2−1.レギュレーション |
「簡易戦闘」「標準戦闘」の2つのレギュレーション提示は、旧ルールからの大きな改訂です。
それぞれのルールとも、従来ルールとはキャラクターの位置管理の方法が異なります。従来ルールでは、二次元でキャラクターの位置を管理することが前提でしたが、『改訂版』で示される2つのレギュレーションは、それより簡単な「3エリアのみの管理」または「一次元での管理」に留められています。
従来ルールと同等の二次元管理における戦闘ルールは、不明瞭だった部分に手を加え、厳密性をより増した形で、「熟練戦闘」レギュレーションとして、『カルディアグレイス』に収録されます。我(ら)こそは達人と自負し、より戦術的に遊びたい人たち向けのレギュレーションです。
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2−2.乱戦宣言の削除 |
従来ルールにあった「乱戦宣言」は、改訂戦闘ルールでは削除されました。乱戦は、自動発生し、キャラクターによる宣言を必要としません。
「簡易戦闘」においては、敵味方が同時に1つのエリアに存在すれば、自動的にそこが乱戦です。
「標準戦闘」では、同一座標の、敵対的なキャラクターへの攻撃や、特殊能力の使用により、自動的に乱戦が発生します。
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2−3.投擲攻撃の変更 |
改訂戦闘ルールでは、射程を持つ攻撃(射撃攻撃)を、「射出武器攻撃」と「投擲攻撃」に分割します。そして、投擲攻撃において、大きく扱いが変わります。次の2点が変更点です。
1.通常移動時でも行うことができる。
2.命中力判定と追加ダメージ計算にファイター技能およびフェンサー技能も用いることができる(むろん、フェンサー技能は、武器の必要筋力が自身の筋力の半分以下でなければならない制限を伴う)。 |
非常に大きなルール改訂となります。注意してください。
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2−4.ダメージという言葉 |
従来ルールでは、「特に説明のない状態で『ダメージ』と説明されているものは、物理ダメージとなります」という記述がありましたが、これは、改訂ルールでは削除されます。「ダメージ」は、広く、HP(MP)が減少する効果の総称です。
なお、前述の文は従来ルールでも、ほぼ適用されることのない定義でした。既刊のルールブックやサプリメントにおいて、「物理ダメージ」とまったく同じ意味で「ダメージ」という言葉を使ったものは、実際には存在していません。逆に、総称としての意味で「ダメージ」を使ったケースのほうが少数ながら存在しています。
そのため、このルール改訂は、既刊のルールブック、サプリメントでの記述に対しても、そのまま適用されます。それらに現れるダメージという言葉は、HP(MP)が減少する効果の総称です。
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2−5.金属鎧によるクリティカル値上昇 |
改訂戦闘ルールでは、金属鎧を着たキャラクターに対する攻撃は、それが物理ダメージを与えるものか、魔法ダメージを与えるものかで、クリティカル値の上昇が発生するかを定めます。
武器攻撃に限らず、どのような魔法・効果でも、物理ダメージを与えるものならば、金属鎧に対するダメージ決定では、クリティカル値は+1されます。
一方、武器攻撃であっても、魔法ダメージを与えるものでは、金属鎧によるクリティカル値上昇は発生しません。
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2−6.「とどめルール」の削除 |
従来ルールでは、気絶などで戦闘不能に陥ってしまったキャラクターに止めを刺したい場合、30秒狙いをつけてそれを行う、いわゆる「とどめルール」が存在しました。しかし、このルールは、本ルールでは削除されました。止めを刺したい場合は、単純に更なるダメージをHPに与えてください。
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2−7.誤射は乱戦エリア内同一座標のみ |
※「標準戦闘」でのみ、意味を持ちます。
従来ルールでは、誤射が起こる条件と対象は、「乱戦エリア内のすべてのキャラクター」でしたが、これが、「乱戦エリア内で同一座標にあるすべてのキャラクター」に改訂されます。
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2−8.「最小サイズ」の変更 |
※「標準戦闘」でのみ、意味を持ちます。
従来ルールでは、乱戦状態のキャラクター数が「2」のときは、乱戦エリアのサイズを半径2mとし、これが最小でしたが、改訂戦闘ルールでは、乱戦エリアの最小サイズは、半径3mであり、キャラクター数「2」の場合も、これで処理することになっています。
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2−9.移動妨害に付随する乱戦エリア形成の削除 |
※「標準戦闘」でのみ、意味を持ちます。
従来ルールでは、手番キャラクターに対して、移動妨害に相当する行為が行われたとき、乱戦エリアが自動発生する処理になっていました。
改訂ルールでは、この処理は行われません。移動妨害は、あくまで手番キャラクターの移動を妨害するだけの効果に留まります。
選択ルールも参照してください。
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2−10.PCによる不意打ちの削除 |
実質的に機会が少ないという理由で、『改訂版』では、PCによる不意打ちのルールは割愛されています。『カルディアグレイス』に、改訂の上、選択ルールとして収録されています。 |