイトルでもある『ユエル』が何か、という謎解きだ。リプレイの連載版を読まずに、文庫だけで追いかけている読者の方にとっては、いわゆるネタバレということになるのかもしれない。
ワールドガイドの後半は、モンスター・リストになっている。
これまでのルナルに登場した種族たち、ジャナストラ大陸独自の怪物、そしてもちろんルナルの大地に住む全ての生き物の天敵である〈悪魔〉などが、豊富に紹介されている。しばらくは、シナリオの敵役には困らないはずだ。
とはいえ、正直なところモンスターのデータやシナリオソースは、いくつあっても困るものではない。それに、ルナル独自の種族は、本当ならCPを使って個々にデザインしたいところだ。
みなさんの支持があれば、サプリメントとしてお届けできるだろう。
ルールブックをしめくくるのは、第6章のシナリオ・セクションだ。
ここには3つのシナリオが収録されている。
一つ目は、R&Rsp2にも収録された、八つの神殿でアルバイトをする、表を使った冒険だ。ちょっと工夫をすれば、ソロシナリオとしても遊べるだろう(要望があれば、このHPにソロプレイ・ルールを掲載したいと思っている)。
二つ目は、『ガープス・ユエル』の冒険基本パターンの一つ、〈悪魔〉退治シナリオだ。シナリオにくわえて、シティアドベンチャーの作成ガイドも詳しく書かれている。
三つ目は、もう一つの基本パターンである迷宮シナリオだ。迷宮といっても、他のゲームのそれとは、少し違っている。この世界独自の設定である〈カラー・オブ・ネクスト〉によって創られる、不思議な空間(王国と呼ばれる)を探索するのだ。これも、オリジナルシナリオを作りやすくする、独自の解説がついている。
紙幅の都合で、最後には索引しかつけられなかった。本当に申し訳ない。ただ、これ以上ページが増えると、さらに価格が上昇してしまうのだ。サプリメントで、ぜひ判定やキャラクター作成のチャートを出したいと思っている。
さて、第1章から第6章まで、196ページにまとめられたルールブック『ガープス・ユエル』は、いよいよ来週発売される。
ガープスの入門篇としても、独立したRPGとしても、楽しく遊んでもらえるはずだ。
七つの月の世界へようこそ。
そして、無限に広がるガープスの世界へ!
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物語の神シャストアの信徒は、華麗な幻の呪文を操る。
カードを通じてあらわれるのは、真の魔法か小手先の奇術か?
風の女神アルリアナの信徒は、おのれより強い敵を求めて旅をする。
恋も幸せも、彼を引き止められはしない。
守りの神ジェスタに仕えるものは、
難攻不落の城砦のごとく仲間を守り、匠の技で鋼を操る。
水の神リャノの信徒は、音楽をたしなむ。
しかし彼らを怒らせた時、美しい舞曲は、死の伴奏へと変わるであろう。
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