Group SNE
News
About SNE

Products
  ●ソード・ワールド
●六門世界(モンコレ)
●パラサイトブラッド
●エンドブレイカー!
●シルバーレイン
●ファイヤード!
●サンダーストーン
●ガープス
●ゲヘナ
●エムブリオマシン
●ダークブレイズ
●セイクリッド・ドラグーン
●ゴーストハンター
●トンネルズ&トロールズ
●マグナ・スペクトラ
●その他

User Contents
Link
indexに戻る
 
TOP > 製品情報 > ソード・ワールド > ソード・ワールド2.0 キャラクターシートコンテスト

←前のページ 次のページ→

優秀作品選評
■■ コンプリート部門 ■■

 すべてのルールブック、サプリメントに収録されているルールやデータに対応できることが条件とされた、コンプリート部門。
 応募者の大半が、こちらの部門へ挑戦してくれました。
 数多く存在するパラメータやデータを、いかにコンパクトかつ見やすく使いやすい状態でまとめるか、みな本当に思案し、試行錯誤していることがよくわかる作品ばかりでした。
 その中でも、優秀作品に選ばれた2作品は、必要な要素を見事にレイアウトし、わかりやすさや使い勝手もよいという、本当に優れた作品だったと言えるでしょう。

 それでは、それぞれの応募作品を見てみましょう。

 
■ 片桐真之介さんの作品


++ 応募作品 ++
++ 作品解説 12 ++
(※新しいブラウザを開きます)


 片桐さんは、エクセルでの応募でした。
 まずなにより目を引いたのは、その見た目の美しさです。
 グレースケールを巧みに配置したメリハリある表、よく見る項目や書き消しの多い欄を大きく見やすい場所に置くセンスは見事です。
 逆にゲーム中ほとんど変わらない欄は小さめに抑え、ほかのスペースを捻出することに成功しています。特に片桐さんの作品は、1見開きのみで作成されているにもかかわらず、騎獣やファミリアを書き込む欄まで完備。最初見たときは、どうやってこれだけの要素を1見開きにまとめているのか、首をかしげたほどです。

 これだけ有効にスペースを生み出している工夫のひとつは、「能力値」の欄を極力小さくしたことにあります。
 TRPGにおいて、「能力値」はキャラクターの特徴を表す重要な「顔」であり、要素です。そのため、どうしても大きくスペースを取りがちですが、『ソード・ワールド2.0』ではゲーム中に直接使う機会はそう多くありません。
 そこでばっさりとコンパクト化し、他の使用頻度の高い欄を拡張するのに利用した英断に思わずうならされました。

 また、応募作品には、詳細な解説が添付されていたのも印象をよくする大きな材料となりました。中でも「能力値」や戦闘によく使う数値周りにわざと余白を作り、魔法や特殊能力などで数値が変化する際のメモ欄とする発想はとてもおもしろく感じました。確かに実際にゲームをしていれば、ありとあらゆる余白にメモが書き込まれます。それさえ使い勝手、見やすさを考慮して配置する気遣いには脱帽です。

 他にも言語がすでに書き込まれているので欄が小さくても苦にならない、冒険者セットの内容が記載されている、などといった細かい気遣いも多々あり、ほとんど文句の付け所がない仕上がりでした。

 まさしく、優秀作品の名にふさわしい完成度ではないでしょうか。
 
■ ファーファさんの作品


++ 応募作品 12 ++
(※新しいブラウザを開きます)


 ファーファさんは、PDFでの応募でした。
 この作品の第一印象は、実はさほど注意を引くものではありませんでした。先の片桐さんの作品のような飾り気はほとんどなく、非常にシンプルな見た目だったこと、「能力値」周りのレイアウトがルールブック付属のシートからほとんど変化が見られなかったことが原因でしょう。

 しかしすぐに、シートの向きが他の作品と違うことに気づきました。
 そう。このシートは、普通紙を縦に使うところを、横に使っていたのです。



 実はこのシートの向きを横にした応募作は、今回はファーファさんのものだけでした。
 他にも「普段は横向きにして使っているものの、応募規定を見ると縦向きのみのようなので、縦向きにレイアウトし直しました」という方が1名のみいらっしゃいました。
 正直、これは大変申し訳ない気分になりました。

 縦に限定していたわけではなく、我々に紙を横向きに使うという発想がなかっただけなのです!

 紙を横向きにしたことにより、横へ広くスペースが取れるようになっているのが、この作品のなによりの特徴でしょう。
 そして「威力表」を武器欄に記入するため、どうしても横へスペースが欲しくなる『ソード・ワールド2.0』というシステムにとって、むしろ横向きとの相性はバツグンと言えるものでした。

 はじめは、唯一横向きの応募作品という物珍しさで1次選考を通しただけだったのですが、これが2次選考のために使ってみるともう一度びっくり。
 欄の記入のしやすさ、使うときの見やすさもかなりハイレベルにまとまっており、ほぼストレスがありません。一部テストプレイヤーから「その他の修正」「特殊効果による修正」欄の使い方がわからない、という意見も出ましたが、使っていくうちにこれらの欄があることのありがたみはわかってきます(「特殊効果」という用語はないので、この欄の名称はダウンロード版では修正されています)。

 そして、ファーファさんの作品には、もうひとつ驚かされる要素がありました。
 それは、2見開き目の存在です。

 今回の応募規定では、最大2見開きまで使用しても構わないことになっていました。ですから当然、2見開きの作品が1見開きの作品より評価が厳しいということはありません。
 しかし2見開きの応募作品の多くに見られたのが、漫然と入りきらなかった要素を2見開き目に押し出した構造のもの。使い勝手という点で、どうしても1見開き作品に劣っていると言わざるをえませんでした。

 その点、ファーファさんの作品には、ここにも驚きの構造が隠されていました。
 2見開き目のシートは、「練技」「呪歌」「騎芸」「賦術」を使用するためだけに限定されたもの。
 つまりこのシートを使わなければ、エントリー部門の条件もクリアーしていたのです!

 ファーファさんの作品は、「1.シートを横向きにしたことによるスペースの有効活用」「2.書き込みやすさ、使い勝手を考慮したレイアウト」「3.追加要素を別紙にしてしまう大胆さ」の3つの部分で、我々を驚かせてくれたすばらしいものでした。

 結果として、「コンプリート部門」「エントリー部門」の双方で優秀作品に採用させていただきました。まさに脱帽の逸品です。

←前のページ 次のページ→


TOP